津波つなみ

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2011ねん東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしんさい発生はっせいした津波つなみによって水没すいぼつした仙台せんだいこう付近ふきん上空じょうくうからの写真しゃしんJX日鉱にっこう日石にっせきエネルギー仙台せんだい製油せいゆしょよりくろけむりがっている。
2004ねんスマトラ島すまとらとうおき地震じしんさい発生はっせいした津波つなみ到達とうたつした瞬間しゅんかんタイ王国おうこくアオナン海岸かいがん
津波つなみ発生はっせい原理げんりしめ
さん次元じげん津波つなみシミュレーション動画どうが

津波つなみ(つなみ、英語えいご: Tsunami)は、地震じしん火山かざん活動かつどうやまたい崩壊ほうかい起因きいんする海底かいてい海岸かいがん地形ちけい自然しぜん環境かんきょう急変きゅうへんにより、海洋かいようしょうじるだい規模きぼなみ伝播でんぱ現象げんしょうである。まれに隕石いんせき衝突しょうとつ原因げんいんとなったり、みずうみ発生はっせいしたりすることもある。なお、津波つなみ(tsunami)は通常つうじょう地殻ちかく変動へんどう要因よういん現象げんしょうし、気象きしょう要因よういん現象げんしょうとくにプラウドマン共鳴きょうめいにより増幅ぞうふくされた海洋かいよう長波ちょうは気象きしょう津波つなみとして区別くべつする[1]

11間隔かんかくである波長はちょう非常ひじょうながく、波高はこう巨大きょだいになりやすいことが特徴とくちょうである。地震じしんによる津波つなみでは波長はちょう600 km波高はこう5 mちょうのものがしょうじたことがある(津波つなみ陸上りくじょうたっするとこのおおきくわる)[2]

津波つなみという現象げんしょうは、たとえるならば大量たいりょう海水かいすいによる洪水こうずいよう現象げんしょう[3] であり、気象きしょうなど要因よういんしょうじるなみとは性質せいしつおおきくことなる。おおきな津波つなみ浮遊ふゆうぶつともりくしんくに浸入しんにゅうし、沿岸えんがん住民じゅうみん水死すいし市街しがい村落そんらく破壊はかいなど、種々しゅじゅ災害さいがい発生はっせいさせる。

概要がいよう[編集へんしゅう]

20世紀せいき後半こうはん以降いこう 英語えいご: "Tsunami" [ちゅう 1]は、世界せかいひろ一般いっぱんにも使用しようされる共通きょうつうになった。そもそも日本語にほんごにおける「津波つなみ」の語源ごげん後述こうじゅつ)は、おき被害ひがいなくても(=みなと)でおおきな被害ひがいることからきている。

津波つなみは、沖合おきあいから海岸かいがんちかづき海底かいていあさくなるにつれて波高はこうたかくなり、海岸かいがんせんでは沖合おきあいすうばいたっする。湾口わんこうで2 mのものがわんおくで5 mちょうになった事例じれいもある[4]。また海底かいていあさくなるにつれて波長はちょうみじかくなるが、海岸かいがんせんでもすうひゃくm - かずkm程度ていどある[5]

上陸じょうりくした津波つなみは、依然いぜんとしておおきな水圧すいあつともなった高速こうそくなみとしてすうふんからすうじゅうぶんあいだつづけたら()、今度こんど海水かいすいおききずりつづけ()、しばらくしたらふたたせて()、という具合ぐあいきをかえし、やがて減衰げんすいしていく。おおきな津波つなみは、陸上りくじょうにある建物たてもの物品ぶっぴん、そして人間にんげんながし、景色けしき一変いっぺんさせ甚大じんだい被害ひがいをもたらすことがある。またおおきな津波つなみ海岸かいがんつづ河川かせんさかのぼるほか、海上かいじょうでも被害ひがいをもたらすことがある[5]

とくリアス式海岸りあすしきかいがんわんおくではせま細長ほそながふかわん津波つなみ威力いりょく集積しゅうせきさせる。またうみみさき先端せんたんでは周囲しゅういからのまわみのなみかさなるため、海岸かいがんくらべておな津波つなみでも被害ひがいおおきく、よりちいさな津波つなみでも被害ひがいけることがられている[4][6]

また海岸かいがんでは、日本にっぽん三陸海岸さんりくかいがん港町みなとちょうのように津波つなみふせぐために防潮ぼうちょうつつみ、あるいは通常つうじょう波浪はろうふせぐなどの目的もくてき堤防ていぼうきずかれている海岸かいがんがあり、これらは津波つなみ被害ひがい軽減けいげんする役割やくわりたす。いちれいとして、2011ねん発生はっせいした東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしんM9.0を観測かんそく)にともな津波つなみ沿岸えんがんひろ範囲はんい甚大じんだい被害ひがいをもたらしたが、岩手いわてけん下閉伊しもへいぐん普代ふだいむら普代ふだい水門すいもん太田名部おおたなべ防潮ぼうちょうつつみ(ともにたかさ15.5 m)やどうけん九戸くのへぐんようまち防潮ぼうちょうつつみたかさ12 m)は決壊けっかいせず、津波つなみ影響えいきょう大幅おおはば減衰げんすいさせて集落しゅうらく進入しんにゅうふせいだ結果けっか軽微けいび被害ひがいにとどまっており、とく普代ふだいむらにおいては被災ひさい民家みんかおよび死者ししゃ発生はっせいしなかった[7][8][9][10]

その一方いっぽうで、津波つなみ被害ひがいをカバー出来できず、人々ひとびと防潮ぼうちょうつつみがあることで「楽観らっかんバイアス」がかかった結果けっか甚大じんだい被害ひがい事態じたいもある。防潮ぼうちょうつつみたかさや強度きょうど不足ふそくしている場合ばあいのほか、津波つなみこした地震じしん損壊そんかいしたり地盤じばん沈下ちんかにより海面かいめん上昇じょうしょうしたりして、堤防ていぼう機能きのうよわまることがある。また防潮ぼうちょうつつみなどにある水門すいもんは、ひとけつけることができない場合ばあいや、停電ていでん影響えいきょうめられないことがある。こうした事例じれいから、防潮ぼうちょうつつみによる津波つなみ対策たいさく再考さいこうするうごきもある[11]

津波つなみをもたらす原因げんいん[編集へんしゅう]

海底かいてい地形ちけい海水かいすい体積たいせき短時間たんじかんでの変化へんか海水かいすいへの衝撃波しょうげきはによってこされる非常ひじょうなが周期しゅうきなみである[ちゅう 2]

うみにおける津波つなみ発生はっせい原因げんいんとして、海底かいてい接触せっしょくっているプレート同士どうし弾性だんせい反発はんぱつ起因きいんする急激きゅうげきなずれ、つまり浅海せんかいそこでの地震じしんもっとおおきな割合わりあいめる。このほか、海岸かいがん地域ちいきこる地滑じすべ海底かいてい火山かざん活動かつどう海底かいていすべりなどの地質ちしつがくてき要因よういんがあげられる。また、過去かこにおいては後述こうじゅつするように海洋かいようへの隕石いんせき落下らっかによりこされた事例じれい確認かくにんされている。

地震じしんによる津波つなみ[編集へんしゅう]

基本きほん[編集へんしゅう]

津波つなみ原因げんいんとしてもっと一般いっぱんてきなものは、海底かいてい地震じしんすなわち震源しんげん海底かいていであるだい地震じしんであり、記録きろくのこ津波つなみだい部分ぶぶんはこれによるものである。

断層だんそう活動かつどうして地震じしん発生はっせいしたときに、海底かいていにまで断層だんそうのずれがたっして海底かいていめん上下じょうげ変化へんかすると圧縮あっしゅくせい流体りゅうたいである海水かいすい上下じょうげ移動いどうさせられてその地形ちけい変化へんか海面かいめんあらわれ水位すいい変動へんどうがうねりとなって周囲しゅういひろがっていき、津波つなみとなる[12]地震じしんれ(地震動じしんどう地震じしん)でしょうじるうみふるえとはことなる。だい地震じしんにおいては、すうじゅうkmからときに1,000 kmをえるながさ、すうじゅうkmからすうひゃくkmのはば範囲はんいで、すうじゅうcmからすうじゅうmという規模きぼで、すうじゅうびょうからすうぶんあいだに、海底かいてい一気いっききる。この体積たいせき変化へんかのエネルギーは巨大きょだい波長はちょう非常ひじょうながいため、ほとんどうしなわれることなく海水かいすいめん隆起りゅうき沈降ちんこう変換へんかんされて津波つなみしょうじる[5]

せい断層だんそうによる海底かいてい沈降ちんこうによっても、ぎゃく断層だんそうによる隆起りゅうきによっても津波つなみこる。マグニチュード8きゅう地震じしんでは震源しんげんいきながさが100 km以上いじょうになることもあり、それにともな地形ちけい変化へんかひろ面積めんせきになるので、広範囲こうはんい海水かいすいうごいてだい規模きぼ津波つなみこす。ただし、後述こうじゅつ津波つなみ地震じしんひとし津波つなみ巨大きょだいさせるべつ原理げんりがあるため、地震じしんおおきさ・れのおおきさと津波つなみおおきさは、かならずしも比例ひれいしていないため防災ぼうさいじょう注意ちゅうい必要ひつようである。津波つなみという現象げんしょう発生はっせいには海底かいてい地形ちけいおおきくわること重要じゅうようで、だい地震じしんによる海底かいてい断層だんそうとそれによる隆起りゅうき沈降ちんこうもっと津波つなみこしやすい現象げんしょうといえる。ただし、海底かいてい断層だんそう運動うんどうがあっても、よこずれが卓越たくえつ隆起りゅうき沈降ちんこうがなければおおきな津波つなみ発生はっせいしない。原理げんりは、入浴にゅうよくちゅう浴槽よくそうしたからうえへ、げるようにげてるのが理解りかいやすい。げられたかたまりりとなって水面すいめんまでがってから周囲しゅういひろがるはずであり、これが巨大きょだいになったのが津波つなみである。なお、津波つなみしょうじるためには震源しんげんがある程度ていどあさくなければならず、震源しんげんおおむね100 kmよりふかいものでは津波つなみ発生はっせいしないとされている[13]

地震じしん津波つなみ海溝かいこう付近ふきん発生はっせいすることがおおい。海溝かいこう付近ふきんではすうじゅうねん - すうせんねん間隔かんかくでマグニチュード7 - 9の海溝かいこうがた地震じしん発生はっせいし、そのさいあらわれる海底かいていだい断層だんそうによって津波つなみ発生はっせいする。20世紀せいき後半こうはん以降いこう日本にっぽん付近ふきん海溝かいこうがた地震じしんおな地域ちいきでもその発生はっせい規模きぼ間隔かんかくによって数種類すうしゅるいあることがあきらかになってきており、すうじゅうねん間隔かんかく海溝かいこうなか特定とくてい領域りょういきの1つで発生はっせいする地震じしん巨大きょだい地震じしん)、すうひゃくねん間隔かんかく海溝かいこうなか隣接りんせつした複数ふくすう領域りょういき発生はっせいする地震じしん連動れんどうがた巨大きょだい地震じしん)のほか、津波つなみ堆積たいせきぶつによる推定すいていではすうせんねん間隔かんかくさら広範囲こうはんい隣接りんせつした領域りょういき発生はっせいする地震じしん連動れんどうがたちょうきょだい地震じしん)などがあるとかんがえられている。後者こうしゃほど震源しんげんいきながいので、津波つなみおそわれる地域ちいきひろくなる。また、これらの地震じしんによりこされるとくおおきな津波つなみは、巨大きょだい津波つなみ呼称こしょうされる場合ばあいがある。日本にっぽん付近ふきんでは、千島ちしま海溝かいこう日本にっぽん海溝かいこう伊豆いず小笠原おがさわら海溝かいこう相模さがみトラフ南海なんかいトラフ琉球りゅうきゅう海溝かいこうなど太平洋たいへいようがわすべての地域ちいきでこのタイプの津波つなみ発生はっせいする可能かのうせいがある。

一方いっぽうぎゃく断層だんそうがたせい断層だんそうがた内陸ないりく地殻ちかくない地震じしん断層だんそうがた地震じしん直下ちょっかがた地震じしん)や海溝かいこうがたではないプレート境界きょうかいがた地震じしん海底かいてい発生はっせいした場合ばあいでも津波つなみ発生はっせいする。日本海にほんかいひがしえん変動へんどうたいたる北海道ほっかいどう東北とうほく地方ちほう北陸ほくりく地方ちほう日本海にほんかいがわはプレート境界きょうかいがた地震じしん、その地域ちいきでは内陸ないりく地殻ちかくない地震じしんによる津波つなみ発生はっせい可能かのうせいがある。このタイプの津波つなみ日本にっぽん近海きんかいでは過去かこなん発生はっせいしていて、日本海にほんかい中部ちゅうぶ地震じしん(1983ねん)や北海道ほっかいどう南西なんせいおき地震じしん(1993ねん)などがある。このほか、これからしず海洋かいようプレートうちこるアウターライズ地震じしんでも津波つなみ発生はっせいする可能かのうせいがあり、プレート境界きょうかいよりも沖合おきあい地震じしん発生はっせいするため、地震動じしんどうしておおきな津波つなみとなる場合ばあいがある。昭和しょうわ三陸さんりく地震じしん(1933ねん)はこのタイプの地震じしんであった。

なお、断層だんそうかく垂直すいちょくちか高角こうかくぎゃく断層だんそうがた地震じしんではしたばんがわで、せい断層だんそうではうえばんがわでそれぞれ沈降ちんこう発生はっせいするため、そのがわめんした沿岸えんがんではだい一波いっぱとなることがある。津波つなみしょうじる地震じしん海溝かいこうがただけではなく、おな沿岸えんがんでも地震じしんによってはなみとなる場合ばあいもあるので、防災ぼうさいじょう注意ちゅういようする。

地震じしん津波つなみおおきさを表現ひょうげんする指標しひょうの1つとして「津波つなみマグニチュード Mt」というものがある。津波つなみ規模きぼ地震じしん規模きぼ比例ひれいするという性質せいしつ利用りようして、複数ふくすう地点ちてんにおける津波つなみ波高はこう震源しんげんからの距離きょりから、マグニチュードで規模きぼ算出さんしゅつする。

津波つなみ地震じしん[編集へんしゅう]

