アルバートサウルス (学名 がくめい :Albertosaurus 、意 い :アルバータ のトカゲ )は、約 やく 7060万 まん 年 ねん 前 まえ から約 やく 6604.3万 まん 年 ねん 前 まえ にかけて、すなわち、中生代 ちゅうせいだい 白 はく 亜紀 あき 後期 こうき (後期 こうき 白 はく 亜紀 あき )末期 まっき にあたるマーストリヒチアン (半 なか ばから末期 まっき まで)に、ララミディア大陸 たいりく および北 きた アメリカ大陸 あめりかたいりく (cf. #本属 ほんぞく が棲息 せいそく していた陸地 りくち )に棲息 せいそく していた肉食 にくしょく 恐竜 きょうりゅう である。竜 りゅう 盤 ばん 目 め 獣 しし 脚 あし 亜 あ 目 め ティラノサウルス科 か に分類 ぶんるい される。
タイプ 種 たね である A. sarcophagus 種 たね (サルコパグス種 しゅ / サルコファグス種 しゅ )の産出 さんしゅつ 地 ち は現代 げんだい のカナダ のアルバータ州 しゅう に限定 げんてい されており、属 ぞく 名 めい はこの地名 ちめい に由来 ゆらい する。ただし、属 ぞく 内 ない の分類 ぶんるい は一致 いっち しておらず、一部 いちぶ の研究 けんきゅう 者 しゃ (提唱 ていしょう 者 しゃ はローレンス・ラム )は Gorgosaurus libratus (ゴルゴサウルス ・リブラトゥス)を本属 ほんぞく の種 たね とみなしている。
他 た のティラノサウルス科 か の属 ぞく と同様 どうよう に、アルバートサウルスは小 ちい さな二 に 本 ほん 指 ゆび の前肢 ぜんし を有 ゆう する二 に 足 そく 歩行 ほこう の捕食 ほしょく 動物 どうぶつ であり、大型 おおがた で鋭 するど い歯 は が多 おお く並 なら ぶ巨大 きょだい な頭部 とうぶ を持 も つ。棲息 せいそく 地域 ちいき 一帯 いったい における頂点 ちょうてん 捕食 ほしょく 者 しゃ であった可能 かのう 性 せい がある。アルバートサウルスは獣 しし 脚 あし 類 るい としては大型 おおがた であったが、一般 いっぱん 知名度 ちめいど の高 たか い近 きん 縁 えん 属 ぞく のティラノサウルス との比較 ひかく では遥 はる かに小型 こがた であり、成体 せいたい の全長 ぜんちょう は9メートルから10メートル、体重 たいじゅう は2トン未満 みまん と推定 すいてい される。
1884年 ねん に初 はじ めて発見 はっけん されて以来 いらい 、30個体 こたい を超 こ えるアルバートサウルスの化石 かせき が発見 はっけん されていることから、他 た の大半 たいはん のティラノサウルス科 か 恐竜 きょうりゅう よりも解剖 かいぼう 学 がく の研究 けんきゅう がより詳細 しょうさい に展開 てんかい されている。特定 とくてい 地域 ちいき に集中 しゅうちゅう して25個体 こたい が発見 はっけん されており、群 む れで行動 こうどう していたと断定 だんてい されている。さらにこの事実 じじつ 発見 はっけん により、オントロジー や集団 しゅうだん 生物 せいぶつ 学 がく (英語 えいご 版 ばん ) といった研究 けんきゅう 分野 ぶんや も他 た の恐竜 きょうりゅう 以上 いじょう に発展 はってん を遂 と げている。
概要 がいよう
ヒト との大 おお きさ比較 ひかく
アルバートサウルスはティラノサウルスやタルボサウルス といった他 ほか のティラノサウルス科 か よりも小型 こがた である。典型 てんけい 的 てき なアルバートサウルスの成体 せいたい は最大 さいだい で全長 ぜんちょう 9メートルに達 たっ するも[6] [7] 、希 まれ に10メートル超 ちょう まで成長 せいちょう する個体 こたい もあった[8] 。複数 ふくすう の成体 せいたい のアルバートサウルスをそれぞれいくつかの手法 しゅほう を組 く み合 あ わせて検証 けんしょう した結果 けっか 、体重 たいじゅう は1.3トン[9] から1.7トンの範囲 はんい と推定 すいてい されている[10] 。
