この項目 こうもく では、地震 じしん や噴火 ふんか 現象 げんしょう によって発生 はっせい する津波 つなみ について説明 せつめい しています。その他 た の用法 ようほう については「ツナミ 」をご覧 らん ください。
2011年 ねん の東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん の際 さい に発生 はっせい した津波 つなみ によって水没 すいぼつ した仙台 せんだい 港 こう 付近 ふきん の上空 じょうくう からの写真 しゃしん 。JX日鉱 にっこう 日石 にっせき エネルギー仙台 せんだい 製油 せいゆ 所 しょ より黒 くろ 煙 けむり が上 あ がっている。
2004年 ねん スマトラ島 すまとらとう 沖 おき 地震 じしん の際 さい に発生 はっせい した津波 つなみ が到達 とうたつ した瞬間 しゅんかん のタイ王国 おうこく アオナン の海岸 かいがん 。
津波 つなみ の発生 はっせい 原理 げんり を示 しめ す図 ず
三 さん 次元 じげん の津波 つなみ シミュレーション動画 どうが
津波 つなみ (つなみ、英語 えいご : Tsunami )は、地震 じしん や火山 かざん 活動 かつどう 、山 やま 体 たい 崩壊 ほうかい に起因 きいん する海底 かいてい ・海岸 かいがん 地形 ちけい の自然 しぜん 環境 かんきょう の急変 きゅうへん により、海洋 かいよう に生 しょう じる大 だい 規模 きぼ な波 なみ の伝播 でんぱ 現象 げんしょう である。まれに隕石 いんせき 衝突 しょうとつ が原因 げんいん となったり、湖 みずうみ で発生 はっせい したりすることもある。なお、津波 つなみ (tsunami)は通常 つうじょう は地殻 ちかく 変動 へんどう 要因 よういん の現象 げんしょう を指 さ し、気象 きしょう 要因 よういん の現象 げんしょう 、特 とく にプラウドマン共鳴 きょうめい により増幅 ぞうふく された海洋 かいよう 長波 ちょうは は気象 きしょう 津波 つなみ として区別 くべつ する[1] 。
1波 は 1波 は の間隔 かんかく である波長 はちょう が非常 ひじょう に長 なが く、波高 はこう が巨大 きょだい になりやすいことが特徴 とくちょう である。地震 じしん による津波 つなみ では波長 はちょう 600 km 、波高 はこう 5 m 超 ちょう のものが生 しょう じた事 こと がある(津波 つなみ が陸上 りくじょう に達 たっ するとこの値 ね は大 おお きく変 か わる)[2] 。
津波 つなみ という現象 げんしょう は、例 たと えるならば大量 たいりょう の海水 かいすい による洪水 こうずい の様 よう な現象 げんしょう [3] であり、気象 きしょう など他 た の要因 よういん で生 しょう じる波 なみ とは性質 せいしつ が大 おお きく異 こと なる。大 おお きな津波 つなみ は浮遊 ふゆう 物 ぶつ と共 とも に陸 りく 深 しん くに浸入 しんにゅう し、沿岸 えんがん 住民 じゅうみん の水死 すいし や市街 しがい ・村落 そんらく の破壊 はかい など、種々 しゅじゅ の災害 さいがい を発生 はっせい させる。
20世紀 せいき 後半 こうはん 以降 いこう 英語 えいご : "Tsunami" [注 ちゅう 1] は、世界 せかい で広 ひろ く一般 いっぱん にも使用 しよう される共通 きょうつう 語 ご になった。そもそも日本語 にほんご における「津波 つなみ 」の語源 ごげん (後述 こうじゅつ )は、沖 おき で被害 ひがい が出 で なくても津 つ (=港 みなと )で大 おお きな被害 ひがい が出 で ることからきている。
津波 つなみ は、沖合 おきあい から海岸 かいがん に近 ちか づき海底 かいてい が浅 あさ くなるにつれて波高 はこう が高 たか くなり、海岸 かいがん 線 せん では沖合 おきあい の数 すう 倍 ばい に達 たっ する。湾口 わんこう で2 mのものが湾 わん 奥 おく で5 m超 ちょう になった事例 じれい もある[4] 。また海底 かいてい が浅 あさ くなるにつれて波長 はちょう は短 みじか くなるが、海岸 かいがん 線 せん でも数 すう 百 ひゃく m - 数 かず km程度 ていど ある[5] 。
上陸 じょうりく した津波 つなみ は、依然 いぜん として大 おお きな水圧 すいあつ を伴 ともな った高速 こうそく の波 なみ として数 すう 分 ふん から数 すう 十 じゅう 分 ぶん の間 あいだ 押 お し寄 よ せ続 つづ けたら(押 お し波 は )、今度 こんど は海水 かいすい を沖 おき へ引 ひ きずり続 つづ け(引 び き波 は )、しばらくしたら再 ふたた び押 お し寄 よ せて(押 お し波 は )、という具合 ぐあい に押 お し引 び きを繰 く り返 かえ し、やがて減衰 げんすい していく。大 おお きな津波 つなみ は、陸上 りくじょう にある建物 たてもの 、物品 ぶっぴん 、そして人間 にんげん を押 お し流 なが し、景色 けしき を一変 いっぺん させ甚大 じんだい な被害 ひがい をもたらすことがある。また大 おお きな津波 つなみ は海岸 かいがん に続 つづ く河川 かせん を遡 さかのぼ るほか、海上 かいじょう でも被害 ひがい をもたらすことがある[5] 。
特 とく にリアス式海岸 りあすしきかいがん の湾 わん 奥 おく では狭 せま く細長 ほそなが く深 ふか い湾 わん が津波 つなみ の威力 いりょく を集積 しゅうせき させる。また海 うみ に突 つ き出 で た岬 みさき の先端 せんたん では周囲 しゅうい からの回 まわ り込 こ みの波 なみ が重 かさ なるため、他 た の海岸 かいがん に比 くら べて同 おな じ津波 つなみ でも被害 ひがい が大 おお きく、より小 ちい さな津波 つなみ でも被害 ひがい を受 う けることが知 し られている[4] [6] 。
また海岸 かいがん では、日本 にっぽん の三陸海岸 さんりくかいがん の港町 みなとちょう のように津波 つなみ を防 ふせ ぐために防潮 ぼうちょう 堤 つつみ 、あるいは通常 つうじょう の波浪 はろう を防 ふせ ぐなどの目的 もくてき で堤防 ていぼう が築 きず かれている海岸 かいがん があり、これらは津波 つなみ の被害 ひがい を軽減 けいげん する役割 やくわり を果 は たす。一 いち 例 れい として、2011年 ねん に発生 はっせい した東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん (M 9.0を観測 かんそく )に伴 ともな う津波 つなみ は沿岸 えんがん の広 ひろ い範囲 はんい に甚大 じんだい な被害 ひがい をもたらしたが、岩手 いわて 県 けん 下閉伊 しもへい 郡 ぐん 普代 ふだい 村 むら の普代 ふだい 水門 すいもん と太田名部 おおたなべ 防潮 ぼうちょう 堤 つつみ (ともに高 たか さ15.5 m)や同 どう 県 けん 九戸 くのへ 郡 ぐん 洋 よう 野 の 町 まち の防潮 ぼうちょう 堤 つつみ (高 たか さ12 m)は決壊 けっかい せず、津波 つなみ の影響 えいきょう を大幅 おおはば に減衰 げんすい させて集落 しゅうらく 進入 しんにゅう を防 ふせ いだ結果 けっか 、軽微 けいび な被害 ひがい にとどまっており、特 とく に普代 ふだい 村 むら においては被災 ひさい 民家 みんか および死者 ししゃ は発生 はっせい しなかった[7] [8] [9] [10] 。
その一方 いっぽう で、津波 つなみ 被害 ひがい をカバー出来 でき ず、人々 ひとびと が防潮 ぼうちょう 堤 つつみ があることで「楽観 らっかん バイアス」がかかった結果 けっか 、甚大 じんだい な被害 ひがい を出 だ す事態 じたい もある。防潮 ぼうちょう 堤 つつみ の高 たか さや強度 きょうど が不足 ふそく している場合 ばあい のほか、津波 つなみ を起 お こした地震 じしん で損壊 そんかい したり地盤 じばん 沈下 ちんか により海面 かいめん が上昇 じょうしょう したりして、堤防 ていぼう の機能 きのう が弱 よわ まることがある。また防潮 ぼうちょう 堤 つつみ などにある水門 すいもん は、人 ひと が駆 か けつけることができない場合 ばあい や、停電 ていでん の影響 えいきょう で閉 し められないことがある。こうした事例 じれい から、防潮 ぼうちょう 堤 つつみ による津波 つなみ 対策 たいさく を再考 さいこう する動 うご きもある[11] 。
津波 つなみ をもたらす原因 げんいん [ 編集 へんしゅう ]
海底 かいてい 地形 ちけい や海水 かいすい の体積 たいせき の短時間 たんじかん での変化 へんか 、海水 かいすい への衝撃波 しょうげきは によって引 ひ き起 お こされる非常 ひじょう に長 なが 周期 しゅうき の波 なみ である[注 ちゅう 2] 。
海 うみ における津波 つなみ の発生 はっせい 原因 げんいん として、海底 かいてい で接触 せっしょく し合 あ っているプレート 同士 どうし の弾性 だんせい 反発 はんぱつ に起因 きいん する急激 きゅうげき なずれ、つまり浅海 せんかい 底 そこ での地震 じしん が最 もっと も大 おお きな割合 わりあい を占 し める。このほか、海岸 かいがん 地域 ちいき で起 お こる地滑 じすべ り 、海底 かいてい 火山 かざん の活動 かつどう 、海底 かいてい 地 じ すべり などの地質 ちしつ 学 がく 的 てき な要因 よういん があげられる。また、過去 かこ においては後述 こうじゅつ するように海洋 かいよう への隕石 いんせき の落下 らっか により引 ひ き起 お こされた事例 じれい も確認 かくにん されている。
地震 じしん による津波 つなみ [ 編集 へんしゅう ]
津波 つなみ の原因 げんいん として最 もっと も一般 いっぱん 的 てき なものは、海底 かいてい 地震 じしん すなわち震源 しんげん 地 ち が海底 かいてい である大 だい 地震 じしん であり、記録 きろく に残 のこ る津波 つなみ の大 だい 部分 ぶぶん はこれによるものである。
地震 じしん 前 まえ のプレートの沈 しず み込 こ み。重 おも い海洋 かいよう プレートが大陸 たいりく プレートの下 した に沈 しず み込 こ む。
プレートの歪 ゆが みと隆起 りゅうき 。海洋 かいよう プレートは大陸 たいりく プレートの先端 せんたん を押 お し込 こ みながら沈 しず み込 こ む。大陸 たいりく プレートの内側 うちがわ 上部 じょうぶ は隆起 りゅうき する。
地震 じしん の発生 はっせい 。一瞬 いっしゅん にして大陸 たいりく プレートの先端 せんたん が隆起 りゅうき し、津波 つなみ を生 しょう じる。大陸 たいりく プレートの内側 うちがわ 上部 じょうぶ は沈降 ちんこう する。
津波 つなみ の伝播 でんぱ 。両側 りょうがわ に津波 つなみ が広 ひろ がっていく。
断層 だんそう が活動 かつどう して地震 じしん が発生 はっせい した時 とき に、海底 かいてい にまで断層 だんそう のずれが達 たっ して海底 かいてい 面 めん が上下 じょうげ に変化 へんか すると非 ひ 圧縮 あっしゅく 性 せい 流体 りゅうたい である海水 かいすい が上下 じょうげ に移動 いどう させられてその地形 ちけい 変化 へんか が海面 かいめん に現 あら われ水位 すいい の変動 へんどう がうねりとなって周囲 しゅうい に広 ひろ がっていき、津波 つなみ となる[12] 。地震 じしん の揺 ゆ れ(地震動 じしんどう 、地震 じしん 波 は )で生 しょう じる海 うみ 震 ふるえ とは異 こと なる。大 だい 地震 じしん においては、数 すう 十 じゅう kmから時 とき に1,000 kmを超 こ える長 なが さ、数 すう 十 じゅう kmから数 すう 百 ひゃく kmの幅 はば の範囲 はんい で、数 すう 十 じゅう cmから数 すう 十 じゅう mという規模 きぼ で、数 すう 十 じゅう 秒 びょう から数 すう 分 ぶん の間 あいだ に、海底 かいてい が一気 いっき に起 お きる。この体積 たいせき 変化 へんか のエネルギーは巨大 きょだい で波長 はちょう が非常 ひじょう に長 なが いため、ほとんど失 うしな われることなく海水 かいすい 面 めん の隆起 りゅうき や沈降 ちんこう に変換 へんかん されて津波 つなみ を生 しょう じる[5] 。
正 せい 断層 だんそう による海底 かいてい の沈降 ちんこう によっても、逆 ぎゃく 断層 だんそう による隆起 りゅうき によっても津波 つなみ は起 お こる。マグニチュード 8級 きゅう の地震 じしん では震源 しんげん 域 いき の長 なが さが100 km以上 いじょう になる事 こと もあり、それに伴 ともな う地形 ちけい 変化 へんか も広 ひろ い面積 めんせき になるので、広範囲 こうはんい の海水 かいすい が動 うご いて大 だい 規模 きぼ な津波 つなみ を起 お こす。ただし、後述 こうじゅつ の津波 つなみ 地震 じしん 等 ひとし の津波 つなみ を巨大 きょだい 化 か させる別 べつ の原理 げんり があるため、地震 じしん の大 おお きさ・揺 ゆ れの大 おお きさと津波 つなみ の大 おお きさは、必 かなら ずしも比例 ひれい していないため防災 ぼうさい 上 じょう 注意 ちゅうい が必要 ひつよう である。津波 つなみ という現象 げんしょう の発生 はっせい には海底 かいてい の地形 ちけい が大 おお きく変 か わる事 こと が重要 じゅうよう で、大 だい 地震 じしん による海底 かいてい の断層 だんそう とそれによる隆起 りゅうき や沈降 ちんこう は最 もっと も津波 つなみ を起 お こしやすい現象 げんしょう といえる。ただし、海底 かいてい の断層 だんそう 運動 うんどう があっても、横 よこ ずれが卓越 たくえつ し隆起 りゅうき や沈降 ちんこう がなければ大 おお きな津波 つなみ は発生 はっせい しない。原理 げんり は、入浴 にゅうよく 中 ちゅう に浴槽 よくそう の下 した から上 うえ へ、突 つ き上 あ げるように湯 ゆ を手 て で押 お し上 あ げて見 み るのが理解 りかい し易 やす い。押 お し上 あ げられた湯 ゆ は塊 かたまり りとなって水面 すいめん まで持 も ち上 あ がってから周囲 しゅうい に広 ひろ がるはずであり、これが巨大 きょだい になったのが津波 つなみ である。なお、津波 つなみ を生 しょう じるためには震源 しんげん がある程度 ていど 浅 あさ くなければならず、震源 しんげん が概 おおむ ね100 kmより深 ふか いものでは津波 つなみ は発生 はっせい しないとされている[13] 。
地震 じしん 津波 つなみ は海溝 かいこう 付近 ふきん で発生 はっせい することが多 おお い。海溝 かいこう 付近 ふきん では数 すう 十 じゅう 年 ねん - 数 すう 千 せん 年 ねん の間隔 かんかく でマグニチュード7 - 9の海溝 かいこう 型 がた 地震 じしん が発生 はっせい し、その際 さい に現 あらわ れる海底 かいてい の大 だい 断層 だんそう によって津波 つなみ が発生 はっせい する。20世紀 せいき 後半 こうはん 以降 いこう 、日本 にっぽん 付近 ふきん の海溝 かいこう 型 がた 地震 じしん は同 おな じ地域 ちいき でもその発生 はっせい 規模 きぼ と間隔 かんかく によって数種類 すうしゅるい あることが明 あき らかになってきており、数 すう 十 じゅう 年 ねん 間隔 かんかく で海溝 かいこう の中 なか の特定 とくてい の領域 りょういき の1つで発生 はっせい する地震 じしん (巨大 きょだい 地震 じしん )、数 すう 百 ひゃく 年 ねん 間隔 かんかく で海溝 かいこう の中 なか の隣接 りんせつ した複数 ふくすう の領域 りょういき で発生 はっせい する地震 じしん (連動 れんどう 型 がた 巨大 きょだい 地震 じしん )のほか、津波 つなみ 堆積 たいせき 物 ぶつ による推定 すいてい では数 すう 千 せん 年 ねん 間隔 かんかく で更 さら に広範囲 こうはんい の隣接 りんせつ した領域 りょういき で発生 はっせい する地震 じしん (連動 れんどう 型 がた 超 ちょう 巨 きょ 大 だい 地震 じしん )などがあると考 かんが えられている。後者 こうしゃ ほど震源 しんげん 域 いき が長 なが いので、津波 つなみ に襲 おそ われる地域 ちいき は広 ひろ くなる。また、これらの地震 じしん により引 ひ き起 お こされる特 とく に大 おお きな津波 つなみ は、巨大 きょだい 津波 つなみ と呼称 こしょう される場合 ばあい がある。日本 にっぽん 付近 ふきん では、千島 ちしま 海溝 かいこう 、日本 にっぽん 海溝 かいこう 、伊豆 いず ・小笠原 おがさわら 海溝 かいこう 、相模 さがみ トラフ 、南海 なんかい トラフ 、琉球 りゅうきゅう 海溝 かいこう など太平洋 たいへいよう 側 がわ の全 すべ ての地域 ちいき でこのタイプの津波 つなみ が発生 はっせい する可能 かのう 性 せい がある。
一方 いっぽう 、逆 ぎゃく 断層 だんそう 型 がた や正 せい 断層 だんそう 型 がた の内陸 ないりく 地殻 ちかく 内 ない 地震 じしん (断層 だんそう 型 がた 地震 じしん 、直下 ちょっか 型 がた 地震 じしん )や海溝 かいこう 型 がた ではないプレート境界 きょうかい 型 がた の地震 じしん が海底 かいてい で発生 はっせい した場合 ばあい でも津波 つなみ が発生 はっせい する。日本海 にほんかい 東 ひがし 縁 えん 変動 へんどう 帯 たい に当 あ たる北海道 ほっかいどう 、東北 とうほく 地方 ちほう 、北陸 ほくりく 地方 ちほう の日本海 にほんかい 側 がわ はプレート境界 きょうかい 型 がた 地震 じしん 、その他 た の地域 ちいき では内陸 ないりく 地殻 ちかく 内 ない 地震 じしん による津波 つなみ の発生 はっせい の可能 かのう 性 せい がある。このタイプの津波 つなみ も日本 にっぽん 近海 きんかい では過去 かこ 何 なん 度 ど も発生 はっせい していて、日本海 にほんかい 中部 ちゅうぶ 地震 じしん (1983年 ねん )や北海道 ほっかいどう 南西 なんせい 沖 おき 地震 じしん (1993年 ねん )などがある。この他 ほか 、これから沈 しず み込 こ む海洋 かいよう プレート内 うち で起 お こるアウターライズ地震 じしん でも津波 つなみ が発生 はっせい する可能 かのう 性 せい があり、プレート境界 きょうかい よりも沖合 おきあい で地震 じしん が発生 はっせい するため、地震動 じしんどう に比 ひ して大 おお きな津波 つなみ となる場合 ばあい がある。昭和 しょうわ 三陸 さんりく 地震 じしん (1933年 ねん )はこのタイプの地震 じしん であった。
