外見 がいけん
金属 きんぞく 色 しょく
一般 いっぱん 特性 とくせい
名称 めいしょう , 記号 きごう , 番号 ばんごう
ヒ素 ひそ , As, 33
分類 ぶんるい
半 はん 金属 きんぞく
族 ぞく , 周期 しゅうき , ブロック
15 , 4 , p
原子 げんし 量 りょう
74.92160 (2)
電子 でんし 配置 はいち
[Ar ] 4s2 3d10 4p3
電子 でんし 殻 から
2, 8, 18, 5(画像 がぞう )
物理 ぶつり 特性 とくせい
相 そう
固体 こたい
密度 みつど (室温 しつおん 付近 ふきん )
5.727 g/cm3
融点 ゆうてん での液体 えきたい 密度 みつど
5.22 g/cm3
昇華 しょうか 点 てん
887 K , 615 °C , 1137 °F
三重 みえ 点 てん
1090 K ( 817 °C ), 3628[2] kPa
臨界 りんかい 点 てん
1673 K , ? MPa
融解 ゆうかい 熱 ねつ
(灰色 はいいろ ヒ素 ひそ )24.44 kJ/mol
蒸発 じょうはつ 熱 ねつ
? 34.76 kJ/mol
熱容量 ねつようりょう
(25 °C ) 24.64 J/(mol·K)
蒸気 じょうき 圧 あつ
圧力 あつりょく (Pa)
1
10
100
1 k
10 k
100 k
温度 おんど (K)
553
596
646
706
781
874
原子 げんし 特性 とくせい
酸化 さんか 数 すう
5 , 3 , 2, 1,[3] -3 (弱 じゃく 酸性 さんせい 酸化 さんか 物 ぶつ )
電気 でんき 陰性 いんせい 度 ど
2.18(ポーリングの値 ね )
イオン化 いおんか エネルギー
第 だい 1: 947.0 kJ/mol
第 だい 2: 1798 kJ/mol
第 だい 3: 2735 kJ/mol
原子 げんし 半径 はんけい
119 pm
共有 きょうゆう 結合 けつごう 半径 はんけい
119 ± 4 pm
ファンデルワールス半径 はんけい
185 pm
その他 た
結晶 けっしょう 構造 こうぞう
三 さん 方 ぽう 晶 あきら 系 けい [1]
磁性 じせい
反 はん 磁性 じせい [4]
電気 でんき 抵抗 ていこう 率 りつ
(20 °C ) 333 nΩ おめが ⋅m
熱 ねつ 伝導 でんどう 率 りつ
(300 K) 50.2 W/(m⋅K)
ヤング率 りつ
8 GPa
体積 たいせき 弾性 だんせい 率 りつ
22 GPa
モース硬度 こうど
3.5
ブリネル硬度 こうど
1440 MPa
CAS登録 とうろく 番号 ばんごう
7440-38-2
主 おも な同位 どうい 体 たい
詳細 しょうさい はヒ素 ひそ の同位 どうい 体 たい を参照 さんしょう
ヒ素 ひそ (ヒそ、砒素 ひそ 、英 えい : arsenic 、羅 ら : arsenicum )は、原子 げんし 番号 ばんごう 33の元素 げんそ 。元素 げんそ 記号 きごう は As 。第 だい 15族 ぞく 元素 げんそ (窒素 ちっそ 族 ぞく 元素 げんそ )の一 ひと つ。
最 もっと も安定 あんてい で金属 きんぞく 光沢 こうたく があるため金属 きんぞく ヒ素 ひそ とも呼 よ ばれる「灰色 はいいろ ヒ素 ひそ 」、ニンニク臭 しゅう があり透明 とうめい なロウ状 じょう の柔 やわ らかい「黄色 おうしょく ヒ素 ひそ 」、黒 くろ リンと同 おな じ構造 こうぞう を持 も つ「黒色 こくしょく ヒ素 ひそ 」と、「四 よん ヒ素 ひそ 」の4つの同素体 どうそたい が存在 そんざい する。灰色 はいいろ ヒ素 ひそ は1気圧 きあつ 下 か において615 °C で昇華 しょうか する。
ファンデルワールス半径 はんけい や電気 でんき 陰性 いんせい 度 ど 等 ひとし さまざまな点 てん でリン に似 に た物理 ぶつり 化学 かがく 的 てき 性質 せいしつ を示 しめ し、それが生物 せいぶつ への毒性 どくせい の由来 ゆらい になっている。
