畳たたみ

養やしなえ浩ひろし館かん

祝儀しゅうぎ敷じきによる畳たたみの部屋へや。高木たかぎ家か住宅じゅうたく（奈良なら県けん橿原かしはら市し）

畳たたみ（たたみ）は、日本にっぽんで利用りようされている伝統でんとう的てきな床ゆか材ざい。表面ひょうめんの畳表たたみおもて（たたみおもて）と芯しん材ざいとなる畳たたみ床ゆか（たたみどこ）で主おもに構成こうせいされ、一般いっぱん的てきにはこれらを畳たたみ縁えん（たたみべり）とともに縫ぬいつけたものである。畳表たたみおもてには特殊とくしゅ用途ようとのものを除のぞいてイグサ（藺草いぐさ）が用もちいられる。また、畳たたみ縁えんのないものもあり坊主ぼうず畳たたみなどと呼よぶ。なお、縁えんなし畳たたみ全般ぜんぱんを琉球りゅうきゅう畳たたみと呼よぶことがあるが、琉球りゅうきゅう畳たたみは元来がんらいは七島ななしま藺いを使用しようした畳表たたみおもてのことをいう。

2020年ねん「伝統でんとう建築けんちく工匠こうしょうの技わざ：木造もくぞう建造けんぞう物ぶつを受うけ継つぐための伝統でんとう技術ぎじゅつ」がユネスコ無形むけい文化ぶんか遺産いさんに登録とうろくされ、この中なかには「畳たたみ製作せいさく」が含ふくまれている。

歴史れきし

手縫てぬいによる製作せいさく風景ふうけい

フロアの一角いっかくに設もうけられた畳たたみエリア

古代こだい

縄文じょうもん時代じだいには莚むしろ（むしろ）のような平織ひらおりの技術ぎじゅつは既すでに存在そんざいしたが、イグサのような細ほそい緯ぬき材ざい（よこざい）を経糸たていと（たていと）が見みえないほど密みつに編あむには織機しょっきのようなものが必要ひつようであるため、現代げんだいのような畳たたみが縄文じょうもん時代じだいに存在そんざいした可能かのう性せいは少すくないと考かんがえられている。弥生やよい時代じだいの北部ほくぶ九州きゅうしゅうの甕う棺かんからはイグサを緯ぬき材ざいとする織物おりものが出土しゅつどしているが、縄文じょうもん時代じだいのものとは織おり方かたの技術ぎじゅつに大おおきな違ちがいがある。

「畳たたみ」の字じは本来ほんらいは畳たためるもの、折おり重かさねることができるものなど薄うすい敷物しきものの総称そうしょうで、『古事記こじき』には「菅かん畳たたみ（すがだたみ）」「皮かわ畳たたみ（かわだたみ）」「絁畳（きぬだたみ）」などの記述きじゅつがみられる（『古事記こじき』では「多多たた美よし」の表記ひょうきもみられる）。

正せい倉くら院いんの「御ご床畳とこだたみ」は現存げんそんする最古さいこの畳たたみ（残欠ざんけつ）で、聖武天皇しょうむてんのう77回忌かいきに東大寺とうだいじ盧舎那仏るしゃなぶつ像ぞうに奉献ほうけんされたものだが、この畳たたみは現代げんだいの畳たたみに形状けいじょうや構成こうせいが似にている。また、平安へいあん時代じだいの『枕草子まくらのそうし』の清涼せいりょう殿どの内うちの描写びょうしゃには「たたみ」が記しるされており上流じょうりゅう社会しゃかいでは畳たたみが使用しようされていた。

ただ、古代こだいの畳たたみは主おもに寝具しんぐとして、寝台しんだいの上うえに敷しいて用もちいられるものだった。また、寝殿造しんでんづくりでも畳たたみは人ひとが座すわる場所ばしょにのみ敷しくものだった。