また、「ゆっくり地震じしん」あるいは「津波つなみ地震じしん」とばれる、海底かいてい変動へんどうはやさがおそ地震じしんがあることもられている。これは、ひとかんじるたん周期しゅうき成分せいぶんでは比較的ひかくてきちいさなれ(地震動じしんどう)しか発生はっせいしないため一見いっけんすると小規模しょうきぼ地震じしんのようだが、ちょう周期しゅうき成分せいぶん卓越たくえつしているだけであって、じつそうエネルギーがおおきな地震じしんであり、海底かいていめん変動へんどうだい規模きぼであるため、予期よきせぬだい津波つなみによって被害ひがいがもたらされることがある。1896ねん明治めいじ29ねん)の明治めいじ三陸さんりくおき地震じしん津波つなみがそのれいで、原因げんいんとなった地震じしんについては震度しんど分布ぶんぷからながらくマグニチュード 7.6[14]、あるいはたん周期しゅうき地震動じしんどう観測かんそくもとづいて表面ひょうめんマグニチュード Ms 7.2[15] - 7.4[16] とされてきたが、その津波つなみマグニチュード Mt 8.2 - 8.6[16]、あるいは津波つなみおおきさを考慮こうりょしてマグニチュード8 1/4にあらためられ、理科りか年表ねんぴょうでは2006年版ねんばん以降いこうこの採用さいようされるなど近年きんねん見直みなおしがなされた。津波つなみ地震じしんでは前記ぜんきれいとおり、表面ひょうめんマグニチュードより津波つなみマグニチュードのほうおおきくなる。

津波つなみ地震じしんとなる要因よういんにはいくつかあり[17]

  1. 断層だんそう破壊はかい通常つうじょうくらべゆっくりと進行しんこうすることで、地震動じしんどう海底かいてい地形ちけい変化へんかのエネルギーが通常つうじょうよりもたか割合わりあい津波つなみのエネルギーに変換へんかんされる。プレート境界きょうかい部分ぶぶんやわらかい堆積たいせきぶつがあると、断層だんそう破壊はかいがゆっくりとなることがられている。
  2. おこりふるえ断層だんそう角度かくど非常ひじょうあさ場合ばあい地震動じしんどうたん周期しゅうきであっても津波つなみ周期しゅうき通常つうじょうよりながくなり、ちょう周期しゅうき津波つなみ減衰げんすいしにくいため津波つなみたかくなる。
  3. しゅ破壊はかいによるおこりふるえ断層だんそうとはべつに、地震じしんによって海溝かいこう付近ふきん付加ふかたいばれる堆積たいせきそう枝分えだわかれした分岐ぶんき断層だんそう発生はっせいし、その隆起りゅうきによって津波つなみたかくなる。
  4. 地震動じしんどう海底かいてい地形ちけい変化へんかによって発生はっせいした、だい規模きぼ海底かいていすべりによって津波つなみたかくなる。
  5. 地殻ちかく変動へんどうによって海底かいてい堆積たいせきそうマグマ貫入かんにゅうし、その隆起りゅうきによって津波つなみたかくなる。

などがげられる。1,2はちょう周期しゅうき津波つなみ、3,4,5はたん周期しゅうき津波つなみである。上記じょうき1.の要因よういんにより津波つなみ地震じしんは、海溝かいこう付近ふきんのプレート境界きょうかいのうち海溝かいこうじくちかあさ部分ぶぶん震源しんげんいきとした地震じしんこりやすい。1896ねん明治めいじ三陸さんりくおき地震じしん津波つなみ上記じょうき1.によって津波つなみ地震じしんになったとかんがえられている[17]。また、2011ねん東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしん津波つなみ連動れんどうがた地震じしんであったため、地震じしん発生はっせい初期しょきにまずプレート境界きょうかいあさ上記じょうき1.の要因よういんによる津波つなみ発生はっせいさせたあと、プレート境界きょうかい深部しんぶにも断層だんそう破壊はかいおよんでつよ地震動じしんどう発生はっせいしたあと、ふたたびプレート境界きょうかいあさ破壊はかいこって津波つなみ増幅ぞうふくしたとかんがえられている[18][19][20]

遠隔えんかく津波つなみ[編集へんしゅう]

地震じしん津波つなみだい規模きぼ遠方えんぽうまでつたわるため、地震じしんかんじなかった地域ちいきでも津波つなみおそわれる場合ばあいがある。これを遠隔えんかく津波つなみう。津波つなみ到達とうたつまで時間じかんがあるので避難ひなんしやすく人的じんてき被害ひがい防止ぼうし容易よういであるが、情報じょうほう伝達でんたつ体制たいせいととのっていないと不意討ふいうちをけるかたちになり、被害ひがいおおきくなる。後者こうしゃには1960ねんチリ地震じしん津波つなみさいハワイ日本にっぽん、2004ねんスマトラおき地震じしんときインド洋いんどよう沿岸えんがん諸国しょこく東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしんにおけるハワイやアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく西海岸にしかいがんなどのれいがある。

球形きゅうけい地球ちきゅう表面ひょうめんでは、発生はっせいした津波つなみのエネルギーは地球ちきゅう反対はんたいがわ地点ちてん対蹠たいしょてん)にふたた集中しゅうちゅうする。そのため、チリ沿岸えんがん発生はっせいした津波つなみ太平洋たいへいようはさんで反対はんたいがわ日本にっぽん被害ひがいおよぼしやすい性質せいしつがある。また同様どうよう原理げんりにより太平洋たいへいよう中心ちゅうしん位置いちしているかつ5,000 mの深海しんかいそこかこまれたハワイは、環太平洋かんたいへいよう各地かくちからの津波つなみ減衰げんすいしにくいままけるため、津波つなみ被害ひがいけやすい。

その要因よういん[編集へんしゅう]

海洋かいようだけで山間さんかんでも同様どうようやまたい崩壊ほうかい起因きいんダムみずうみなどの湖沼こしょうでも発生はっせいする。実際じっさいイタリアバイオントダムでは、すべりにより100 mの津波つなみ発生はっせいして2,000にん以上いじょう死亡しぼうしている。また、岩手いわて宮城みやぎ内陸ないりく地震じしんでは荒砥あらとさわダム上流じょうりゅうやまたい崩壊ほうかい誘発ゆうはつし、津波つなみ発生はっせいしている。平成へいせい23ねん台風たいふう12ごうにおいて、深層しんそう崩壊ほうかいによるやまたい崩壊ほうかい発生はっせいし、土砂どしゃながんだ河川かせん津波つなみ性質せいしつだん発生はっせいした。

湖底こてい堆積たいせきぶつ崩落ほうらく
トゥールのグレゴリウスなどの記述きじゅつでは西暦せいれき563ねんレマン南西なんせいがんジュネーヴがトレデュナム・イベント(Tauredunum event)と津波つなみじょう水害すいがいおそわれたとあるが、そのとき地震じしんがあったとの記録きろくはない。2012ねん10がつ28にちジュネーブ大学だいがく地質ちしつ学者がくしゃ[ちゅう 3]ひがしはしから流入りゅうにゅうするローヌがわによってできたあつさ5 m、みずうみ中心ちゅうしん最深さいしんまでやく10 kmちょうはばやく5 kmの湖底こてい堆積たいせきぶつ崩落ほうらくして津波つなみ発生はっせいし、シミュレーションにより70ふんおそわれたとの研究けんきゅう結果けっか発表はっぴょうした。採取さいしゅした堆積たいせきぶつ放射ほうしゃせい炭素たんそ年代ねんだい測定そくていにより381ねんから612ねんのものと判明はんめいした。地質ちしつ学者がくしゃみずうみでも津波つなみこりうるとして再発さいはつ警鐘けいしょうしている[21][22][23][24]
火山かざん活動かつどうによる津波つなみ
火山かざんやまたい崩壊ほうかいや、火砕流かさいりゅう流入りゅうにゅうカルデラ形成けいせい爆発ばくはつによる水柱みずばしら形成けいせい火山かざんせい地震じしん発生はっせい空振からぶり[25]などにより津波つなみ発生はっせいする。
斜面しゃめん崩壊ほうかい
前述ぜんじゅつした火山かざんやまたい崩壊ほうかいや、大陸棚たいりくだな崩壊ほうかい氷河ひょうが崩壊ほうかいなどで、大量たいりょう土砂どしゃ岩石がんせきうみになだれんださいにも津波つなみ発生はっせいする。だい部分ぶぶん地震じしん津波つなみくらべてはるかに規模きぼちいさいが、状況じょうきょうによっては地震じしん原因げんいん津波つなみ遜色そんしょくがないほどのだい津波つなみ発生はっせいすることもあるとわれ[27]、また発生はっせい地点ちてんせっして人口じんこう密集みっしゅう地帯ちたいがあるとだい被害ひがいこす[28][29]
  • 日本にっぽん国内外こくないがいのいくつかのれいとして、
隕石いんせき
うみ落下らっかする隕石いんせき想像そうぞう
巨大きょだい隕石いんせきうみ落下らっかすれば津波つなみこるとかんがえられる(衝突しょうとつ津波つなみ)。歴史れきし時代じだいには明確めいかく証明しょうめいされた衝突しょうとつ津波つなみはないが、メキシコわんカリブ海かりぶかい沿岸えんがん各地かくちには、やく6550まんねんまえ天体てんたい衝突しょうとつとき発生はっせいした津波つなみ津波つなみ堆積たいせきぶつのこっており、津波つなみだかやく300 mと推測すいそくされている。
爆発ばくはつ事故じこ
海上かいじょうちょうきょだい規模きぼ爆発ばくはつ事故じこ発生はっせいした場合ばあいは、それだけで津波つなみこすことがある。1917ねんカナダ都市としハリファックスのきたふね爆発ばくはつ事故じこハリファックスだい爆発ばくはつ)により津波つなみ発生はっせいし、ハリファックスの港町みなとちょうながして甚大じんだい被害ひがいしたことがある。
類似るいじ現象げんしょう
伊勢湾いせわん台風たいふうでの事例じれいのように台風たいふうによって津波つなみ匹敵ひってきする威力いりょく高波たかなみ発生はっせいすることもあるが、これはあくまで高潮こうちょうであり、津波つなみとは区別くべつされる。しかしながら、台風たいふう原因げんいん土砂崩どしゃくずれによる津波つなみは、直接ちょくせつ要因よういん土砂崩どしゃくずれであるため津波つなみとなる。また、サンゴ礁さんごしょう存在そんざいする海岸かいがんでは高潮こうちょう津波つなみ特性とくせいつことがあり、なみぐん津波つなみだん波状はじょうサーフビート)とばれる[30]

津波つなみ現象げんしょう特徴とくちょう[編集へんしゅう]

2004ねん12月、プーケットとうおそった津波つなみ波頭なみがしらせたのち海水かいすいながつづけ、海面かいめんたかまったままの状態じょうたいつづいている。
アラスカにある津波つなみ警戒けいかい標識ひょうしき。4度目どめなみ一番いちばんたかえがかれている。

反射はんしゃ屈折くっせつ回折かいせつ干渉かんしょうなどの「なみ」の性質せいしつっていて、条件じょうけんにより変化へんかするため、予測よそくされないところで被害ひがいしょうじる場合ばあいがある。なみなかでは孤立こりつ、そのなかでも伝播でんぱちゅう形状けいじょう速度そくど変化へんかせずおたが衝突しょうとつしても安定あんていしている「ソリトン」に分類ぶんるいされる。

津波つなみ物理ぶつりてき性質せいしつ風浪ふうろうや、天文てんもんしおすなわち干潮かんちょう満潮まんちょうとう規則きそくてき潮汐ちょうせきとはことなっている。以下いか津波つなみしょ特性とくせいについてべる。

なみ周期しゅうき波長はちょう[編集へんしゅう]

津波つなみ周期しゅうき波長はちょうながいという特徴とくちょうがある。これは津波つなみなみげんいきひろく、波長はちょうがその影響えいきょうによりまるためである。一般いっぱん水面すいめんられる津波つなみでないなみは、ふうによりできた風浪ふうろうである。その風浪ふうろう周期しゅうきながいものでも10びょう程度ていど波長はちょう通常つうじょうは150 mくらいである。これにたい津波つなみは、みじか周期しゅうきでも2ふん程度ていどながいものでは1時間じかん以上いじょうにもなり、波長はちょうも100 kmをれいもある。周期しゅうきちょうちょう周期しゅうき地震動じしんどうかさなる部分ぶぶんがあり、潮汐ちょうせきよりはみじかい。このため、津波つなみ内陸ないりくせるさい水位すいいたかまりは、あたかも海面かいめん自体じたい上昇じょうしょうしたような状態じょうたいになって、おおきな水圧すいあつながれによる破壊はかいりょくくわわる。また津波つなみさいにも、一旦いったんたかくなった海面かいめんが、おきひくくなった海面かいめんかっていていくかたちになり、やはりおおきな破壊はかいりょくける。実際じっさいにもチリ津波つなみでは、函館はこだて実例じつれい水位すいいなみが2 m、が3 mであり、きがつよかった。このような場合ばあいなみ破壊はかいされたもの元々もともとりくにあったものなどがうみられる被害ひがいおおきくなる。

津波つなみ通常つうじょうふくすうかいせ、10かい以上いじょうおよぶこともある。だい2だい3などの後続こうぞくもっとおおきくなる傾向けいこうがあり[31]、その次第しだいちいさくなっていく。また、だい2だい3は1時間じかん以上いじょうのちせてくる場合ばあいもあり、完全かんぜん津波つなみおさまるまでに地震じしん発生はっせいから数日すうじつようする場合ばあいもある。

波高はこう[編集へんしゅう]

津波つなみあさ海岸かいがんたっすると、津波つなみ速度そくどおそくなり、波高はこうたかくなる。
津波つなみはかかた

津波つなみたかさをあらわ表現ひょうげんがいくつかある[12]

  • 津波つなみたかさ(波高はこう) - 海岸かいがんにあるけんしおしょけんしおじょうなどにおいてけんしお観測かんそくする、平常へいじょう潮位ちょういめんからのなみたかさ。
  • 浸水しんすいふか - 陸上りくじょう構造こうぞうぶつのこる、地面じめんからの浸水しんすい痕跡こんせきたかさ。
  • 痕跡こんせきだか - 陸上りくじょう構造こうぞうぶつのこる、平常へいじょう潮位ちょういめんからの浸水しんすい痕跡こんせきたかさ。
  • 遡上そじょうだか - 陸上りくじょう斜面しゃめんがけなどにのこる、平常へいじょう潮位ちょういめんからの浸水しんすい痕跡こんせきのその付近ふきんでの最大さいだいたかさ。

外洋がいようでは津波つなみ波高はこうすうじゅうcmから2 mか3 m程度ていどであり、波長はちょうは100 kmをえるので、海面かいめん時間じかん変化へんかきわめてちいさい。津波つなみ陸地りくち接近せっきんして水深すいしんあさくなると速度そくどちて波長はちょうみじかくなるため波高はこうおおきくなる。ただし、通常つうじょうは、たん水深すいしんちいさくなっただけでは極端きょくたんおおきななみにはならない。リアス式海岸りあすしきかいがんのような複雑ふくざつんだ地形ちけいところでは、局地きょくちてき非常ひじょうたかなみきることがある。津波つなみ波高はこう水深すいしんの4じょう水路すいろはばの2じょう反比例はんぴれいするので、かり水深すいしん160 m、はば900 mの湾口わんこうたかさ1 mの津波つなみせ、湾内わんない水深すいしん10 m、はば100 mのところたっした場合ばあい波高はこう水深すいしん減少げんしょうで2ばい水路すいろはば減少げんしょうで3ばいになるため、総合そうごうすると波高はこうは6 mになる[32]。そのため、Vがたひらいたわんおくではおおきな波高はこうになりやすい。