アルバートサウルスの外見 がいけん 上 じょう の特徴 とくちょう は、他 た のティラノサウルス科 か と共通 きょうつう 点 てん が多 おお い。獣 しし 脚 あし 類 るい の典型 てんけい 的 てき 特徴 とくちょう である二 に 足 そく 歩行 ほこう であり、長 なが い尾 お を使 つか って重 おも い頭部 とうぶ や胴 どう 部 ぶ とバランスを取 と っていた。しかし、ティラノサウルス科 か の前肢 ぜんし は体 からだ サイズに対 たい して極端 きょくたん に小 ちい さく、指 ゆび も2本 ほん だけである。後肢 あとあし は長 なが く、4本 ほん の指 ゆび を持 も ち、そのうち第 だい 1趾は地面 じめん に届 とど かないほどに短 みじか い。第 だい 3趾は他 た の足 あし の指 ゆび よりも長 なが い。アルバートサウルスの歩行 ほこう 速度 そくど は時速 じそく 14 - 21キロメートルに達 たっ した可能 かのう 性 せい がある[11] 。ただし幼体 ようたい に限定 げんてい すると、歩行 ほこう 速度 そくど はこの数値 すうち を上回 うわまわ っていた可能 かのう 性 せい も指摘 してき されている[12] 。
アルバートサウルスの皮膚 ひふ は、部位 ぶい によって異 こと なる形状 けいじょう の鱗 うろこ (うろこ )で覆 おお われており、これまで2種類 しゅるい の印象 いんしょう 化石 かせき (鱗 うろこ の形 かたち がプリントされた跡 あと ) が発見 はっけん されている[13] 。このうち1種 しゅ は、腹 はら 肋骨 あばらぼね や未 み 確認 かくにん の長 なが い骨 ほね とともに発見 はっけん されており、腹部 ふくぶ の鱗 うろこ と考 かんが えられている。この鱗 うろこ はゴツゴツとした六角形 ろっかっけい に近 ちか い形 かたち で、徐々 じょじょ に大 おお きさを増 ま す。また、4 - 5センチメートル間隔 かんかく で並 なら ぶ大型 おおがた の鱗 うろこ の印象 いんしょう 化石 かせき も発見 はっけん されている[13] 。もう1種類 しゅるい は、どの部位 ぶい の鱗 うろこ か特定 とくてい できていないが、小型 こがた のダイヤモンド 型 かた をなして直線 ちょくせん 状 じょう に整列 せいれつ している[13] 。
頭蓋骨 ずがいこつ と歯 は
標本 ひょうほん TMP 1981 010 0001 / Albertosaurus 頭蓋骨 ずがいこつ 雄 ゆう 型 がた (キャスト)
S字 じ 型 がた の短 みじか い頸 (くび )に具 そな わったアルバートサウルスの頭蓋骨 ずがいこつ は巨大 きょだい で、成体 せいたい の頭骨 とうこつ 長 ちょう は最大 さいだい 約 やく 1メートルである[14] 。頭蓋骨 ずがいこつ には広 ひろ く孔 あな が開 ひら いていて頭蓋骨 ずがいこつ の軽量 けいりょう 化 か に寄与 きよ するとともに、筋肉 きんにく や感覚 かんかく 器官 きかん のためのスペースが形成 けいせい されていた。長 なが い顎 あご には両側 りょうがわ を合計 ごうけい して58本 ほん 以上 いじょう のバナナ 状 じょう の歯 は が並 なら んだ。近 きん 縁 えん なゴルゴサウルス の歯 は が最低 さいてい 62本 ほん である一方 いっぽう 、より大型 おおがた のティラノサウルス科 か の歯 は はアルバートサウルスの歯 は よりも少 すく なかった。大半 たいはん の獣 しし 脚 あし 類 るい と違 ちが い、アルバートサウルスや他 た のティラノサウルス科 か 恐竜 きょうりゅう は口 くち の中 なか の場所 ばしょ によって歯 は の形状 けいじょう が異 こと なるという異 い 歯 は 性 せい を示 しめ した。上顎 じょうがく 先端 せんたん に位置 いち する前 ぜん 上顎 じょうがく 骨 こつ 歯 は は左右 さゆう それぞれに4本 ほん 生 は え、これらは他 た の歯 は より小型 こがた で、密 みつ に並 なら び、断面 だんめん はD字 じ 型 がた をなした[7] 。ティラノサウルスと同様 どうよう にアルバートサウルスの上顎 じょうがく 骨 こつ 歯 は は逃 のが れようとしてもがく獲物 えもの による水平 すいへい 方向 ほうこう の運 うん 動力 どうりょく に耐 た えられる形状 けいじょう であった。