中世ちゅうせい

12世紀せいきには畳たたみは寝具しんぐあるいは座ざ具ぐとして畳表たたみおもてに若干じゃっかんの厚あつみを付つけたものだったが、次第しだいに畳たたみ床ゆかは厚あつくなり、14世紀せいき頃ごろには藁わらを締しめ固がためた畳たたみ床ゆかを付つけるようになった。12世紀せいき後半こうはんの『源氏物語げんじものがたり絵巻えまき』では薄うすい敷物しきもののため短たん辺あたりが丸まるまり弧こを描えがいている。一方いっぽう、13世紀せいき初頭しょとうの『北野きたの天神てんじん縁起えんぎ』には、広壮こうそうな家いえが火事かじになり家財かざいを持もち出だす絵えがあるが、畳たたみのような長方形ちょうほうけいの物ものを持もち出だす者ものと縁えん付つきの厚あつみのある敷物しきものを巻まいた状態じょうたいで持もち出だす者ものが描えがかれており、硬かたい長方形ちょうほうけいの畳たたみと巻まけるほど長ながい敷物しきものを併用へいようしていた可能かのう性せいも指摘してきされている。

室町むろまち時代ときよに入はいると、書院造しょいんづくりの登場とうじょうによって部屋へや全体ぜんたいに畳たたみを敷しく様式ようしきが現あらわれた。

近世きんせい

桃山ももやま時代じだいから江戸えど時代じだいにかけて茶道さどうの発達はったつにより数奇屋すきや風ふう書院造しょいんづくりがみられるようになり、畳たたみは茶室ちゃしつ建築けんちくだけでなく町家まちやでも用もちいられるようになった。

しかし、一般いっぱん庶民しょみんに畳たたみが普及ふきゅうしたのは江戸えど時代じだい中期ちゅうき以降いこうで、農村のうそん部ぶではさらに遅おそく明治めいじ時代じだい以降いこうのことである。江戸えど時代じだい、日光にっこう街道かいどう・日光にっこう御成おなり街道かいどう沿ぞいの地域ちいきでは供きょう侍さむらいの宿泊しゅくはく用ように、民家みんか一いち戸こずつの間取まどり等とうの提出ていしゅつさせており、その史料しりょうによると江戸えど時代じだい中期ちゅうきから後期こうきになっても同どう街道かいどう沿ぞいでは莚むしろ敷じきが主流しゅりゅうだが、年代ねんだいが下くだるほど畳たたみの使用しよう枚数まいすうは増ふえている。

近きん現代げんだい

昭和しょうわの半なかばになると製せい畳たたみ機きが普及ふきゅうして畳たたみ床ゆかの製作せいさくが畳屋たたみやから分離ぶんりし、新築しんちく住宅じゅうたく着工ちゃっこう件数けんすうの増加ぞうかとともに大都市だいとし近辺きんぺんでは床屋とこや（畳たたみ床ゆか専門せんもん業者ぎょうしゃ）が出現しゅつげんした。一方いっぽう、畳たたみ（畳たたみ床ゆか）は稲いね藁わらを原材料げんざいりょうとしていたが、農村のうそんの都市とし化かや離農りのう化か、稲作いなさく機械きかいの近代きんだい化か（刈かり取とりから脱穀だっこくまでを一体いったい的てきに行おこなうコンバインの普及ふきゅう）などで、従来じゅうらいのような長ながい稲いね藁わらの刈かり取とりが困難こんなんとなった。

そこで脱だつ藁わらの畳たたみ床ゆかの研究けんきゅうと実用じつよう化かが行おこなわれ、1963年ねん（昭和しょうわ38年ねん）頃ごろからポリスチレンフォーム、1973年ねん（昭和しょうわ48年ねん）頃ごろからインシュレーションボードを複ふく合あわした畳たたみ床ゆかが製造せいぞうされるようになった。これらの畳たたみ床ゆかが増加ぞうかしたことで、伝統でんとう的てきに藁わらだけを使用しようしていた畳たたみは、藁わらの間あいだに発泡はっぽうスチロール（スタイロフォーム）を挟はさんだものが大半たいはんとなった（スタイロ畳たたみ）。

住すまいの洋風ようふう化かに伴ともない、畳たたみの需要じゅようは減少げんしょう傾向けいこうにあるが、フローリング上じょうで用もちいる置おき畳たたみも用もちいられるようになった

また、畳表たたみおもてと畳たたみ床ゆかの間あいだに面めん発熱はつねつ体たいを挟はさんだ暖房だんぼう畳たたみや畳たたみの裏面りめんをカーペットにした両面りょうめん畳たたみも開発かいはつされている。防水ぼうすい畳たたみや、車椅子くるまいすに対応たいおうした畳たたみなども登場とうじょうしている 。