津波つなみ記録きろく一般いっぱんけんうしおただし測定そくていされる。しかし、巨大きょだい津波つなみそのものの波高はこう正確せいかく測定そくていすること困難こんなんである。これまでのだい津波つなみ波高はこうとされる記録きろくは、実際じっさいにはなみ到達とうたつ高度こうど遡上そじょうだか)でしめされている。遡上そじょうだかは、りくせた津波つなみ海抜かいばつ高度こうどなにmのたかさまでたっしたかをしめであるため、現場げんば調査ちょうさによって正確せいかく決定けっていできる利点りてんがある。Vがたわんなど地形ちけいによっては、津波つなみは、波高はこう自体じたいたかくなるととも非常ひじょうたかところにまでがることがしばしばある。つまり、津波つなみ到達とうたつ高度こうど遡上そじょうだか)はじつ波高はこう海岸かいがんでの平均へいきん海水かいすいめんからのたかさ)よりたかくなる場合ばあいおおい。日本にっぽんにおいて確実かくじつとされる津波つなみ最大さいだい波高はこうは1896ねん明治めいじ三陸さんりくおき地震じしん津波つなみさいの38.2 mであるが、これはVがたわんおくにあった海抜かいばつ38.2 mのとうげ津波つなみえたという事実じじつもとづく到達とうたつ高度こうどである(海岸かいがんでの津波つなみだかではない)。

1958ねん7がつ9にち現地げんち時間じかん)、アラスカ南端なんたん太平洋たいへいようがんにあるリツヤわん (Lituya bay) で岩石がんせき崩落ほうらくによる津波つなみ最大さいだい到達とうたつ高度こうど海抜かいばつ524 m[33]たっし、津波つなみ波高はこう世界せかい記録きろくとされている。リツヤわん氷河ひょうが侵食しんしょくによるフィヨルドで、はば3 km、奥行おくゆき11 kmほど長方形ちょうほうけいちかかたち内陸ないりくはいんでいる。わんおく左右さゆうかれたちいさな入江いりえがあり、問題もんだい津波つなみはそのうちの北側きたがわ入江いりえ発生はっせいしたものである。なみ発生はっせい直接ちょくせつ目撃もくげきしたものはいないが、現地げんち調査ちょうさ模型もけい実験じっけんにより詳細しょうさいあきらかにされている。地震じしんにより入江いりえ片側かたがわのおよそ 40傾斜けいしゃ斜面しゃめん崩壊ほうかい、9,000まんトンと推定すいていされる岩石がんせき一塊ひとかたまりになって海面かいめんちたため、じつ高度こうど150 m以上いじょうみずしぶきががり、対岸たいがん斜面しゃめんみずまくじょうになってがって524 mの高度こうどたっしたものである。そのなみたかさ15 mから30 mでわんおくから湾口わんこうすすみ、太平洋たいへいようるととも急速きゅうそく消滅しょうめつした。以上いじょうのように、このなみ津波つなみうよりみずねにちかいもので、英文えいぶん報告ほうこくしょでも "giant wave" または "biggest splash" と表現ひょうげんされている。

なお、リツヤわんでは1853ねんか1854ねんに120 m、1936ねんに147 mの大波おおなみ(いずれも到達とうたつ高度こうど)がこったこともあきらかになっている。これは、わん周囲しゅうい山林さんりん植生しょくせいするふる樹木じゅもく複数ふくすう伐採ばっさいして年輪ねんりん調しらべたところ、該当がいとうねん年輪ねんりんうみがわに、おおきな外傷がいしょうけた痕跡こんせきのこっていたことから判明はんめいしたものである。

2011ねん12月5にちアメリカ航空こうくう宇宙うちゅうきょくは、人工じんこう衛星えいせいジェイソン1」の観測かんそくにより、東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしんともなって発生はっせいした津波つなみ太平洋たいへいよう海底かいてい山脈さんみゃくなどによって方向ほうこうえ、震源しんげんからなんせんkmもはなれた海上かいじょうで2つのなみ融合ゆうごうした結果けっか、より威力いりょくった津波つなみとなったことをはじめて確認かくにんしたと発表はっぴょうした[34]

津波つなみたかさ、組成そせい被害ひがい関係かんけい[編集へんしゅう]

陸上りくじょうでの浸水しんすいだか被害ひがい関係かんけいについて、東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしん被災ひさいでの調査ちょうさによると、浸水しんすいだかが2 mをえると木造もくぞう家屋かおく構造こうぞう破壊はかい発生はっせいはじ全壊ぜんかいりつ急増きゅうぞうするとともに建物たてもの全体ぜんたい流失りゅうしつりつはじめ、さらに4 mをえると木造もくぞう家屋かおくおおくが流失りゅうしつするという結果けっかている[35]

一方いっぽう津波つなみ警報けいほうとう対象たいしょうとする、海岸かいがんでの波高はこう被害ひがい関係かんけいについて、東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしんや2010ねんのチリ地震じしんにおける日本にっぽん被災ひさいでの調査ちょうさによると、

  • 船舶せんぱく漁業ぎょぎょう施設しせつ被害ひがいは、波高はこうすうじゅうcmでも発生はっせいする。
  • 海岸かいがん堤防ていぼう外側そとがわにある港湾こうわん施設しせつ港湾こうわん道路どうろでは、波高はこう0.7 m程度ていどT.P.+1.3 m程度ていど)から冠水かんすい被害ひがい発生はっせいしている。
  • 住宅じゅうたく被害ひがいは、T.P.+1.0 m程度ていど以下いかおおむ波高はこう1 m未満みまん)では海岸かいがん堤防ていぼう内側うちがわ居住きょじゅう地域ちいきには浸水しんすいおよばないが、波高はこう1 - 2 m程度ていどから床下ゆかした浸水しんすいがみられ、波高はこう3 m程度ていどから全壊ぜんかい流失りゅうしつはじめ、5 - 6 m程度ていどから被害ひがいりつ急増きゅうぞうする。
  • 人的じんてき被害ひがいは、波高はこう2 m程度ていどからはじめ、4 - 5 m程度ていどから被害ひがいりつ急増きゅうぞうする。
  • ただし、波高はこう1 m前後ぜんご津波つなみでは、干潮かんちょう満潮まんちょうによる潮位ちょうい変化へんか加味かみされて予想よそう上回うわまわる(下回したまわる)被害ひがいとなる可能かのうせいがある。

以上いじょうのような傾向けいこう報告ほうこくされている[35]

津波つなみたかさと被害ひがい程度ていど目安めやす首藤しゅどう(1992[36],1993[37])、および気象庁きしょうちょう改変かいへん[38]追記ついき[35][39]
浸水しんすいだか m 0.2 0.5 0.7 1 2 4 8 16 32
木造もくぞう家屋かおく 漂流ひょうりゅうぶつ直撃ちょくげきによって被害ひがい場合ばあいがある) 部分ぶぶんてき破壊はかいされる 全面ぜんめんてき破壊はかいされる。
石造せきぞう家屋かおく ちこたえる。 全面ぜんめんてき破壊はかいされる。
RCづくりビル ちこたえる。 全面ぜんめんてき破壊はかいされる。
防潮ぼうちょうりん 漂流ひょうりゅうぶつ阻止そしし、被害ひがい軽微けいび 漂流ひょうりゅうぶつ阻止そしし、被害ひがい部分ぶぶんてき 効果こうかがなく、被害ひがい全面ぜんめんてき
沿岸えんがんでの波高はこう m 0.2 0.5 0.7 1 2 3 4 8 16 32
漁船ぎょせん 被害ひがい出始ではじめる。 被害ひがいりつ50% 被害ひがいりつ100%
養殖ようしょくいかだ 被害ひがい発生はっせいする。
おと 海鳴うみなりや暴風雨ぼうふううおとのような、前面ぜんめんくだけたなみによる連続れんぞくおん
雷鳴らいめいのような、はまいてくだけたなみによるだい音響おんきょうとおくまではこえない。
遠雷えんらい発破はっぱおんのような、がけ衝突しょうとつするだい音響おんきょう。かなりとおくまでこえる。
浸水しんすい[35] 海岸かいがん堤防ていぼう外側そとがわうみがわ)で浸水しんすいしょうじうる。 海岸かいがん堤防ていぼう内側うちがわ内陸ないりくがわ)でも浸水しんすいしょうじうる。
警報けいほう注意報ちゅういほう
日本にっぽん[39]
津波つなみ注意報ちゅういほう
うみなかにいるひとはただちにうみからがって、海岸かいがんからはなれる。
津波つなみ警報けいほう
沿岸えんがんかわ沿いにいるひとは、ただちに高台たかだい避難ひなんビルなど安全あんぜん場所ばしょ避難ひなん
だい津波つなみ警報けいほう
沿岸えんがんかわ沿いにいるひとは、ただちに高台たかだい避難ひなんビルなど安全あんぜん場所ばしょ避難ひなん

津波つなみ陸地りくちちかくでは、海底かいてい運河うんが河口かこうちかくのかわそこにあった土砂どしゃどろ有機物ゆうきぶつふくヘドロげ、ざりってせる。こうした「くろ津波つなみ」は海水かいすいのみより比重ひじゅうおおきいため、破壊はかいりょくす。さらに津波つなみんでしまったひと津波つなみいたのち乾燥かんそうした陸地りくちがる粉塵ふんじんったひと肺炎はいえん津波つなみはい)などの感染かんせんしょうこす[40]

伝播でんぱ[編集へんしゅう]

津波つなみ伝播でんぱ様子ようす2007ねんペルー地震じしん

津波つなみは、水深すいしん一定いってい海域かいいき発生はっせいした場合ばあいには発生はっせいげん中心ちゅうしん同心円どうしんえんじょうひろがってく。しかし、地震じしん津波つなみ場合ばあいおおくの地震じしん陸地りくちちかくの海域かいいきこるため、なみのおよそ4ぶんの3は海岸かいがんかい4ぶんの1が外洋がいようかう。たとえば1960ねんのチリ地震じしん津波つなみにおいては、南米なんべいチリおきしょうじた津波つなみ最初さいしょ同心円どうしんえんえがいて伝播でんぱした。その、チリの海岸かいがんせんたい垂直すいちょく方向ほうこうすすなみ以外いがい次第しだい進路しんろがチリの海岸かいがんきに屈折くっせつした。結局けっきょくなみの4ぶんの3がチリ海岸かいがんもどり、4ぶんの1は太平洋たいへいよう直進ちょくしんしてハワイや日本にっぽんたっしたとかんがえられている。これは、大陸たいりく斜面しゃめんすすなみ水深すいしんおおきい沖合おきあい速度そくどはやく、沿岸えんがんりではおそくなるためである。実際じっさいおな環太平洋かんたいへいよう地域ちいきでありながらきたアメリカ西岸せいがんオセアニアなどでは目立めだった津波つなみ被害ひがいこっていない。津波つなみ物理ぶつりてきにはいわゆる孤立こりつであり、うみソリトンともばれる。

速度そくど[編集へんしゅう]

津波つなみ速度そくど

津波つなみ伝播でんぱする速度そくど水深すいしんなみだかによりまる。大陸棚たいりくだな斜面しゃめんから外洋がいようると水深すいしんは4,000 m前後ぜんごでほとんど一定いっていになり、また水深すいしんくらべて波高はこう問題もんだいにならないくらいちいさいので、外洋がいようでの津波つなみ速度そくどは、重力じゅうりょく加速度かそくど(9.8 m/sec2便宜べんぎてきに10 m/sec2 としてつかえない)に水深すいしんじょうじた平方根へいほうこんにほぼひとしい。しきあらわすとつぎのようになる。dは水深すいしん単位たんいはm)、速度そくど秒速びょうそく (m/sec) でしめされる。

これを時速じそく(km/hour)になおすには3.6ばいすればよい。これにより、水深すいしん1,000 mで時速じそく360 km、水深すいしん4,000 mで時速じそく720 kmとなる。沿岸えんがんでは水深すいしんあさくなり、そのため津波つなみ波高はこうすので、うえしきをそのまま適用てきようすると不正確ふせいかくとなるため、つぎしきもちいるのがよい。Hは水面すいめんじょう波高はこうである(単位たんいはm)。

ここから、水深すいしん10 m、波高はこう6 mの場合ばあい津波つなみはやさはおよそ時速じそく46 kmとなる。なお、1960ねんチリ地震じしん津波つなみはチリから日本にっぽんまで平均へいきん時速じそく750 kmで、2011ねん東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいでは岩手いわてけん宮古みやふる重茂おもえ半島はんとう平均へいきん時速じそく115 kmで、沿岸えんがんまで到達とうたつしている[41]

電磁場でんじば変動へんどう[編集へんしゅう]

海水かいすい良質りょうしつ導体どうたいであることから地磁気ちじき影響えいきょう運動うんどうをすると、誘導ゆうどう電磁場でんじばしょうじている。したがって、常時じょうじ流動りゅうどうしている潮流ちょうりゅうでも発生はっせいしているが、津波つなみさいには潮流ちょうりゅうしょうじるのとはべつ誘導ゆうどう電磁場でんじば発生はっせいするため、この電磁場でんじば観測かんそくおこなうことで結果けっかてき津波つなみともな海水かいすい変異へんい観測かんそくできる[42][43]。また、電離層でんりそうにも影響えいきょうあたえ、津波つなみ発生はっせいからすうふんから1あいだ程度ていど継続けいぞくする「電離でんりけんプラズマ減少げんしょう津波つなみ電離でんりけんホール)」がしょうじ、GPS-TEC(GPS受信じゅしんてんから衛星えいせいまでの視線しせん方向ほうこうたいする電離でんりけんぜん電子でんしすう観測かんそくによって観測かんそくおこなえる[44]

津波つなみ被害ひがい態様たいよう[編集へんしゅう]

津波つなみは、おなたかさの気象きしょうせい波浪はろうくらべて波長はちょう非常ひじょうながいため、一波いっぱせるだけで大量たいりょう海水かいすい海岸かいがんおそう。