中国 ちゅうごく では天然 てんねん の三 さん 酸化 さんか 二 に ヒ素 ひそ が「砒霜」と呼 よ ばれていた[5] 。
亜 あ ヒ酸 さん を含 ふく む砒石 ひせき は、日本 にっぽん では古 ふる くから「銀 ぎん の毒 どく 」、「石見 いわみ 銀山 ぎんざん ねずみ捕 と り 」などと呼 よ ばれていた。
ヨーロッパでは「愚者 ぐしゃ の毒 どく fool's poison(英 えい )」という異名 いみょう があった。入手 にゅうしゅ が容易 ようい である一方 いっぽう 、体内 たいない に残留 ざんりゅう し容易 ようい に検出 けんしゅつ できることから狡猾 こうかつ な毒殺 どくさつ には用 もち いられないためである[5] 。
遺産 いさん 相続 そうぞく のための殺人 さつじん に利用 りよう されることが多 おお かったので、フランス語 ふらんすご でpoudre de succession(相続 そうぞく の粉薬 こぐすり )という異名 いみょう があった。
ヒ素 ひそ の元素 げんそ 名 めい (arsenic)は、黄色 おうしょく の顔料 がんりょう を意味 いみ するギリシャ語 ご 「arsenikon」に由来 ゆらい するといわれている[6] 。
生物 せいぶつ に対 たい する毒性 どくせい が強 つよ いことを利用 りよう して、農薬 のうやく 、木材 もくざい 防腐 ぼうふ に使用 しよう される。
III-V族 ぞく 半導体 はんどうたい であるヒ化 か ガリウム (GaAs) は、発光 はっこう ダイオード や通信 つうしん 用 よう の高速 こうそく トランジスタ などに用 もち いられている。
ヒ素 ひそ 化合 かごう 物 ぶつ であるサルバルサン は、抗生 こうせい 物質 ぶっしつ のペニシリン が発見 はっけん される以前 いぜん は梅毒 ばいどく の治療 ちりょう 薬 やく であった。
中国 ちゅうごく 医学 いがく では、硫化 りゅうか ヒ素 ひそ である雄 お 黄 き や雌 めす 黄 き はしばしば解毒 げどく 剤 ざい 、抗 こう 炎症 えんしょう 剤 ざい として製剤 せいざい に配合 はいごう される。
ほとんどの生物 せいぶつ にとっては有毒 ゆうどく だが、ヒ素 ひそ を必須 ひっす 元素 げんそ とする生物 せいぶつ も存在 そんざい する。微生物 びせいぶつ のなかに一般 いっぱん 的 てき な酸素 さんそ ではなく、ヒ素 ひそ の酸化 さんか 還元 かんげん 反応 はんのう を利用 りよう して光合成 こうごうせい を行 おこな っているものも存在 そんざい する[7] 。2010年 ねん には、GFAJ-1 という細菌 さいきん が、生体 せいたい 内 ない で使 つか われる核酸 かくさん 等 ひとし のリンの代 か わりにヒ素 ひそ を用 もち いているという発表 はっぴょう があった[8] が、2012年 ねん のサイエンス誌上 しじょう での報告 ほうこく によって主張 しゅちょう は完全 かんぜん に否定 ひてい されている[9] [10] [11] [12] 。
ヒ素 ひそ
危険 きけん 性 せい
EU分類 ぶんるい
T 有毒 ゆうどく X 有害 ゆうがい N 環境 かんきょう への危険 きけん 性 せい
特記 とっき なき場合 ばあい 、データは常温 じょうおん (25 °C )・常 つね 圧 あつ (100 kPa) におけるものである。
単体 たんたい ヒ素 ひそ およびほとんどのヒ素 ひそ 化合 かごう 物 ぶつ は、人体 じんたい に対 たい して非常 ひじょう に有害 ゆうがい である。特 とく に化合 かごう 物 ぶつ は毒性 どくせい の強 つよ い物 もの が多 おお い。また、単体 たんたい ヒ素 ひそ はかつては無毒 むどく もしくは弱毒 じゃくどく とされていたが、現在 げんざい ではかなりの猛毒 もうどく であることが確認 かくにん されている。