構造こうぞう

畳たたみ床ゆか

断面だんめん写真しゃしん
写真しゃしんは「藁わらサンド」といわれる発泡はっぽうポリスチレンの板いた(スタイロフォーム)を藁わらで挟はさんだタイプのもの。

畳たたみは表面ひょうめんの畳表たたみおもてと芯しん材ざいとなる畳たたみ床ゆかで主おもに構成こうせいされるが、畳表たたみおもては特殊とくしゅ用途ようとの畳たたみを除のぞいてイグサを用もちいており、畳たたみは構造こうぞう的てきには畳たたみ床ゆかの種類しゅるいで分わけられる。

稲いねわら畳たたみ床ゆか（ワラ畳たたみ）

稲いね藁わらを圧縮あっしゅくして縫ぬい合あわせた畳たたみ。重量じゅうりょうが重おもく、断熱だんねつ性せいは中ちゅう程度ていどであるが、耐たい圧縮あっしゅく性せいではほぼ復元ふくげん性せいがあり、吸放湿性しっせいに優すぐれ、廃棄はいき時じにも有毒ゆうどくガスをほとんど出ださない。しかし、気密きみつ性せいの高たかい住宅じゅうたくが増加ぞうかしたことによるダニによるトラブルの増加ぞうか、中高層ちゅうこうそう住宅じゅうたくでの作業さぎょう性せい（畳たたみの軽量けいりょう化か）、稲いね藁わらの産出さんしゅつが年とし一いち回かいで多量たりょう在庫ざいことなること、稲いね藁わらは天然てんねん産品さんぴんで品質ひんしつや価格かかくが不安定ふあんていなこと、作業さぎょう環境かんきょう上じょうで塵埃じんあいが出でにくい素材そざいが好このましいことなどから工業こうぎょう生産せいさん物ぶつで代替だいたいされるようになった。

ポリスチレンフォームサンドイッチ畳たたみ床ゆか

重量じゅうりょうは軽かるく、断熱だんねつ性せいも良よいが、耐たい圧縮あっしゅく性せいの復元ふくげん性せいや吸放湿性しっせいで劣おとり、廃棄はいき時じの有毒ゆうどくガスの発生はっせいも問題もんだいとなる。発泡はっぽうポリスチレン等とうを材料ざいりょうとした畳たたみ床ゆかは化学かがく床ゆかともいう。

インシュレーションボード畳たたみ床ゆか

木材もくざいチップを主おも原料げんりょうとしており、重量じゅうりょうは中ちゅう程度ていどであるが、耐たい圧縮あっしゅく性せいの復元ふくげん性せいもあり、断熱だんねつ性せいや吸放湿性しっせいもよく、廃棄はいき時じの有毒ゆうどくガスの発生はっせいもほとんど無ない。木質もくしつ系けいの繊維せんい板ばんを材料ざいりょうとした畳たたみ床ゆかは建材けんざい床ゆかともいう。

畳表たたみおもて

畳表たたみおもて

様々さまざまな畳表たたみおもて

畳表たたみおもてはイグサを緯糸よこいとに、麻糸あさいとあるいは綿糸めんしを経糸たていととして織おる。畳表たたみおもてに使用しようするイグサは、通常つうじょうの丸まる藺いのほか、七島ななしま藺い（シチトウイ）や太藺ふといも用もちいられる。

イグサは予あらかじめ泥どろ染ぞめして乾燥かんそうさせたものを使用しようする。織おり方かたには、普通ふつう目め（畳たたみ目め）織おり、目め積せき（目迫めさく）織おり、諸しょ目め織おりなどがある。一般いっぱん的てきには1本ほんのイグサから巾はば全長ぜんちょうを通とおして織おる引通表ひょうであるが、備後びんごには2本ほんのイグサを中央ちゅうおうで継ついで巾はば全長ぜんちょうとする中通なかとおり表ひょうもある。

丸まる藺いの畳表たたみおもての生産せいさん地ちは熊本くまもと県けんのほか、福岡ふくおか県けん、佐賀さが県けん、高知こうち県けん、石川いしかわ県けんなどである。

七島ななしま藺いは断面だんめんが太ふとく三角形さんかっけいで、半分はんぶんに裂さいて緯ぬき材ざいに用もちいて畳表たたみおもてにする。琉球りゅうきゅう畳たたみは元来がんらいは七島ななしま藺いを使用しようした畳表たたみおもてのことをいうが、縁えんなし畳たたみ全般ぜんぱんを指さすようになっている。七島ななつじま藺いはもとはトカラ列島れっとうで薩摩さつま藩はんの厳きびしい監視かんし下かで栽培さいばいされていたが、1663年ねんに橋本はしもと五郎右衛門ごろうえもんが大分おおいた県けんに持もち帰かえったという。その後ご、静岡しずおか県けん、岡山おかやま県けん、愛媛えひめ県けん、熊本くまもと県けん、鹿児島かごしま県けん、沖縄おきなわ県けんなどでも栽培さいばいされていたが、生産せいさん者しゃは減少げんしょうし、大分おおいた県けんの数すう軒けんのみで栽培さいばいされている。