津波つなみによるみず圧力あつりょく非常ひじょうおおきく、沿岸えんがんひろ地域ちいき被害ひがいあたえる。人的じんてき被害ひがい水深すいしん30 cmでも発生はっせいし、被害ひがい程度ていどは「波高はこう」(浸水しんすいだか)と「流速りゅうそく」が密接みっせつ関係かんけいしている[45] が、浸水しんすいふかさが 2 m、4 m、8 m とふかくなると被害ひがい様相ようそうおおきく変化へんかすること報告ほうこくされている[46]東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしんでは、宮城みやぎ県内けんないで2 mをさかい流失りゅうしつりつ増大ぞうだいし6 mでの流失りゅうしつりつは80%程度ていど報告ほうこくされている[47]

浸水しんすいだか被害ひがい程度ていど目安めやす気象庁きしょうちょうによる資料しりょう改変かいへん[46]
津波つなみ波高はこう 1 m 2 m 4 m 8 m 16 m 32 m
木造もくぞう家屋かおく 部分ぶぶんてき破壊はかい 全面ぜんめん破壊はかい
石造せきぞう家屋かおく ちこたえる 全面ぜんめん破壊はかい
鉄筋てっきんコンクリートビル ちこたえる 全面ぜんめん破壊はかい
漁船ぎょせん 被害ひがい発生はっせい 被害ひがいりつ 50% 被害ひがいりつ 100%
防潮ぼうちょうりん 被害ひがい軽微けいび 漂流ひょうりゅうぶつ阻止そし
津波つなみ軽減けいげん
部分ぶぶんてき被害ひがい
漂流ひょうりゅうぶつ阻止そし
全面ぜんめんてき被害ひがい
効果こうか
養殖ようしょくいかだ 被害ひがい発生はっせい

れいとして、2 m普通ふつうなみ津波つなみとのちがいを比較ひかくする。2 mの普通ふつうなみは、海上かいじょう普段ふだんから偏西風へんせいふうてい気圧きあつ気流きりゅう)、つき引力いんりょくなどの影響えいきょうけるため、すくなからずデコボコがしょうじる。このデコボコのが2 mあるだけで、波長はちょうなみ形成けいせいする水量すいりょう比較的ひかくてきすくなく、海岸かいがんたっしたところ沿岸えんがん地域ちいき被害ひがいをもたらすことはそうおおくはない。これにたいし2 mの津波つなみは、地震じしんなどによる海底かいてい隆起りゅうきまたは沈下ちんかにより海水かいすいめん自体じたい普段ふだんより2 mがり、それがそのまま海岸かいがんかってつたわっていく。いいかえれば、2 mの急激きゅうげき海面かいめん上昇じょうしょうこることにちかい。

つまり、2 mの普通ふつうなみ海岸かいがん少量しょうりょう海水かいすいをかける程度ていどであるのにたいして、2 mの津波つなみなにkl(キロリットル)もの海水かいすい一気いっき海岸かいがん地域ちいきおそい、自動車じどうしゃおおくのひと簡単かんたんおききずりんでしまうほど威力いりょくがある。2 mの「なみ」の水量すいりょうは2(m)×波長はちょうすう(m)×0.5×やく0.5×海岸かいがん距離きょり(m)で、海岸かいがん1 mにせるなみ水量すいりょう波長はちょう3 mとして1.5 m3(=1500リットル)、ドラム缶どらむかんすうほんぶんである。一方いっぽう、2 mの「津波つなみ」の水量すいりょうは2(m)×波長はちょうすうじゅうkm(m)×0.5×0.5×海岸かいがん距離きょり(m)で、海岸かいがん1 mにせる津波つなみ水量すいりょう波長はちょう10 kmとして5,000 m3(=5,000キロリットル)、競泳きょうえいようプール2つわかとなる(体積たいせき比較ひかく参照さんしょう)。2003ねん発生はっせいした十勝とかちおき地震じしんでは、実際じっさいに2 mの津波つなみまれ死亡しぼうしたひと確認かくにんされている。また、陸地りくちちかづくと水流すいりゅう建造けんぞうぶつなどをこわしながら内陸ないりくすすみ、それらの瓦礫がれきむことによって破壊はかいりょくす。さらに、流氷りゅうひょううみごおりなどの漂流ひょうりゅうぶつともなった場合ばあい被害ひがい増大ぞうだいする[48]

また津波つなみいたのちでも、損壊そんかいした住宅じゅうたく市街地しがいち工場こうじょう燃料ねんりょうタンクが炎上えんじょうする津波つなみ火災かさい冷却れいきゃく機能きのう喪失そうしつした原子力げんしりょく発電はつでんしょからの放射ほうしゃせい物質ぶっしつれ(れい福島ふくしまだいいち原子力げんしりょく発電はつでんしょ事故じこ)といった被害ひがい発生はっせいする。

人的じんてき被害ひがいでは、津波つなみみず海底かいていすないわとともに微生物びせいぶつ有害ゆうがい物質ぶっしつなどをんでいるので、津波つなみまれてたすかった場合ばあいでも、骨折こっせつ打撲だぼくなどの外傷がいしょうだけでなくはいなか微生物びせいぶつ油脂ゆしすなどろなどをんでしまう「津波つなみはい[49]健康けんこう被害ひがい発生はっせいすることがある。

河口かこうから河川かせん侵入しんにゅうした津波つなみすうじゅうkm上流じょうりゅうまで遡上そじょうすることがある(地理ちりてき要因よういん次第しだいだが、たかさ1 mの津波つなみでも5 kmは遡上そじょうするとわれる)。河川かせん遡上そじょうする津波つなみは、伝播でんぱ速度そくどはやくなり、遡上そじょう距離きょりながくなる傾向けいこうにある。先端せんたん形態けいたい砕波だん波状はじょうだんの2種類しゅるいがある。

1960ねん5がつ24にちチリ地震じしん津波つなみでは、沖縄おきなわけん石川いしかわ石川いしかわがわ遡上そじょうした津波つなみ家屋かおく浸水しんすいなどの被害ひがいをもたらした。2003ねん9がつ26にち十勝とかちおき地震じしんでは、津波つなみ波状はじょうだん形成けいせいしながら北海道ほっかいどう十勝とかちがわ遡上そじょうする様子ようす自衛隊じえいたいにより撮影さつえいされた。このとき津波つなみは、河口かこうからすくなくとも11 km上流じょうりゅうまで遡上そじょうしたことが確認かくにんされている。2011ねん東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしんによる津波つなみは、関東かんとう地方ちほうでも利根川とねがわの40 kmを筆頭ひっとうに、江戸川えどがわ3 km、多摩川たまがわ13 km、荒川あらかわ28 kmなど[50]河口かこうからとお内陸ないりくまで到達とうたつした。このことから、うみめんしていない埼玉さいたまけんでも地震じしん津波つなみ被害ひがい対応たいおうする地域ちいき防災ぼうさい計画けいかく検討けんとうはじめるなどしている[51]

また、遡上そじょうする津波つなみたか場合ばあい河川かせん堤防ていぼう決壊けっかいさせて洪水こうずいこすことがある。2011ねん東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしん津波つなみでは、青森あおもりけん岩手いわてけん宮城みやぎけんけい22河川かせん津波つなみにより同時どうじ決壊けっかいするというゆう被害ひがいしょうじた[52]北上川きたかみがわでは、河口かこうから49 kmはなれたきゅう中田なかだまちにまで津波つなみ到達とうたつし、農地のうちだい規模きぼ浸水しんすいこっているほか[53]名取川なとりがわでは仙台せんだい太白たいはく若林わかばやしの、旧北上川きゅうきたかみがわしん北上川きたかみがわ追波川おっぱがわ)では石巻いしのまき市街地しがいち濁流だくりゅうみ、甚大じんだい被害ひがいした。とく石巻いしのまき市立しりつ大川おおかわ小学校しょうがっこうではしん北上川きたかみがわ堤防ていぼう高台たかだいであるとかんがえて避難ひなんしようとしていたところ、かわ遡上そじょうしてきた津波つなみ小学校しょうがっこうおそい、児童じどう教師きょうしらが多数たすう死亡しぼうするという悲惨ひさん出来事できごときている。津波つなみ河川かせん遡上そじょうという現象げんしょう自体じたい一般いっぱんにあまりられていなかったため、津波つなみさい人々ひとびと海岸かいがんからはなれることはあっても、河口かこう付近ふきん以外いがい河川かせんからとおざかろうとすることは当時とうじまれであった。

河川かせん遡上そじょうする津波つなみたような物理ぶつり現象げんしょうとして、しお津波つなみがある。代表だいひょうてきなのは、南米なんべいアマゾン川あまぞんがわポロロッカ中国ちゅうごくぜに塘江などできる海嘯つなみである。津波つなみ河川かせん侵入しんにゅうするのをふせぐために、防潮ぼうちょう水門すいもんなどがもうけられているかわおおい。

ぜに塘江の海嘯つなみ

津波つなみ被害ひがい軽減けいげん回避かいひ[編集へんしゅう]

海岸かいがんやそのちか平野へいや経済けいざい活動かつどう便利べんりなうえ、景観けいかんいため人口じんこうあつまる傾向けいこう古来こらいあり、そのぶん津波つなみ襲来しゅうらいした場合ばあい被害ひがいけやすい。このため津波つなみへの対策たいさくとしては、「津波つなみ被害ひがいける可能かのうせいがある地域ちいき平時へいじから予測よそくする」「津波つなみ襲来しゅうらい早期そうき感知かんちして避難ひなんする」「防潮ぼうちょうつつみなどで津波つなみ内陸ないりく侵入しんにゅう極力きょくりょくふせぐ」「建物たてもの道路どうろ鉄道てつどう普段ふだんからなるべく内陸ないりく高台たかだいうつしておく」といった対策たいさくわせることが必要ひつようとなる。

津波つなみ津波つなみ防災ぼうさい研究けんきゅう[編集へんしゅう]

津波つなみそのものやおも発生はっせい原因げんいんである海底かいてい地震じしんについては海洋かいようがく中心ちゅうしんとする地球ちきゅう物理ぶつりがくめんから、防潮ぼうちょうつつみ水門すいもんによる対策たいさくについては土木どぼく工学こうがくなどのめんから研究けんきゅうされてきた。日本にっぽんではこれらにより将来しょうらい想定そうていされる津波つなみ被害ひがい予測よそく対応たいおうするだけでなく、陸上りくじょう津波つなみ堆積たいせきぶつ津波つなみせき調査ちょうさしたり、津波つなみにまつわる古文書こもんじょだい津浪つなみ記念きねんさい評価ひょうかしたりするうごきが、とく東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいにおいてはさかんになっている[54]

またプールや水槽すいそう津波つなみせたみずうごきをこし、水流すいりゅうけたさいひとうごきや建物たてものへの影響えいきょうをシミュ―レートしたり、津波つなみ疑似ぎじ体験たいけんしてもらい防災ぼうさいげんわざわい啓発けいはつ役立やくだてたりするみもおこなわれている[55]

2017ねん11月には、津波つなみ防災ぼうさい学際がくさいてき研究けんきゅうする「国際こくさい津波つなみ防災ぼうさい学会がっかい」が日本にっぽん設立せつりつされた[56]

津波つなみ到達とうたつ高台たかだいへの避難ひなん[編集へんしゅう]

水深すいしんふかわん次第しだいせまくなるわんおく周囲しゅういうみかこまれたみさき先端せんたんなどでは、津波つなみ到達とうたつだか)がたかくなる[6]わんでは減速げんそくしながら海岸かいがん接近せっきんした先行せんこう後続こうぞくかさなりやすいため。(湾口わんこう波高はこう2 mのものがわんおくで5 mちょうになったれいがある[2]

しおく「」からはじまるときも、がる「なみ」からはじまるときもある[57]。これは発生はっせい様式ようしきによって「海底かいてい地形ちけい変化へんか」がことなるためである。浸水しんすいは、次第しだい速度そくどしていき、流速りゅうそく浸水しんすいよりもはや場合ばあいがある。重力じゅうりょくによる落下らっかみずいきおいを加速かそくさせるため。

だい1一番いちばんたかいとはかぎらず、すうじゅうあいだにわたりすう来襲らいしゅうがある場合ばあいもある。これは反射はんしゃ屈折くっせつ干渉かんしょうしたなみ余震よしん発生はっせいしたべつ津波つなみによって不規則ふきそくなみかさなることがあるため。

津波つなみ警戒けいかい標識ひょうしき
津波つなみフラッグ
津波つなみ緊急きんきゅう退避たいひ施設しせつ焼津やいづ
津波つなみ避難ひなんマップ(東松島ひがしまつしま

一般いっぱんてき海岸かいがんちかくでの津波つなみへの警戒けいかい対応たいおうとして、強弱きょうじゃくかかわらずれをかんじた場合ばあい、「できれば内陸ないりくふかくへ、むずかしそうならちかくの高台たかだい建物たてもの上層じょうそうすみやかに避難ひなんすること」が推奨すいしょうされる。日頃ひごろからの避難ひなん心得こころえとして「津波つなみてんでんこ」という標語ひょうごもある。津波つなみ襲来しゅうらい目視もくしできるまえでも、海岸かいがん河口かこう付近ふきん低地ていちまることは危険きけんである。

日本にっぽんなどの津波つなみ警報けいほう体制たいせい整備せいびされている地域ちいきでは、地震じしんすみやかに津波つなみかんする情報じょうほう発表はっぴょうされることが期待きたいされるので、防災ぼうさい担当たんとう機関きかんは「津波つなみ警報けいほう」「津波つなみ注意報ちゅういほう」などが発表はっぴょうされたらすみやかに避難ひなんするようびかけている。また、海水浴かいすいよくじょうとうでは、津波つなみフラッグが提示ていじされる。日本にっぽんでは市町村しちょうそん海岸かいがんちかくに「避難ひなん場所ばしょ避難ひなん経路けいろしめ掲示けいじ」をおこなっている場合ばあいがあるので、その場所ばしょ避難ひなんすれば安全あんぜん確保かくほされるとかんがえられる。避難ひなん場所ばしょごとにてきした災害さいがい種類しゅるいことなる場合ばあいがあるので、津波つなみ避難ひなん場所ばしょ明示めいじされているところがより安全あんぜんである。なお、津波つなみ危険きけんせいがある居住きょじゅうでは、日頃ひごろより避難ひなん場所ばしょ経路けいろ確認かくにんしておくことが、避難ひなん迅速じんそく期待きたいされるため推奨すいしょうされている。また、平坦へいたん場所ばしょ津波つなみちかくにせまっている場合ばあい緊急きんきゅう避難ひなんてきに、一般いっぱん頑丈がんじょうかんがえられる鉄筋てっきんコンクリートづくりの3かい以上いじょうのビルに避難ひなんし、3かい以上いじょうのぼると「ほぼ安全あんぜん」(消防庁しょうぼうちょう)としている[58]内陸ないりく高台たかだいへの避難ひなんわない場合ばあいそなえて、津波つなみ避難ひなん施設しせつ日本にっぽん各地かくち沿岸えんがん整備せいびされている。