なお、断層 だんそう 角 かく が垂直 すいちょく に近 ちか い高角 こうかく 逆 ぎゃく 断層 だんそう 型 がた の地震 じしん では下 した 盤 ばん 側 がわ で、正 せい 断層 だんそう では上 うえ 盤 ばん 側 がわ でそれぞれ沈降 ちんこう が発生 はっせい するため、その側 がわ に面 めん した沿岸 えんがん では引 び き波 は が第 だい 一波 いっぱ となることがある。津波 つなみ を生 しょう じる地震 じしん は海溝 かいこう 型 がた だけではなく、同 おな じ沿岸 えんがん でも地震 じしん によっては押 お し波 なみ となる場合 ばあい もあるので、防災 ぼうさい 上 じょう は注意 ちゅうい を要 よう する。
地震 じしん 津波 つなみ の大 おお きさを表現 ひょうげん する指標 しひょう の1つとして「津波 つなみ マグニチュード Mt 」というものがある。津波 つなみ の規模 きぼ は地震 じしん の規模 きぼ に比例 ひれい するという性質 せいしつ を利用 りよう して、複数 ふくすう の地点 ちてん における津波 つなみ の波高 はこう と震源 しんげん からの距離 きょり から、マグニチュードで規模 きぼ を算出 さんしゅつ する。
また、「ゆっくり地震 じしん 」あるいは「津波 つなみ 地震 じしん 」と呼 よ ばれる、海底 かいてい の変動 へんどう の速 はや さが遅 おそ い地震 じしん があることも知 し られている。これは、人 ひと が感 かん じる短 たん 周期 しゅうき の成分 せいぶん では比較的 ひかくてき 小 ちい さな揺 ゆ れ(地震動 じしんどう )しか発生 はっせい しないため一見 いっけん すると小規模 しょうきぼ の地震 じしん のようだが、長 ちょう 周期 しゅうき の成分 せいぶん が卓越 たくえつ しているだけであって、実 じつ は総 そう エネルギーが大 おお きな地震 じしん であり、海底 かいてい 面 めん の変動 へんどう も大 だい 規模 きぼ であるため、予期 よき せぬ大 だい 津波 つなみ によって被害 ひがい がもたらされる事 こと がある。1896年 ねん (明治 めいじ 29年 ねん )の明治 めいじ 三陸 さんりく 沖 おき 地震 じしん 津波 つなみ がその例 れい で、原因 げんいん となった地震 じしん については震度 しんど 分布 ぶんぷ から長 なが らくマグニチュード 7.6[14] 、あるいは短 たん 周期 しゅうき の地震動 じしんどう の観測 かんそく に基 もと づいて表面 ひょうめん 波 は マグニチュード Ms 7.2[15] - 7.4[16] とされてきたが、その後 ご 津波 つなみ マグニチュード Mt 8.2 - 8.6[16] 、あるいは津波 つなみ の大 おお きさを考慮 こうりょ してマグニチュード8 1/4に改 あらた められ、理科 りか 年表 ねんぴょう では2006年版 ねんばん 以降 いこう この値 ね が採用 さいよう されるなど近年 きんねん 見直 みなお しがなされた。津波 つなみ 地震 じしん では前記 ぜんき の例 れい の通 とお り、表面 ひょうめん 波 は マグニチュードより津波 つなみ マグニチュードの方 ほう が大 おお きくなる。
津波 つなみ 地震 じしん となる要因 よういん にはいくつかあり[17] 、
断層 だんそう 破壊 はかい が通常 つうじょう に比 くら べゆっくりと進行 しんこう することで、地震動 じしんどう や海底 かいてい 地形 ちけい 変化 へんか のエネルギーが通常 つうじょう よりも高 たか い割合 わりあい で津波 つなみ のエネルギーに変換 へんかん される。プレート境界 きょうかい 部分 ぶぶん に柔 やわ らかい堆積 たいせき 物 ぶつ があると、断層 だんそう 破壊 はかい がゆっくりとなることが知 し られている。
起 おこり 震 ふるえ 断層 だんそう の角度 かくど が非常 ひじょう に浅 あさ い場合 ばあい 、地震動 じしんどう が短 たん 周期 しゅうき であっても津波 つなみ の周期 しゅうき が通常 つうじょう より長 なが くなり、長 ちょう 周期 しゅうき の津波 つなみ は減衰 げんすい しにくいため津波 つなみ が高 たか くなる。
主 しゅ 破壊 はかい による起 おこり 震 ふるえ 断層 だんそう とは別 べつ に、地震 じしん によって海溝 かいこう 付近 ふきん の付加 ふか 体 たい と呼 よ ばれる堆積 たいせき 層 そう に枝分 えだわ かれした分岐 ぶんき 断層 だんそう が発生 はっせい し、その隆起 りゅうき によって津波 つなみ が高 たか くなる。
地震動 じしんどう や海底 かいてい 地形 ちけい 変化 へんか によって発生 はっせい した、大 だい 規模 きぼ な海底 かいてい 地 じ すべり によって津波 つなみ が高 たか くなる。
地殻 ちかく 変動 へんどう によって海底 かいてい 下 か の堆積 たいせき 層 そう にマグマ が貫入 かんにゅう し、その隆起 りゅうき によって津波 つなみ が高 たか くなる。
などが挙 あ げられる。1,2は長 ちょう 周期 しゅうき の津波 つなみ 、3,4,5は短 たん 周期 しゅうき の津波 つなみ である。上記 じょうき 1.の要因 よういん により津波 つなみ 地震 じしん は、海溝 かいこう 付近 ふきん のプレート境界 きょうかい のうち海溝 かいこう 軸 じく に近 ちか い浅 あさ い部分 ぶぶん を震源 しんげん 域 いき とした地震 じしん で起 お こりやすい。1896年 ねん の明治 めいじ 三陸 さんりく 沖 おき 地震 じしん 津波 つなみ は上記 じょうき 1.によって津波 つなみ 地震 じしん になったと考 かんが えられている[17] 。また、2011年 ねん の東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん 津波 つなみ は連動 れんどう 型 がた 地震 じしん であったため、地震 じしん 発生 はっせい 初期 しょき にまずプレート境界 きょうかい 浅 あさ 部 ぶ で上記 じょうき 1.の要因 よういん による津波 つなみ を発生 はっせい させたあと、プレート境界 きょうかい 深部 しんぶ にも断層 だんそう 破壊 はかい が及 およ んで強 つよ い地震動 じしんどう が発生 はっせい したあと、再 ふたた びプレート境界 きょうかい 浅 あさ 部 ぶ で破壊 はかい が起 お こって津波 つなみ が増幅 ぞうふく したと考 かんが えられている[18] [19] [20] 。
遠隔 えんかく 地 ち 津波 つなみ [ 編集 へんしゅう ]
地震 じしん 津波 つなみ は大 だい 規模 きぼ で遠方 えんぽう まで伝 つた わるため、地震 じしん を感 かん じなかった地域 ちいき でも津波 つなみ に襲 おそ われる場合 ばあい がある。これを遠隔 えんかく 地 ち 津波 つなみ と言 い う。津波 つなみ の到達 とうたつ まで時間 じかん があるので避難 ひなん しやすく人的 じんてき 被害 ひがい 防止 ぼうし は容易 ようい であるが、情報 じょうほう の伝達 でんたつ 体制 たいせい が整 ととの っていないと不意討 ふいう ちを受 う ける形 かたち になり、被害 ひがい が大 おお きくなる。後者 こうしゃ には1960年 ねん のチリ地震 じしん 津波 つなみ の際 さい のハワイ や日本 にっぽん 、2004年 ねん のスマトラ沖 おき 地震 じしん の時 とき のインド洋 いんどよう 沿岸 えんがん 諸国 しょこく 、東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん におけるハワイやアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 西海岸 にしかいがん などの例 れい がある。
球形 きゅうけい の地球 ちきゅう 表面 ひょうめん では、発生 はっせい した津波 つなみ のエネルギーは地球 ちきゅう の反対 はんたい 側 がわ の地点 ちてん (対蹠 たいしょ 点 てん )に再 ふたた び集中 しゅうちゅう する。そのため、チリ沿岸 えんがん で発生 はっせい した津波 つなみ は太平洋 たいへいよう を挟 はさ んで反対 はんたい 側 がわ の日本 にっぽん に被害 ひがい を及 およ ぼしやすい性質 せいしつ がある。また同様 どうよう の原理 げんり により太平洋 たいへいよう の中心 ちゅうしん に位置 いち しているかつ5,000 mの深海 しんかい 底 そこ に囲 かこ まれたハワイは、環太平洋 かんたいへいよう 各地 かくち からの津波 つなみ を減衰 げんすい しにくいまま受 う けるため、津波 つなみ 被害 ひがい を受 う けやすい。
海洋 かいよう だけで無 な く山間 さんかん 部 ぶ でも同様 どうよう に山 やま 体 たい 崩壊 ほうかい が起因 きいん でダム湖 みずうみ などの湖沼 こしょう でも発生 はっせい する。実際 じっさい にイタリア のバイオントダム では、地 じ すべりにより100 mの津波 つなみ が発生 はっせい して2,000人 にん 以上 いじょう が死亡 しぼう している。また、岩手 いわて ・宮城 みやぎ 内陸 ないりく 地震 じしん では荒砥 あらと 沢 さわ ダム上流 じょうりゅう 部 ぶ で山 やま 体 たい 崩壊 ほうかい を誘発 ゆうはつ し、津波 つなみ が発生 はっせい している。平成 へいせい 23年 ねん 台風 たいふう 12号 ごう において、深層 しんそう 崩壊 ほうかい による山 やま 体 たい 崩壊 ほうかい が発生 はっせい し、土砂 どしゃ が流 なが れ込 こ んだ河川 かせん で津波 つなみ の性質 せいしつ を持 も つ段 だん 波 は が発生 はっせい した。
湖底 こてい 堆積 たいせき 物 ぶつ の崩落 ほうらく
トゥールのグレゴリウス などの記述 きじゅつ では西暦 せいれき 563年 ねん にレマン湖 こ 南西 なんせい 岸 がん のジュネーヴ がトレデュナム・イベント(Tauredunum event )と呼 よ ぶ津波 つなみ 状 じょう の水害 すいがい に襲 おそ われたとあるが、その時 とき に地震 じしん があったとの記録 きろく はない。2012年 ねん 10月 がつ 28日 にち 、ジュネーブ大学 だいがく の地質 ちしつ 学者 がくしゃ [注 ちゅう 3] は東 ひがし 端 はし から流入 りゅうにゅう するローヌ川 がわ によってできた厚 あつ さ5 m、湖 みずうみ 中心 ちゅうしん ・最深 さいしん 部 ぶ まで約 やく 10 km長 ちょう 、幅 はば 約 やく 5 kmの湖底 こてい 堆積 たいせき 物 ぶつ が崩落 ほうらく して津波 つなみ が発生 はっせい し、シミュレーション により70分 ふん 後 ご に襲 おそ われたとの研究 けんきゅう 結果 けっか を発表 はっぴょう した。採取 さいしゅ した堆積 たいせき 物 ぶつ は放射 ほうしゃ 性 せい 炭素 たんそ 年代 ねんだい 測定 そくてい により381年 ねん から612年 ねん のものと判明 はんめい した。地質 ちしつ 学者 がくしゃ は湖 みずうみ でも津波 つなみ は起 お こりうるとして再発 さいはつ も警鐘 けいしょう している[21] [22] [23] [24] 。
火山 かざん 活動 かつどう による津波 つなみ
火山 かざん の山 やま 体 たい 崩壊 ほうかい や、火砕流 かさいりゅう の流入 りゅうにゅう 、カルデラ 形成 けいせい 、爆発 ばくはつ による水柱 みずばしら 形成 けいせい 、火山 かざん 性 せい 地震 じしん の発生 はっせい 、空振 からぶり [25] などにより津波 つなみ が発生 はっせい する。
斜面 しゃめん 崩壊 ほうかい
前述 ぜんじゅつ した火山 かざん の山 やま 体 たい 崩壊 ほうかい や、大陸棚 たいりくだな の崩壊 ほうかい 、氷河 ひょうが の崩壊 ほうかい などで、大量 たいりょう の土砂 どしゃ や岩石 がんせき が海 うみ になだれ込 こ んだ際 さい にも津波 つなみ が発生 はっせい する。大 だい 部分 ぶぶん は地震 じしん 津波 つなみ に比 くら べてはるかに規模 きぼ は小 ちい さいが、状況 じょうきょう によっては地震 じしん が原因 げんいん の津波 つなみ と遜色 そんしょく がないほどの大 だい 津波 つなみ が発生 はっせい することもあると言 い われ[27] 、また発生 はっせい 地点 ちてん に接 せっ して人口 じんこう 密集 みっしゅう 地帯 ちたい があると大 だい 被害 ひがい を引 ひ き起 お こす[28] [29] 。
日本 にっぽん 国内外 こくないがい のいくつかの例 れい として、
8000年 ねん 前 まえ のノルウェー 沖 おき の大陸棚 たいりくだな 崩壊 ほうかい (ストレッガ海底 かいてい 地 じ すべり )による津波 つなみ 。最大 さいだい 波高 はこう 40m程度 ていど 。
1958年 ねん :Mw 7.8の地震 じしん によって誘発 ゆうはつ された斜面 しゃめん 崩壊 ほうかい によるリツヤ湾 わん 大津 おおつ 波 は 。局地 きょくち 的 てき ながら最大 さいだい 波高 はこう 524mと推定 すいてい される。
1998年 ねん :Mw 7.0のパプアニューギニア地震 じしん によって誘発 ゆうはつ された斜面 しゃめん 崩壊 ほうかい によるニューギニア島 とう 北岸 ほくがん での津波 つなみ 。最大 さいだい 波高 はこう 15m、死者 ししゃ 行方 ゆくえ 不明 ふめい 者 しゃ 約 やく 2,700人 にん 。
隕石 いんせき
海 うみ に落下 らっか する隕石 いんせき の想像 そうぞう 図 ず
巨大 きょだい 隕石 いんせき が海 うみ に落下 らっか すれば津波 つなみ が起 お こると考 かんが えられる(衝突 しょうとつ 津波 つなみ )。歴史 れきし 時代 じだい には明確 めいかく に証明 しょうめい された衝突 しょうとつ 津波 つなみ はないが、メキシコ湾 わん ・カリブ海 かりぶかい 沿岸 えんがん 各地 かくち には、約 やく 6550万 まん 年 ねん 前 まえ の天体 てんたい 衝突 しょうとつ 時 とき に発生 はっせい した津波 つなみ の津波 つなみ 堆積 たいせき 物 ぶつ が残 のこ っており、津波 つなみ 高 だか は約 やく 300 mと推測 すいそく されている。
爆発 ばくはつ 事故 じこ
海上 かいじょう で超 ちょう 巨 きょ 大 だい 規模 きぼ の爆発 ばくはつ 事故 じこ が発生 はっせい した場合 ばあい は、それだけで津波 つなみ を引 ひ き起 お こすことがある。1917年 ねん にカナダ の都市 とし ハリファックスの入 い り江 え で起 お きた船 ふね の爆発 ばくはつ 事故 じこ (ハリファックス大 だい 爆発 ばくはつ )により津波 つなみ が発生 はっせい し、ハリファックスの港町 みなとちょう を押 お し流 なが して甚大 じんだい な被害 ひがい を出 だ したことがある。
類似 るいじ 現象 げんしょう
伊勢湾 いせわん 台風 たいふう での事例 じれい のように台風 たいふう によって津波 つなみ に匹敵 ひってき する威力 いりょく の高波 たかなみ が発生 はっせい することもあるが、これはあくまで高潮 こうちょう であり、津波 つなみ とは区別 くべつ される。しかしながら、台風 たいふう が原因 げんいん の土砂崩 どしゃくず れによる津波 つなみ は、直接 ちょくせつ の要因 よういん が土砂崩 どしゃくず れであるため津波 つなみ となる。また、サンゴ礁 さんごしょう が存在 そんざい する海岸 かいがん では高潮 こうちょう が津波 つなみ の特性 とくせい を持 も つことがあり、波 なみ 群 ぐん 津波 つなみ (段 だん 波状 はじょう サーフビート)と呼 よ ばれる[30] 。
津波 つなみ 現象 げんしょう の特徴 とくちょう [ 編集 へんしゅう ]
2004年 ねん 12月、プーケット島 とう を襲 おそ った津波 つなみ 。波頭 なみがしら が押 お し寄 よ せた後 のち も海水 かいすい が流 なが れ込 こ み続 つづ け、海面 かいめん が高 たか まったままの状態 じょうたい が続 つづ いている。
アラスカ にある津波 つなみ 警戒 けいかい 標識 ひょうしき 。4度目 どめ の波 なみ が一番 いちばん 高 たか く描 えが かれている。
反射 はんしゃ ・屈折 くっせつ ・回折 かいせつ ・干渉 かんしょう などの「波 なみ 」の性質 せいしつ を持 も っていて、条件 じょうけん により変化 へんか するため、予測 よそく されないところで被害 ひがい が生 しょう じる場合 ばあい がある。波 なみ の中 なか では孤立 こりつ 波 は 、その中 なか でも伝播 でんぱ 中 ちゅう に形状 けいじょう や速度 そくど が変化 へんか せずお互 たが い衝突 しょうとつ しても安定 あんてい している「ソリトン 」に分類 ぶんるい される。
津波 つなみ の物理 ぶつり 的 てき 性質 せいしつ は風浪 ふうろう や、天文 てんもん 潮 しお すなわち干潮 かんちょう ・満潮 まんちょう 等 とう の規則 きそく 的 てき な潮汐 ちょうせき とは異 こと なっている。以下 いか 、津波 つなみ の諸 しょ 特性 とくせい について述 の べる。
波 なみ の周期 しゅうき ・波長 はちょう [ 編集 へんしゅう ]
津波 つなみ は周期 しゅうき や波長 はちょう が長 なが いという特徴 とくちょう がある。これは津波 つなみ の波 なみ 源 げん 域 いき が広 ひろ く、波長 はちょう がその影響 えいきょう により決 き まるためである。一般 いっぱん に水面 すいめん に見 み られる津波 つなみ でない波 なみ は、風 ふう によりできた風浪 ふうろう である。その風浪 ふうろう の周期 しゅうき は長 なが いものでも10秒 びょう 程度 ていど 、波長 はちょう は通常 つうじょう は150 mくらいである。これに対 たい し津波 つなみ は、短 みじか い周期 しゅうき でも2分 ふん 程度 ていど 、長 なが いものでは1時間 じかん 以上 いじょう にもなり、波長 はちょう も100 kmを越 こ す例 れい もある。周期 しゅうき は超 ちょう 長 ちょう 周期 しゅうき 地震動 じしんどう と重 かさ なる部分 ぶぶん があり、潮汐 ちょうせき よりは短 みじか い。このため、津波 つなみ が内陸 ないりく に押 お し寄 よ せる際 さい の水位 すいい の高 たか まりは、あたかも海面 かいめん 自体 じたい が上昇 じょうしょう したような状態 じょうたい になって、大 おお きな水圧 すいあつ や流 なが れによる破壊 はかい 力 りょく が加 くわ わる。また津波 つなみ が引 ひ く際 さい にも、一旦 いったん 高 たか くなった海面 かいめん が、沖 おき の低 ひく くなった海面 かいめん に向 む かって引 ひ いていく形 かたち になり、やはり大 おお きな破壊 はかい 力 りょく を見 み せ付 つ ける。実際 じっさい にもチリ津波 つなみ では、函館 はこだて の実例 じつれい の水位 すいい 差 さ は押 お し波 なみ が2 m、引 び き波 は が3 mであり、引 び きが強 つよ かった。このような場合 ばあい は押 お し波 なみ で破壊 はかい された物 もの や元々 もともと は陸 りく にあった物 もの などが海 うみ に持 も ち去 さ られる被害 ひがい が大 おお きくなる。