ヒ素 ひそ およびヒ素 ひそ 化合 かごう 物 ぶつ は WHO の下部 かぶ 機関 きかん IARC より発癌 はつがん 性 せい がある(Type1)と勧告 かんこく されている(後述 こうじゅつ )。飲 の み込 こ んだ際 さい の急性 きゅうせい 症状 しょうじょう は、消化 しょうか 管 かん の刺激 しげき によって、吐 は き気 け 、嘔吐 おうと 、下痢 げり 、激 はげ しい腹痛 はらいた などがみられ、ショック状態 じょうたい から死亡 しぼう する。多量 たりょう に摂取 せっしゅ すると、嘔吐 おうと 、腹痛 はらいた 、口渇 こうかつ 、下痢 げり 、浮腫 ふしゅ 、充血 じゅうけつ 、着色 ちゃくしょく 、角 かく 化 か などの症状 しょうじょう を引 ひ き起 お こす。慢性 まんせい 症状 しょうじょう は、剥離 はくり 性 せい の皮膚 ひふ 炎 えん や過度 かど の色素 しきそ 沈着 ちんちゃく 、骨髄 こつづい 障害 しょうがい 、末梢 まっしょう 性 せい 神経 しんけい 炎 えん 、黄疸 おうだん 、腎不全 じんふぜん など。
慢性 まんせい ヒ素 ひそ 中毒 ちゅうどく による皮膚 ひふ 病変 びょうへん としては、ボーエン病 びょう が有名 ゆうめい である。単体 たんたい ヒ素 ひそ 及 およ びヒ素 ひそ 化合 かごう 物 ぶつ は、毒物 どくぶつ 及 およ び劇 げき 物 ぶつ 取締 とりしまり 法 ほう により医薬 いやく 用 よう 外 がい 毒物 どくぶつ に指定 してい されている。日 にち 中 ちゅう 戦争 せんそう 中 なか 、日本 にっぽん 軍 ぐん では嘔吐 おうと 性 せい のくしゃみ剤 ざい ジフェニルシアノアルシン が多 おお く保有 ほゆう されていたが、これは砒素 ひそ を含 ふく む毒 どく ガス である。
一方 いっぽう でヒ素 ひそ 化合 かごう 物 ぶつ は人体 じんたい 内 ない にごく微量 びりょう が存在 そんざい しており、生存 せいぞん に必要 ひつよう な微量 びりょう 必須 ひっす 元素 げんそ であると考 かんが えられている[13] [14] 。ただしこれは、一部 いちぶ の無毒 むどく の有機 ゆうき ヒ素 ひそ 化合 かごう 物 ぶつ の形 かたち でのことである。低 てい 毒性 どくせい の、あるいは生体 せいたい 内 ない で無毒 むどく 化 か される有機 ゆうき ヒ素 ひそ 化合 かごう 物 ぶつ にはメチルアルソン酸 さん やジメチルアルシン酸 さん などがあり、カキ 、クルマエビ などの魚介類 ぎょかいるい やヒジキ などの海草 かいそう 類 るい に多 おお く含 ふく まれる。さらにエビ には高度 こうど に代謝 たいしゃ されたアルセノベタイン として高 こう 濃度 のうど 存在 そんざい している。人体 じんたい に必要 ひつよう な量 りょう はごく少 すく なく自然 しぜん に摂取 せっしゅ されると考 かんが えられ、また少量 しょうりょう の摂取 せっしゅ でも毒性 どくせい が発現 はつげん するため、サプリメント として積極 せっきょく 的 てき に摂 と る必要 ひつよう はない。
亜 あ ヒ酸 さん を含 ふく む火 ひ 石 せき は、日本語 にほんご では古 ふる くから「銀 ぎん の毒 どく 」、「石見 いわみ 銀山 ぎんざん ねずみ捕 と り 」などと呼 よ ばれ、殺鼠剤 さっそざい や暗殺 あんさつ に用 もち いられていた。