防災ぼうさい無線むせんつたわらない聴覚ちょうかく障害しょうがいしゃや、スマホなどを所持しょじしておらず津波つなみ情報じょうほうれない海水浴かいすいよくじょう遊泳ゆうえいしゃなどのために、沿岸えんがんにおける視覚しかくてき伝達でんたつ手段しゅだんとして津波つなみフラッグ制定せいていされている。

東北大学とうほくだいがく国際航業こくさいこうぎょうNECなどが2018ねん5がつ設立せつりつ発表はっぴょうしたしん会社かいしゃ「RTi-cast」(本社ほんしゃ宮城みやぎけん仙台せんだい)は、津波つなみ警報けいほう津波つなみ注意報ちゅういほうるような地震じしん発生はっせいすると、スーパーコンピュータ使つかい30ふん以内いない被害ひがい予測よそく算出さんしゅつし、通知つうちする事業じぎょうおこなう。内閣ないかく南海なんかいトラフ巨大きょだい地震じしんそなえて採用さいようしている[59]

津波つなみ防災ぼうさい地域ちいきづくりほうによる区域くいき指定してい[編集へんしゅう]

沿岸えんがんでも、地形ちけいひと居住きょじゅう有無うむによって、予想よそうされる津波つなみ被害ひがいことなる。東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいまえから一部いちぶではハザードマップつくられるなどしていたが、津波つなみたかさの想定そうてい周知しゅうち十分じゅうぶんでなかった。東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいきた2011ねん年末ねんまつ、「津波つなみ防災ぼうさい地域ちいきづくりほう」が制定せいていされ[60]翌年よくねん施行しこうされた。どうほうもとづき、建物たてものゆかめん嵩上かさあげなどがもとめられる津波つなみ災害さいがいの「特別とくべつ警戒けいかい区域くいき」のオレンジゾーンとして2018ねん3がつ27にち静岡しずおかけん伊豆いず土肥どい(とい)地区ちく一部いちぶ全国ぜんこくはじめて指定していされた。津波つなみハザードマップの作成さくせいなどが必要ひつような「警戒けいかい区域くいき」(イエローゾーン)は徳島とくしまけん山口やまぐちけんなど7府県ふけんの83市町しちょう指定していされている。

ただ、地元じもとがイメージ悪化あっかおそれて、津波つなみ被害ひがい想定そうてい対策たいさくすすまない傾向けいこう指摘してきされている。特別とくべつ警戒けいかい区域くいきのうち、住宅じゅうたくしん改築かいちく制限せいげんできるレッドゾーンは、2018ねん3がつ時点じてん指定していれいはない[61]

伝承でんしょうおもみとその影響えいきょう[編集へんしゅう]

原則げんそくとして地震じしんによる海底かいてい上下じょうげ変動へんどうきれば津波つなみ発生はっせいする。しかし、しばしば津波つなみかんする根拠こんきょうす情報じょうほう伝承でんしょうされた結果けっか人的じんてき被害ひがい拡大かくだいした事例じれい数多かずおお確認かくにんされている。地震じしん津波つなみ警報けいほう発表はっぴょうされた場合ばあい一刻いっこくはや高台たかだい避難ひなんすることが必要ひつようとされる。

  • 2011ねん東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいでは、頑丈がんじょう防潮ぼうちょうつつみがあるから大丈夫だいじょうぶ」であるとか、明治めいじ三陸さんりくおき地震じしんによる津波つなみ記録きろくや1960ねんのチリ地震じしん記憶きおくから「過去かこだい津波つなみでもここまで津波つなみなかった」「いままでになんだい地震じしんこったが、いつも津波つなみ注意報ちゅういほうどまりで津波つなみなかった」などのような[よう出典しゅってん]過去かこ経験けいけん影響えいきょう避難ひなんしなかったり、避難ひなんおくれたりした[62] ために、津波つなみ犠牲ぎせいになった住人じゅうにんもいた[63]また、1960ねんのチリ地震じしんによる津波つなみにおいて、ハワイのヒロでは、「過去かこ地震じしんによる津波つなみがあまりたかくなかった」という過去かこ経験けいけんや、「津波つなみ震源しんげんであるチリがある南東なんとう方向ほうこうからやってくる。」と判断はんだんした住人じゅうにん犠牲ぎせいとなった。[よう出典しゅってん]
  • 東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいでは岩手いわてけん釜石かまいし設置せっちしていた鵜住居うのずまい地区ちく防災ぼうさいセンターが、「防災ぼうさい」という名称めいしょうから津波つなみ避難ひなん場所ばしょ誤解ごかいされ犠牲ぎせいしゃたとして、訴訟そしょうになったれいがある[64]
  • 宮城みやぎけん歌津うたつまち戸倉とくらむらふく地方ちほうや、岩手いわてけん田老たろうまちでは「れたには、よだ(津波つなみ)はこない」「さむ時期じき津波つなみはない」「ふゆれたには津波つなみない」といったはなしつたえられていた[65][66]昭和しょうわ三陸さんりく地震じしんさいにはこの伝承でんしょうによってかえって大勢おおぜい犠牲ぎせいしゃしたとわれている。なお、東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしんさむ時期じき発生はっせいであり、また津波つなみ到達とうたつ三陸さんりく沿岸えんがんではゆきっていた。
  • 昭和しょうわ三陸さんりく地震じしんではつよれをともなったが、過去かこ経験けいけんる「つよれがあったときは津波つなみない」という伝承でんしょうから被害ひがいったものもいる[67]。これは、明治めいじ三陸さんりく地震じしんよわくゆっくりとしたれののち津波つなみたという経験けいけんもとづいている。
  • 明治めいじ三陸さんりく地震じしんによる津波つなみ発生はっせいした6がつ15にち旧暦きゅうれき端午たんご節句せっく昭和しょうわ三陸さんりく地震じしんによる津波つなみ発生はっせいした3がつ3にち新暦しんれきもも節句せっくたることから、「津波つなみ節句せっくる」という伝承でんしょうまれた。
  • 津波つなみからる」というあやまった知見ちけん[68]もとづいた教育きょういくがかつておこなわれていたこともあり、開発途上国かいはつとじょうこくふくめてあやまった知識ちしき流布るふされている。かつての日本にっぽんでも、「地震じしんきたらうみげろ」という陸上りくじょうでの津波つなみ避難ひなんとしては適切てきせつでない教訓きょうくんがあった[66]。このせつは、秋田あきたけん男鹿半島おがはんとうでは、1964ねんきた男鹿半島おがはんとうおき地震じしんでの山崩やまくずれの経験けいけんからのものだとされている。またこの伝承でんしょうは、「日本海にほんかいがわには津波つなみない」というおもみも影響えいきょうして、日本海にほんかい中部ちゅうぶ地震じしん(1983ねん)による被害ひがい拡大かくだいさせたとかんがえられている。
  • 北海道ほっかいどう日高ひだか地方ちほう静内しずないまち神森かみもり付近ふきんアイヌ民族みんぞくには、「酒盛さかもりをしていたいえ津波つなみけてとおったため、津波つなみかみさけきらう」という伝承でんしょうがあり、変事へんじのたびにいえまわりに酒粕さけかすいて波除なみよけにもちいていた[69]
  • 津波つなみまえにはかなら井戸いどみずく」という俗説ぞくせつもあり、実際じっさい昭和しょうわ三陸さんりく地震じしんときにはわざわざ井戸いどのぞきにったがために津波つなみからおくれたひともいるという[70]
  • 三重みえけん尾鷲おわせでは、「地震じしんのち津波つなみるまでに、ごはん時間じかんがある」「地震じしん発生はっせいしてから津波つなみるまでには、ごはんいてべて、それを弁当べんとうってげられるだけの時間じかんてき余裕よゆうがある」といった伝承でんしょうもあったが、昭和しょうわひがし南海なんかい地震じしんによる津波つなみやく15ふん程度ていど来襲らいしゅうしたので、とてもそのような余裕よゆうはなくあわてたとの体験たいけんだんのこっている[70]
  • 地震じしんとき竹藪たけやぶげろ」との伝承でんしょうしんじたがために津波つなみ犠牲ぎせいになったれい昭和しょうわ南海なんかい地震じしんにおいてられた。竹林ちくりん地震じしんによる地割じわれをふせぐから安全あんぜんという俗説ぞくせつからしょうじたもので(漫画まんがばん日本にっぽん沈没ちんぼつ』にも同様どうよう描写びょうしゃがある)、もとより明確めいかく根拠こんきょはなく(竹林ちくりん#竹林ちくりん災害さいがい参照さんしょう)まして津波つなみからの逃避とうひさくにもならない[70]

津波つなみシェルターへの避難ひなん[編集へんしゅう]

飲料いんりょうすい食料しょくりょう医薬品いやくひんなどを積載せきさいしトイレを付属ふぞくさせた浮揚ふようがたのアルミせい津波つなみシェルターも開発かいはつされている[71]

船舶せんぱく[編集へんしゅう]

海上かいじょう船舶せんぱくは、津波つなみ警報けいほうとう接岸せつがん許可きょか停泊ていはくして待機たいきしたり、ふね横波よこなみよわいので船首せんしゅおきけたり、沖合おきあいでの被害ひがい波浪はろうくらべてもすくないので、沖合おきあい避難ひなんしたり、接岸せつがんしていた船舶せんぱく緊急きんきゅう出港しゅっこうすることもある。東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいでも、そのような漁船ぎょせんうみながされた被災ひさいしゃ救助きゅうじょ活躍かつやくした。また、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいでは、複数ふくすう船舶せんぱくろくげられ、建物たてものうえげたものもあった。

津波つなみ被害ひがいからの復旧ふっきゅう復興ふっこう[編集へんしゅう]

だい規模きぼ津波つなみおそわれた地域ちいき国家こっかではず、被災ひさいしゃ救出きゅうしゅつ救援きゅうえん行方ゆくえ不明ふめいしゃ捜索そうさく犠牲ぎせいしゃ死体したい収容しゅうよう津波つなみ火災かさい消火しょうかといった応急おうきゅう対応たいおうおこなう。つぎに、いえうしなった被災ひさいしゃ仮設かせつ住宅じゅうたくなどの確保かくほ津波つなみにより発生はっせいした大量たいりょう廃棄はいきぶつ(がれき)や破壊はかいされた建物たてもの残骸ざんがい撤去てっきょ処理しょりなどにみ、つづいて被災ひさい地域ちいき復興ふっこううつる。

津波つなみ再来さいらいする可能かのうせいがあるため、防潮ぼうちょうつつみ新設しんせつ嵩上かさあげによって将来しょうらい被害ひがい防止ぼうし軽減けいげんはかることのほか、復興ふっこうでは土地とち利用りようのありかた問題もんだいとなる。津波つなみつねかさねであった三陸さんりく地方ちほうでは、昭和しょうわ以前いぜん津波つなみ到達とうたつてんなどをしめ災害さいがい記念きねん行政ぎょうせいによる看板かんばんおお設置せっちされていたが、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいではそれよりうみちか地域ちいきおおくの被害ひがいた。東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいでは、津波つなみ再来さいらいのリスクがたか地域ちいきでの建築けんちく制限せいげん高台たかだいへの市街しがい住宅じゅうたく道路どうろ鉄道てつどう移転いてんなどがおこなわれている。また南海なんかいトラフ巨大きょだい地震じしんによる津波つなみ襲来しゅうらい予測よそくされている地域ちいきなどでは、被害ひがい軽減けいげん復興ふっこうがしやすい地域ちいきづくりを目指めざす「事前じぜん復興ふっこう」という対策たいさく導入どうにゅうされつつある[72]

津波つなみ監視かんし体制たいせい[編集へんしゅう]

日本にっぽん[編集へんしゅう]

津波つなみふせぐための水門すいもん「びゅうお」(静岡しずおかけん沼津ぬまづこう

日本にっぽんでは、気象きしょう業務ぎょうむほうにより気象庁きしょうちょう津波つなみかん警報けいほう発表はっぴょうおこなうことが規定きていされている。気象庁きしょうちょうは、津波つなみ原因げんいんとなる地震じしん活動かつどうを24あいだ体制たいせい監視かんししており、地震じしん発生はっせいすると最速さいそく2ふん以内いない津波つなみかんする予報よほう警報けいほう津波つなみ予報よほう津波つなみ注意報ちゅういほう津波つなみ警報けいほうだい津波つなみ警報けいほう)を発表はっぴょう[73]、テレビ・ラジオやインターネットなどで速報そくほうされる。震源しんげんとおくても規模きぼおおきな地震じしんなど、震度しんどちいさい地震じしん場合ばあいでも津波つなみ警報けいほうとう発表はっぴょうされる場合ばあいもある。津波つなみ警報けいほうとう発表はっぴょうまでの時間じかん短縮たんしゅくするために、地震じしんけいをより高性能こうせいのうのものにえる作業さぎょうやケーブルしき海底かいてい地震じしんけい整備せいびとうおこなわれている。

こうした警報けいほうささえとして、防災ぼうさい科学かがく技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ日本にっぽん列島れっとう太平洋たいへいようがわ海底かいてい観測かんそく機器ききネットワークを設置せっちしている。東日本ひがしにっぽんでは日本にっぽん海溝かいこう海底かいてい地震じしん津波つなみ観測かんそくもう(S-net)、ひがし南海なんかい地震じしん想定そうてい震源しんげんいきにはDONET1南海なんかい地震じしん想定そうてい震源しんげんいきではDONET2である。また統計数理研究所とうけいすうりけんきゅうしょ東京大学とうきょうだいがく地震じしん研究所けんきゅうじょ高知工科大学こうちこうかだいがく津波つなみともな海面かいめん隆起りゅうきなどを遠方えんぽうから補足ほそくできるほろ気圧きあつ振動しんどう(インフラサウンド)を観測かんそくしており、日本にっぽん気象きしょう協会きょうかいが2017ねんなつ開設かいせつする専用せんようホームページでデータを公開こうかいする予定よていである[74]

気象庁きしょうちょうは、1952ねん津波つなみ警報けいほう業務ぎょうむ開始かいしし、1982ねんには気象きしょう資料しりょう自動じどう編集へんしゅう中継ちゅうけい装置そうち (ADESS) の地震じしん処理しょり業務ぎょうむ開始かいし利用りようした警報けいほう業務ぎょうむおこなわれた[75]。そのシステムは改良かいりょうされ、2006ねんには緊急きんきゅう地震じしん速報そくほう連携れんけいしたシステムとなり、あらかじ計算けいさんしていた予測よそく情報じょうほう観測かんそくした地震じしん震源しんげん位置いち規模きぼなどの情報じょうほうわせ警報けいほうされている。なお、平成へいせい25ねん3がつには東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしん経験けいけんまえ、発表はっぴょう方法ほうほう表現ひょうげん変更へんこうしたシステムが運用うんようされている[76]