なお、藺草いぐさ以外いがいの素材そざいに同様どうようの中空なかぞら構造こうぞうを施ほどこした紙かみやプラスチックの畳表たたみおもてもある。

畳たたみ縁えん

一般いっぱん的てきに畳たたみ床ゆかを畳表たたみおもてで包つつむとき、長手ながて方向ほうこうには畳表たたみおもてを巻まき付つけて裏側うらがわで畳たたみ床ゆかに縫ぬい付つける（この側面そくめん部ぶを框かまち（かまち）という）が、横よこ方向ほうこうは畳たたみ床ゆかの幅はばに合あわせて畳表たたみおもてを切きり揃そろえてしまう。切きり放はなしのままでは畳表たたみおもてが固定こていされないので、畳たたみ縁えんで切きり口くちを隠かくすと同時どうじに畳たたみ床ゆかに縫ぬい付つけて止とめる。

畳たたみ床ゆかを畳表たたみおもてで包つつむときに、縦たて方向ほうこうだけでなく横よこ方向ほうこうにも巻まきつけて、折おり込こむように裏側うらがわで縫ぬい付つけると縁えん無なし畳たたみとなる。ただし、一般いっぱん的てきな畳表たたみおもて（諸しょ目め表ひょう）を横よこ方向ほうこうに巻まき付つけようとしても緯糸よこいとのい草ぐさが鋭角えいかく的てきに折おれ曲まがってしまい上手うまくいかない。縁えん無なし畳たたみの場合ばあいには織おり目めが詰つんでいる目め積せき表ひょう（めせきおもて）が一般いっぱん的てきに利用りようされる。

歴史れきし的てきには天皇てんのうや法皇ほうおうが用もちいる畳たたみには繧繝うんげん縁えんが付つけられた。このように身分みぶん等とうによって利用りようできる畳たたみ縁えんに制限せいげんがあった。

• 繧繝うんげん縁えん（うんげんべり・うげんべり）…天皇てんのう・三宮さんのみや（皇后こうごう・皇太后こうたいごう・太皇太后たいこうたいこう）・上皇じょうこう、神仏しんぶつ像ぞう
• 高麗こうらい縁えん（こうらいべり）…親王しんのう・摂関せっかん・大臣だいじん（大紋だいもん高麗こうらい縁えん）、公卿くぎょう（小紋こもん高麗こうらい縁えん）

ただし、明治めいじ時代じだい以前いぜんは畳たたみ縁えん用ようの織物おりものはなく、一般いっぱん的てきには小幅こはば織おりの麻布まふを染色せんしょくして五いつつ割わりか六むっつ割わりにして用もちいていた。

住じゅう空間くうかんと畳たたみ

伝統でんとう的てきな日本にっぽん家屋かおくにみられる畳たたみ敷じきの部屋へや（旧きゅう岡田おかだ家か住宅じゅうたく・奥おくの間あいだ 兵庫ひょうご県けん伊丹いたみ市し）。

寸法すんぽう

近世きんせい以降いこうの日本にっぽんにおける民家みんか建築けんちくの平面へいめん寸法すんぽうのとり方かたには、柱はしら真しん々間あいだの寸法すんぽう（柱はしらの位置いちと大おおきさ）を決定けっていした後のちで適宜てきぎ畳たたみを収おさめる柱はしら真しん々制せいと一定いってい寸法すんぽうの畳たたみを割わり付つけて後追あとおい的てきに柱はしらの位置いちが決きまる柱はしら内ない法制ほうせい（畳たたみ割わり制せい）がある。

室町むろまち時代じだいの民家みんか遺構いこうには畳たたみ割わりはみられず、現存げんそん遺構いこうで畳たたみ割わりが確認かくにんできる古ふるい例れいは、寛永かんえい9年ねん（1632年ねん）に建築けんちくされた奈良なら県けん御所ごしょ市しの中村なかむら家か住宅じゅうたく、17世紀せいき前半ぜんはんに建築けんちくされた大阪おおさか府ふ羽曳野はびきの市しの吉村よしむら家か住宅じゅうたくなどである。