津波 つなみ は通常 つうじょう 複 ふく 数 すう 回 かい 押 お し寄 よ せ、10回 かい 以上 いじょう に及 およ ぶこともある。第 だい 2波 は 、第 だい 3波 は などの後続 こうぞく 波 は が最 もっと も大 おお きくなる傾向 けいこう があり[31] 、その後 ご 次第 しだい に小 ちい さくなっていく。また、第 だい 2波 は 、第 だい 3波 は は1時間 じかん 以上 いじょう 後 のち に押 お し寄 よ せてくる場合 ばあい もあり、完全 かんぜん に津波 つなみ が収 おさ まるまでに地震 じしん 発生 はっせい から数日 すうじつ を要 よう する場合 ばあい もある。
津波 つなみ が浅 あさ い海岸 かいがん に達 たっ すると、津波 つなみ の速度 そくど は遅 おそ くなり、波高 はこう は高 たか くなる。
津波 つなみ の測 はか り方 かた
津波 つなみ の高 たか さを表 あらわ す表現 ひょうげん がいくつかある[12] 。
津波 つなみ の高 たか さ(波高 はこう ) - 海岸 かいがん にある検 けん 潮 しお 所 しょ 、験 けん 潮 しお 場 じょう などにおいて検 けん 潮 しお 儀 ぎ で観測 かんそく する、平常 へいじょう 潮位 ちょうい 面 めん からの波 なみ の高 たか さ。
浸水 しんすい 深 ふか - 陸上 りくじょう の構造 こうぞう 物 ぶつ に残 のこ る、地面 じめん からの浸水 しんすい 痕跡 こんせき の高 たか さ。
痕跡 こんせき 高 だか - 陸上 りくじょう の構造 こうぞう 物 ぶつ に残 のこ る、平常 へいじょう 潮位 ちょうい 面 めん からの浸水 しんすい 痕跡 こんせき の高 たか さ。
遡上 そじょう 高 だか - 陸上 りくじょう の斜面 しゃめん や崖 がけ などに残 のこ る、平常 へいじょう 潮位 ちょうい 面 めん からの浸水 しんすい 痕跡 こんせき のその付近 ふきん での最大 さいだい の高 たか さ。
外洋 がいよう では津波 つなみ の波高 はこう は数 すう 十 じゅう cmから2 mか3 m程度 ていど であり、波長 はちょう は100 kmを越 こ えるので、海面 かいめん の時間 じかん 変化 へんか は極 きわ めて小 ちい さい。津波 つなみ が陸地 りくち に接近 せっきん して水深 すいしん が浅 あさ くなると速度 そくど が落 お ちて波長 はちょう が短 みじか くなるため波高 はこう が大 おお きくなる。ただし、通常 つうじょう は、単 たん に水深 すいしん が小 ちい さくなっただけでは極端 きょくたん に大 おお きな波 なみ にはならない。リアス式海岸 りあすしきかいがん のような複雑 ふくざつ に入 い り組 く んだ地形 ちけい の所 ところ では、局地 きょくち 的 てき に非常 ひじょう に高 たか い波 なみ が起 お きる事 こと がある。津波 つなみ の波高 はこう は水深 すいしん の4乗 じょう 根 ね と水路 すいろ 幅 はば の2乗 じょう 根 ね に反比例 はんぴれい するので、仮 かり に水深 すいしん 160 m、幅 はば 900 mの湾口 わんこう に高 たか さ1 mの津波 つなみ が押 お し寄 よ せ、湾内 わんない の水深 すいしん 10 m、幅 はば 100 mの所 ところ に達 たっ した場合 ばあい 、波高 はこう は水深 すいしん の減少 げんしょう で2倍 ばい 、水路 すいろ 幅 はば の減少 げんしょう で3倍 ばい になるため、総合 そうごう すると波高 はこう は6 mになる[32] 。そのため、V字 じ 型 がた に開 ひら いた湾 わん の奥 おく では大 おお きな波高 はこう になりやすい。
津波 つなみ の記録 きろく は一般 いっぱん に検 けん 潮 うしお 儀 ただし で測定 そくてい される。しかし、巨大 きょだい 津波 つなみ そのものの波高 はこう を正確 せいかく に測定 そくてい する事 こと は困難 こんなん である。これまでの大 だい 津波 つなみ の波高 はこう とされる記録 きろく は、実際 じっさい には波 なみ の到達 とうたつ 高度 こうど (遡上 そじょう 高 だか )で示 しめ されている。遡上 そじょう 高 だか は、陸 りく に押 お し寄 よ せた津波 つなみ が海抜 かいばつ 高度 こうど 何 なに mの高 たか さまで達 たっ したかを示 しめ す値 ね であるため、現場 げんば の調査 ちょうさ によって正確 せいかく に決定 けってい できる利点 りてん がある。V字 じ 型 がた の湾 わん など地形 ちけい によっては、津波 つなみ は、波高 はこう 自体 じたい が高 たか くなると共 とも に非常 ひじょう に高 たか い所 ところ にまで駆 か け上 あ がることがしばしばある。つまり、津波 つなみ の到達 とうたつ 高度 こうど (遡上 そじょう 高 だか )は実 じつ 波高 はこう (海岸 かいがん での平均 へいきん 海水 かいすい 面 めん からの高 たか さ)より高 たか くなる場合 ばあい が多 おお い。日本 にっぽん において確実 かくじつ とされる津波 つなみ の最大 さいだい 波高 はこう は1896年 ねん の明治 めいじ 三陸 さんりく 沖 おき 地震 じしん 津波 つなみ の際 さい の38.2 mであるが、これはV字 じ 型 がた の湾 わん の奥 おく にあった海抜 かいばつ 38.2 mの峠 とうげ を津波 つなみ が乗 の り越 こ えたという事実 じじつ に基 もと づく到達 とうたつ 高度 こうど の値 ね である(海岸 かいがん での津波 つなみ 高 だか ではない)。
1958年 ねん 7月 がつ 9日 にち (現地 げんち 時間 じかん )、アラスカ の南端 なんたん の太平洋 たいへいよう 岸 がん にあるリツヤ湾 わん (Lituya bay) で岩石 がんせき の崩落 ほうらく による津波 つなみ が起 お き 、最大 さいだい 到達 とうたつ 高度 こうど は海抜 かいばつ 524 m[33] に達 たっ し、津波 つなみ の波高 はこう の世界 せかい 記録 きろく とされている。リツヤ湾 わん は氷河 ひょうが の侵食 しんしょく によるフィヨルド で、幅 はば 3 km、奥行 おくゆ き11 km程 ほど の長方形 ちょうほうけい に近 ちか い形 かたち で内陸 ないりく に入 はい り込 こ んでいる。湾 わん 奥 おく に左右 さゆう に分 わ かれた小 ちい さな入江 いりえ があり、問題 もんだい の津波 つなみ はそのうちの北側 きたがわ の入江 いりえ に発生 はっせい したものである。波 なみ の発生 はっせい を直接 ちょくせつ 目撃 もくげき した者 もの はいないが、後 ご の現地 げんち 調査 ちょうさ と模型 もけい 実験 じっけん により詳細 しょうさい が明 あき らかにされている。地震 じしん により入江 いりえ の片側 かたがわ のおよそ 40度 ど の傾斜 けいしゃ の斜面 しゃめん が崩壊 ほうかい 、9,000万 まん トンと推定 すいてい される岩石 がんせき が一塊 ひとかたまり になって海面 かいめん に落 お ちたため、実 じつ 高度 こうど 150 m以上 いじょう の水 みず しぶきが上 あ がり、対岸 たいがん の斜面 しゃめん を水 みず 膜 まく 状 じょう になって駆 が け上 あ がって524 mの高度 こうど に達 たっ したものである。その後 ご 、波 なみ は高 たか さ15 mから30 mで湾 わん 奥 おく から湾口 わんこう に進 すす み、太平洋 たいへいよう に出 で ると共 とも に急速 きゅうそく に消滅 しょうめつ した。以上 いじょう のように、この波 なみ は津波 つなみ と言 い うより水 みず 跳 は ねに近 ちか いもので、英文 えいぶん の報告 ほうこく 書 しょ でも "giant wave" または "biggest splash" と表現 ひょうげん されている。
なお、リツヤ湾 わん では1853年 ねん か1854年 ねん に120 m、1936年 ねん に147 mの大波 おおなみ (いずれも到達 とうたつ 高度 こうど )が起 お こったことも明 あき らかになっている。これは、湾 わん 周囲 しゅうい の山林 さんりん に植生 しょくせい する古 ふる い樹木 じゅもく を複数 ふくすう 伐採 ばっさい して年輪 ねんりん を調 しら べたところ、該当 がいとう 年 ねん の年輪 ねんりん の海 うみ 側 がわ に、大 おお きな外傷 がいしょう を受 う けた痕跡 こんせき が残 のこ っていたことから判明 はんめい したものである。
2011年 ねん 12月5日 にち アメリカ航空 こうくう 宇宙 うちゅう 局 きょく は、人工 じんこう 衛星 えいせい 「ジェイソン1 」の観測 かんそく により、東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん に伴 ともな って発生 はっせい した津波 つなみ が太平洋 たいへいよう の海底 かいてい 山脈 さんみゃく などによって方向 ほうこう を変 か え、震源 しんげん 地 ち から何 なん 千 せん kmも離 はな れた海上 かいじょう で2つの波 なみ が融合 ゆうごう した結果 けっか 、より威力 いりょく を持 も った津波 つなみ となったことを初 はじ めて確認 かくにん したと発表 はっぴょう した[34] 。
津波 つなみ の高 たか さ、組成 そせい と被害 ひがい の関係 かんけい [ 編集 へんしゅう ]
陸上 りくじょう での浸水 しんすい 高 だか と被害 ひがい の関係 かんけい について、東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん の被災 ひさい 地 ち での調査 ちょうさ によると、浸水 しんすい 高 だか が2 mを超 こ えると木造 もくぞう 家屋 かおく の構造 こうぞう 破壊 はかい が発生 はっせい し始 はじ め全壊 ぜんかい 率 りつ が急増 きゅうぞう するとともに建物 たてもの 全体 ぜんたい の流失 りゅうしつ 率 りつ が増 ふ え始 はじ め、さらに4 mを超 こ えると木造 もくぞう 家屋 かおく の多 おお くが流失 りゅうしつ するという結果 けっか が出 で ている[35] 。
一方 いっぽう 、津波 つなみ 警報 けいほう 等 とう が対象 たいしょう とする、海岸 かいがん での波高 はこう と被害 ひがい の関係 かんけい について、東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん や2010年 ねん のチリ地震 じしん における日本 にっぽん の被災 ひさい 地 ち での調査 ちょうさ によると、
船舶 せんぱく や漁業 ぎょぎょう 施設 しせつ の被害 ひがい は、波高 はこう 数 すう 十 じゅう cmでも発生 はっせい する。
海岸 かいがん 堤防 ていぼう の外側 そとがわ にある港湾 こうわん 施設 しせつ や港湾 こうわん 道路 どうろ では、波高 はこう 0.7 m程度 ていど (T.P. +1.3 m程度 ていど )から冠水 かんすい 被害 ひがい が発生 はっせい している。
住宅 じゅうたく 被害 ひがい は、T.P.+1.0 m程度 ていど 以下 いか (概 おおむ ね波高 はこう 1 m未満 みまん )では海岸 かいがん 堤防 ていぼう の内側 うちがわ の居住 きょじゅう 地域 ちいき には浸水 しんすい が及 およ ばないが、波高 はこう 1 - 2 m程度 ていど から床下 ゆかした 浸水 しんすい がみられ、波高 はこう 3 m程度 ていど から全壊 ぜんかい ・流失 りゅうしつ が出 で 始 はじ め、5 - 6 m程度 ていど から被害 ひがい 率 りつ が急増 きゅうぞう する。
人的 じんてき 被害 ひがい は、波高 はこう 2 m程度 ていど から出 で 始 はじ め、4 - 5 m程度 ていど から被害 ひがい 率 りつ が急増 きゅうぞう する。
ただし、波高 はこう 1 m前後 ぜんご の津波 つなみ では、干潮 かんちょう ・満潮 まんちょう による潮位 ちょうい の変化 へんか が加味 かみ されて予想 よそう を上回 うわまわ る(下回 したまわ る)被害 ひがい となる可能 かのう 性 せい がある。
以上 いじょう のような傾向 けいこう が報告 ほうこく されている[35] 。
津波 つなみ の高 たか さと被害 ひがい の程度 ていど の目安 めやす (首藤 しゅどう (1992[36] ,1993[37] )、および気象庁 きしょうちょう 改変 かいへん [38] に追記 ついき [35] [39] )
浸水 しんすい 高 だか m
0.2
0.5
0.7
1
2
4
8
16
32
木造 もくぞう 家屋 かおく
(漂流 ひょうりゅう 物 ぶつ の直撃 ちょくげき によって被害 ひがい が出 で る場合 ばあい がある)
部分 ぶぶん 的 てき に破壊 はかい される
全面 ぜんめん 的 てき に破壊 はかい される。
石造 せきぞう 家屋 かおく
持 も ちこたえる。
全面 ぜんめん 的 てき に破壊 はかい される。
RC造 づくり ビル
持 も ちこたえる。
全面 ぜんめん 的 てき に破壊 はかい される。
防潮 ぼうちょう 林 りん
漂流 ひょうりゅう 物 ぶつ を阻止 そし し、被害 ひがい は軽微 けいび 。
漂流 ひょうりゅう 物 ぶつ を阻止 そし し、被害 ひがい は部分 ぶぶん 的 てき 。
効果 こうか がなく、被害 ひがい は全面 ぜんめん 的 てき 。
沿岸 えんがん での波高 はこう m
0.2
0.5
0.7
1
2
3
4
8
16
32
漁船 ぎょせん
被害 ひがい が出始 ではじ める。
被害 ひがい 率 りつ 50%
被害 ひがい 率 りつ 100%
養殖 ようしょく いかだ
被害 ひがい が発生 はっせい する。
音 おと
海鳴 うみな りや暴風雨 ぼうふうう の音 おと のような、前面 ぜんめん が砕 くだ けた波 なみ による連続 れんぞく 音 おん 。
雷鳴 らいめい のような、浜 はま で巻 ま いて砕 くだ けた波 なみ による大 だい 音響 おんきょう 。遠 とお くまでは聞 き こえない。
遠雷 えんらい や発破 はっぱ 音 おん のような、崖 がけ に衝突 しょうとつ する大 だい 音響 おんきょう 。かなり遠 とお くまで聞 き こえる。
浸水 しんすい [35]
海岸 かいがん 堤防 ていぼう の外側 そとがわ (海 うみ 側 がわ )で浸水 しんすい が生 しょう じうる。
海岸 かいがん 堤防 ていぼう の内側 うちがわ (内陸 ないりく 側 がわ )でも浸水 しんすい が生 しょう じうる。
警報 けいほう ・注意報 ちゅういほう (日本 にっぽん )[39]
津波 つなみ 注意報 ちゅういほう 海 うみ の中 なか にいる人 ひと はただちに海 うみ から上 あ がって、海岸 かいがん から離 はな れる。
津波 つなみ 警報 けいほう 沿岸 えんがん 部 ぶ や川 かわ 沿 ぞ いにいる人 ひと は、ただちに高台 たかだい や避難 ひなん ビルなど安全 あんぜん な場所 ばしょ へ避難 ひなん 。
大 だい 津波 つなみ 警報 けいほう 沿岸 えんがん 部 ぶ や川 かわ 沿 ぞ いにいる人 ひと は、ただちに高台 たかだい や避難 ひなん ビルなど安全 あんぜん な場所 ばしょ へ避難 ひなん 。
津波 つなみ は陸地 りくち 近 ちか くでは、海底 かいてい や運河 うんが 、河口 かこう 近 ちか くの川 かわ の底 そこ にあった土砂 どしゃ や泥 どろ 、有機物 ゆうきぶつ を含 ふく むヘドロ を巻 ま き上 あ げ、混 ま ざり合 あ って押 お し寄 よ せる。こうした「黒 くろ い津波 つなみ 」は海水 かいすい のみより比重 ひじゅう が大 おお きいため、破壊 はかい 力 りょく が増 ま す。さらに津波 つなみ を呑 の んでしまった人 ひと や津波 つなみ が引 ひ いた後 のち の乾燥 かんそう した陸地 りくち で舞 ま い上 あ がる粉塵 ふんじん を吸 す った人 ひと に肺炎 はいえん (津波 つなみ 肺 はい )などの感染 かんせん 症 しょう を引 ひ き起 お こす[40] 。
津波 つなみ 伝播 でんぱ の様子 ようす (2007年 ねん ペルー地震 じしん )
津波 つなみ は、水深 すいしん が一定 いってい の海域 かいいき で発生 はっせい した場合 ばあい には発生 はっせい 源 げん を中心 ちゅうしん に同心円 どうしんえん 状 じょう に広 ひろ がって行 い く。しかし、地震 じしん 津波 つなみ の場合 ばあい 、多 おお くの地震 じしん が陸地 りくち 近 ちか くの海域 かいいき で起 お こるため、波 なみ のおよそ4分 ぶん の3は海岸 かいがん に向 む かい4分 ぶん の1が外洋 がいよう に向 む かう。たとえば1960年 ねん のチリ地震 じしん 津波 つなみ においては、南米 なんべい チリ沖 おき で生 しょう じた津波 つなみ は最初 さいしょ は同心円 どうしんえん を描 えが いて伝播 でんぱ した。その後 ご 、チリの海岸 かいがん 線 せん に対 たい し垂直 すいちょく 方向 ほうこう に進 すす む波 なみ 以外 いがい は次第 しだい に進路 しんろ がチリの海岸 かいがん 向 む きに屈折 くっせつ した。結局 けっきょく 、波 なみ の4分 ぶん の3がチリ海岸 かいがん に戻 もど り、4分 ぶん の1は太平洋 たいへいよう を直進 ちょくしん してハワイや日本 にっぽん に達 たっ したと考 かんが えられている。これは、大陸 たいりく 斜面 しゃめん を進 すす む波 なみ は水深 すいしん の大 おお きい沖合 おきあい で速度 そくど が速 はや く、沿岸 えんがん 寄 よ りでは遅 おそ くなるためである。実際 じっさい 、同 おな じ環太平洋 かんたいへいよう 地域 ちいき でありながら北 きた アメリカ西岸 せいがん やオセアニア などでは目立 めだ った津波 つなみ 被害 ひがい は起 お こっていない。津波 つなみ は物理 ぶつり 的 てき にはいわゆる孤立 こりつ 波 は であり、海 うみ のソリトン とも呼 よ ばれる。
津波 つなみ の速度 そくど
津波 つなみ の伝播 でんぱ する速度 そくど は水深 すいしん と波 なみ 高 だか により決 き まる。大陸棚 たいりくだな 斜面 しゃめん から外洋 がいよう に出 で ると水深 すいしん は4,000 m前後 ぜんご でほとんど一定 いってい になり、また水深 すいしん に比 くら べて波高 はこう は問題 もんだい にならないくらい小 ちい さいので、外洋 がいよう での津波 つなみ の速度 そくど は、重力 じゅうりょく 加速度 かそくど (9.8 m/sec2 。便宜 べんぎ 的 てき に10 m/sec2 として差 さ し支 つか えない)に水深 すいしん を乗 じょう じた値 ね の平方根 へいほうこん にほぼ等 ひと しい。式 しき で表 あらわ すと次 つぎ のようになる。dは水深 すいしん (単位 たんい はm)、速度 そくど は秒速 びょうそく (m/sec) で示 しめ される。
g
d
{\displaystyle {\sqrt {gd}}}
これを時速 じそく (km/hour)に直 なお すには3.6倍 ばい すればよい。これにより、水深 すいしん 1,000 mで時速 じそく 360 km、水深 すいしん 4,000 mで時速 じそく 720 kmとなる。沿岸 えんがん では水深 すいしん が浅 あさ くなり、そのため津波 つなみ の波高 はこう が増 ま すので、上 うえ の式 しき をそのまま適用 てきよう すると不正確 ふせいかく な値 ね となるため、次 つぎ の式 しき を用 もち いるのがよい。Hは水面 すいめん 上 じょう の波高 はこう である(単位 たんい はm)。