しかし、アルバートサウルスの咬合 力 ちから は格段 かくだん に強 つよ いわけではなく、奥歯 おくば でも最大 さいだい で3413ニュートン であった[15] 。ただし、2012年 ねん に発表 はっぴょう された研究 けんきゅう 論文 ろんぶん によると、アルバートサウルスの咬合力 りょく は約 やく 4万 まん 2000ニュートンであった[16] 。眼 め の上 うえ には骨質 こっしつ の突起 とっき があるが、これは、生 い きていた頃 ころ には鮮 あざ やかな色 いろ で交尾 こうび 相手 あいて を惹 ひ き付 つ ける繁殖 はんしょく 用 よう ディスプレイとして機能 きのう していた可能 かのう 性 せい もある[17] 。
生態 せいたい 復元 ふくげん 想像 そうぞう 図 ず (英語 えいご 版 ばん ) (2015年 ねん 作 さく )
ウィリアム・エイブラー (英語 えいご 版 ばん ) は2001年 ねん にアルバートサウルスの歯 は を観察 かんさつ し、歯 は の鋸 のこ 歯 は 状 じょう 構造 こうぞう が肥大 ひだい 部 ぶ (ampulla ) [18] と呼 よ ばれる丸 まる い空洞 くうどう で末端 まったん を迎 むか える歯 は の割 わ れ目 め に似 に ていると発表 はっぴょう した[19] 。ティラノサウルス科 か の歯 は は肉 にく を引 ひ き剥 は がす道具 どうぐ として用 もち いられていたため、「彼 かれ らが肉 にく を剥 は ぎ取 と る際 さい に純粋 じゅんすい な張力 ちょうりょく で歯 は 全体 ぜんたい に割 わ れ目 め のような鋸歯 きょし 状 じょう 構造 こうぞう が広 ひろ がった」と彼 かれ は考 かんが えた[19] 。しかし、肥大 ひだい 部 ぶ が存在 そんざい することで張力 ちょうりょく は表面 ひょうめん 全体 ぜんたい に拡散 かくさん され、歯 は が損傷 そんしょう する危険 きけん は軽減 けいげん していた[19] 。空洞 くうどう で終 お わる切 き れ込 こ みは人間 にんげん の工学 こうがく にも共通 きょうつう する。ギター 職人 しょくにん も同様 どうよう の切 き れ込 こ みを用 もち いており、歯 は が柔軟 じゅうなん 性 せい と剛性 ごうせい を交互 こうご に使 つか って機能 きのう していたと、エイブラーは記載 きさい した[19] 。航空機 こうくうき 産業 さんぎょう においては、ドリル を使用 しよう して肥大 ひだい 部 ぶ を作 つく り、素材 そざい に亀裂 きれつ が走 はし ることを防 ふせ いでいる[19] 。また、切 き れ込 こ みと穴 あな のあるプレキシグラス の棒 ぼう が通常 つうじょう のものよりも25パーセント 強度 きょうど を増 ま すことをエイブラーは実証 じっしょう した[19] 。ティラノサウルス科 か とは違 ちが い、植 うえ 竜 りゅう 類 るい やディメトロドン といったさらに古 ふる い時代 じだい の捕食 ほしょく 動物 どうぶつ は鋸歯 きょし 状 じょう 構造 こうぞう を具 そな えてはおらず、摂食 せっしょく 時 じ に受 う ける歯 は のダメージを軽減 けいげん する適応 てきおう を示 しめ さない[19] 。
発見 はっけん と命名 めいめい
命名 めいめい
ホロタイプ (正 せい 基準 きじゅん 標本 ひょうほん )CMN 5600 / カナダ自然 しぜん 博物館 はくぶつかん (英語 えいご 版 ばん ) 所蔵 しょぞう 。
ヘンリー・フェアフィールド・オズボーン は1905年 ねん にティラノサウルスを記載 きさい した際 さい 、論文 ろんぶん の最後 さいご の1ページでアルバートサウルスも命名 めいめい した:265 。