大おおまかには東日本ひがしにっぽんでは柱はしら真しん々制せい、西日本にしにほんでは畳たたみ割わり制せいとされたが、実際じっさいには東北とうほく地方ちほうや関東かんとう地方ちほうにも畳たたみ割わりの民家みんかが広ひろく存在そんざいした。江戸えど時代じだい末まつまで柱はしら真しん々制せいの手法しゅほうをとっていた地域ちいきは限定げんてい的てきであるとされる。

畳たたみは地方ちほうによって異ことなる寸法すんぽうのものが存在そんざいしている（畳たたみの寸法すんぽうについては表おもて参照さんしょう）。日本にっぽん間あいだの大おおきさには京間きょうま（柱はしら心しん々寸法すんぽう2,015mm、1畳じょうは約やく1.82m²）、中京ちゅうきょう間あいだ（柱はしら心しん々寸法すんぽう1,924mm、1畳じょうは約やく1.66m²）、江戸えど間あいだ（柱はしら心しん々寸法すんぽう1,818mm、1畳じょうは約やく1.55m²）などがあるほか、柱はしら心しん々寸法すんぽう2,000mmのメートル間あいだと呼よばれるものもある。

不動産ふどうさん公正こうせい取引とりひき協議きょうぎ会かい連合れんごう会かいでは、1.62平方へいほうメートル以上いじょうの広ひろさを1畳じょうとすることとしている。この1.62 m²は、各室かくしつの壁かべ心こころ面積めんせきを畳たたみ数すうで除じょした数値すうちである。

主おもな畳たたみの種類しゅるいと寸法すんぽう

名称めいしょう	寸法すんぽう	主おもな地域ちいき・用途ようと
御所ごせ畳たたみ	7尺しゃく3寸すん×3尺しゃく5寸すん（2,121mm×1,061mm）
昔むかし畳たたみ	6尺しゃく5寸すん×3尺しゃく2寸すん5分ふん（1,970mm×985mm）
京間きょうま（本間ほんま）	6尺しゃく3寸すん×3尺しゃく1寸すん5分ふん（1,910mm×955mm）	関西かんさい地方ちほう
中京ちゅうきょう間あいだ （中間ちゅうかん、相そうの間あいだ、三さん六ろく間あいだ（さぶろくま））	6尺しゃく×3尺しゃく（1,820mm×910mm）	中京ちゅうきょう地方ちほう
江戸えど間あいだ （田舎いなか間あいだ、関東かんとう間あいだ、五ご八はち間あいだ（ごはちま））	5尺しゃく8寸すん×2尺しゃく9寸すん（1,760mm×880mm）	関東かんとう地方ちほう
団地だんち間あいだ（五ご六ろく間あいだ（ごろくま））	5尺しゃく6寸すん×2尺しゃく8寸すん（1,700mm×850mm）	集合しゅうごう住宅じゅうたく

このほか以下いかのような畳たたみがある。

• 六ろく一いち間あいだ
  • 安芸あき間あいだ（広島ひろしま間あいだ） - 6尺しゃく1寸すん×3尺しゃく5寸すん。広島ひろしま県けん西部せいぶで使用しよう。
  • 関間せきま - 六ろく一いち間あいだで関門かんもん地方ちほうで使用しよう。
• 佐賀さが間あいだ - 6尺しゃく2寸すん×3尺しゃく1寸すん。佐賀さが県けんや長崎ながさき県けん佐世保させぼで使用しよう。
• 越前えちぜん間あいだ - 福井ふくい東部とうぶの六ろく畳じょう間あいだ、あるいは六ろく尺しゃく三さん寸すん間あいだ。

敷しき方かた

祝儀しゅうぎ敷じき

現在げんざいの家屋かおく等とうでは通常つうじょう、この敷じきかたをする。4枚まいの畳たたみの角かくが一いちか所しょに集あつまらないようにする。

長方形ちょうほうけいでも縦横じゅうおうの長ながさによってはこの敷じき方かたは不可能ふかのう。7:10の35畳じょう敷じきが不可能ふかのうな最小さいしょうの例れい。