g
(
d
+
H
)
{\displaystyle {\sqrt {g(d+H)}}}
ここから、水深 すいしん 10 m、波高 はこう 6 mの場合 ばあい の津波 つなみ の速 はや さはおよそ時速 じそく 46 kmとなる。なお、1960年 ねん チリ地震 じしん 津波 つなみ はチリから日本 にっぽん まで平均 へいきん 時速 じそく 750 kmで、2011年 ねん の東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい では岩手 いわて 県 けん 宮古 みやふる 市 し 重茂 おもえ 半島 はんとう で平均 へいきん 時速 じそく 115 kmで、沿岸 えんがん まで到達 とうたつ している[41] 。
電磁場 でんじば 変動 へんどう [ 編集 へんしゅう ]
海水 かいすい は良質 りょうしつ な導体 どうたい であることから地磁気 ちじき の影響 えいきょう 下 か で運動 うんどう をすると、誘導 ゆうどう 電磁場 でんじば が生 しょう じている。従 したが って、常時 じょうじ 流動 りゅうどう している潮流 ちょうりゅう でも発生 はっせい しているが、津波 つなみ の際 さい には潮流 ちょうりゅう で生 しょう じるのとは別 べつ な誘導 ゆうどう 電磁場 でんじば が発生 はっせい するため、この電磁場 でんじば の観測 かんそく を行 おこな うことで結果 けっか 的 てき に津波 つなみ に伴 ともな う海水 かいすい の変異 へんい が観測 かんそく できる[42] [43] 。また、電離層 でんりそう にも影響 えいきょう を与 あた え、津波 つなみ 発生 はっせい から数 すう 分 ふん 後 ご から1時 じ 間 あいだ 程度 ていど 継続 けいぞく する「電離 でんり 圏 けん プラズマ の減少 げんしょう (津波 つなみ 電離 でんり 圏 けん ホール)」が生 しょう じ、GPS-TEC(GPS受信 じゅしん 点 てん から衛星 えいせい までの視線 しせん 方向 ほうこう に対 たい する電離 でんり 圏 けん 全 ぜん 電子 でんし 数 すう )観測 かんそく によって観測 かんそく が行 おこな える[44] 。
津波 つなみ 被害 ひがい の態様 たいよう [ 編集 へんしゅう ]
津波 つなみ は、同 おな じ高 たか さの気象 きしょう 性 せい の波浪 はろう に比 くら べて波長 はちょう が非常 ひじょう に長 なが いため、一波 いっぱ が押 お し寄 よ せるだけで大量 たいりょう の海水 かいすい が海岸 かいがん を襲 おそ う。
津波 つなみ による水 みず の圧力 あつりょく は非常 ひじょう に大 おお きく、沿岸 えんがん の広 ひろ い地域 ちいき に被害 ひがい を与 あた える。人的 じんてき 被害 ひがい は水深 すいしん 30 cmでも発生 はっせい し、被害 ひがい の程度 ていど は「波高 はこう 」(浸水 しんすい 高 だか )と「流速 りゅうそく 」が密接 みっせつ に関係 かんけい している[45] が、浸水 しんすい 深 ふか さが 2 m、4 m、8 m と深 ふか くなると被害 ひがい の様相 ようそう が大 おお きく変化 へんか する事 こと が報告 ほうこく されている[46] 。東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん では、宮城 みやぎ 県内 けんない で2 mを境 さかい に流失 りゅうしつ 率 りつ が増大 ぞうだい し6 mでの流失 りゅうしつ 率 りつ は80%程度 ていど と報告 ほうこく されている[47] 。
浸水 しんすい 高 だか と被害 ひがい 程度 ていど の目安 めやす (気象庁 きしょうちょう による資料 しりょう を改変 かいへん )[46]
津波 つなみ 波高 はこう
1 m
2 m
4 m
8 m
16 m
32 m
木造 もくぞう 家屋 かおく
部分 ぶぶん 的 てき 破壊 はかい
全面 ぜんめん 破壊 はかい
石造 せきぞう 家屋 かおく
持 も ちこたえる
全面 ぜんめん 破壊 はかい
鉄筋 てっきん コンクリートビル
持 も ちこたえる
全面 ぜんめん 破壊 はかい
漁船 ぎょせん
被害 ひがい 発生 はっせい
被害 ひがい 率 りつ 50%
被害 ひがい 率 りつ 100%
防潮 ぼうちょう 林 りん
被害 ひがい 軽微 けいび 漂流 ひょうりゅう 物 ぶつ 阻止 そし 津波 つなみ 軽減 けいげん
部分 ぶぶん 的 てき 被害 ひがい 漂流 ひょうりゅう 物 ぶつ 阻止 そし
全面 ぜんめん 的 てき 被害 ひがい 無 む 効果 こうか
養殖 ようしょく 筏 いかだ
被害 ひがい 発生 はっせい
例 れい として、2 m の普通 ふつう の波 なみ と津波 つなみ との違 ちが いを比較 ひかく する。2 mの普通 ふつう の波 なみ は、海上 かいじょう で普段 ふだん から偏西風 へんせいふう や低 てい 気圧 きあつ (気流 きりゅう )、月 つき の引力 いんりょく などの影響 えいきょう を受 う けるため、少 すく なからずデコボコが生 しょう じる。このデコボコの差 さ が2 mあるだけで、波長 はちょう や波 なみ を形成 けいせい する水量 すいりょう は比較的 ひかくてき 少 すく なく、海岸 かいがん に達 たっ した所 ところ で沿岸 えんがん 地域 ちいき に被害 ひがい をもたらす事 こと はそう多 おお くはない。これに対 たい し2 mの津波 つなみ は、地震 じしん などによる海底 かいてい の隆起 りゅうき または沈下 ちんか により海水 かいすい 面 めん 自体 じたい が普段 ふだん より2 m盛 も り上 あ がり、それがそのまま海岸 かいがん に向 む かって伝 つた わっていく。い換 いか えれば、2 mの急激 きゅうげき な海面 かいめん 上昇 じょうしょう が起 お こることに近 ちか い。
つまり、2 mの普通 ふつう の波 なみ は海岸 かいがん に少量 しょうりょう の海水 かいすい をかける程度 ていど であるのに対 たい して、2 mの津波 つなみ は何 なに kl(キロリットル)もの海水 かいすい が一気 いっき に海岸 かいがん 地域 ちいき を襲 おそ い、自動車 じどうしゃ や多 おお くの人 ひと を簡単 かんたん に飲 の み込 こ み沖 おき へ引 ひ きずり込 こ んでしまう程 ほど の威力 いりょく がある。2 mの「波 なみ 」の水量 すいりょう は2(m)×波長 はちょう 数 すう (m)×0.5×約 やく 0.5×海岸 かいがん の距離 きょり (m)で、海岸 かいがん 1 mに押 お し寄 よ せる波 なみ の水量 すいりょう は波長 はちょう 3 mとして1.5 m3 (=1500リットル)、ドラム缶 どらむかん 数 すう 本 ほん 分 ぶん である。一方 いっぽう 、2 mの「津波 つなみ 」の水量 すいりょう は2(m)×波長 はちょう 数 すう 十 じゅう km(m)×0.5×0.5×海岸 かいがん の距離 きょり (m)で、海岸 かいがん 1 mに押 お し寄 よ せる津波 つなみ の水量 すいりょう は波長 はちょう 10 kmとして5,000 m3 (=5,000キロリットル)、競泳 きょうえい 用 よう プール 2つ分 わか となる(体積 たいせき の比較 ひかく 参照 さんしょう )。2003年 ねん に発生 はっせい した十勝 とかち 沖 おき 地震 じしん では、実際 じっさい に2 mの津波 つなみ に飲 の まれ死亡 しぼう した人 ひと が確認 かくにん されている。また、陸地 りくち に近 ちか づくと水流 すいりゅう が建造 けんぞう 物 ぶつ などを壊 こわ しながら内陸 ないりく 部 ぶ へ進 すす み、それらの瓦礫 がれき を巻 ま き込 こ むことによって破壊 はかい 力 りょく を増 ま す。更 さら に、流氷 りゅうひょう や海 うみ 氷 ごおり などの漂流 ひょうりゅう 物 ぶつ を伴 ともな った場合 ばあい に被害 ひがい は増大 ぞうだい する[48] 。
また津波 つなみ が引 ひ いた後 のち でも、損壊 そんかい した住宅 じゅうたく や市街地 しがいち 、工場 こうじょう 、燃料 ねんりょう タンクが炎上 えんじょう する津波 つなみ 火災 かさい 、冷却 れいきゃく 機能 きのう を喪失 そうしつ した原子力 げんしりょく 発電 はつでん 所 しょ からの放射 ほうしゃ 性 せい 物質 ぶっしつ 漏 も れ(例 れい :福島 ふくしま 第 だい 一 いち 原子力 げんしりょく 発電 はつでん 所 しょ 事故 じこ )といった二 に 次 じ 被害 ひがい が発生 はっせい する。
人的 じんてき 被害 ひがい では、津波 つなみ の水 みず は海底 かいてい の砂 すな や岩 いわ とともに微生物 びせいぶつ 、有害 ゆうがい 物質 ぶっしつ などを巻 ま き込 こ んでいるので、津波 つなみ に巻 ま き込 こ まれて助 たす かった場合 ばあい でも、骨折 こっせつ や打撲 だぼく などの外傷 がいしょう だけでなく肺 はい の中 なか に微生物 びせいぶつ や油脂 ゆし 、砂 すな ・泥 どろ などを取 と り込 こ んでしまう「津波 つなみ 肺 はい 」[49] の健康 けんこう 被害 ひがい が発生 はっせい することがある。
河口 かこう から河川 かせん に侵入 しんにゅう した津波 つなみ が数 すう 十 じゅう km上流 じょうりゅう まで遡上 そじょう することがある(地理 ちり 的 てき な要因 よういん 次第 しだい だが、高 たか さ1 mの津波 つなみ でも5 kmは遡上 そじょう すると言 い われる)。河川 かせん を遡上 そじょう する津波 つなみ は、伝播 でんぱ 速度 そくど が速 はや くなり、遡上 そじょう 距離 きょり が長 なが くなる傾向 けいこう にある。先端 せんたん 部 ぶ の形態 けいたい は砕波段 だん 波 は と波状 はじょう 段 だん 波 は の2種類 しゅるい がある。
1960年 ねん 5月 がつ 24日 にち のチリ地震 じしん 津波 つなみ では、沖縄 おきなわ 県 けん 石川 いしかわ 市 し の石川 いしかわ 川 がわ を遡上 そじょう した津波 つなみ が家屋 かおく の浸水 しんすい などの被害 ひがい をもたらした。2003年 ねん 9月 がつ 26日 にち の十勝 とかち 沖 おき 地震 じしん では、津波 つなみ が波状 はじょう 段 だん 波 は を形成 けいせい しながら北海道 ほっかいどう の十勝 とかち 川 がわ を遡上 そじょう する様子 ようす が自衛隊 じえいたい により撮影 さつえい された。この時 とき の津波 つなみ は、河口 かこう から少 すく なくとも11 km上流 じょうりゅう まで遡上 そじょう したことが確認 かくにん されている。2011年 ねん 東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん による津波 つなみ は、関東 かんとう 地方 ちほう でも利根川 とねがわ の40 kmを筆頭 ひっとう に、江戸川 えどがわ 3 km、多摩川 たまがわ 13 km、荒川 あらかわ 28 kmなど[50] 、河口 かこう から遠 とお い内陸 ないりく 部 ぶ まで到達 とうたつ した。このことから、海 うみ に面 めん していない埼玉 さいたま 県 けん でも地震 じしん 後 ご 、津波 つなみ の被害 ひがい に対応 たいおう する地域 ちいき 防災 ぼうさい 計画 けいかく の検討 けんとう を始 はじ めるなどしている[51] 。
また、遡上 そじょう する津波 つなみ が高 たか い場合 ばあい は河川 かせん の堤防 ていぼう を決壊 けっかい させて洪水 こうずい を引 ひ き起 お こすことがある。2011年 ねん 東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん の津波 つなみ では、青森 あおもり 県 けん 、岩手 いわて 県 けん 、宮城 みやぎ 県 けん の計 けい 22河川 かせん が津波 つなみ により同時 どうじ に決壊 けっかい するという未 み 曽 そ 有 ゆう の被害 ひがい を生 しょう じた[52] 。北上川 きたかみがわ では、河口 かこう から49 km離 はな れた旧 きゅう 中田 なかだ 町 まち にまで津波 つなみ が到達 とうたつ し、農地 のうち の大 だい 規模 きぼ 浸水 しんすい が起 お こっているほか[53] 、名取川 なとりがわ では仙台 せんだい 市 し 太白 たいはく 区 く ・若林 わかばやし 区 く の、旧北上川 きゅうきたかみがわ や新 しん 北上川 きたかみがわ (追波川 おっぱがわ )では石巻 いしのまき 市 し の市街地 しがいち を濁流 だくりゅう に呑 の み込 こ み、甚大 じんだい な被害 ひがい を出 だ した。特 とく に石巻 いしのまき 市立 しりつ 大川 おおかわ 小学校 しょうがっこう では新 しん 北上川 きたかみがわ の堤防 ていぼう が高台 たかだい であると考 かんが えて避難 ひなん しようとしていたところ、川 かわ を遡上 そじょう してきた津波 つなみ が小学校 しょうがっこう を襲 おそ い、児童 じどう ・教師 きょうし らが多数 たすう 死亡 しぼう するという悲惨 ひさん な出来事 できごと も起 お きている。津波 つなみ の河川 かせん 遡上 そじょう という現象 げんしょう 自体 じたい が一般 いっぱん にあまり知 し られていなかったため、津波 つなみ の際 さい に人々 ひとびと が海岸 かいがん から離 はな れることはあっても、河口 かこう 付近 ふきん 以外 いがい で河川 かせん から遠 とお ざかろうとすることは当時 とうじ まれであった。
河川 かせん を遡上 そじょう する津波 つなみ と似 に たような物理 ぶつり 現象 げんしょう として、潮 しお 津波 つなみ がある。代表 だいひょう 的 てき なのは、南米 なんべい アマゾン川 あまぞんがわ のポロロッカ 、中国 ちゅうごく の銭 ぜに 塘江 などで起 お きる海嘯 つなみ である。津波 つなみ が河川 かせん に侵入 しんにゅう するのを防 ふせ ぐために、防潮 ぼうちょう 水門 すいもん などが設 もう けられている川 かわ も多 おお い。
銭 ぜに 塘江の海嘯 つなみ
津波 つなみ 被害 ひがい の軽減 けいげん ・回避 かいひ [ 編集 へんしゅう ]
海岸 かいがん やその近 ちか く平野 へいや 部 ぶ は経済 けいざい 活動 かつどう に便利 べんり なうえ、景観 けいかん が良 よ いため人口 じんこう が集 あつ まる傾向 けいこう が古来 こらい あり、その分 ぶん 、津波 つなみ が襲来 しゅうらい した場合 ばあい は被害 ひがい を受 う けやすい。このため津波 つなみ への対策 たいさく としては、「津波 つなみ 被害 ひがい を受 う ける可能 かのう 性 せい がある地域 ちいき を平時 へいじ から予測 よそく する」「津波 つなみ の襲来 しゅうらい を早期 そうき に感知 かんち して避難 ひなん する」「防潮 ぼうちょう 堤 つつみ などで津波 つなみ の内陸 ないりく 侵入 しんにゅう を極力 きょくりょく 防 ふせ ぐ」「建物 たてもの や道路 どうろ ・鉄道 てつどう を普段 ふだん からなるべく内陸 ないりく や高台 たかだい に移 うつ しておく」といった対策 たいさく を組 く み合 あ わせることが必要 ひつよう となる。
津波 つなみ と津波 つなみ 防災 ぼうさい の研究 けんきゅう [ 編集 へんしゅう ]
津波 つなみ そのものや主 おも な発生 はっせい 原因 げんいん である海底 かいてい 地震 じしん については海洋 かいよう 学 がく を中心 ちゅうしん とする地球 ちきゅう 物理 ぶつり 学 がく の面 めん から、防潮 ぼうちょう 堤 つつみ や水門 すいもん による対策 たいさく については土木 どぼく 工学 こうがく などの面 めん から研究 けんきゅう されてきた。日本 にっぽん ではこれらにより将来 しょうらい 想定 そうてい される津波 つなみ 被害 ひがい を予測 よそく ・対応 たいおう するだけでなく、陸上 りくじょう の津波 つなみ 堆積 たいせき 物 ぶつ や津波 つなみ 石 せき を調査 ちょうさ したり、津波 つなみ にまつわる古文書 こもんじょ や大 だい 津浪 つなみ 記念 きねん 碑 ひ を再 さい 評価 ひょうか したりする動 うご きが、特 とく に東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい 後 ご においては盛 さか んになっている[54] 。
またプールや水槽 すいそう で津波 つなみ に似 に せた水 みず の動 うご きを起 お こし、水流 すいりゅう を受 う けた際 さい の人 ひと の動 うご きや建物 たてもの への影響 えいきょう をシミュ―レートしたり、津波 つなみ を疑似 ぎじ 体験 たいけん してもらい防災 ぼうさい ・減 げん 災 わざわい の啓発 けいはつ に役立 やくだ てたりする取 と り組 く みも行 おこな われている[55] 。
2017年 ねん 11月には、津波 つなみ 防災 ぼうさい を学際 がくさい 的 てき に研究 けんきゅう する「国際 こくさい 津波 つなみ 防災 ぼうさい 学会 がっかい 」が日本 にっぽん で設立 せつりつ された[56]
津波 つなみ の到達 とうたつ と高台 たかだい への避難 ひなん [ 編集 へんしゅう ]
水深 すいしん の深 ふか い湾 わん 、次第 しだい に狭 せま くなる湾 わん や入 い り江 え の奥 おく 部 ぶ 、周囲 しゅうい を海 うみ に囲 かこ まれた岬 みさき の先端 せんたん などでは、津波 つなみ (到達 とうたつ 高 だか )が高 たか くなる[6] 。湾 わん では減速 げんそく しながら海岸 かいがん に接近 せっきん した先行 せんこう 波 は に後続 こうぞく 波 は が重 かさ なりやすいため。(湾口 わんこう で波高 はこう 2 mのものが湾 わん 奥 おく で5 m超 ちょう になった例 れい がある[2] )
潮 しお が引 ひ く「引 び き波 は 」から始 はじ まる時 とき も、盛 も り上 あ がる「押 お し波 なみ 」から始 はじ まる時 とき もある[57] 。これは発生 はっせい 様式 ようしき によって「海底 かいてい 地形 ちけい の変化 へんか 」が異 こと なるためである。浸水 しんすい 後 ご の引 び き波 は は、次第 しだい に速度 そくど を増 ま していき、流速 りゅうそく は浸水 しんすい 時 じ よりも早 はや い場合 ばあい がある。重力 じゅうりょく による落下 らっか が水 みず の勢 いきお いを加速 かそく させるため。
第 だい 1波 は が一番 いちばん 高 たか いとは限 かぎ らず、数 すう 十 じゅう 時 じ 間 あいだ にわたり数 すう 波 は の来襲 らいしゅう がある場合 ばあい もある。これは反射 はんしゃ ・屈折 くっせつ ・干渉 かんしょう した波 なみ や余震 よしん で発生 はっせい した別 べつ の津波 つなみ によって不規則 ふきそく に波 なみ が重 かさ なることがあるため。
津波 つなみ 警戒 けいかい 標識 ひょうしき
津波 つなみ フラッグ
津波 つなみ 緊急 きんきゅう 退避 たいひ 施設 しせつ (焼津 やいづ 市 し )
津波 つなみ 避難 ひなん 路 ろ マップ(東松島 ひがしまつしま 市 し )