気象庁きしょうちょうにおいては、予想よそうされる津波つなみたかさにわせて、津波つなみ警報けいほうとう以下いかの2区分くぶん3種類しゅるい発表はっぴょうされる。なお、報道ほうどうでは「大津おおつ津波つなみ警報けいほう」は気象庁きしょうちょう会見かいけんもちいられることがあるが、報道ほうどうではかえってかりづらいとかんがえて“だい津波つなみ警報けいほう”を俗称ぞくしょうとして使用しようしていた。

津波つなみ警報けいほう 大津おおつなみ たかいところで5 m以上いじょう津波つなみ発表はっぴょうされる津波つなみたかさは5 m、10 m、10 mちょうの3種類しゅるい速報そくほうでは「巨大きょだい」と発表はっぴょうされる場合ばあいあり)
津波つなみ たかいところで3 m程度ていど津波つなみ速報そくほうでは「たかい」と発表はっぴょうされる場合ばあいあり)
津波つなみ注意報ちゅういほう 津波つなみ注意ちゅうい たかいところで1 m程度ていど津波つなみ速報そくほうではたかさを発表はっぴょうされない場合ばあいあり)[77]

津波つなみ最初さいしょだい1最大さいだいとはかぎらず、すうじゅうふんから1あいだ前後ぜんこう間隔かんかくをおいてだい2だい3複数ふくすう後続こうぞくがやってくることがある。また、湾内わんないでは固有こゆう振動しんどうすう共鳴きょうめい増幅ぞうふくされおおきな津波つなみとなって陸上りくじょう浸水しんすいするおそれがある。このため、津波つなみ警報けいほう注意報ちゅういほう解除かいじょされるまでは警戒けいかい注意ちゅうい必要ひつようである。太平洋たいへいよう沿岸えんがん発生はっせいする巨大きょだい地震じしんによる津波つなみでは、すうせんkm彼方かなた対岸たいがん陸地りくち反射はんしゃしたなみ到達とうたつする。たとえば、1960ねんチリ地震じしんでは片道かたみちやく22時間じかんかかっているので、反射はんしゃは30あいだから50あいだ継続けいぞくする。したがって、東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしんれいでは発生はっせい直後ちょくごからすべ解除かいじょされるまで51あいだあまりわたって発表はっぴょうされつづけた)場合ばあいもある。

また、津波つなみ警報けいほう注意報ちゅういほうは、日本にっぽん沿岸えんがんこまかく区切くぎった津波つなみ予報よほうにしたがって、地域ちいき指定していして発表はっぴょうされる。

津波つなみ警報けいほう津波つなみ注意報ちゅういほう発表はっぴょうされた場合ばあいは、到達とうたつ時刻じこく予想よそうされる津波つなみたかさ、各地かくち満潮まんちょう時刻じこく津波つなみ到達とうたつした場合ばあい観測かんそく波高はこうなどの「津波つなみ情報じょうほう」が発表はっぴょうされる。

東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしん東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい[編集へんしゅう]

2011ねん東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしん東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい)では、発生はっせい3ふん宮城みやぎけんに6 m・岩手いわてけんおよび福島ふくしまけんに3 m、28ふん岩手いわてけんに6 m、44ふん東北とうほくから千葉ちばけん太平洋たいへいよう沿岸えんがんに10 m以上いじょうだい津波つなみ警報けいほうをそれぞれ発表はっぴょうした。しかし速報そくほうM7.9であったのが実際じっさいにはM9.0で津波つなみたかさは10 m以上いじょうであったうえだい1宮古みやこ到達とうたつしたのは地震じしん15ふん大船渡おおふなとで8 mの津波つなみ観測かんそくされたのは34ふんであったため、警報けいほうおくれと誤差ごさ被害ひがい拡大かくだいしたとされていた。M8以上いじょう地震じしん規模きぼ津波つなみたかさを3ふん以内いない判定はんていすることは不可能ふかのうであることから、気象庁きしょうちょう検討けんとうかいが2012ねん1がつ31にちあたらしい警報けいほうあん発表はっぴょうした[78]。そのなかでは、「だい津波つなみ警報けいほう」という呼称こしょうを「津波つなみ警報けいほう大津おおつなみ)」と同義どうぎのものとして正式せいしき位置いちづけ、同様どうように「津波つなみ警報けいほう」という呼称こしょうを「津波つなみ警報けいほう津波つなみ)」と同義どうぎのものとするとした[79]しん運用うんようによる警報けいほう業務ぎょうむは2013ねん3がつ7にち12からおこなわれた[76]

M8をえる地震じしん津波つなみ予想よそうされる場合ばあい

警報けいほう情報じょうほう文中ぶんちゅう基本きほんてきもちいられる呼称こしょうにて表記ひょうき

  • だい1ほうやく3ふん以内いない
だい津波つなみ警報けいほう たかさは「巨大きょだい」と表現ひょうげんし、「ただちに高台たかだい避難ひなん」とびかける。
津波つなみ警報けいほう たかさは「たかい」と表現ひょうげんし、「ただちに高台たかだい避難ひなん」とびかける。
  • だい2ほうやく15ふん
発表はっぴょうされるたか 発表はっぴょう基準きじゅん
だい津波つなみ警報けいほう 10 mちょう 10 m < (予想よそうだか)
10 m 5 m < (予想よそうだか) ≦ 10 m
5 m 3 m < (予想よそうだか) ≦ 5 m
津波つなみ警報けいほう 3 m 1 m < (予想よそうだか) ≦ 3 m
津波つなみ注意報ちゅういほう 1 m 0.2 m ≦ (予想よそうだか) ≦ 1 m

津波つなみ情報じょうほう充実じゅうじつ問題もんだいてん[編集へんしゅう]

緊急きんきゅう警報けいほう放送ほうそう緊急きんきゅう地震じしん速報そくほうなどの施行しこう現在げんざい津波つなみ情報じょうほう充実じゅうじつしているが、津波つなみ警報けいほうても避難ひなんをしない住民じゅうみんおおいことはかねてから問題もんだいになっており、東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしん東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい)では津波つなみ教育きょういくがうまくいっていないことがりになった。そのため、制度せいどとしての警報けいほうのみならず、けるがわ教育きょういく啓蒙けいもうされることが必要ひつようとされている。

太平洋たいへいよう津波つなみ警報けいほうセンター(太平洋たいへいようなど)[編集へんしゅう]

日本にっぽんふく太平洋たいへいよう地域ちいきでは、1960ねんのチリ地震じしんによる津波つなみで、日本にっぽんふく各国かっこく被害ひがいたことをきっかけに、国際こくさい連合れんごう教育きょういく科学かがく文化ぶんか機関きかん(ユネスコ)が中心ちゅうしんとなって、太平洋たいへいよう津波つなみ警報けいほう組織そしき国際こくさい調整ちょうせいグループ (ICG/PTWS) が設立せつりつされた。現在げんざい日本にっぽんやアメリカ、中国ちゅうごく、オーストラリア、チリ、ロシア、韓国かんこくなど26のくに地域ちいき加盟かめいしており、沿岸えんがん各国かっこく地震じしん津波つなみ発生はっせいした場合ばあい、データがハワイにあるアメリカ国立こくりつ海洋かいよう大気たいききょく太平洋たいへいよう津波つなみ警報けいほうセンター (Pacific Tsunami Warning Center, PTWC) にあつめられ、各国かっこく津波つなみ規模きぼ到達とうたつ推定すいてい時刻じこくなどの警報けいほうはっする仕組しくみがある。太平洋たいへいよう津波つなみ警報けいほうセンターが発表はっぴょうする津波つなみ警報けいほうには、地域ちいきごとに以下いかのものがある[80]

太平洋たいへいよう
Pacific Ocean-wide Tsunami Warning (太平洋たいへいよう広域こういき津波つなみ警報けいほう
Expanding Regional Tsunami Warning (地域ちいき拡大かくだい津波つなみ警報けいほう
Fixed Regional Tsunami Warning (地域ちいき固定こてい津波つなみ警報けいほう
Tsunami Information Bulletin (津波つなみ情報じょうほう速報そくほう
太平洋たいへいよう(2014ねん10がつ1にち00UTC以降いこう)
TSUNAMI THREAT MESSAGE TSUNAMI THREAT FORECASTにて、たかさ3 m以上いじょう地域ちいき沿岸えんがん
TSUNAMI THREAT FORECASTにて、たかさ1 mから3 mの地域ちいき沿岸えんがん
TSUNAMI THREAT FORECASTにて、たかさ0.3 mから1 mの地域ちいき沿岸えんがん
TSUNAMI INFORMATION STATEMENT 津波つなみ発生はっせい予想よそうされない場合ばあいほうじる

PTWCは、PTWS加盟かめい各国かっこくたいし、2014ねん10がつ1にち00UTCより、津波つなみ情報じょうほう形式けいしき内容ないよう改定かいていおこなうことをアナウンス[81] している。
具体ぐたいてきにどのような情報じょうほう加盟かめい各国かっこくほうじるのかとった詳細しょうさいは、2014ねん9がつまでに改版かいはん(まだ軽微けいび記述きじゅつ更改こうかいおこなわれている)されるガイドブック[82]掲載けいさいされている。 変化へんかするのは、PTWCがなか強制きょうせいりょくって警報けいほう注意報ちゅういほう加盟かめい各国かっこくにしていたところから、各国かっこく判断はんだんするために必要ひつよう情報じょうほう支援しえんてっするという方向ほうこう転換てんかんはかられた。これまで使用しようされている「Tsunami warning is in effect」、「Tsunami watch is in effect」といった、警報けいほう注意報ちゅういほう文言もんごん廃止はいしされ、どの程度ていどたかさの津波つなみ来襲らいしゅうするか、その地域ちいき具体ぐたいてき明示めいじして告知こくちするようあらためられる。この文言もんごんわったからといって、自国じこく津波つなみかかわる警報けいほう注意報ちゅういほう更改こうかいせまるものではない。加盟かめい各国かっこく出来できうる範囲はんいでの改定かいていおこなうことを検討けんとうし、実効じっこうせいのある改定かいてい作業さぎょうすすめている。

PTWCが加盟かめい各国かっこく発信はっしんする津波つなみ情報じょうほう(テキスト形式けいしき)は、つぎのような構成こうせいによる。

PTWCの津波つなみ情報じょうほうほうじられる要素ようそ項目こうもく(テキスト形式けいしき 2014ねん10がつ1にち00UTC以降いこう
TSUNAMI INFORMATION STATEMENT
or
TSUNAMI THREAT MESSAGE
M6.5をえる地震じしんがあり、特段とくだん津波つなみこす地震じしんではない場合ばあい TSUNAMI INFORMATION STATEMENT
津波つなみこす地震じしん予想よそうされる場合ばあい TSUNAMI THREAT MESSAGE
NOTICE 情報じょうほうもちいるさい注意ちゅういきである。固定こていされており、用途ようとしゅたる目的もくてき明記めいきされる。 THIS STATEMENT IS ISSUED FOR INFORMATION ONLY IN SUPPORT OF THE UNESCO/IOC PACIFIC TSUNAMI WARNING AND MITIGATION SYSTEM AND IS MEANT FOR NATIONAL AUTHORITIES IN EACH COUNTRY OF THAT SYSTEM.

NATIONAL AUTHORITIES WILL DETERMINE THE APPROPRIATE LEVEL OF ALERT FOR EACH COUNTRY AND MAY ISSUE ADDITIONAL OR MORE REFINED INFORMATION.

UPDATES 津波つなみ情報じょうほう更新こうしんした情報じょうほうほうじるときもちいる。
PRELIMINARY EARTHQUAKE PARAMETERS 地震じしん発現はつげん位置いちふかさ、地域ちいき規模きぼ情報じょうほう れい
  • MAGNITUDE 9.0
  • ORIGIN TIME 0000 UTC OCT 1 2014
  • COORDINATES 20.0 SOUTH 173.4 WEST
  • DEPTH 20 KM / 12 MILES
  • LOCATION TONGA
EVALUATION 地震じしんかんするPTWCの検討けんとう結果けっか簡単かんたん明示めいじする。
TSUNAMI THREAT FORECAST 津波つなみ発生はっせいし、沿岸えんがん地域ちいき到達とうたつ予想よそうされる場合ばあい予想よそうされる津波つなみだか最小さいしょう)に該当がいとうする地域ちいきくに名称めいしょう記述きじゅつされる。 TSUNAMI WAVES REACHING MORE THAN 3 METERS ABOVE THE TIDE LEVEL ARE POSSIBLE ALONG SOME COASTS
TSUNAMI WAVES REACHING 1 TO 3 METERS ABOVE THE TIDE LEVEL ARE POSSIBLE ALONG SOME COASTS
TSUNAMI WAVES REACHING 0.3 TO 1 METERS ABOVE THE TIDE LEVEL ARE POSSIBLE FOR SOME COASTS
RECOMMENDED ACTIONS こうじるべき措置そち 加盟かめい各国かっこくたいして、災害さいがいちいさくするための措置そちなにをしないとならないのか)について簡単かんたん明記めいきされる。
ESTIMATED TIMES OF ARRIVAL 津波つなみ観測かんそくてんにおける予想よそうされる津波つなみ予想よそう到達とうたつ (UTC) が明記めいきされる。 れい:KATSUURA JAPAN 35.1N 140.3E 0948 10/01
POTENTIAL IMPACTS 津波つなみ到達とうたつした場合ばあいかんがえられる影響えいきょうについて、箇条書かじょうがきで明記めいきされる。
TSUNAMI OBSERVATIONS 津波つなみ観測かんそくてんにおいて津波つなみ観測かんそくされた日時にちじ (UTC) とたかさ、周期しゅうきぶん)が明記めいきされる。 れい:LOTTIN PT NZ 37.6S 178.2E 0238 2.88M/ 9.5FT 15
NEXT UPDATE AND ADDITIONAL INFORMATION 報知ほうち予告よこく・その注記ちゅうき事項じこうについて明記めいきされる。
ハワイ
きん Statewide Urgent Local Tsunami Warning (ぜんしゅう緊急きんきゅうきん津波つなみ警報けいほう
Urgent Local Tsunami Warning (緊急きんきゅうきん津波つなみ警報けいほう
Local Tsunami Information (きん津波つなみ情報じょうほう
遠地おんち Tsunami Warning (津波つなみ警報けいほう
Tsunami Watch (津波つなみ監視かんし
Tsunami Advisory (津波つなみ注意報ちゅういほう
Tsunami Information (津波つなみ情報じょうほう
インド洋いんどよう
Indian Ocean-wide Tsunami Watch Bulletin (インド洋いんどよう広域こういき津波つなみ監視かんし速報そくほう
Regional Tsunami Watch Bulletin (地域ちいきてき津波つなみ監視かんし速報そくほう
Local Tsunami Watch Bulletin (きん津波つなみ監視かんし速報そくほう
Tsunami Information Bulletin (津波つなみ情報じょうほう速報そくほう