宮崎 みやざき 県 けん の高千穂 たかちほ 町 まち の山 やま あい土呂 とろ 久 ひさ では、亜 あ ヒ酸 さん 製造 せいぞう が行 おこな われていた。この地区 ちく の住民 じゅうみん に現 あらわ れた慢性 まんせい 砒素 ひそ 中毒 ちゅうどく 症 しょう は、公害 こうがい 病 びょう に認定 にんてい された。症状 しょうじょう としては、暴露 ばくろ 後 ご 数 すう 十 じゅう 年 ねん して、皮膚 ひふ の雨 あま だれ様 さま の色素 しきそ 沈着 ちんちゃく や白斑 はくはん 、手 て 掌 てのひら 、足 あし 底 そこ の角 かく 化 か 、ボーエン病 びょう 、およびそれに続発 ぞくはつ する皮膚 ひふ 癌 がん 、呼吸 こきゅう 器 き 系 けい の肺癌 はいがん 、泌尿器 ひにょうき 系 けい の癌 がん がある。発生 はっせい 当時 とうじ は、砒素 ひそ を焼 や く煙 けむり がV字 じ 型 がた の谷 たに に低 ひく く垂 た れ込 こ め、河川 かせん や空気 くうき を汚染 おせん したものと考 かんが えられた。上 うえ に記 しる した症状 しょうじょう は、特 とく に広範 こうはん な皮膚 ひふ 症状 しょうじょう は、環境 かんきょう による慢性 まんせい 砒素 ひそ 中毒 ちゅうどく を考 かんが えるべき重要 じゅうよう な症状 しょうじょう である。この症状 しょうじょう が重要 じゅうよう であり、長年 ながねん 月 がつ 経過 けいか すれば、病変 びょうへん 、皮膚 ひふ 、毛髪 もうはつ 、爪 つめ などには、砒素 ひそ を検出 けんしゅつ しない。
上流 じょうりゅう に天然 てんねん のヒ素 ひそ 化合 かごう 物 ぶつ 鉱床 こうしょう がある河川 かせん は、ヒ素 ひそ で汚染 おせん されているため、高 こう 濃度 のうど の場合 ばあい 、流域 りゅういき の水 みず を飲 の むことは服毒 ふくどく するに等 ひと しい自殺 じさつ 行為 こうい である。低 てい 濃度 のうど であっても蓄積 ちくせき するので、長期 ちょうき 飲用 いんよう は中毒 ちゅうどく を発症 はっしょう する。慢性 まんせい 砒素 ひそ 中毒 ちゅうどく は、例 たと えば井戸 いど の汚染 おせん などに続発 ぞくはつ して、単発 たんぱつ 的 てき に発生 はっせい することもある。このような河川 かせん は、中東 ちゅうとう など世界 せかい に若干 じゃっかん 存在 そんざい する。砒素 ひそ 中毒 ちゅうどく で最 もっと も有名 ゆうめい なのは台湾 たいわん の例 れい であり、足 あし の黒 くろ 化 か 、皮膚 ひふ 癌 がん が見 み られた。汚染 おせん が深刻 しんこく なバングラデシュ では、皮膚 ひふ 症状 しょうじょう 、呼吸 こきゅう 器 き 症状 しょうじょう 、内臓 ないぞう 疾患 しっかん をもつ患者 かんじゃ が増 ふ えている。ガンで亡 な くなるケースも報告 ほうこく されている。中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく の奥地 おくち にもみられ、日本 にっぽん の皮膚 ひふ 科 か 医 い が調査 ちょうさ している。
IARC発 はつ がん性 せい リスク一覧 いちらん で、ヒ素 ひそ およびヒ素 ひそ 化合 かごう 物 ぶつ は最 もっと もリスクが高 たか い「グループ1」に分類 ぶんるい されている。
2004年 ねん には、イギリス食品 しょくひん 規格 きかく 庁 ちょう がヒジキ に無機 むき ヒ素 ひそ が多 おお く含 ふく まれるため食用 しょくよう にしないよう国民 こくみん に勧告 かんこく した。これに対 たい し、日本 にっぽん の厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう はヒジキに含 ふく まれるヒ素 ひそ は極 きわ めて微量 びりょう であるため、一般 いっぱん 的 てき な範囲 はんい では食用 しょくよう にしても問題 もんだい はないという見解 けんかい を出 だ している[15] 。