一般 いっぱん 的 てき に海岸 かいがん 近 ちか くでの津波 つなみ への警戒 けいかい ・対応 たいおう として、強弱 きょうじゃく に関 かか わらず揺 ゆ れを感 かん じた場合 ばあい 、「できれば内陸 ないりく 深 ふか くへ、難 むずか しそうなら近 ちか くの高台 たかだい 、建物 たてもの の上層 じょうそう 部 ぶ へ速 すみ やかに避難 ひなん すること」が推奨 すいしょう される。日頃 ひごろ からの避難 ひなん の心得 こころえ として「津波 つなみ てんでんこ 」という標語 ひょうご もある。津波 つなみ の襲来 しゅうらい が目視 もくし できる前 まえ でも、海岸 かいがん や河口 かこう 付近 ふきん の低地 ていち に留 と まることは危険 きけん である。
日本 にっぽん などの津波 つなみ 警報 けいほう 体制 たいせい が整備 せいび されている地域 ちいき では、地震 じしん 後 ご 速 すみ やかに津波 つなみ に関 かん する情報 じょうほう が発表 はっぴょう されることが期待 きたい されるので、防災 ぼうさい 担当 たんとう 機関 きかん は「津波 つなみ 警報 けいほう 」「津波 つなみ 注意報 ちゅういほう 」などが発表 はっぴょう されたら速 すみ やかに避難 ひなん するよう呼 よ びかけている。また、海水浴 かいすいよく 場 じょう 等 とう では、津波 つなみ フラッグが提示 ていじ される。日本 にっぽん では市町村 しちょうそん が海岸 かいがん の近 ちか くに「避難 ひなん 場所 ばしょ や避難 ひなん 経路 けいろ を示 しめ す掲示 けいじ 」を行 おこな っている場合 ばあい があるので、その場所 ばしょ へ避難 ひなん すれば安全 あんぜん が確保 かくほ されると考 かんが えられる。避難 ひなん 場所 ばしょ ごとに適 てき した災害 さいがい の種類 しゅるい が異 こと なる場合 ばあい があるので、津波 つなみ の避難 ひなん 場所 ばしょ と明示 めいじ されている所 ところ がより安全 あんぜん である。なお、津波 つなみ の危険 きけん 性 せい がある居住 きょじゅう 地 ち では、日頃 ひごろ より避難 ひなん 場所 ばしょ と経路 けいろ を確認 かくにん しておくことが、避難 ひなん の迅速 じんそく 化 か が期待 きたい されるため推奨 すいしょう されている。また、平坦 へいたん な場所 ばしょ で津波 つなみ が近 ちか くに迫 せま っている場合 ばあい は緊急 きんきゅう 避難 ひなん 的 てき に、一般 いっぱん に頑丈 がんじょう と考 かんが えられる鉄筋 てっきん コンクリート造 づくり の3階 かい 建 だ て以上 いじょう のビルに避難 ひなん し、3階 かい 以上 いじょう に昇 のぼ ると「ほぼ安全 あんぜん 」(消防庁 しょうぼうちょう )としている[58] 。内陸 ないりく や高台 たかだい への避難 ひなん が間 ま に合 あ わない場合 ばあい に備 そな えて、津波 つなみ 避難 ひなん 施設 しせつ が日本 にっぽん 各地 かくち の沿岸 えんがん 部 ぶ に整備 せいび されている。
防災 ぼうさい 無線 むせん が伝 つた わらない聴覚 ちょうかく 障害 しょうがい 者 しゃ や、スマホなどを所持 しょじ しておらず津波 つなみ 情報 じょうほう が受 う け取 と れない海水浴 かいすいよく 場 じょう の遊泳 ゆうえい 者 しゃ などのために、沿岸 えんがん 部 ぶ における視覚 しかく 的 てき な伝達 でんたつ 手段 しゅだん として津波 つなみ フラッグ が制定 せいてい されている。
東北大学 とうほくだいがく や国際航業 こくさいこうぎょう 、NEC などが2018年 ねん 5月 がつ に設立 せつりつ を発表 はっぴょう した新 しん 会社 かいしゃ 「RTi-cast」(本社 ほんしゃ ・宮城 みやぎ 県 けん 仙台 せんだい 市 し )は、津波 つなみ 警報 けいほう や津波 つなみ 注意報 ちゅういほう が出 で るような地震 じしん が発生 はっせい すると、スーパーコンピュータ を使 つか い30分 ふん 以内 いない に被害 ひがい 予測 よそく を算出 さんしゅつ し、通知 つうち する事業 じぎょう を行 おこな う。内閣 ないかく 府 ふ が南海 なんかい トラフ巨大 きょだい 地震 じしん に備 そな えて採用 さいよう している[59] 。
津波 つなみ 防災 ぼうさい 地域 ちいき づくり法 ほう による区域 くいき 指定 してい [ 編集 へんしゅう ]
沿岸 えんがん 部 ぶ でも、地形 ちけい や人 ひと の居住 きょじゅう の有無 うむ によって、予想 よそう される津波 つなみ 被害 ひがい は異 こと なる。東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい 前 まえ から一部 いちぶ ではハザードマップ が作 つく られるなどしていたが、津波 つなみ の高 たか さの想定 そうてい や周知 しゅうち は十分 じゅうぶん でなかった。東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい が起 お きた2011年 ねん の年末 ねんまつ 、「津波 つなみ 防災 ぼうさい 地域 ちいき づくり法 ほう 」が制定 せいてい され[60] 、翌年 よくねん 施行 しこう された。同 どう 法 ほう に基 もと づき、建物 たてもの の床 ゆか 面 めん 嵩上 かさあ げなどが求 もと められる津波 つなみ 災害 さいがい の「特別 とくべつ 警戒 けいかい 区域 くいき 」のオレンジゾーンとして2018年 ねん 3月 がつ 27日 にち 、静岡 しずおか 県 けん 伊豆 いず 市 し の土肥 どい (とい)地区 ちく の一部 いちぶ が全国 ぜんこく で初 はじ めて指定 してい された。津波 つなみ ハザードマップの作成 さくせい などが必要 ひつよう な「警戒 けいかい 区域 くいき 」(イエローゾーン)は徳島 とくしま 県 けん や山口 やまぐち 県 けん など7府県 ふけん の83市町 しちょう が指定 してい されている。
ただ、地元 じもと がイメージ悪化 あっか を恐 おそ れて、津波 つなみ の被害 ひがい 想定 そうてい や対策 たいさく が進 すす まない傾向 けいこう も指摘 してき されている。特別 とくべつ 警戒 けいかい 区域 くいき のうち、住宅 じゅうたく の新 しん 改築 かいちく を制限 せいげん できるレッドゾーンは、2018年 ねん 3月 がつ 時点 じてん で指定 してい 例 れい はない[61] 。
伝承 でんしょう ・思 おも い込 こ みとその影響 えいきょう [ 編集 へんしゅう ]
原則 げんそく として地震 じしん による海底 かいてい の上下 じょうげ 変動 へんどう が起 お きれば津波 つなみ が発生 はっせい する。しかし、しばしば津波 つなみ に関 かん する根拠 こんきょ の薄 うす い情報 じょうほう が伝承 でんしょう された結果 けっか 、人的 じんてき 被害 ひがい が拡大 かくだい した事例 じれい が数多 かずおお く確認 かくにん されている。地震 じしん 後 ご に津波 つなみ 警報 けいほう が発表 はっぴょう された場合 ばあい 、一刻 いっこく も早 はや く高台 たかだい へ避難 ひなん することが必要 ひつよう とされる。
2011年 ねん の東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい では、「頑丈 がんじょう な防潮 ぼうちょう 堤 つつみ があるから大丈夫 だいじょうぶ 」であるとか、明治 めいじ 三陸 さんりく 沖 おき 地震 じしん による津波 つなみ の記録 きろく や1960年 ねん のチリ地震 じしん の記憶 きおく から「過去 かこ の大 だい 津波 つなみ でもここまで津波 つなみ が来 こ なかった」「今 いま までに何 なん 度 ど も大 だい 地震 じしん は起 お こったが、いつも津波 つなみ 注意報 ちゅういほう どまりで津波 つなみ は来 こ なかった」などのような [要 よう 出典 しゅってん ] 過去 かこ の経験 けいけん の影響 えいきょう で避難 ひなん しなかったり、避難 ひなん が遅 おく れたりした[62] ために、津波 つなみ の犠牲 ぎせい になった住人 じゅうにん もいた[63] 。また、1960年 ねん のチリ地震 じしん による津波 つなみ において、ハワイのヒロでは、「過去 かこ の地震 じしん による津波 つなみ があまり高 たか くなかった」という過去 かこ の経験 けいけん や、「津波 つなみ は震源 しんげん 地 ち であるチリがある南東 なんとう 方向 ほうこう からやってくる。」と判断 はんだん した住人 じゅうにん が犠牲 ぎせい となった。 [要 よう 出典 しゅってん ]
東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい では岩手 いわて 県 けん 釜石 かまいし 市 し が設置 せっち していた鵜住居 うのずまい 地区 ちく 防災 ぼうさい センターが、「防災 ぼうさい 」という名称 めいしょう から津波 つなみ 避難 ひなん 場所 ばしょ と誤解 ごかい され犠牲 ぎせい 者 しゃ が出 で たとして、訴訟 そしょう になった例 れい がある[64] 。
宮城 みやぎ 県 けん の歌津 うたつ 町 まち 、戸倉 とくら 村 むら を含 ふく む地方 ちほう や、岩手 いわて 県 けん 田老 たろう 町 まち では「晴 は れた日 ひ には、よだ(津波 つなみ )はこない」「寒 さむ い時期 じき の津波 つなみ はない」「冬 ふゆ の晴 は れた日 ひ には津波 つなみ は来 こ ない」といった話 はなし が伝 つた えられていた[65] [66] 。昭和 しょうわ 三陸 さんりく 地震 じしん の際 さい にはこの伝承 でんしょう によって却 かえ って大勢 おおぜい の犠牲 ぎせい 者 しゃ を出 だ したと言 い われている。なお、東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん も寒 さむ い時期 じき の発生 はっせい であり、また津波 つなみ 到達 とうたつ 時 じ に三陸 さんりく 沿岸 えんがん では雪 ゆき が降 ふ っていた。
昭和 しょうわ 三陸 さんりく 地震 じしん では強 つよ い揺 ゆ れを伴 ともな ったが、過去 かこ の経験 けいけん に因 よ る「強 つよ い揺 ゆ れがあったときは津波 つなみ は来 こ ない」という伝承 でんしょう から被害 ひがい に遭 あ った者 もの もいる[67] 。これは、明治 めいじ 三陸 さんりく 地震 じしん で弱 よわ くゆっくりとした揺 ゆ れの後 のち に津波 つなみ が来 き たという経験 けいけん に基 もと づいている。
明治 めいじ 三陸 さんりく 地震 じしん による津波 つなみ が発生 はっせい した6月 がつ 15日 にち は旧暦 きゅうれき の端午 たんご の節句 せっく 、昭和 しょうわ 三陸 さんりく 地震 じしん による津波 つなみ が発生 はっせい した3月 がつ 3日 にち は新暦 しんれき の桃 もも の節句 せっく に当 あ たることから、「津波 つなみ は節句 せっく の日 ひ に来 く る」という伝承 でんしょう も生 う まれた。
「津波 つなみ は引 び き波 は から来 く る」という誤 あやま った知見 ちけん [68] に基 もと づいた教育 きょういく がかつて行 おこな われていたこともあり、開発途上国 かいはつとじょうこく を含 ふく めて誤 あやま った知識 ちしき が流布 るふ されている。かつての日本 にっぽん でも、「地震 じしん が起 お きたら海 うみ へ逃 に げろ」という陸上 りくじょう での津波 つなみ 避難 ひなん としては適切 てきせつ でない教訓 きょうくん があった[66] 。この説 せつ は、秋田 あきた 県 けん の男鹿半島 おがはんとう では、1964年 ねん に起 お きた男鹿半島 おがはんとう 沖 おき 地震 じしん での山崩 やまくず れの経験 けいけん からのものだとされている。またこの伝承 でんしょう は、「日本海 にほんかい 側 がわ には津波 つなみ は来 こ ない」という思 おも い込 こ みも影響 えいきょう して、日本海 にほんかい 中部 ちゅうぶ 地震 じしん (1983年 ねん )による被害 ひがい を拡大 かくだい させたと考 かんが えられている。
北海道 ほっかいどう 日高 ひだか 地方 ちほう 静内 しずない 町 まち 神森 かみもり 付近 ふきん のアイヌ民族 みんぞく には、「酒盛 さかも りをしていた家 いえ を津波 つなみ が避 さ けて通 とお ったため、津波 つなみ の神 かみ は酒 さけ を嫌 きら う」という伝承 でんしょう があり、変事 へんじ のたびに家 いえ の周 まわ りに酒粕 さけかす を撒 ま いて津 つ 波除 なみよ けに用 もち いていた[69] 。
「津波 つなみ の前 まえ には必 かなら ず井戸 いど の水 みず が引 ひ く」という俗説 ぞくせつ もあり、実際 じっさい に昭和 しょうわ 三陸 さんりく 地震 じしん の時 とき にはわざわざ井戸 いど を覗 のぞ きに行 い ったがために津波 つなみ から逃 に げ遅 おく れた人 ひと もいるという[70] 。
三重 みえ 県 けん 尾鷲 おわせ 市 し では、「地震 じしん の後 のち 、津波 つなみ が来 く るまでに、ご飯 はん を炊 た く時間 じかん がある」「地震 じしん が発生 はっせい してから津波 つなみ が来 く るまでには、ご飯 はん を炊 た いて食 た べて、それを弁当 べんとう に持 も って逃 に げられるだけの時間 じかん 的 てき 余裕 よゆう がある」といった伝承 でんしょう もあったが、昭和 しょうわ 東 ひがし 南海 なんかい 地震 じしん による津波 つなみ は約 やく 15分 ふん 程度 ていど で来襲 らいしゅう したので、とてもそのような余裕 よゆう はなく慌 あわ てたとの体験 たいけん 談 だん が残 のこ っている[70] 。
「地震 じしん の時 とき は竹藪 たけやぶ へ逃 に げろ」との伝承 でんしょう を信 しん じたがために津波 つなみ の犠牲 ぎせい になった例 れい が昭和 しょうわ 南海 なんかい 地震 じしん において見 み られた。竹林 ちくりん は地震 じしん による地割 じわ れを防 ふせ ぐから安全 あんぜん という俗説 ぞくせつ から生 しょう じたもので(漫画 まんが 版 ばん 『日本 にっぽん 沈没 ちんぼつ 』にも同様 どうよう の描写 びょうしゃ がある)、もとより明確 めいかく な根拠 こんきょ はなく(竹林 ちくりん #竹林 ちくりん と災害 さいがい も参照 さんしょう )まして津波 つなみ からの逃避 とうひ 策 さく にもならない[70] 。
津波 つなみ シェルターへの避難 ひなん [ 編集 へんしゅう ]
飲料 いんりょう 水 すい ・食料 しょくりょう ・医薬品 いやくひん などを積載 せきさい しトイレを付属 ふぞく させた浮揚 ふよう 型 がた のアルミ製 せい の津波 つなみ シェルターも開発 かいはつ されている[71] 。
この
節 ふし の
加筆 かひつ が
望 のぞ まれています。
(2016年 ねん 3月 がつ )
海上 かいじょう の船舶 せんぱく は、津波 つなみ 警報 けいほう 等 とう で接岸 せつがん 許可 きょか が出 で ず停泊 ていはく して待機 たいき したり、船 ふね は横波 よこなみ に弱 よわ いので船首 せんしゅ を沖 おき へ向 む けたり、沖合 おきあい での被害 ひがい は波浪 はろう に比 くら べても少 すく ないので、沖合 おきあい へ避難 ひなん したり、接岸 せつがん していた船舶 せんぱく が緊急 きんきゅう に出港 しゅっこう する事 こと もある。東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい でも、そのような漁船 ぎょせん が引 び き波 は で海 うみ へ流 なが された被災 ひさい 者 しゃ の救助 きゅうじょ に活躍 かつやく した。また、東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい では、複数 ふくすう の船舶 せんぱく が陸 ろく に打 う ち揚 あ げられ、建物 たてもの の上 うえ に乗 の り上 あ げたものもあった。
津波 つなみ 被害 ひがい からの復旧 ふっきゅう ・復興 ふっこう [ 編集 へんしゅう ]
この
節 ふし の
加筆 かひつ が
望 のぞ まれています。
(2017年 ねん 11月 )
大 だい 規模 きぼ な津波 つなみ に襲 おそ われた地域 ちいき ・国家 こっか では先 ま ず、被災 ひさい 者 しゃ の救出 きゅうしゅつ ・救援 きゅうえん 、行方 ゆくえ 不明 ふめい 者 しゃ の捜索 そうさく 、犠牲 ぎせい 者 しゃ の死体 したい 収容 しゅうよう 、津波 つなみ 火災 かさい の消火 しょうか といった応急 おうきゅう 対応 たいおう を行 おこな う。次 つぎ に、家 いえ を失 うしな った被災 ひさい 者 しゃ の仮設 かせつ 住宅 じゅうたく などの確保 かくほ 、津波 つなみ により発生 はっせい した大量 たいりょう の廃棄 はいき 物 ぶつ (がれき)や破壊 はかい された建物 たてもの 残骸 ざんがい の撤去 てっきょ ・処理 しょり などに取 と り組 く み、続 つづ いて被災 ひさい 地域 ちいき の復興 ふっこう へ移 うつ る。
津波 つなみ は再来 さいらい する可能 かのう 性 せい があるため、防潮 ぼうちょう 堤 つつみ の新設 しんせつ ・嵩上 かさあ げによって将来 しょうらい の被害 ひがい を防止 ぼうし ・軽減 けいげん を図 はか ることのほか、復興 ふっこう では土地 とち 利用 りよう のあり方 かた が問題 もんだい となる。津波 つなみ 常 つね 襲 かさね 地 ち であった三陸 さんりく 地方 ちほう では、昭和 しょうわ 以前 いぜん の津波 つなみ の到達 とうたつ 点 てん などを示 しめ す災害 さいがい 記念 きねん 碑 ひ や行政 ぎょうせい による看板 かんばん が多 おお く設置 せっち されていたが、東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい ではそれより海 うみ に近 ちか い地域 ちいき で多 おお くの被害 ひがい が出 で た。東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい 後 ご では、津波 つなみ 再来 さいらい のリスクが高 たか い地域 ちいき での建築 けんちく 制限 せいげん 、高台 たかだい への市街 しがい ・住宅 じゅうたく 地 ち や道路 どうろ ・鉄道 てつどう の移転 いてん などが行 おこな われている。また南海 なんかい トラフ巨大 きょだい 地震 じしん による津波 つなみ 襲来 しゅうらい が予測 よそく されている地域 ちいき などでは、被害 ひがい 軽減 けいげん や復興 ふっこう がしやすい地域 ちいき づくりを目指 めざ す「事前 じぜん 復興 ふっこう 」という対策 たいさく も導入 どうにゅう されつつある[72] 。
津波 つなみ の監視 かんし 体制 たいせい [ 編集 へんしゅう ]
津波 つなみ を防 ふせ ぐための水門 すいもん 「びゅうお」(静岡 しずおか 県 けん ・沼津 ぬまづ 港 こう )