不祝儀ぶしゅうぎ敷じき

葬儀そうぎなど縁起えんぎの悪わるいときに、祝儀しゅうぎ敷じきに対応たいおうする作法さほうとして敷じき換かえを行おこなった。よって、お寺てらや大広間おおひろまのような広ひろい空間くうかんに、最初さいしょから並ならべる敷じき方かたとは意味いみが違ちがう。

畳たたみの敷じきかたの例れい。ただし辺あたりの長ながさが1:2の場合ばあいのみ成立せいりつする

その他たの畳たたみ

柔道じゅうどう畳たたみ

柔道じゅうどうで用もちいられる専用せんようの畳たたみ。嘉納かのう治五郎じごろうが1882年ねん（明治めいじ15年ねん）に講道館こうどうかんを創設そうせつし、道場どうじょうとして永昌寺えいしょうじに敷しかれた畳たたみは径みちが太ふとく丈夫じょうぶな七なな島とう藺いを使用しようする琉球りゅうきゅう畳たたみであった。現代げんだいではイグサを用もちいず、畳たたみの目めを模もした凹凸おうとつの表面ひょうめんがあるポリマー製せいの一いち枚まいシートを畳表たたみおもてとするものが一般いっぱん的てき。そのため柔道じゅうどうにおける激はげしい使用しようにおいても、通常つうじょうの畳たたみのようにささくれたりホコリが発生はっせいしたりはしない。畳表たたみおもてと畳たたみ床ゆかを密着みっちゃくさせた密着みっちゃく型がたと、密着みっちゃくさせないカバー型がたがある。密着みっちゃく型がたでは畳表たたみおもてのたるみやしわが発生はっせいせず、カバー型がたでは傷いたんだ畳表たたみおもてを交換こうかんすることができる。畳たたみ縁えんはない。

神事しんじの畳たたみ

神社じんじゃでは、畳たたみを帖じょう（じょう）または、畳たたみ（じょう）と称しょうする。平安へいあん時代じだいの延喜えんぎ式しきでは、長ちょう帖じょう、短たん帖じょう、菅かん帖じょう、狭せま帖じょう等とうを挙あげ「席せき（むしろ）を表ひょう、薦こもを裏うらとし両りょう縁えんに布帛ふはくを施ほどこす」とある。他ほかにも龍りゅう髭ひげ帖じょう、八重やえ帖じょう、厚あつ帖じょう、薄うす帖じょう等とうがある。縁えんには二に方ぽう縁えんと四方しほう縁えんがある。また白しろ、青あお、黄き、紅べに、緑みどり、紫むらさき、などの色いろもある。なおこの色いろは身分みぶんによる区別くべつも存在そんざいした。なお、現在げんざいの神事しんじでは御霊代みたましろ用ようには二に方ぽう縁えんなどを使用しようし、祭場さいじょう座席ざせきには白しろ二方縁薄帖半帖などを用もちい、畳たたみ目めを縦たてに縁えんを前後ぜんごにする。

敷じき具ぐ・履くつ具ぐ・収納しゅうのう

畳たたみの踏ふみ心地ごこちを活いかすため、接せっ足あし面めんに畳たたみを模もしたカーペットやスリッパが市販しはんされている。

また天てん板ばんに畳たたみを使つかった収納しゅうのうボックス（畳たたみ収納しゅうのう、高床たかゆか式しきユニット畳たたみ）もある。

関連かんれん項目こうもく

• 畳たたみ (単位たんい)
  • 四畳半よじょうはん
  • 千畳敷せんじょうじき
• 日本にっぽん家屋かおく
  • 襖ふすま
  • 和室わしつ
  • 押入おしいれ
  • 床ゆか挿ざし
• 畳たたみ堤つつみ
• 畳たたみ奉行ぶぎょう
• ござ
• イグサ
• 試ためし斬ぎり - 畳表たたみおもてを巻まいた物ものを使つかう。
• タタミゼ
• 京きょうたたみ

外部がいぶリンク

• 全国ぜんこく畳たたみ産業さんぎょう振興しんこう会かい
• 全日本ぜんにほん畳たたみ事業じぎょう共同きょうどう組合くみあい
• 熊本くまもと県けんい業ぎょう生産せいさん販売はんばい振興しんこう協会きょうかい
• 全国ぜんこく畳たたみ床ゆか工業こうぎょう会かい - ウェイバックマシン（2003年ねん10月がつ16日にちアーカイブ分ぶん）