インド洋いんどようについてはICG/IOTWSだい9かい総会そうかいにおいて、BoM、INCOIS、BMKGによる情報じょうほう発表はっぴょう円滑えんかつ運用うんようされていることが確認かくにんされ、日本にっぽん気象庁きしょうちょうおよびPTWCにたいし、2013ねん3がつ31にち以降いこう情報じょうほう提供ていきょう停止ていしすることが要請ようせいされたことをけ、インド洋いんどよう地域ちいき情報じょうほうは、PTWCから情報じょうほうていない[83] [84] [85]

カリブ海かりぶかい
Caribbean Sea-wide Tsunami Watch Message (カリブ海かりぶかい広域こういき津波つなみ監視かんし連絡れんらく
Regional Tsunami Watch Message (地域ちいきてき津波つなみ監視かんし連絡れんらく
Local Tsunami Watch Message (きん津波つなみ監視かんし連絡れんらく
Tsunami Information Statement (津波つなみ情報じょうほう発表はっぴょう

その地域ちいき[編集へんしゅう]

インド洋いんどよう[編集へんしゅう]

インド洋いんどようでは、2004ねんスマトラ島すまとらとうおき地震じしん契機けいきとして、ユネスコが中心ちゅうしんとなって政府せいふあいだ調整ちょうせいグループICG/IOTWS[86]設立せつりつし、警報けいほう体制たいせい構築こうちくした。インド洋いんどようでは、

の3つが担当たんとう機関きかんとなり、国内こくないおよび沿岸えんがん各国かっこくたいして警報けいほう発表はっぴょうしている。
2011ねん10がつ12にちから正式せいしき運用うんようはじまった[87][88]。しかし、2014ねんには設置せっちされた25のブイのうち22破壊はかい盗難とうなん稼働かどうしていないため、津波つなみ予測よそく不可能ふかのう状態じょうたいになっていることが報道ほうどうされた[89]

きたアメリカ[編集へんしゅう]

アメリカ西海岸にしかいがん・アラスカ津波つなみ警報けいほうセンター (WCATWC) は、海岸かいがん地形ちけいなどを考慮こうりょしてアメリカと周辺しゅうへん地域ちいきに11の区分くぶんもうけている。アメリカ本土ほんど49しゅうカナダプエルトリコアメリカりょうヴァージン諸島しょとう管轄かんかつする。それぞれに2段階だんかい地域ちいきによっては1段階だんかいまたは区分くぶんなし)のTIS(Tsunami Information Statement, 津波つなみ情報じょうほう発表はっぴょう)、3段階だんかい地域ちいきによっては1段階だんかい)のWarning(警報けいほう)の津波つなみ情報じょうほうがあり、わせて1段階だんかい〜5段階だんかい警報けいほうレベルがある。

大西おおにしひろし[編集へんしゅう]

大西洋たいせいようのうちヨーロッパ諸国しょこくきたアフリカでも、2004ねんスマトラ島すまとらとうおき地震じしん契機けいきとして、ユネスコが中心ちゅうしんとなって政府せいふあいだ調整ちょうせいグループICG/NEAMTWS[90]設立せつりつし、警報けいほう体制たいせい構築こうちくはじめている。
2010ねんにRTWC(地域ちいき津波つなみ監視かんしセンター)をおき、

代替だいたいセンターおよび、データ収集しゅうしゅうおこな

  • ドイツ (Geoforschungszentrum Potsdam (GFZ))

おこなう。

カリブ海かりぶかい[編集へんしゅう]

カリブ海かりぶかいでは従来じゅうらいよりPTWCが警報けいほう発表はっぴょう各国かっこく通知つうちする体制たいせいがあったが、2004ねんスマトラ島すまとらとうおき地震じしんけて、同様どうようにユネスコが中心ちゅうしんとなって政府せいふあいだ調整ちょうせいグループICG/CARIBE EWS[91]設立せつりつ独自どくじ警報けいほう体制たいせい構築こうちくするうごきが模索もさくされている。

津波つなみ被害ひがい歴史れきし[編集へんしゅう]

巨大きょだい津波つなみは、海底かいてい砂利じゃりうみすな)、おおきないし貝殻かいがらなどを陸地りくちはこ沿岸えんがん低地ていちにそれらを堆積たいせきさせる。これらは津波つなみ堆積たいせきぶつわれる。過去かこ地層ちそうのこされた津波つなみ堆積たいせきぶつから、有史ゆうし以前いぜん巨大きょだい津波つなみ存在そんざいおおくの研究けんきゅうによってあきらかにされている[92]たとえばノルウェーおきでは、紀元前きげんぜん6100ねんストレッガスライドばれるきょ大海たいかいそこすべりがき、内陸ないりく80 kmまでたっする津波つなみがあったことが解明かいめいされている[93][94]たとえば日本にっぽんでは、北海道大学ほっかいどうだいがく平川ひらかわ一臣かずおみら、および政府せいふ地震じしん調査ちょうさ委員いいんかいによっておこなわれた宮城みやぎけん気仙沼けせんぬま大谷おおや海岸かいがん調査ちょうさによると、過去かこ6000年間ねんかん紀元前きげんぜん4-3世紀せいきごろ、4-5世紀せいきごろ、869ねんさだかん地震じしん、15世紀せいきごろ、2011ねん東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしんの5かい三陸さんりくから房総ぼうそうにかけてやく600ねん周期しゅうき海溝かいこうがた地震じしん津波つなみこったとされる[95][96][97]

人間にんげん文字もじによる記録きろくのこすようになって以来いらいおおきな被害ひがいした津波つなみ多数たすう記録きろくされている。古代こだいギリシアの歴史れきしトゥキディデスは、著書ちょしょ戦史せんし』で、紀元前きげんぜん426ねんきた地震じしんについての記録きろくのこしている。そのなかでトゥキディデスは地震じしん津波つなみこしていると推測すいそくしており、これは記録きろくのこかぎりでは最古さいこ津波つなみ地震じしん関係かんけいべたせつだとされる[98][99]

1755ねん11月1にちイベリア半島はんとうおきにおいてリスボン地震じしん発生はっせいし、それにともな津波つなみによってやく1まんにん死亡しぼうし、おおきな被害ひがいをもたらした。

最近さいきんのおもな被害ひがいれい[編集へんしゅう]

  • 1960ねん5がつ22にち 1960ねんチリ地震じしん Mw9.5。三陸さんりく地方ちほうで142にん死亡しぼう遠地おんち津波つなみ代表だいひょう。これをきっかけに環太平洋かんたいへいよう津波つなみ情報じょうほうネットワークが整備せいびされる。
  • 1983ねん昭和しょうわ58ねん)5がつ26にち 日本海にほんかい中部ちゅうぶ地震じしん M7.7。津波つなみ死者ししゃ100にんのうち秋田あきたけん男鹿半島おがはんとう加茂かもあおすな海岸かいがんでの遠足えんそく小学生しょうがくせいが13にん能代のしろこう護岸ごがん工事こうじ作業さぎょういんが35にんなど[100]。この地震じしんにおける最大さいだい遡上そじょうだかは、秋田あきたけん峰浜みねはま海岸かいがんの13.2m[101]
  • 1993ねん平成へいせい5ねん)7がつ12にち 北海道ほっかいどう南西なんせいおき地震じしん M7.8。奥尻おくしりとう青苗あおなえ地区ちく死者ししゃ109にん津波つなみだい1は5ふん最大さいだいだい2は10ふん到達とうたつし、市街地しがいち観測かんそくされた最大さいだい波高はこう松前まさき地区ちくでの16.8 m、最大さいだい遡上そじょうだか30.6 m。
  • 2004ねん12月26にち 2004ねんスマトラ島すまとらとうおき地震じしん Mw9.3。津波つなみ死者ししゃ22まんにん
  • 2011ねん3がつ11にち 東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしん Mw9.0。津波つなみやく2まんにん死亡しぼう東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしまだいいち原子力げんしりょく発電はつでんしょ事故じこ被害ひがい長期ちょうき最大さいだい波高はこう各地かくちけんしおしょ施設しせつ破壊はかいされて正確せいかく計測けいそくができず。調査ちょうさでの最大さいだい遡上そじょうだかは40.1 m[102]
  • 2022ねん1がつ16にちトンガにある フンガ・トンガ噴火ふんかにより、津波つなみ発生はっせい日本にっぽんでも津波つなみのような海面かいめん変動へんどう観測かんそくされ、津波つなみ警報けいほう発表はっぴょうされた鹿児島かごしまけん奄美あまみ小湊こみなとで1.2m、岩手いわてけん久慈くじで1.1m、その日本にっぽん太平洋たいへいよう沿岸えんがん中心ちゅうしん各地かくち海面かいめん変動へんどう観測かんそくされた。高知こうちけん徳島とくしまけん三重みえけんでは複数ふくすう漁船ぎょせん転覆てんぷくした[103]。また、日本にっぽん国外こくがいでは、トンガで最大さいだい15m[104]、バヌアツで1m41cm、ニューカレドニアで1m10cm、ポートサンルイス(アメリカ・カリフォルニアしゅう)で1m31cmの津波つなみ観測かんそくしたほか、チリ沿岸えんがんでは、1m22cmから1m74cmの津波つなみ観測かんそくした[105]。なお、ニュージーランドでもふね破損はそんしたり、転覆てんぷくするなどの被害ひがい[106]ほか、ペルーでは、噴火ふんかによる海面かいめん変動へんどう原因げんいんられる高波たかなみにより、タンカーから原油げんゆ流出りゅうしゅつする事故じこ発生はっせいしている[107]
  • 2024ねんれい6ねん)1がつ1にち れい6ねん能登半島のとはんとう地震じしん M7.6[108]石川いしかわけん能登のとだい津波つなみ警報けいほう発令はつれいされた[109]

2024ねん1がつ1にち19:56現在げんざい石川いしかわけん輪島わじまで1m20cm[110]石川いしかわけん金沢かなざわこうで90cm、山形やまがたけん酒田港さかたこうと、富山とやまけん富山とやまで80cm、北海道ほっかいどう瀬棚せたなこうで60cm、北海道ほっかいどう奥尻おくしりとう奥尻おくしりこうで50cm、新潟にいがたけん柏崎かしわざきと、山形やまがたけん飛島とびしまで40cm、新潟にいがたけん新潟港にいがたこうと、新潟にいがたけん佐渡さど鷲崎わしざき島根しまねけん隠岐島おきのしま西郷さいごう青森あおもりけん深浦ふかうらまち福井ふくいけん敦賀港つるがみなと兵庫ひょうごけん豊岡とよおか京都きょうと舞鶴まいづるこうで30cm、北海道ほっかいどう岩内いわうちまち(日本海にほんかいがわ)と、北海道ほっかいどう江差えさしまち(日本海にほんかいがわ)、島根しまねけん浜田はまだこう北海道ほっかいどう利尻島りしりとう秋田あきたけん秋田港あきたこうで20cm、鳥取とっとりけん境港さかいみなと境港さかいみなと (港湾こうわん)鳥取とっとりけん岩美いわみまちで10cmを観測かんそくしている。

津波つなみ被害ひがい予想よそう[編集へんしゅう]

  • 東海とうかい地震じしんひがし南海なんかい地震じしん南海なんかい地震じしん東海とうかいあずま南海なみ南海なんかい連動れんどうがた地震じしん南海なんかいトラフ巨大きょだい地震じしん) - 21世紀せいき前半ぜんはん活動かつどう予想よそうされている[111]。3つの地震じしんは、単独たんどく連動れんどう発生はっせいにより過去かこおおきな地震じしん津波つなみ災害さいがいこしている。1854ねん安政あんせい南海なんかい地震じしんとき紀伊きい国広くにひろむら現在げんざい和歌山わかやまけん広川ひろかわまち)できた出来事できごとをもとにしたフィクション「いねむらの」(小泉こいずみ八雲やくもさく)は有名ゆうめい[112]
    • 上記じょうき地震じしんとの関連かんれん不明ふめいだが、海岸かいがんから400 m内陸ないりく位置いちする高知こうちけん土佐とさかにでは、2011ねん以前いぜん当時とうじやく2000ねんまえ地層ちそうから津波つなみによるあつさ50 cmの堆積たいせきぶつつかっており、これは宝永ほうえい地震じしん(1707ねん、Mw8.4 - 8.7)の津波つなみ堆積たいせきぶつやく3ばいたる[113]
    • 2011ねん12月27にち中央ちゅうおう防災ぼうさい会議かいぎの「南海なんかいトラフの巨大きょだい地震じしんモデル検討けんとうかい
  • 十勝とかちおき根室ねむろおき色丹島しこたんとうおき択捉島えとろふとうおき - 21世紀せいき前半ぜんはん活動かつどう予想よそうされている。連動れんどう可能かのうせい指摘してきされている[111]
  • 大西洋たいせいよう北東ほくとうカナリア諸島かなりあしょとうケンブレビエハ火山かざんラ・パルマとう、2426 m,Cumbre Vieja)のやまたい崩壊ほうかい - 最悪さいあく場合ばあい、900 mの津波つなみ発生はっせいし、きたアメリカ海岸かいがんに10 mから25 mの津波つなみ到達とうたつする可能かのうせいがある[114]
  • 東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしんアウターライズ地震じしん - 太平洋たいへいようプレートがわ海溝かいこうりの領域りょういきゆが解消かいしょうともなだい規模きぼ地震じしん津波つなみ最大さいだいMt9程度ていど地震じしん大津おおつ予想よそうされている。
  • 東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしん余震よしん - 本震ほんしん津波つなみよりは規模きぼちいさいものの、本震ほんしん巨大きょだいであるため、最大さいだいきゅう余震よしん発生はっせいしたさいにはおおきな津波つなみ可能かのうせいがある。

中間ちゅうかんとりまとめにて、南海なんかいトラフの巨大きょだい地震じしん最大さいだいケースが従来じゅうらいやく3ばい規模きぼであるMw9.0(暫定ざんてい)と発表はっぴょうした。想定そうてい震源しんげんいきやく2ばいひろがり、日本にっぽん列島れっとうひろ範囲はんいでの被害ひがいのおそれが指摘してきされている[115][116]

津波つなみ予測よそく[編集へんしゅう]