日本 にっぽん では、気象 きしょう 業務 ぎょうむ 法 ほう により気象庁 きしょうちょう が津波 つなみ の監 かん 視 し と警報 けいほう の発表 はっぴょう を行 おこな うことが規定 きてい されている。気象庁 きしょうちょう は、津波 つなみ の原因 げんいん となる地震 じしん 活動 かつどう を24時 じ 間 あいだ 体制 たいせい で監視 かんし しており、地震 じしん が発生 はっせい すると最速 さいそく 2分 ふん 以内 いない に津波 つなみ に関 かん する予報 よほう ・警報 けいほう (津波 つなみ 予報 よほう ・津波 つなみ 注意報 ちゅういほう ・津波 つなみ 警報 けいほう ・大 だい 津波 つなみ 警報 けいほう )を発表 はっぴょう し[73] 、テレビ・ラジオやインターネットなどで速報 そくほう される。震源 しんげん が遠 とお くても規模 きぼ の大 おお きな地震 じしん など、震度 しんど が小 ちい さい地震 じしん の場合 ばあい でも津波 つなみ 警報 けいほう 等 とう が発表 はっぴょう される場合 ばあい もある。津波 つなみ 警報 けいほう 等 とう の発表 はっぴょう までの時間 じかん を短縮 たんしゅく するために、地震 じしん 計 けい をより高性能 こうせいのう のものに置 お き換 か える作業 さぎょう やケーブル式 しき 海底 かいてい 地震 じしん 計 けい の整備 せいび 等 とう が行 おこな われている。
こうした警報 けいほう の支 ささ えとして、防災 ぼうさい 科学 かがく 技術 ぎじゅつ 研究所 けんきゅうじょ が日本 にっぽん 列島 れっとう の太平洋 たいへいよう 側 がわ 海底 かいてい に観測 かんそく 機器 きき ネットワークを設置 せっち している。東日本 ひがしにっぽん では日本 にっぽん 海溝 かいこう 海底 かいてい 地震 じしん 津波 つなみ 観測 かんそく 網 もう (S-net)、東 ひがし 南海 なんかい 地震 じしん の想定 そうてい 震源 しんげん 域 いき にはDONET1 、南海 なんかい 地震 じしん の想定 そうてい 震源 しんげん 域 いき ではDONET2 である。また統計数理研究所 とうけいすうりけんきゅうしょ や東京大学 とうきょうだいがく 地震 じしん 研究所 けんきゅうじょ 、高知工科大学 こうちこうかだいがく は津波 つなみ に伴 ともな う海面 かいめん 隆起 りゅうき などを遠方 えんぽう から補足 ほそく できる微 ほろ 気圧 きあつ 振動 しんどう (インフラサウンド)を観測 かんそく しており、日本 にっぽん 気象 きしょう 協会 きょうかい が2017年 ねん 夏 なつ に開設 かいせつ する専用 せんよう ホームページでデータを公開 こうかい する予定 よてい である[74] 。
気象庁 きしょうちょう は、1952年 ねん に津波 つなみ 警報 けいほう 業務 ぎょうむ を開始 かいし し、1982年 ねん には気象 きしょう 資料 しりょう 自動 じどう 編集 へんしゅう 中継 ちゅうけい 装置 そうち (ADESS) の地震 じしん 処理 しょり 業務 ぎょうむ 開始 かいし を利用 りよう した警報 けいほう 業務 ぎょうむ が行 おこな われた[75] 。その後 ご システムは改良 かいりょう され、2006年 ねん には緊急 きんきゅう 地震 じしん 速報 そくほう と連携 れんけい したシステムとなり、予 あらかじ め計算 けいさん していた予測 よそく 情報 じょうほう と観測 かんそく した地震 じしん の震源 しんげん 位置 いち や規模 きぼ などの情報 じょうほう を合 あ わせ警報 けいほう が出 だ されている。なお、平成 へいせい 25年 ねん 3月 がつ には東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん の経験 けいけん を踏 ふ まえ、発表 はっぴょう 方法 ほうほう や表現 ひょうげん を変更 へんこう したシステムが運用 うんよう されている[76] 。
気象庁 きしょうちょう においては、予想 よそう される津波 つなみ の高 たか さに合 あ わせて、津波 つなみ 警報 けいほう 等 とう は以下 いか の2区分 くぶん 3種類 しゅるい が発表 はっぴょう される。なお、報道 ほうどう では「大津 おおつ 波 は の津波 つなみ 警報 けいほう 」は気象庁 きしょうちょう の会見 かいけん で用 もち いられることがあるが、報道 ほうどう ではかえって分 わ かりづらいと考 かんが えて“大 だい 津波 つなみ 警報 けいほう ”を俗称 ぞくしょう として使用 しよう していた。
津波 つなみ 警報 けいほう
大津 おおつ 波 なみ
高 たか いところで5 m以上 いじょう の津波 つなみ (発表 はっぴょう される津波 つなみ の高 たか さは5 m、10 m、10 m超 ちょう の3種類 しゅるい 。速報 そくほう では「巨大 きょだい 」と発表 はっぴょう される場合 ばあい あり)
津波 つなみ
高 たか いところで3 m程度 ていど の津波 つなみ (速報 そくほう では「高 たか い」と発表 はっぴょう される場合 ばあい あり)
津波 つなみ 注意報 ちゅういほう
津波 つなみ 注意 ちゅうい
高 たか いところで1 m程度 ていど の津波 つなみ (速報 そくほう では高 たか さを発表 はっぴょう されない場合 ばあい あり)[77]
津波 つなみ は最初 さいしょ の第 だい 1波 は が最大 さいだい とは限 かぎ らず、数 すう 十 じゅう 分 ふん から1時 じ 間 あいだ 前後 ぜんこう の間隔 かんかく をおいて第 だい 2波 は 、第 だい 3波 は と複数 ふくすう の後続 こうぞく 波 は がやってくることがある。また、湾内 わんない では固有 こゆう 振動 しんどう 数 すう で共鳴 きょうめい し増幅 ぞうふく され大 おお きな津波 つなみ となって陸上 りくじょう に浸水 しんすい する恐 おそ れがある。このため、津波 つなみ 警報 けいほう ・注意報 ちゅういほう が解除 かいじょ されるまでは警戒 けいかい ・注意 ちゅうい が必要 ひつよう である。太平洋 たいへいよう 沿岸 えんがん で発生 はっせい する巨大 きょだい 地震 じしん による津波 つなみ では、数 すう 千 せん km彼方 かなた の対岸 たいがん の陸地 りくち で反射 はんしゃ した波 なみ が到達 とうたつ する。たとえば、1960年 ねん チリ地震 じしん では片道 かたみち 約 やく 22時間 じかん かかっているので、反射 はんしゃ 波 は は30時 じ 間 あいだ から50時 じ 間 あいだ も継続 けいぞく する。従 したが って、東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん の例 れい では発生 はっせい 直後 ちょくご から全 すべ て解除 かいじょ されるまで51時 じ 間 あいだ 余 あまり に渡 わた って発表 はっぴょう され続 つづ けた)場合 ばあい もある。
また、津波 つなみ 警報 けいほう ・注意報 ちゅういほう は、日本 にっぽん の沿岸 えんがん を細 こま かく区切 くぎ った津波 つなみ 予報 よほう 区 く にしたがって、地域 ちいき を指定 してい して発表 はっぴょう される。
津波 つなみ 警報 けいほう や津波 つなみ 注意報 ちゅういほう が発表 はっぴょう された場合 ばあい は、到達 とうたつ 時刻 じこく や予想 よそう される津波 つなみ の高 たか さ、各地 かくち の満潮 まんちょう 時刻 じこく 、津波 つなみ が到達 とうたつ した場合 ばあい の観測 かんそく 波高 はこう などの「津波 つなみ 情報 じょうほう 」が発表 はっぴょう される。
東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん (東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい )後 ご [ 編集 へんしゅう ]
2011年 ねん の東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん (東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい )では、発生 はっせい 3分 ふん 後 ご に宮城 みやぎ 県 けん に6 m・岩手 いわて 県 けん および福島 ふくしま 県 けん に3 m、28分 ふん 後 ご に岩手 いわて 県 けん に6 m、44分 ふん 後 ご に東北 とうほく から千葉 ちば 県 けん の太平洋 たいへいよう 沿岸 えんがん に10 m以上 いじょう の大 だい 津波 つなみ 警報 けいほう をそれぞれ発表 はっぴょう した。しかし速報 そくほう 値 ち M7.9であったのが実際 じっさい にはM9.0で津波 つなみ の高 たか さは10 m以上 いじょう であった上 うえ 、第 だい 1波 は が宮古 みやこ に到達 とうたつ したのは地震 じしん 15分 ふん 後 ご 、大船渡 おおふなと で8 mの津波 つなみ が観測 かんそく されたのは34分 ふん 後 ご であったため、警報 けいほう の遅 おく れと誤差 ごさ が被害 ひがい を拡大 かくだい したとされていた。M8以上 いじょう の地震 じしん の規模 きぼ と津波 つなみ の高 たか さを3分 ふん 以内 いない に判定 はんてい することは不可能 ふかのう であることから、気象庁 きしょうちょう の検討 けんとう 会 かい が2012年 ねん 1月 がつ 31日 にち に新 あたら しい警報 けいほう 案 あん を発表 はっぴょう した[78] 。その中 なか では、「大 だい 津波 つなみ 警報 けいほう 」という呼称 こしょう を「津波 つなみ 警報 けいほう (大津 おおつ 波 なみ )」と同義 どうぎ のものとして正式 せいしき に位置 いち づけ、同様 どうよう に「津波 つなみ 警報 けいほう 」という呼称 こしょう を「津波 つなみ 警報 けいほう (津波 つなみ )」と同義 どうぎ のものとするとした[79] 。新 しん 運用 うんよう による警報 けいほう 業務 ぎょうむ は2013年 ねん 3月 がつ 7日 にち 12時 じ から行 おこな われた[76] 。
M8を超 こ える地震 じしん で津波 つなみ が予想 よそう される場合 ばあい
※警報 けいほう や情報 じょうほう 文中 ぶんちゅう で基本 きほん 的 てき に用 もち いられる呼称 こしょう にて表記 ひょうき
大 だい 津波 つなみ 警報 けいほう
高 たか さは「巨大 きょだい 」と表現 ひょうげん し、「直 ただ ちに高台 たかだい に避難 ひなん 」と呼 よ びかける。
津波 つなみ 警報 けいほう
高 たか さは「高 たか い」と表現 ひょうげん し、「直 ただ ちに高台 たかだい に避難 ひなん 」と呼 よ びかける。
発表 はっぴょう される高 たか さ
発表 はっぴょう 基準 きじゅん
大 だい 津波 つなみ 警報 けいほう
10 m超 ちょう
10 m < (予想 よそう 高 だか )
10 m
5 m < (予想 よそう 高 だか ) ≦ 10 m
5 m
3 m < (予想 よそう 高 だか ) ≦ 5 m
津波 つなみ 警報 けいほう
3 m
1 m < (予想 よそう 高 だか ) ≦ 3 m
津波 つなみ 注意報 ちゅういほう
1 m
0.2 m ≦ (予想 よそう 高 だか ) ≦ 1 m
津波 つなみ 情報 じょうほう の充実 じゅうじつ と問題 もんだい 点 てん [ 編集 へんしゅう ]
緊急 きんきゅう 警報 けいほう 放送 ほうそう や緊急 きんきゅう 地震 じしん 速報 そくほう などの施行 しこう で現在 げんざい は津波 つなみ 情報 じょうほう が充実 じゅうじつ しているが、津波 つなみ 警報 けいほう が出 で ても避難 ひなん をしない住民 じゅうみん が多 おお いことはかねてから問題 もんだい になっており、東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん (東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい )では津波 つなみ 教育 きょういく がうまくいっていないことが浮 う き彫 ぼ りになった。そのため、制度 せいど としての警報 けいほう のみならず、受 う ける側 がわ も教育 きょういく ・啓蒙 けいもう されることが必要 ひつよう とされている。
太平洋 たいへいよう 津波 つなみ 警報 けいほう センター(太平洋 たいへいよう など)[ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん を含 ふく む太平洋 たいへいよう 地域 ちいき では、1960年 ねん のチリ地震 じしん による津波 つなみ で、日本 にっぽん を含 ふく む各国 かっこく に被害 ひがい が出 で たことをきっかけに、国際 こくさい 連合 れんごう 教育 きょういく 科学 かがく 文化 ぶんか 機関 きかん (ユネスコ)が中心 ちゅうしん となって、太平洋 たいへいよう 津波 つなみ 警報 けいほう 組織 そしき 国際 こくさい 調整 ちょうせい グループ (ICG/PTWS) が設立 せつりつ された。現在 げんざい 、日本 にっぽん やアメリカ、中国 ちゅうごく 、オーストラリア、チリ、ロシア、韓国 かんこく など26の国 くに と地域 ちいき が加盟 かめい しており、沿岸 えんがん 各国 かっこく で地震 じしん や津波 つなみ が発生 はっせい した場合 ばあい 、データがハワイ にあるアメリカ国立 こくりつ 海洋 かいよう 大気 たいき 局 きょく の太平洋 たいへいよう 津波 つなみ 警報 けいほう センター (Pacific Tsunami Warning Center, PTWC) に集 あつ められ、各国 かっこく に津波 つなみ の規模 きぼ 、到達 とうたつ 推定 すいてい 時刻 じこく などの警報 けいほう を発 はっ する仕組 しく みがある。太平洋 たいへいよう 津波 つなみ 警報 けいほう センターが発表 はっぴょう する津波 つなみ 警報 けいほう には、地域 ちいき ごとに以下 いか のものがある[80] 。
太平洋 たいへいよう
Pacific Ocean-wide Tsunami Warning (太平洋 たいへいよう 広域 こういき 津波 つなみ 警報 けいほう )
Expanding Regional Tsunami Warning (地域 ちいき 拡大 かくだい 津波 つなみ 警報 けいほう )
Fixed Regional Tsunami Warning (地域 ちいき 固定 こてい 津波 つなみ 警報 けいほう )
Tsunami Information Bulletin (津波 つなみ 情報 じょうほう 速報 そくほう )
太平洋 たいへいよう (2014年 ねん 10月 がつ 1日 にち 00UTC以降 いこう )
TSUNAMI THREAT MESSAGE
TSUNAMI THREAT FORECASTにて、高 たか さ3 m以上 いじょう の地域 ちいき ・沿岸 えんがん
TSUNAMI THREAT FORECASTにて、高 たか さ1 mから3 mの地域 ちいき ・沿岸 えんがん
TSUNAMI THREAT FORECASTにて、高 たか さ0.3 mから1 mの地域 ちいき ・沿岸 えんがん
TSUNAMI INFORMATION STATEMENT
津波 つなみ の発生 はっせい が予想 よそう されない場合 ばあい に報 ほう じる
PTWCは、PTWS加盟 かめい 各国 かっこく に対 たい し、2014年 ねん 10月 がつ 1日 にち 00UTCより、津波 つなみ 情報 じょうほう の形式 けいしき や内容 ないよう の改定 かいてい を行 おこな うことをアナウンス[81] している。具体 ぐたい 的 てき にどのような情報 じょうほう を加盟 かめい 各国 かっこく に報 ほう じるのかと言 い った詳細 しょうさい は、2014年 ねん 9月 がつ までに改版 かいはん (まだ軽微 けいび な記述 きじゅつ 更改 こうかい が行 おこな われている)されるガイドブック[82] に掲載 けいさい されている。
変化 へんか するのは、PTWCが半 なか ば強制 きょうせい 力 りょく を持 も って警報 けいほう や注意報 ちゅういほう を加盟 かめい 各国 かっこく にしていたところから、各国 かっこく が判断 はんだん するために必要 ひつよう な情報 じょうほう の支援 しえん に徹 てっ するという方向 ほうこう 転換 てんかん が図 はか られた。これまで使用 しよう されている「Tsunami warning is in effect」、「Tsunami watch is in effect」といった、警報 けいほう ・注意報 ちゅういほう の文言 もんごん が廃止 はいし され、どの程度 ていど の高 たか さの津波 つなみ が来襲 らいしゅう するか、その地域 ちいき を具体 ぐたい 的 てき に明示 めいじ して告知 こくち するよう改 あらた められる。この文言 もんごん に替 か わったからといって、自国 じこく の津波 つなみ に関 かか わる警報 けいほう ・注意報 ちゅういほう の更改 こうかい を迫 せま るものではない。加盟 かめい 各国 かっこく は出来 でき うる範囲 はんい での改定 かいてい は行 おこな うことを検討 けんとう し、実効 じっこう 性 せい のある改定 かいてい 作業 さぎょう を進 すす めている。
PTWCが加盟 かめい 各国 かっこく に発信 はっしん する津波 つなみ 情報 じょうほう (テキスト形式 けいしき )は、次 つぎ のような構成 こうせい による。
PTWCの津波 つなみ 情報 じょうほう で報 ほう じられる要素 ようそ ・項目 こうもく (テキスト形式 けいしき 2014年 ねん 10月 がつ 1日 にち 00UTC以降 いこう )
TSUNAMI INFORMATION STATEMENT or TSUNAMI THREAT MESSAGE
M6.5を超 こ える地震 じしん があり、特段 とくだん 津波 つなみ を起 お こす地震 じしん ではない場合 ばあい
TSUNAMI INFORMATION STATEMENT
津波 つなみ を起 お こす地震 じしん と予想 よそう される場合 ばあい
TSUNAMI THREAT MESSAGE
NOTICE
情報 じょうほう を用 もち いる際 さい の注意 ちゅうい 書 が きである。固定 こてい されており、用途 ようと や主 しゅ たる目的 もくてき が明記 めいき される。
THIS STATEMENT IS ISSUED FOR INFORMATION ONLY IN SUPPORT OF THE UNESCO/IOC PACIFIC TSUNAMI WARNING AND MITIGATION SYSTEM AND IS MEANT FOR NATIONAL AUTHORITIES IN EACH COUNTRY OF THAT SYSTEM.
NATIONAL AUTHORITIES WILL DETERMINE THE APPROPRIATE LEVEL OF ALERT FOR EACH COUNTRY AND MAY ISSUE ADDITIONAL OR MORE REFINED INFORMATION.