日本 にっぽん の疫学 えきがく 調査 ちょうさ では、食物 しょくもつ から摂取 せっしゅ されるヒ素 ひそ は、喫煙 きつえん 男性 だんせい の肺 はい がん のリスクを高 たか めたが、それ以外 いがい の人 ひと の肺 はい がんリスクは高 たか めなかった。調査 ちょうさ 対象 たいしょう 者 しゃ についての総 そう ヒ素 ひそ の平均 へいきん 摂取 せっしゅ 量 りょう は170μ みゅー g/日 にち と推計 すいけい され、日本人 にっぽんじん の総 そう ヒ素 ひそ 平均 へいきん 摂取 せっしゅ 量 りょう の178μ みゅー g/日 にち とほぼ同 おな じであった[16] 。
スウェーデン食品 しょくひん 局 きょく は、2015年 ねん に6歳 さい 未満 みまん の乳幼児 にゅうようじ に、コメ やコメ製品 せいひん を与 あた えないように勧告 かんこく しており、大人 おとな でも「毎日 まいにち 食 た べるべきではない」としている[17] 。
土壌 どじょう 汚染 おせん 対策 たいさく 法 ほう において、ヒ素 ひそ およびその化合 かごう 物 ぶつ は第 だい 2種 しゅ 特定 とくてい 有害 ゆうがい 物質 ぶっしつ に定 さだ められている。
13世紀 せいき にアルベルトゥス・マグヌス により発見 はっけん されたとされる[18] 。
ヒ素 ひそ は無味 むみ 無臭 むしゅう かつ、無色 むしょく な毒 どく であるため、しばしば暗殺 あんさつ の道具 どうぐ として用 もち いられた。ルネサンス 時代 じだい にはローマ教皇 きょうこう アレクサンデル6世 せい (1431年 ねん - 1503年 ねん )と息子 むすこ チェーザレ・ボルジア (1475年 ねん - 1507年 ねん )はヒ素 ひそ 入 い りのワイン によって、次々 つぎつぎ と政敵 せいてき を暗殺 あんさつ したとされる。中国 ちゅうごく でも天然 てんねん の三 さん 酸化 さんか 二 に ヒ素 ひそ が「砒霜」の名 な でしばしば暗殺 あんさつ の場 ば に登場 とうじょう する。例 たと えば、『水 みず 滸伝 』で潘 はん 金 きむ 蓮 れん が武 たけ 大 だい 郎 ろう を殺害 さつがい するのに使用 しよう したのも「砒霜」である。古代 こだい ギリシアや古代 こだい ローマ時代 じだい から暗殺 あんさつ などに使 つか われていたとされることもある[5] 。
かつてハエ取 と り紙 し には殺虫 さっちゅう 用 よう としてヒ素 ひそ が含有 がんゆう されていたことから、フローレンス・メーブリック のように抽出 ちゅうしゅつ して使用 しよう する者 もの もいた。
日本 にっぽん では1968年 ねん 、農薬 のうやく としての砒素 ひそ の残留 ざんりゅう 許容 きょよう 量 りょう が定 さだ められた。この時点 じてん の基準 きじゅん 量 りょう はリンゴ 3.5ppm、ブドウ 、キュウリ 、トマト が1.0ppmとされた[19] 。
無機 むき ヒ素 ひそ は容易 ようい に水素 すいそ 化物 ばけもの として気化 きか する。このため、無機 むき 及 およ び全 ぜん ヒ素 ひそ の分析 ぶんせき 法 ほう では専 もっぱ ら強酸 きょうさん 分解 ぶんかい 試料 しりょう に水素 すいそ 化 か 試薬 しやく を加 くわ え、生成 せいせい 気化 きか したアルシン を原子 げんし 吸光法 ほう 、誘導 ゆうどう 結合 けつごう プラズマ発光 はっこう (ICP) 法 ほう 、ICP質量 しつりょう 分析 ぶんせき (ICP-MS ) 法 ほう で測定 そくてい するか、吸収 きゅうしゅう 液 えき で捕 と 集 だか し吸光度 ど 法 ほう で測定 そくてい する。感度 かんど は ICP-MS法 ほう > ICP法 ほう > 原子 げんし 吸光法 ほう > 吸光度 こうど 法 ほう の順 じゅん に高 こう 感度 かんど である。