インド洋いんどようだい津波つなみ発生はっせいにより、巨大きょだい津波つなみ関連かんれんする人工じんこう衛星えいせいふく様々さまざま観測かんそくデータがあつめられたことから、コンピュータモデルによる予測よそくモデルの検証けんしょう可能かのうとなった。米国べいこく海洋かいよう大気たいききょくのMOST (Methid of splitting tsunami) モデルや東北大学とうほくだいがくのTSUNAMI-N2などの計算けいさん手法しゅほう開発かいはつされている。津波つなみシミュレーション技術ぎじゅつは、津波つなみ予報よほうやハザードマップづくりに活用かつようされている。また日本にっぽんには世界せかい最大さいだいの2.5 mの人工じんこう津波つなみこすことができる、港湾こうわん空港くうこう技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょだい規模きぼ波動はどう地盤じばん総合そうごう水路すいろがあり、建造けんぞうぶつへの被害ひがい予測よそくのデータ収集しゅうしゅうなどがおこなわれている。

潮位ちょうい観測かんそくは、沿岸えんがん潮位ちょういけいくわえ、海底かいてい水圧すいあつけいもちいた津波つなみけい整備せいびすすんでいる。従来じゅうらい海底かいていケーブルをもちいて信号しんごうおくられていたが、衛星えいせい信号しんごうおくれる海面かいめんブイによって信号しんごうおくるタイプの津波つなみ監視かんしけい開発かいはつされており、より設置せっち容易よういとなってきている。

津波つなみ襲来しゅうらいかくりつ予測よそく[編集へんしゅう]

2011ねん5がつ12にち地震じしん調査ちょうさ委員いいんかい島崎しまざき邦彦くにひこ日本にっぽん記者きしゃクラブ講演こうえんかい日本にっぽん沿岸えんがん各地かくちに100ねん以内いない襲来しゅうらいする津波つなみたかさ、浸水しんすいいき発生はっせいかくりつ予測よそく発表はっぴょうするとべた。従来じゅうらいからの大学だいがく研究けんきゅう機関きかん予測よそく成果せいか東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいかった被害ひがい知見ちけんくわえ3ねんから公表こうひょうはじめるとしている。これにより沿岸えんがん自治体じちたい防災ぼうさい計画けいかく住民じゅうみん防災ぼうさい意識いしき向上こうじょうにつなげる[117]

組織そしきてき災害さいがい対策たいさく[編集へんしゅう]

田老たろうまちの「万里ばんり長城ちょうじょう

物理ぶつりてき対策たいさくとして、平坦へいたん場所ばしょでは上記じょうきのような緊急きんきゅう避難ひなん場所ばしょとなる3かい以上いじょう頑丈がんじょう建造けんぞうぶつもうけたり、安全あんぜん高台たかだいにおけるけた避難ひなん場所ばしょ整備せいび避難ひなん場所ばしょへの誘導ゆうどう標識ひょうしき充実じゅうじつさせることがげられる。「津波つなみ避難ひなんビルとうかかるガイドライン検討けんとうかい」によって、津波つなみ避難ひなんビルとう指定していするための「津波つなみ避難ひなんビルとうかかるガイドライン」が公布こうふされている。津波つなみ工学こうがくてき防御ぼうぎょする手段しゅだんとして、沿岸えんがん集落しゅうらくでは長大ちょうだい防潮ぼうちょうつつみきずかれる場合ばあいがある。設計せっけい範囲はんいない津波つなみでは被害ひがい大幅おおはばおさえることが可能かのうだが[118][119][120]、2011ねん東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしん東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい)では岩手いわてけん釜石かまいし宮古みやふる田老たろう設計せっけいたか以上いじょう津波つなみにより防潮ぼうちょうつつみ破壊はかいされ津波つなみ侵入しんにゅうしたれいがあり、防潮ぼうちょうつつみ津波つなみ到達とうたつおくらせた一方いっぽう防潮ぼうちょうつつみへの過信かしんから避難ひなんおくれたとの見方みかたがある[11][121][122][123]。 また津波つなみによる被害ひがい懸念けねんされる地域ちいきでは、居住きょじゅう土地とち用途ようと制限せいげんして被害ひがい最小限さいしょうげんおさえる手法しゅほうもある。

津波つなみ防災ぼうさい問題もんだいてん[編集へんしゅう]

日本にっぽんにおける東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしん以前いぜん津波つなみ想定そうていは、襲来しゅうらいする津波つなみ想定そうてい規模きぼ既往きおう最大さいだい文献ぶんけん資料しりょうのこる)と同等どうとうとしていた。だが地域ちいき年代ねんだいによってはだい津波つなみ正確せいかく記録きろくされて現代げんだいまでのこされていなかったとみられるほか、津波つなみ堆積たいせきぶつ発掘はっくつ調査ちょうさ結果けっか周知しゅうち途上とじょうであった。このため東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしんによる津波つなみは「想定そうていがい規模きぼだった」とかえひとおおく、十分じゅうぶん対応たいおう出来できなかった。この事例じれいまえ、2013ねん発表はっぴょうされた南海なんかいトラフ巨大きょだい地震じしん被害ひがい想定そうていだい報告ほうこく[124] では、明確めいかく発生はっせい確認かくにんされていない1000ねんに1かい巨大きょだいクラスの地震じしんによる津波つなみによる被害ひがい想定そうていおこなわれ、最大さいだい規模きぼ被害ひがい前提ぜんていとした防災ぼうさい施策しさく立案りつあん実施じっし検討けんとうおこなわれることとなった。

都市としでは河川敷かせんしき河川かせん沿いの低地ていち避難ひなん場所ばしょ設定せっていしている場合ばあいおおいが、避難ひなん場所ばしょ津波つなみおそうこともありる。大都市だいとしだい河川かせんつくった平野へいやにあるので、避難ひなん途中とちゅう人々ひとびととおみち河川かせんをさかのぼった津波つなみおそ可能かのうせい指摘してきされている[125]

2011ねんには「津波つなみ防災ぼうさい地域ちいきづくりにかんする法律ほうりつ」が制定せいていされた[126] が、イメージ悪化あっか都市とし計画けいかくへの支障ししょう懸念けねんする自治体じちたいおおいため、「津波つなみ災害さいがい特別とくべつ警戒けいかい区域くいき」の指定してい全国ぜんこくてきにほとんどすすんでいない[127]

また平地ひらちすくない三陸さんりく地方ちほうでは、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい津波つなみ浸水しんすい想定そうてい区域くいき耐震たいしんせい問題もんだいがあるおおくの施設しせつ避難ひなんさき指定していされている[128]

津波つなみ表現ひょうげん[編集へんしゅう]

日本語にほんご英語えいご中国ちゅうごく(簡体・しげるからだ)・韓国かんこく表示ひょうじされた日本にっぽん海抜かいばつ表示ひょうじ標識ひょうしき沖縄おきなわけん
津波つなみ危険きけん地域ちいきであることと避難ひなん経路けいろしめすタイの標識ひょうしき

日本にっぽんにおける「津波つなみ」のかたり[編集へんしゅう]

津波つなみ」のかたりは、通常つうじょうなみとはことなり、沖合おきあい航行こうこうする船舶せんぱく被害ひがいすくないにもかかわらず、みなと)ではおおきな被害ひがいをもたらすことに由来ゆらいする。「津波つなみなみ)」のかたり文献ぶんけんあらわれる最古さいこれいは『駿府すんぷ[129] で、慶長けいちょう16ねん10がつ28にち(1611ねん12月2にち)に発生はっせいした慶長けいちょう三陸さんりく地震じしんについての記述きじゅつせいむねりょうしょうみ涯人なみ濤大みなぎ、悉流しっす。溺死できししゃせんにん津浪つなみ云々うんぬん」である[130]。なお、表記ひょうきは「津波つなみなみ)」のほかに「うみりつ」、「ふるえしお」、「海嘯つなみ」と場合ばあいがあり、これらすべて「つなみ」とくんむ。[131]

海嘯つなみとう漢語かんご表現ひょうげん[編集へんしゅう]

日本にっぽんにおいて、昭和しょうわ初期しょきまでのふる記録きろくで、津波つなみのことを「海嘯つなみ」(かいしょう)としるしていることもある。ただし「海嘯つなみ」というかたりには、高潮こうちょうなどをふくむことがある(1902ねん小田原おだわらだい海嘯つなみなど)。

海嘯つなみ」という漢語かんご本来ほんらいしおなみとなって河川かせん逆流ぎゃくりゅうする現象げんしょう (tidal bore)言葉ことばであり、中国ちゅうごくぜに塘江られるものがよくられている(なお、tidal boreたいして日本語にほんごではしお津波つなみ(しおつなみ)という表現ひょうげんがある)。

現代げんだい中国語ちゅうごくごけんでは、津波つなみのことを一般いっぱんてきに「海嘯つなみ」(簡体字かんたいじ: うみ; 拼音: hǎixiào)とぶ(現代げんだいではぜに塘江の逆流ぎゃくりゅうは「大潮おおしお」といったかたりもちいている)。ほかに「うみ溢」(古語こご)、「うみみなぎ」(台湾たいわん)という表現ひょうげんもある。

朝鮮ちょうせん韓国かんこく)では、「うみ溢」(해일)という表現ひょうげんもちいられるが、このかたり津波つなみほかに tidal bore や高潮こうちょうなどをふくんでいる。とく津波つなみについて区別くべつするさいには「地震じしんうみ溢」(지진해일)がもちいられる。日本語にほんごみをハングル転写てんしゃした「쓰나미」が使つかわれる場合ばあいもある。

国際こくさい[編集へんしゅう]

英語えいご文献ぶんけんにおいて、「tsunami」というかたり使つかわれたれいは、現在げんざいのところ『ナショナルジオグラフィックマガジン1896ねん9がつごう掲載けいさいされた明治めいじ三陸さんりく地震じしん津波つなみほうじるエリザ・シドモア執筆しっぴつ記事きじThe Recent Earthquake Wave on the Coast of Japan[132] 」が最古さいことされている[133]。しかし、一般いっぱんてきはつ引用いんようとしてられているのは、小泉こいずみ八雲やくも(ラフカディオ・ハーン)が1897ねん明治めいじ30ねん)に出版しゅっぱんした著作ちょさくしゅうふつはたけ』(Gleaming in Budda-Fields)のなか収録しゅうろくされた「なま神様かみさまA Living God)」である。濱口はまぐち梧陵をモデルにしたどうさくでは、地震じしん沿岸えんがんむらんだ巨大きょだいなみを「tsunami」と、日本語にほんご転写てんしゃ表現ひょうげんした。

その1904ねん地震じしんがく学会がっかい報告ほうこくにはじまり、地震じしん気象きしょう学術がくじゅつ論文ろんぶんとうかぎられていた。元々もともと英語えいごけんでは tidal wave [ちゅう 4] というかたり使つかわれてきたが、このかたり本来ほんらい潮汐ちょうせきtide)によるなみし、地震じしんによるなみにこのかたり使つかうのは学問がくもんてきにふさわしくないとされ、現在げんざいでは tsunamiもちいられる。研究けんきゅうしゃあいだでは seismic sea wave地震じしんせい海洋かいよう)というかたり使つかわれることもあったが、あまり一般いっぱんてきではなかった。

1946ねんアリューシャン地震じしん発生はっせいした津波つなみから逃避とうひするヒロ住民じゅうみん

1946ねんアリューシャン地震じしんハワイ諸島しょとう津波つなみだい被害ひがいがあったさい現地げんち日系にっけいじんが「tsunami」というかたりもちいたことから、同地どうちでこのかたり使つかわれるようになり、被害ひがいけて設置せっちされた太平洋たいへいよう津波つなみ警報けいほうセンター名称めいしょう1949ねんには Pacific Tsunami Warning Center とされたことから、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくではこのかたりひろもちいられるようになり、その1968ねんにアメリカの海洋かいよう学者がくしゃウィリアム・G・ヴァン・ドーン英語えいごばん学術がくじゅつ用語ようごとして使つかうことを提案ていあん[134]国際こくさいした。

上記じょうき以降いこう、「tsunami」は学術がくじゅつ用語ようごとして国際こくさいてきひろもちいられていたが、2004ねんスマトラおき地震じしんによる津波つなみ激甚げきじん被害ひがいをもたらしたことが世界中せかいじゅう報道ほうどうされたことを契機けいきに、世界せかい各国かっこく一般いっぱんになったとされる。

人間にんげん以外いがい生物せいぶつへの影響えいきょう[編集へんしゅう]

津波つなみあさ海底かいてい陸地りくち沿岸えんがんかわ河口かこうちかくをはげしくみだすため、生態せいたいけいおおきな影響えいきょうあたえる。東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいでは沿岸えんがん生物せいぶつやその幼生ようせいたまご胞子ほうしなどが漂流ひょうりゅうぶつ付着ふちゃくしてながされ、本来ほんらい生息せいそくしないきたアメリカ大陸あめりかたいりくなどに辿たどいて繁殖はんしょくし、問題もんだいになっている[135]

文化ぶんかてき影響えいきょう[編集へんしゅう]

津波つなみ題材だいざいにした作品さくひん[編集へんしゅう]

その[編集へんしゅう]

日本にっぽん国外こくがいでは、伊藤いとうみどり小林こばやしたかしのように並外なみはずれた能力のうりょく日本人にっぽんじんに "TSUNAMI" とニックネームをけることがある。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 正式せいしき英語えいごはtidal waveである(NHKでは、初期しょき緊急きんきゅう警報けいほう放送ほうそうはつほう画面がめんでも、『TIDAL WAVE WARNING』と表示ひょうじしていた)。
  2. ^ 重力じゅうりょく復元ふくげんりょくとして、波立なみだった海面かいめんがもとのめんジオイドめん)にもどろうとする作用さようによって海水かいすいめん沿って伝播でんぱする、流体りゅうたい力学りきがくでいう重力じゅうりょくにあたる。類似るいじ現象げんしょうであるしお津波つなみは、さらにちょう周期しゅうき重力じゅうりょくである潮汐ちょうせきが、わん河口かこうなどの地形ちけいによる固有こゆう振動しんどうすう共振きょうしんすることで発生はっせいする現象げんしょう
  3. ^ 学者がくしゃ3にん、カトリーナ・クレマー(Katrina Kremer)、ステファニー・ジラークロ(Stéphanie Girardclos)、ガイ・シンプソン(Guy Simpson)
  4. ^ NHKでも、かつて緊急きんきゅう警報けいほう放送ほうそう開始かいし画面がめんで、津波つなみ警報けいほうは「tidal wave warning」をもちいていた。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 高野たかの洋雄ひろお. “気象きしょう津波つなみ(meteo-tsunami)”. 日本にっぽん気象きしょう学会がっかい. 2022ねん4がつ30にち閲覧えつらん
  2. ^ a b 西村にしむら、1977ねん、123-124ぺーじ
  3. ^ はく元彦もとひこ1ほん鉄筋てっきんのRCばしら」『地震じしん工学こうがく研究けんきゅう発表はっぴょうかい 報告ほうこくしゅう』2005ねん 28かん p.228, doi:10.11532/proee2005.28.228
  4. ^ a b 西村にしむら、1977ねん、91ぺーじ
  5. ^ a b c 宇津うつ、2001ねん
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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]