UPDATES
津波 つなみ 情報 じょうほう を更新 こうしん した情報 じょうほう を報 ほう じるとき用 もち いる。
PRELIMINARY EARTHQUAKE PARAMETERS
地震 じしん の発現 はつげん 日 び 時 じ 、位置 いち 、深 ふか さ、地域 ちいき 、規模 きぼ の情報 じょうほう
例 れい :
MAGNITUDE 9.0
ORIGIN TIME 0000 UTC OCT 1 2014
COORDINATES 20.0 SOUTH 173.4 WEST
DEPTH 20 KM / 12 MILES
LOCATION TONGA
EVALUATION
地震 じしん に関 かん するPTWCの検討 けんとう 結果 けっか を簡単 かんたん に明示 めいじ する。
TSUNAMI THREAT FORECAST
津波 つなみ 発生 はっせい し、沿岸 えんがん 地域 ちいき に到達 とうたつ が予想 よそう される場合 ばあい 、予想 よそう される津波 つなみ 高 だか (最小 さいしょう )に該当 がいとう する地域 ちいき や国 くに の名称 めいしょう が記述 きじゅつ される。
TSUNAMI WAVES REACHING MORE THAN 3 METERS ABOVE THE TIDE LEVEL ARE POSSIBLE ALONG SOME COASTS
TSUNAMI WAVES REACHING 1 TO 3 METERS ABOVE THE TIDE LEVEL ARE POSSIBLE ALONG SOME COASTS
TSUNAMI WAVES REACHING 0.3 TO 1 METERS ABOVE THE TIDE LEVEL ARE POSSIBLE FOR SOME COASTS
RECOMMENDED ACTIONS
講 こう じるべき措置 そち
加盟 かめい 各国 かっこく に対 たい して、災害 さいがい を小 ちい さくするための措置 そち (何 なに をしないとならないのか)について簡単 かんたん に明記 めいき される。
ESTIMATED TIMES OF ARRIVAL
津波 つなみ 観測 かんそく 点 てん における予想 よそう される津波 つなみ の予想 よそう 到達 とうたつ 日 び 時 じ (UTC) が明記 めいき される。
例 れい :KATSUURA JAPAN 35.1N 140.3E 0948 10/01
POTENTIAL IMPACTS
津波 つなみ が到達 とうたつ した場合 ばあい に考 かんが えられる影響 えいきょう について、箇条書 かじょうが きで明記 めいき される。
TSUNAMI OBSERVATIONS
津波 つなみ 観測 かんそく 点 てん において津波 つなみ の観測 かんそく された日時 にちじ (UTC) と高 たか さ、周期 しゅうき (分 ぶん )が明記 めいき される。
例 れい :LOTTIN PT NZ 37.6S 178.2E 0238 2.88M/ 9.5FT 15
NEXT UPDATE AND ADDITIONAL INFORMATION
報知 ほうち 予告 よこく ・その他 た 注記 ちゅうき 事項 じこう について明記 めいき される。
ハワイ
近 きん 地 ち
Statewide Urgent Local Tsunami Warning (全 ぜん 州 しゅう 緊急 きんきゅう 近 きん 地 ち 津波 つなみ 警報 けいほう )
Urgent Local Tsunami Warning (緊急 きんきゅう 近 きん 地 ち 津波 つなみ 警報 けいほう )
Local Tsunami Information (近 きん 地 ち 津波 つなみ 情報 じょうほう )
遠地 おんち
Tsunami Warning (津波 つなみ 警報 けいほう )
Tsunami Watch (津波 つなみ 監視 かんし )
Tsunami Advisory (津波 つなみ 注意報 ちゅういほう )
Tsunami Information (津波 つなみ 情報 じょうほう )
インド洋 いんどよう
Indian Ocean-wide Tsunami Watch Bulletin (インド洋 いんどよう 広域 こういき 津波 つなみ 監視 かんし 速報 そくほう )
Regional Tsunami Watch Bulletin (地域 ちいき 的 てき 津波 つなみ 監視 かんし 速報 そくほう )
Local Tsunami Watch Bulletin (近 きん 地 ち 津波 つなみ 監視 かんし 速報 そくほう )
Tsunami Information Bulletin (津波 つなみ 情報 じょうほう 速報 そくほう )
インド洋 いんどよう についてはICG/IOTWS第 だい 9回 かい 総会 そうかい において、BoM、INCOIS、BMKGによる情報 じょうほう 発表 はっぴょう が円滑 えんかつ に運用 うんよう されていることが確認 かくにん され、日本 にっぽん の気象庁 きしょうちょう 及 およ びPTWCに対 たい し、2013年 ねん 3月 がつ 31日 にち 以降 いこう 、情報 じょうほう 提供 ていきょう を停止 ていし することが要請 ようせい されたことを受 う け、インド洋 いんどよう 地域 ちいき の情報 じょうほう は、PTWCから情報 じょうほう は出 で ていない[83]
[84]
[85] 。
カリブ海 かりぶかい
Caribbean Sea-wide Tsunami Watch Message (カリブ海 かりぶかい 広域 こういき 津波 つなみ 監視 かんし 連絡 れんらく )
Regional Tsunami Watch Message (地域 ちいき 的 てき 津波 つなみ 監視 かんし 連絡 れんらく )
Local Tsunami Watch Message (近 きん 地 ち 津波 つなみ 監視 かんし 連絡 れんらく )
Tsunami Information Statement (津波 つなみ 情報 じょうほう 発表 はっぴょう )
インド洋 いんどよう では、2004年 ねん のスマトラ島 すまとらとう 沖 おき 地震 じしん を契機 けいき として、ユネスコが中心 ちゅうしん となって政府 せいふ 間 あいだ 調整 ちょうせい グループICG/IOTWS[86] を設立 せつりつ し、警報 けいほう 体制 たいせい を構築 こうちく した。インド洋 いんどよう では、
の3つが担当 たんとう 機関 きかん となり、国内 こくない および沿岸 えんがん 各国 かっこく に対 たい して警報 けいほう を発表 はっぴょう している。
2011年 ねん 10月 がつ 12日 にち から正式 せいしき な運用 うんよう が始 はじ まった[87] [88] 。しかし、2014年 ねん には設置 せっち された25基 き のブイのうち22基 き が破壊 はかい や盗難 とうなん に遭 あ い稼働 かどう していないため、津波 つなみ 予測 よそく が不可能 ふかのう な状態 じょうたい になっていることが報道 ほうどう された[89] 。
アメリカ西海岸 にしかいがん ・アラスカ津波 つなみ 警報 けいほう センター (WCATWC) は、海岸 かいがん の地形 ちけい などを考慮 こうりょ してアメリカと周辺 しゅうへん 地域 ちいき に11の区分 くぶん を設 もう けている。アメリカ 本土 ほんど 49州 しゅう 、カナダ 、プエルトリコ 、アメリカ領 りょう ヴァージン諸島 しょとう を管轄 かんかつ する。それぞれに2段階 だんかい (地域 ちいき によっては1段階 だんかい または区分 くぶん なし)のTIS(Tsunami Information Statement, 津波 つなみ 情報 じょうほう 発表 はっぴょう )、3段階 だんかい (地域 ちいき によっては1段階 だんかい )のWarning(警報 けいほう )の津波 つなみ 情報 じょうほう があり、合 あ わせて1段階 だんかい 〜5段階 だんかい の警報 けいほう レベルがある。
大西洋 たいせいよう のうちヨーロッパ諸国 しょこく と北 きた アフリカでも、2004年 ねん のスマトラ島 すまとらとう 沖 おき 地震 じしん を契機 けいき として、ユネスコが中心 ちゅうしん となって政府 せいふ 間 あいだ 調整 ちょうせい グループICG/NEAMTWS[90] を設立 せつりつ し、警報 けいほう 体制 たいせい の構築 こうちく を始 はじ めている。
2010年 ねん にRTWC(地域 ちいき 津波 つなみ 監視 かんし センター)をおき、
フランス (Laboratoire de Géophysique, Commissariat à l’Energie Atomique (CEA))
ギリシャ (Institute of Geophysics, National Observatory of Athens (NOA))
イタリア (国家 こっか 市民 しみん 保護 ほご 局 きょく 、Dipartimento della Protezione Civile ) および イタリア国立 こくりつ 地球 ちきゅう 物理 ぶつり 学 がく 火山 かざん 学 がく 研究所 けんきゅうじょ (INGV))
ポルトガル (Instituto de Meteorologia (IM))
トルコ (Kandilli Observatory and Earthquake Research Institute (KOERI))
代替 だいたい センターおよび、データ収集 しゅうしゅう を行 おこな う
ドイツ (Geoforschungszentrum Potsdam (GFZ))
で行 おこな う。
カリブ海 かりぶかい では従来 じゅうらい よりPTWCが警報 けいほう を発表 はっぴょう し各国 かっこく に通知 つうち する体制 たいせい があったが、2004年 ねん のスマトラ島 すまとらとう 沖 おき 地震 じしん を受 う けて、同様 どうよう にユネスコが中心 ちゅうしん となって政府 せいふ 間 あいだ 調整 ちょうせい グループICG/CARIBE EWS[91] を設立 せつりつ 、独自 どくじ の警報 けいほう 体制 たいせい を構築 こうちく する動 うご きが模索 もさく されている。
津波 つなみ 被害 ひがい の歴史 れきし [ 編集 へんしゅう ]
巨大 きょだい な津波 つなみ は、海底 かいてい の砂利 じゃり (海 うみ 砂 すな )、大 おお きな石 いし や貝殻 かいがら などを陸地 りくち に運 はこ び上 あ げ沿岸 えんがん 低地 ていち にそれらを堆積 たいせき させる。これらは津波 つなみ 堆積 たいせき 物 ぶつ と言 い われる。過去 かこ の地層 ちそう に残 のこ された津波 つなみ 堆積 たいせき 物 ぶつ から、有史 ゆうし 以前 いぜん の巨大 きょだい 津波 つなみ の存在 そんざい が多 おお くの研究 けんきゅう によって明 あき らかにされている[92] 。
例 たと えばノルウェー沖 おき では、紀元前 きげんぜん 6100年 ねん にストレッガスライド と呼 よ ばれる巨 きょ 大海 たいかい 底 そこ 地 じ すべりが起 お き、内陸 ないりく 80 kmまで達 たっ する津波 つなみ があったことが解明 かいめい されている[93] [94] 。例 たと えば日本 にっぽん では、北海道大学 ほっかいどうだいがく の平川 ひらかわ 一臣 かずおみ ら、および政府 せいふ の地震 じしん 調査 ちょうさ 委員 いいん 会 かい によって行 おこな われた宮城 みやぎ 県 けん 気仙沼 けせんぬま 市 し 大谷 おおや 海岸 かいがん の調査 ちょうさ によると、過去 かこ 6000年間 ねんかん に紀元前 きげんぜん 4-3世紀 せいき 頃 ごろ 、4-5世紀 せいき 頃 ごろ 、869年 ねん の貞 さだ 観 かん 地震 じしん 、15世紀 せいき 頃 ごろ 、2011年 ねん の東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん の5回 かい 、三陸 さんりく から房総 ぼうそう にかけて約 やく 600年 ねん 周期 しゅうき で海溝 かいこう 型 がた 地震 じしん と津波 つなみ が起 お こったとされる[95] [96] [97] 。
人間 にんげん が文字 もじ による記録 きろく を残 のこ すようになって以来 いらい 、大 おお きな被害 ひがい を出 だ した津波 つなみ が多数 たすう 記録 きろく されている。古代 こだい ギリシアの歴史 れきし 家 か トゥキディデス は、著書 ちょしょ 『戦史 せんし 』で、紀元前 きげんぜん 426年 ねん に起 お きた地震 じしん についての記録 きろく を残 のこ している。その中 なか でトゥキディデスは地震 じしん が津波 つなみ を引 ひ き起 お こしていると推測 すいそく しており、これは記録 きろく に残 のこ る限 かぎ りでは最古 さいこ の津波 つなみ と地震 じしん の関係 かんけい を述 の べた説 せつ だとされる[98] [99] 。
1755年 ねん 11月1日 にち 、イベリア半島 はんとう 沖 おき においてリスボン地震 じしん が発生 はっせい し、それに伴 ともな う津波 つなみ によって約 やく 1万 まん 人 にん が死亡 しぼう し、大 おお きな被害 ひがい をもたらした。
最近 さいきん のおもな被害 ひがい 例 れい [ 編集 へんしゅう ]
1960年 ねん 5月 がつ 22日 にち 1960年 ねん チリ地震 じしん Mw9.5。三陸 さんりく 地方 ちほう で142人 にん 死亡 しぼう 。遠地 おんち 津波 つなみ の代表 だいひょう 。これをきっかけに環太平洋 かんたいへいよう の津波 つなみ 情報 じょうほう ネットワークが整備 せいび される。
1983年 ねん (昭和 しょうわ 58年 ねん )5月 がつ 26日 にち 日本海 にほんかい 中部 ちゅうぶ 地震 じしん M7.7。津波 つなみ 死者 ししゃ 100人 にん のうち秋田 あきた 県 けん 男鹿半島 おがはんとう 加茂 かも 青 あお 砂 すな 海岸 かいがん での遠足 えんそく の小学生 しょうがくせい が13人 にん 、能代 のしろ 港 こう で護岸 ごがん 工事 こうじ の作業 さぎょう 員 いん が35人 にん など[100] 。この地震 じしん における最大 さいだい 遡上 そじょう 高 だか は、秋田 あきた 県 けん 峰浜 みねはま 海岸 かいがん の13.2m[101] 。
1993年 ねん (平成 へいせい 5年 ねん )7月 がつ 12日 にち 北海道 ほっかいどう 南西 なんせい 沖 おき 地震 じしん M7.8。奥尻 おくしり 島 とう 青苗 あおなえ 地区 ちく で死者 ししゃ 109人 にん 。津波 つなみ の第 だい 1波 は は5分 ふん 後 ご 、最大 さいだい の第 だい 2波 は は10分 ふん 後 ご に到達 とうたつ し、市街地 しがいち で観測 かんそく された最大 さいだい 波高 はこう は松前 まさき 地区 ちく での16.8 m、最大 さいだい 遡上 そじょう 高 だか 30.6 m。
2004年 ねん 12月26日 にち 2004年 ねん スマトラ島 すまとらとう 沖 おき 地震 じしん Mw9.3。津波 つなみ 死者 ししゃ 22万 まん 人 にん 。
2011年 ねん 3月 がつ 11日 にち 東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん Mw9.0。津波 つなみ で約 やく 2万 まん 人 にん 死亡 しぼう 、東京電力 とうきょうでんりょく 福島 ふくしま 第 だい 一 いち 原子力 げんしりょく 発電 はつでん 所 しょ 事故 じこ で被害 ひがい が長期 ちょうき 化 か 。最大 さいだい 波高 はこう は各地 かくち で検 けん 潮 しお 所 しょ 施設 しせつ が破壊 はかい されて正確 せいかく な計測 けいそく ができず。後 ご の調査 ちょうさ での最大 さいだい 遡上 そじょう 高 だか は40.1 m[102] 。
2022年 ねん 1月 がつ 16日 にち トンガ にある フンガ・トンガ の噴火 ふんか により、津波 つなみ が発生 はっせい 。日本 にっぽん でも津波 つなみ のような海面 かいめん の変動 へんどう が観測 かんそく され、津波 つなみ 警報 けいほう が発表 はっぴょう された鹿児島 かごしま 県 けん 奄美 あまみ 市 し 小湊 こみなと で1.2m、岩手 いわて 県 けん 久慈 くじ で1.1m、その他 た 日本 にっぽん の太平洋 たいへいよう 沿岸 えんがん を中心 ちゅうしん に各地 かくち で海面 かいめん の変動 へんどう が観測 かんそく された。高知 こうち 県 けん ・徳島 とくしま 県 けん ・三重 みえ 県 けん では複数 ふくすう の漁船 ぎょせん が転覆 てんぷく した[103] 。また、日本 にっぽん 国外 こくがい では、トンガで最大 さいだい 15m[104] 、バヌアツで1m41cm、ニューカレドニアで1m10cm、ポートサンルイス(アメリカ・カリフォルニア州 しゅう )で1m31cmの津波 つなみ を観測 かんそく したほか、チリ沿岸 えんがん 部 ぶ では、1m22cmから1m74cmの津波 つなみ を観測 かんそく した[105] 。なお、ニュージーランドでも船 ふね が破損 はそん したり、転覆 てんぷく するなどの被害 ひがい が出 で た[106] ほか、ペルーでは、噴火 ふんか による海面 かいめん 変動 へんどう が原因 げんいん と見 み られる高波 たかなみ により、タンカーから原油 げんゆ が流出 りゅうしゅつ する事故 じこ が発生 はっせい している[107] 。
2024年 ねん (令 れい 和 わ 6年 ねん )1月 がつ 1日 にち 令 れい 和 わ 6年 ねん 能登半島 のとはんとう 地震 じしん M7.6[108] 。石川 いしかわ 県 けん 能登 のと で大 だい 津波 つなみ 警報 けいほう が発令 はつれい された[109] 。
2024年 ねん 1月 がつ 1日 にち 19:56現在 げんざい 、石川 いしかわ 県 けん 輪島 わじま 市 し で1m20cm[110] 、石川 いしかわ 県 けん の金沢 かなざわ 港 こう で90cm、山形 やまがた 県 けん の酒田港 さかたこう と、富山 とやま 県 けん 富山 とやま 市 し で80cm、北海道 ほっかいどう の瀬棚 せたな 港 こう で60cm、北海道 ほっかいどう の奥尻 おくしり 島 とう の奥尻 おくしり 港 こう で50cm、新潟 にいがた 県 けん の柏崎 かしわざき 市 し と、山形 やまがた 県 けん の飛島 とびしま で40cm、新潟 にいがた 県 けん の新潟港 にいがたこう と、新潟 にいがた 県 けん 佐渡 さど 市 し 鷲崎 わしざき 、島根 しまね 県 けん の隠岐島 おきのしま 西郷 さいごう 、青森 あおもり 県 けん 深浦 ふかうら 町 まち 、福井 ふくい 県 けん の敦賀港 つるがみなと 、兵庫 ひょうご 県 けん 豊岡 とよおか 市 し 、京都 きょうと 府 ふ の舞鶴 まいづる 港 こう で30cm、北海道 ほっかいどう 岩内 いわうち 町 まち (日本海 にほんかい 側 がわ )と、北海道 ほっかいどう 江差 えさし 町 まち (日本海 にほんかい 側 がわ )、島根 しまね 県 けん の浜田 はまだ 港 こう 、北海道 ほっかいどう 利尻島 りしりとう 、秋田 あきた 県 けん の秋田港 あきたこう で20cm、鳥取 とっとり 県 けん 境港 さかいみなと 市 し の境港 さかいみなと (港湾 こうわん ) 、鳥取 とっとり 県 けん 岩美 いわみ 町 まち で10cmを観測 かんそく している。
津波 つなみ 被害 ひがい の予想 よそう [ 編集 へんしゅう ]
東海 とうかい 地震 じしん ・東 ひがし 南海 なんかい 地震 じしん ・南海 なんかい 地震 じしん (東海 とうかい ・東 あずま 南海 なみ ・南海 なんかい 連動 れんどう 型 がた 地震 じしん 、南海 なんかい トラフ巨大 きょだい 地震 じしん ) - 21世紀 せいき 前半 ぜんはん の活動 かつどう が予想 よそう されている[111] 。3つの地震 じしん は、単独 たんどく ・連動 れんどう の発生 はっせい により過去 かこ に大 おお きな地震 じしん ・津波 つなみ 災害 さいがい を起 お こしている。1854年 ねん の安政 あんせい 南海 なんかい 地震 じしん の時 とき に紀伊 きい 国広 くにひろ 村 むら (現在 げんざい の和歌山 わかやま 県 けん 広川 ひろかわ 町 まち )で起 お きた出来事 できごと をもとにしたフィクション「稲 いね むらの火 ひ 」(小泉 こいずみ 八雲 やくも 作 さく )は有名 ゆうめい [112] 。
上記 じょうき の地震 じしん との関連 かんれん は不明 ふめい だが、海岸 かいがん から400 m内陸 ないりく に位置 いち する高知 こうち 県 けん 土佐 とさ 市 し 蟹 かに ヶ池 ち では、2011年 ねん 以前 いぜん に当時 とうじ の約 やく 2000年 ねん 前 まえ の地層 ちそう から津波 つなみ による厚 あつ さ50 cmの堆積 たいせき 物 ぶつ が見 み つかっており、これは宝永 ほうえい 地震 じしん (1707年 ねん 、Mw8.4 - 8.7)の津波 つなみ 堆積 たいせき 物 ぶつ の約 やく 3倍 ばい に当 あ たる[113] 。
2011年 ねん 12月27日 にち 、中央 ちゅうおう 防災 ぼうさい 会議 かいぎ の「南海 なんかい トラフの巨大 きょだい 地震 じしん モデル検討 けんとう 会 かい 」
十勝 とかち 沖 おき ・根室 ねむろ 沖 おき ・色丹島 しこたんとう 沖 おき ・択捉島 えとろふとう 沖 おき - 21世紀 せいき 前半 ぜんはん の活動 かつどう が予想 よそう されている。連動 れんどう の可能 かのう 性 せい も指摘 してき されている[111] 。