原子 げんし 吸光法 ほう では装置 そうち のバーナヘッド部 ぶ を加熱 かねつ セルに交換 こうかん するか、バックグラウンド吸収 きゅうしゅう が低 ひく いアルゴン -水素 すいそ 炎 ほのお を用 もち いる。感度 かんど ・精度 せいど ともアルゴン-水素 すいそ 炎 えん よりも加熱 かねつ セルを採用 さいよう した方 ほう が優 すぐ れている。有機 ゆうき ヒ素 ひそ 化合 かごう 物 ぶつ の分析 ぶんせき では、未 み 分解 ぶんかい の試料 しりょう を溶媒 ようばい で抽出 ちゅうしゅつ 後 ご 、HPLC で分離 ぶんり し ICP-MS で検出 けんしゅつ する方法 ほうほう が採用 さいよう される。
全 ぜん ヒ素 ひそ の分析 ぶんせき 手順 てじゅん は概 おおむ ね次 つぎ のようなものである。
試料 しりょう を強酸 きょうさん 分解 ぶんかい する。硝酸 しょうさん -過 か 塩素 えんそ 酸 さん 、硝酸 しょうさん -硫酸 りゅうさん 、硝酸 しょうさん -過 か 塩素 えんそ 酸 さん -硫酸 りゅうさん のような混 こん 酸 さん が用 もち いられる。
分解 ぶんかい 液 えき を水素 すいそ 化物 ばけもの 発生 はっせい 装置 そうち の試料 しりょう 容器 ようき に採 と る。
これに塩酸 えんさん 、ヨウ化 か カリウム 、塩化 えんか スズ(II) を加 くわ え、しばらく放置 ほうち する。この操作 そうさ でヒ素 ひそ (V)をヒ素 ひそ (III)に還元 かんげん する。
さらに水素 すいそ 化 か 試薬 しやく (水素 すいそ 化 か ホウ素 ほうそ ナトリウム 、亜鉛 あえん 粉末 ふんまつ 等 とう )を加 くわ え、試料 しりょう 容器 ようき を密閉 みっぺい する。
水素 すいそ 化 か ヒ素 ひそ が気 き 相 しょう に追 お い出 だ されてくる。
気 き 相 しょう を原子 げんし 吸光分析 ぶんせき 装置 そうち に導入 どうにゅう する。
波長 はちょう 193.7 nmの吸光度 こうど を測定 そくてい する。
アルゴン-水素 すいそ 炎 えん で測定 そくてい する場合 ばあい は、通常 つうじょう のスロットバーナで可能 かのう 。バーナヘッド部 ぶ を加熱 かねつ セルに変更 へんこう した場合 ばあい は、セル温度 おんど を950 °C に設定 せってい する。
一昔 ひとむかし 前 まえ は水素 すいそ 化 か ヒ素 ひそ 発生 はっせい 装置 そうち の操作 そうさ が面倒 めんどう であったが、最近 さいきん はオートサンプラ付 つ きの自動 じどう 水素 すいそ 化物 ばけもの 発生 はっせい 装置 そうち が市販 しはん されている。試薬 しやく の濃度 のうど や組合 くみあわ せを変更 へんこう すれば鉛 なまり 、セレン 、アンチモン 等 ひとし の分析 ぶんせき にも対応 たいおう できるなど、とても簡便 かんべん になっている。
ヒ素 ひそ 鉱石 こうせき を構成 こうせい する鉱石 こうせき 鉱物 こうぶつ には、次 つぎ のようなものがある。
^ Arsenic , mindat.org
^ Gokcen, N. A (1989). “The As (arsenic) system”. Bull. Alloy Phase Diagrams 10 : 11–22. doi :10.1007/BF02882166 .
^ Ellis, Bobby D. (2004). “Stabilized Arsenic(I) Iodide: A Ready Source of Arsenic Iodide Fragments and a Useful Reagent for the Generation of Clusters”. Inorganic Chemistry 43 : 5981. doi :10.1021/ic049281s .
^ editor-in-chief, David R. Lide. (2000). “Magnetic susceptibility of the elements and inorganic compounds” . Handbook of Chemistry and Physics (81 ed.). CRC press. ISBN 0849304814 . オリジナル の2012年 ねん 1月 がつ 12日 にち 時点 じてん におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120112012253/http://www-d0.fnal.gov/hardware/cal/lvps_info/engineering/elementmagn.pdf
^ a b c 英国 えいこく 、「ひじき」を食 た べないよう勧告 かんこく …ヒ素 ひそ 含有 がんゆう 、肉 にく ・魚介 ぎょかい ・野菜 やさい 等 とう にも含有 がんゆう ビジネスジャーナル
^ 桜井 さくらい 弘 ひろし 『元素 げんそ 111の新 しん 知識 ちしき 』講談社 こうだんしゃ 、1998年 ねん 、177頁 ぺーじ 。ISBN 4-06-257192-7 。
^ T. R. Kulp, et al., "Arsenic(III) Fuels Anoxygenic Photosynthesis in Hot Spring Biofilms from Mono Lake, California", Science 321 , 967 (2008). doi :10.1126/science.1160799
^ 「砒素 ひそ で生 い きる細菌 さいきん を発見 はっけん 」の意味 いみ 、WIRED.jp、2010年 ねん 12月3日 にち 。
^ http://usatoday30.usatoday.com/tech/science/story/2012-07-07/arsenic-microbe/56098788/1
^ http://www.sciencemag.org/content/337/6093/467
^ http://www.nature.com/news/arsenic-loving-bacterium-needs-phosphorus-after-all-1.10971
^ http://www.philly.com/philly/blogs/evolution/Bad-Science-More-Bovine-Waste-from-the-Arsenic-Bacteria-Team.html
^ 生体 せいたい と金属 きんぞく (愛知 あいち 県 けん 衛生 えいせい 研究所 けんきゅうじょ )
^ 身 み の回 まわ りのヒ素 ひそ とアンチモンの化合 かごう 物 ぶつ と環境 かんきょう 影響 えいきょう (鹿児島大学 かごしまだいがく 工学部 こうがくぶ 生体 せいたい 工学科 こうがっか 前田 まえだ 滋 しげる )
^ ヒジキ中 ちゅう のヒ素 ひそ に関 かん するQ&A (厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう )
^ 食事 しょくじ からのヒ素 ひそ 摂取 せっしゅ 量 りょう とがん罹患 りかん との関連 かんれん について 、多目的 たもくてき コホート研究 けんきゅう 、独立 どくりつ 行政 ぎょうせい 法人 ほうじん 国立 こくりつ がん研究 けんきゅう センター、がん予防 よぼう ・検診 けんしん 研究 けんきゅう センター 予防 よぼう 研究 けんきゅう グループ
^ “【食 しょく の安全 あんぜん 考 こう 】玄米 げんまい のとりすぎはがんになる? コメの安全 あんぜん 性 せい に世界 せかい が厳 きび しい目 め その真相 しんそう は…(2/3ページ)” . 産経新聞 さんけいしんぶん . (2016年 ねん 1月 がつ 10日 とおか ). https://www.sankei.com/article/20160110-VJKSPI3NM5OCNGFWQFNHOSD42A/2/
^ 前田 まえだ 正史 せいし (2005), 研究 けんきゅう 課題 かだい 「循環 じゅんかん 型 がた 社会 しゃかい における問題 もんだい 物質 ぶっしつ 群 ぐん の環境 かんきょう 対応 たいおう 処理 しょり 技術 ぎじゅつ と社会 しゃかい 的 てき 解決 かいけつ 」研究 けんきゅう 実施 じっし 終了 しゅうりょう 報告 ほうこく 書 しょ , 社会 しゃかい 技術 ぎじゅつ 研究 けんきゅう 開発 かいはつ 事業 じぎょう ・公募 こうぼ 型 がた プログラム 研究 けんきゅう 領域 りょういき 「循環 じゅんかん 型 がた 社会 しゃかい 」, 科学 かがく 技術 ぎじゅつ 振興 しんこう 機構 きこう 社会 しゃかい 技術 ぎじゅつ 研究 けんきゅう 開発 かいはつ センター, p. 8, https://web.archive.org/web/20150419134830/http://www.ristex.jst.go.jp/result/circulation/pdf/env01.pdf 2009年 ねん 7月 がつ 18日 にち 閲覧 えつらん 。
^ 残留 ざんりゅう 農薬 のうやく から食卓 しょくたく 守 まも る 四 よん 食品 しょくひん に許容 きょよう 量 りょう 『朝日新聞 あさひしんぶん 』1968年 ねん (昭和 しょうわ 48年 ねん )3月 がつ 21日 にち 夕刊 ゆうかん 3版 はん 11面 めん
ウィキメディア・コモンズには、
ヒ素 ひそ に
関連 かんれん するカテゴリがあります。
典型 てんけい 七 なな 公害 こうがい
公害 こうがい 事件 じけん
四 よん 大 だい 公害 こうがい 事件 じけん その他 た 公害 こうがい 事件 じけん 公害 こうがい に関 かん する事件 じけん
汚染 おせん 物質 ぶっしつ
行政 ぎょうせい 組織 そしき 法律 ほうりつ 関連 かんれん 概念 がいねん
カテゴリ