大西洋 たいせいよう 北東 ほくとう 部 ぶ カナリア諸島 かなりあしょとう のケンブレビエハ火山 かざん (ラ・パルマ島 とう 、2426 m,Cumbre Vieja)の山 やま 体 たい 崩壊 ほうかい - 最悪 さいあく の場合 ばあい 、900 mの津波 つなみ が発生 はっせい し、北 きた アメリカ海岸 かいがん に10 mから25 mの津波 つなみ が到達 とうたつ する可能 かのう 性 せい がある[114] 。
東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん 後 ご のアウターライズ地震 じしん - 太平洋 たいへいよう プレート側 がわ の海溝 かいこう 寄 よ りの領域 りょういき の歪 ゆが み解消 かいしょう に伴 ともな う大 だい 規模 きぼ な地震 じしん 津波 つなみ 。最大 さいだい Mt9程度 ていど の地震 じしん と大津 おおつ 波 は が予想 よそう されている。
東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん の余震 よしん - 本震 ほんしん の津波 つなみ よりは規模 きぼ は小 ちい さいものの、本震 ほんしん が巨大 きょだい であるため、最大 さいだい 級 きゅう の余震 よしん が発生 はっせい したさいには大 おお きな津波 つなみ の可能 かのう 性 せい がある。
中間 ちゅうかん とりまとめにて、南海 なんかい トラフの巨大 きょだい 地震 じしん の最大 さいだい ケースが従来 じゅうらい の約 やく 3倍 ばい の規模 きぼ であるMw9.0(暫定 ざんてい 値 ち )と発表 はっぴょう した。想定 そうてい 震源 しんげん 域 いき が約 やく 2倍 ばい に広 ひろ がり、日本 にっぽん 列島 れっとう の広 ひろ い範囲 はんい での被害 ひがい のおそれが指摘 してき されている[115] [116] 。
インド洋 いんどよう 大 だい 津波 つなみ の発生 はっせい により、巨大 きょだい 津波 つなみ に関連 かんれん する人工 じんこう 衛星 えいせい を含 ふく む様々 さまざま な観測 かんそく データが集 あつ められたことから、コンピュータモデルによる予測 よそく モデルの検証 けんしょう が可能 かのう となった。米国 べいこく 海洋 かいよう 大気 たいき 局 きょく のMOST (Methid of splitting tsunami) モデルや東北大学 とうほくだいがく のTSUNAMI-N2などの計算 けいさん 手法 しゅほう が開発 かいはつ されている。津波 つなみ シミュレーション技術 ぎじゅつ は、津波 つなみ 予報 よほう やハザードマップ作 づく りに活用 かつよう されている。また日本 にっぽん には世界 せかい 最大 さいだい の2.5 mの人工 じんこう 津波 つなみ を引 ひ き起 お こす事 こと ができる、港湾 こうわん 空港 くうこう 技術 ぎじゅつ 研究所 けんきゅうじょ の大 だい 規模 きぼ 波動 はどう 地盤 じばん 総合 そうごう 水路 すいろ があり、建造 けんぞう 物 ぶつ への被害 ひがい 予測 よそく のデータ収集 しゅうしゅう などが行 おこな われている。
潮位 ちょうい の観測 かんそく は、沿岸 えんがん の潮位 ちょうい 計 けい に加 くわ え、海底 かいてい 水圧 すいあつ 計 けい を用 もち いた津波 つなみ 計 けい も整備 せいび が進 すす んでいる。従来 じゅうらい は海底 かいてい ケーブルを用 もち いて信号 しんごう が送 おく られていたが、衛星 えいせい へ信号 しんごう を送 おく れる海面 かいめん ブイによって信号 しんごう を送 おく るタイプの津波 つなみ 監視 かんし 計 けい も開発 かいはつ されており、より設置 せっち が容易 ようい となってきている。
津波 つなみ の襲来 しゅうらい 確 かく 率 りつ 予測 よそく [ 編集 へんしゅう ]
2011年 ねん 5月 がつ 12日 にち 、地震 じしん 調査 ちょうさ 委員 いいん 会 かい の島崎 しまざき 邦彦 くにひこ は日本 にっぽん 記者 きしゃ クラブ の講演 こうえん 会 かい で日本 にっぽん の沿岸 えんがん 各地 かくち に100年 ねん 以内 いない に襲来 しゅうらい する津波 つなみ の高 たか さ、浸水 しんすい 域 いき や発生 はっせい 確 かく 率 りつ を予測 よそく し発表 はっぴょう すると述 の べた。従来 じゅうらい からの大学 だいがく や研究 けんきゅう 機関 きかん の予測 よそく 成果 せいか に東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい で分 わ かった被害 ひがい の知見 ちけん を加 くわ え3年 ねん 後 ご から公表 こうひょう を始 はじ めるとしている。これにより沿岸 えんがん 自治体 じちたい の防災 ぼうさい 計画 けいかく や住民 じゅうみん の防災 ぼうさい 意識 いしき 向上 こうじょう につなげる[117] 。
組織 そしき 的 てき な災害 さいがい 対策 たいさく [ 編集 へんしゅう ]
田老 たろう 町 まち の「万里 ばんり の長城 ちょうじょう 」
物理 ぶつり 的 てき な対策 たいさく として、平坦 へいたん な場所 ばしょ では上記 じょうき のような緊急 きんきゅう 避難 ひなん 場所 ばしょ となる3階 かい 以上 いじょう の頑丈 がんじょう な建造 けんぞう 物 ぶつ を設 もう けたり、安全 あんぜん な高台 たかだい における開 あ けた避難 ひなん 場所 ばしょ の整備 せいび 、避難 ひなん 場所 ばしょ への誘導 ゆうどう 標識 ひょうしき を充実 じゅうじつ させることが挙 あ げられる。「津波 つなみ 避難 ひなん ビル等 とう に係 かか るガイドライン検討 けんとう 会 かい 」によって、津波 つなみ 避難 ひなん ビル等 とう を指定 してい するための「津波 つなみ 避難 ひなん ビル等 とう に係 かか るガイドライン」が公布 こうふ されている。津波 つなみ を工学 こうがく 的 てき に防御 ぼうぎょ する手段 しゅだん として、沿岸 えんがん の集落 しゅうらく では長大 ちょうだい な防潮 ぼうちょう 堤 つつみ が築 きず かれる場合 ばあい がある。設計 せっけい 範囲 はんい 内 ない の津波 つなみ では被害 ひがい を大幅 おおはば に抑 おさ えることが可能 かのう だが[118] [119] [120] 、2011年 ねん の東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん (東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい )では岩手 いわて 県 けん 釜石 かまいし 市 し や宮古 みやふる 市 し 田老 たろう で設計 せっけい 高 たか さ以上 いじょう の津波 つなみ により防潮 ぼうちょう 堤 つつみ が破壊 はかい され津波 つなみ が侵入 しんにゅう した例 れい があり、防潮 ぼうちょう 堤 つつみ が津波 つなみ の到達 とうたつ を遅 おく らせた一方 いっぽう 、防潮 ぼうちょう 堤 つつみ への過信 かしん から避難 ひなん が遅 おく れたとの見方 みかた がある[11] [121] [122] [123] 。
また津波 つなみ による被害 ひがい が懸念 けねん される地域 ちいき では、居住 きょじゅう や土地 とち 用途 ようと を制限 せいげん して被害 ひがい を最小限 さいしょうげん に抑 おさ える手法 しゅほう もある。
津波 つなみ 防災 ぼうさい の問題 もんだい 点 てん [ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん における東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん 以前 いぜん の津波 つなみ 想定 そうてい は、襲来 しゅうらい する津波 つなみ の想定 そうてい 規模 きぼ を既往 きおう 最大 さいだい (文献 ぶんけん 資料 しりょう に残 のこ る)と同等 どうとう としていた。だが地域 ちいき ・年代 ねんだい によっては大 だい 津波 つなみ が正確 せいかく に記録 きろく されて現代 げんだい まで残 のこ されていなかったとみられるほか、津波 つなみ 堆積 たいせき 物 ぶつ の発掘 はっくつ 調査 ちょうさ や結果 けっか の周知 しゅうち も途上 とじょう であった。このため東北 とうほく 地方 ちほう 太平洋 たいへいよう 沖 おき 地震 じしん による津波 つなみ は「想定 そうてい 外 がい の規模 きぼ だった」と振 ふ り返 かえ る人 ひと が多 おお く、十分 じゅうぶん な対応 たいおう が出来 でき なかった。この事例 じれい を踏 ふ まえ、2013年 ねん に発表 はっぴょう された南海 なんかい トラフ巨大 きょだい 地震 じしん の被害 ひがい 想定 そうてい (第 だい 二 に 次 じ 報告 ほうこく )[124] では、明確 めいかく な発生 はっせい が確認 かくにん されていない1000年 ねん に1回 かい の巨大 きょだい クラスの地震 じしん による津波 つなみ による被害 ひがい 想定 そうてい が行 おこな われ、最大 さいだい 規模 きぼ の被害 ひがい を前提 ぜんてい とした防災 ぼうさい 施策 しさく の立案 りつあん と実施 じっし 検討 けんとう が行 おこな われる事 こと となった。
都市 とし 部 ぶ では河川敷 かせんしき や河川 かせん 沿 ぞ いの低地 ていち に避難 ひなん 場所 ばしょ を設定 せってい している場合 ばあい が多 おお いが、避難 ひなん 場所 ばしょ を津波 つなみ が襲 おそ うこともあり得 え る。大都市 だいとし は大 だい 河川 かせん が作 つく った平野 へいや にあるので、避難 ひなん 途中 とちゅう の人々 ひとびと が通 とお る道 みち を河川 かせん をさかのぼった津波 つなみ が襲 おそ う可能 かのう 性 せい も指摘 してき されている[125] 。
2011年 ねん には「津波 つなみ 防災 ぼうさい 地域 ちいき づくりに関 かん する法律 ほうりつ 」が制定 せいてい された[126] が、イメージ悪化 あっか や都市 とし 計画 けいかく への支障 ししょう を懸念 けねん する自治体 じちたい が多 おお いため、「津波 つなみ 災害 さいがい 特別 とくべつ 警戒 けいかい 区域 くいき 」の指定 してい は全国 ぜんこく 的 てき にほとんど進 すす んでいない[127] 。
また平地 ひらち が少 すく ない三陸 さんりく 地方 ちほう では、東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい 後 ご も津波 つなみ 浸水 しんすい 想定 そうてい 区域 くいき や耐震 たいしん 性 せい に問題 もんだい がある多 おお くの施設 しせつ が避難 ひなん 先 さき に指定 してい されている[128] 。
津波 つなみ の表現 ひょうげん [ 編集 へんしゅう ]
日本語 にほんご ・英語 えいご ・中国 ちゅうごく 語 ご (簡体・繁 しげる 体 からだ )・韓国 かんこく 語 ご で表示 ひょうじ された日本 にっぽん の海抜 かいばつ 表示 ひょうじ 標識 ひょうしき (沖縄 おきなわ 県 けん )
津波 つなみ の危険 きけん 地域 ちいき であることと避難 ひなん 経路 けいろ を示 しめ すタイの標識 ひょうしき
日本 にっぽん における「津波 つなみ 」の語 かたり [ 編集 へんしゅう ]
「津波 つなみ 」の語 かたり は、通常 つうじょう の波 なみ とは異 こと なり、沖合 おきあい を航行 こうこう する船舶 せんぱく の被害 ひがい は少 すく ないにもかかわらず、港 みなと (津 つ )では大 おお きな被害 ひがい をもたらすことに由来 ゆらい する。「津波 つなみ (浪 なみ )」の語 かたり が文献 ぶんけん に現 あらわ れる最古 さいこ の例 れい は『駿府 すんぷ 記 き 』[129] で、慶長 けいちょう 16年 ねん 10月 がつ 28日 にち (1611年 ねん 12月2日 にち )に発生 はっせい した慶長 けいちょう 三陸 さんりく 地震 じしん についての記述 きじゅつ 「政 せい 宗 むね 領 りょう 所 しょ 海 うみ 涯人屋 や 、波 なみ 濤大漲 みなぎ 来 き 、悉流失 しっ す。溺死 できし 者 しゃ 五 ご 千 せん 人 にん 。世 よ 曰津浪 つなみ 云々 うんぬん 」である[130] 。なお、表記 ひょうき は「津波 つなみ (浪 なみ )」の他 ほか に「海 うみ 立 りつ 」、「震 ふるえ 汐 しお 」、「海嘯 つなみ 」と書 か く場合 ばあい があり、これらすべて「つなみ」と訓 くん む。[131]
「海嘯 つなみ 」等 とう の漢語 かんご 表現 ひょうげん [ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん において、昭和 しょうわ 初期 しょき までの古 ふる い記録 きろく で、津波 つなみ のことを「海嘯 つなみ 」(かいしょう)と記 しる していることもある。ただし「海嘯 つなみ 」という語 かたり には、高潮 こうちょう などを含 ふく むことがある(1902年 ねん の小田原 おだわら 大 だい 海嘯 つなみ など)。
「海嘯 つなみ 」という漢語 かんご は本来 ほんらい 、満 み ち潮 しお が波 なみ となって河川 かせん を逆流 ぎゃくりゅう する現象 げんしょう (tidal bore) を指 さ す言葉 ことば であり、中国 ちゅうごく の銭 ぜに 塘江 で見 み られるものがよく知 し られている(なお、tidal bore に対 たい して日本語 にほんご では潮 しお 津波 つなみ (しおつなみ)という表現 ひょうげん がある)。
現代 げんだい の中国語 ちゅうごくご 圏 けん では、津波 つなみ のことを一般 いっぱん 的 てき に「海嘯 つなみ 」(簡体字 かんたいじ : 海 うみ 啸 ; 拼音 : hǎixiào )と呼 よ ぶ(現代 げんだい では銭 ぜに 塘江の逆流 ぎゃくりゅう は「大潮 おおしお 」といった語 かたり を用 もち いている)。ほかに「海 うみ 溢」(古語 こご )、「海 うみ 漲 みなぎ 」(台湾 たいわん 語 ご )という表現 ひょうげん もある。
朝鮮 ちょうせん 語 ご (韓国 かんこく 語 ご )では、「海 うみ 溢」(해일 )という表現 ひょうげん が用 もち いられるが、この語 かたり は津波 つなみ の他 ほか に tidal bore や高潮 こうちょう などを含 ふく んでいる。特 とく に津波 つなみ について区別 くべつ する際 さい には「地震 じしん 海 うみ 溢」(지진해일 )が用 もち いられる。日本語 にほんご の読 よ みをハングル に転写 てんしゃ した「쓰나미 」が使 つか われる場合 ばあい もある。
英語 えいご 文献 ぶんけん において、「tsunami 」という語 かたり が使 つか われた例 れい は、現在 げんざい のところ『ナショナルジオグラフィックマガジン 』1896年 ねん 9月 がつ 号 ごう に掲載 けいさい された明治 めいじ 三陸 さんりく 地震 じしん 津波 つなみ を報 ほう じるエリザ・シドモア 執筆 しっぴつ の記事 きじ 「The Recent Earthquake Wave on the Coast of Japan [132] 」が最古 さいこ とされている[133] 。しかし、一般 いっぱん 的 てき に初 はつ 引用 いんよう として知 し られているのは、小泉 こいずみ 八雲 やくも (ラフカディオ・ハーン)が1897年 ねん (明治 めいじ 30年 ねん )に出版 しゅっぱん した著作 ちょさく 集 しゅう 『仏 ふつ の畠 はたけ の落 お ち穂 ぼ 』(Gleaming in Budda-Fields )の中 なか に収録 しゅうろく された「生 なま 神様 かみさま (A Living God )」である。濱口 はまぐち 梧陵 をモデルにした同 どう 作 さく では、地震 じしん 後 ご に沿岸 えんがん の村 むら を飲 の み込 こ んだ巨大 きょだい な波 なみ を「tsunami 」と、日本語 にほんご の転写 てんしゃ で表現 ひょうげん した。
その後 ご 、1904年 ねん の地震 じしん 学 がく の学会 がっかい 報告 ほうこく にはじまり、地震 じしん ・気象 きしょう の学術 がくじゅつ 論文 ろんぶん 等 とう に限 かぎ られていた。元々 もともと 英語 えいご 圏 けん では tidal wave [注 ちゅう 4] という語 かたり が使 つか われてきたが、この語 かたり は本来 ほんらい 潮汐 ちょうせき (tide )による波 なみ を指 さ し、地震 じしん による波 なみ にこの語 かたり を使 つか うのは学問 がくもん 的 てき にふさわしくないとされ、現在 げんざい では tsunami が用 もち いられる。研究 けんきゅう 者 しゃ の間 あいだ では seismic sea wave (地震 じしん 性 せい 海洋 かいよう 波 は )という語 かたり が使 つか われることもあったが、あまり一般 いっぱん 的 てき ではなかった。
1946年 ねん アリューシャン地震 じしん で発生 はっせい した津波 つなみ から逃避 とうひ するヒロ の住民 じゅうみん 。
1946年 ねん 、アリューシャン地震 じしん でハワイ諸島 しょとう に津波 つなみ の大 だい 被害 ひがい があった際 さい 、現地 げんち の日系 にっけい 人 じん が「tsunami 」という語 かたり を用 もち いたことから、同地 どうち でこの語 かたり が使 つか われるようになり、被害 ひがい を受 う けて設置 せっち された太平洋 たいへいよう 津波 つなみ 警報 けいほう センター の名称 めいしょう も1949年 ねん には Pacific Tsunami Warning Center とされたことから、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく ではこの語 かたり が広 ひろ く用 もち いられるようになり、その後 ご 、1968年 ねん にアメリカの海洋 かいよう 学者 がくしゃ ウィリアム・G・ヴァン・ドーン (英語 えいご 版 ばん ) が学術 がくじゅつ 用語 ようご として使 つか うことを提案 ていあん し[134] 、国際 こくさい 語 ご 化 か した。
上記 じょうき 以降 いこう 、「tsunami 」は学術 がくじゅつ 用語 ようご として国際 こくさい 的 てき に広 ひろ く用 もち いられていたが、2004年 ねん のスマトラ沖 おき 地震 じしん による津波 つなみ が激甚 げきじん な被害 ひがい をもたらしたことが世界中 せかいじゅう に報道 ほうどう されたことを契機 けいき に、世界 せかい 各国 かっこく で一般 いっぱん 語 ご になったとされる。
人間 にんげん 以外 いがい の生物 せいぶつ への影響 えいきょう [ 編集 へんしゅう ]
津波 つなみ は浅 あさ い海底 かいてい や陸地 りくち の沿岸 えんがん 部 ぶ 、川 かわ の河口 かこう 近 ちか くを激 はげ しく掻 か き乱 みだ すため、生態 せいたい 系 けい に大 おお きな影響 えいきょう を与 あた える。東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい では沿岸 えんがん の生物 せいぶつ やその幼生 ようせい 、卵 たまご 、胞子 ほうし などが漂流 ひょうりゅう 物 ぶつ に付着 ふちゃく して流 なが され、本来 ほんらい は生息 せいそく しない北 きた アメリカ大陸 あめりかたいりく などに辿 たど り着 つ いて繁殖 はんしょく し、問題 もんだい になっている[135] 。
文化 ぶんか 的 てき 影響 えいきょう [ 編集 へんしゅう ]
津波 つなみ を題材 だいざい にした作品 さくひん [ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん 国外 こくがい では、伊藤 いとう みどり や小林 こばやし 尊 たかし のように並外 なみはず れた能力 のうりょく を持 も つ日本人 にっぽんじん に "TSUNAMI" とニックネームを付 つ けることがある。
^ 正式 せいしき な英語 えいご はtidal waveである(NHKでは、初期 しょき の緊急 きんきゅう 警報 けいほう 放送 ほうそう 発 はつ 報 ほう 時 じ の画面 がめん でも、『TIDAL WAVE WARNING』と表示 ひょうじ していた)。
^ 重力 じゅうりょく を復元 ふくげん 力 りょく として、波立 なみだ った海面 かいめん がもとの面 めん (ジオイド 面 めん )に戻 もど ろうとする作用 さよう によって海水 かいすい 面 めん に沿 そ って伝播 でんぱ する、流体 りゅうたい 力学 りきがく でいう重力 じゅうりょく 波 は にあたる。類似 るいじ の現象 げんしょう である潮 しお 津波 つなみ は、さらに長 ちょう 周期 しゅうき の重力 じゅうりょく 波 は である潮汐 ちょうせき が、湾 わん や河口 かこう などの地形 ちけい による固有 こゆう 振動 しんどう 数 すう と共振 きょうしん することで発生 はっせい する現象 げんしょう 。
^ 学者 がくしゃ 3人 にん 、カトリーナ・クレマー(Katrina Kremer)、ステファニー・ジラークロ(Stéphanie Girardclos)、ガイ・シンプソン(Guy Simpson)
^ NHKでも、かつて緊急 きんきゅう 警報 けいほう 放送 ほうそう 開始 かいし 時 じ の画面 がめん で、津波 つなみ 警報 けいほう は「tidal wave warning 」を用 もち いていた。
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地質 ちしつ 水 みず 天気 てんき 火事 かじ 衛生 えいせい
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