属 ぞく 名 めい Albertosaurus の構成 こうせい 要素 ようそ "Albert " は、本 ほん 種 しゅ の化石 かせき の産出 さんしゅつ 地 ち である "Alberta "「アルバータ州 しゅう 」の名 な から採用 さいよう された。アルバータ州 しゅう はアルバートサウルスが記載 きさい されたのと同 おな じ1905年 ねん にカナダ自治領 じちりょう への加入 かにゅう を果 は たして正式 せいしき に設立 せつりつ された州 しゅう である。"-saurus " のほうは「爬虫類 はちゅうるい 」を意味 いみ する分類 ぶんるい 学 がく 用 よう 新 しん ラテン語 らてんご 名詞 めいし 接尾 せつび 辞 じ であり、恐竜 きょうりゅう の属 ぞく 名 めい を造 つく るのに用 もち いられることが多 おお いため、ここでは「恐竜 きょうりゅう 」と意訳 いやく して[20] 差 さ し支 つか えない。その語源 ごげん は、「トカゲ 」を意味 いみ する古代 こだい ギリシア語 ご の "σ しぐま α あるふぁ ῦρος (ラテン 翻 こぼし 字 じ : sauros 、日本語 にほんご 音 おん 写 うつし 例 れい : サウロス)" [20] である。
タイプ種 しゅ Albertosaurus sarcophagus の種 たね 小名 しょうみょう である sarcophagus は、古代 こだい ギリシア語 ご で「肉食 にくしょく の」という意味 いみ をもつ "σαρκοφάγος (ラテン翻 こぼし 字 じ : sarkophagos 、日本語 にほんご 音 おん 写 うつし 例 れい : サルコパゴス、サルコファゴス)" に由来 ゆらい し、古代 こだい エジプト や古代 こだい ギリシア の石棺 せっかん やその材 ざい である大理石 だいりせき を意味 いみ する "sarcophagus (stone sarcophagus) "(日本語 にほんご 名 めい :サルコファガス )[21] と同根 どうこん 語 ご の関係 かんけい にある。
初期 しょき の発見 はっけん
アルバータ州 しゅう ドラムヘラー 付近 ふきん のレッドディア川 がわ 。アルバートサウルスの化石 かせき の約 やく 4分 ぶん の3が両側 りょうがわ の露頭 ろとう で川 かわ 沿 ぞ いに発見 はっけん されている。
あらゆる年齢 ねんれい の30を超 こ える標本 ひょうほん が学術 がくじゅつ 的 てき に知 し られている[8] [22] 。タイプ標本 ひょうほん は頭頂 とうちょう 部 ぶ の骨 ほね で、1884年 ねん の夏 なつ にアルバータ州 しゅう レッドディア川 がわ 沿 ぞ いのホースシューキャニオン累 るい 層 そう の露頭 ろとう から収集 しゅうしゅう された。この標本 ひょうほん は地質 ちしつ 学者 がくしゃ ジョセフ・ティレル 率 ひき いるカナダ地質調査所 ちしつちょうさしょ (英語 えいご 版 ばん ) の発掘 はっくつ 調査 ちょうさ により1884年 ねん 6月 がつ 9日 にち に発見 はっけん されたが、特殊 とくしゅ 装備 そうび がなかったため彼 かれ らはほぼ完全 かんぜん な頭蓋骨 ずがいこつ を部分 ぶぶん 的 てき にしか確保 かくほ できなかった。1889年 ねん 、ティレルとともに研究 けんきゅう していたトーマス・チェスマー・ウェストンは、いくつかの骨格 こっかく 要素 ようそ と繋 つな がった小型 こがた の頭蓋骨 ずがいこつ を近 ちか くの産地 さんち で発見 はっけん した[23] 。2つの頭蓋骨 ずがいこつ は既 すで に存在 そんざい していた種 たね Laelaps incrassatus にエドワード・ドリンカー・コープ が1892年 ねん に割 わ り当 あ てた[24] が、ラエラプスという属 ぞく 名 めい は既 すで にダニ に使 つか われており、オスニエル・チャールズ・マーシュ が1877年 ねん にドリプトサウルス Dryptosaurus へ改名 かいめい した。ライバルであるマーシュの作 つく った名前 なまえ にされることをコープは拒絶 きょぜつ したが、ローレンス・ラム は1903年 ねん と1904年 ねん に化石 かせき を詳細 しょうさい に記載 きさい したときに Laelaps incrassatus ではなく1902年 ねん にオリバー・ペリー・ヘイ (英語 えいご 版 ばん ) が新 しん 組合 くみあわ せ[注釈 ちゅうしゃく 1] を作 つく った[25] Dryptosaurus incrassatus という表記 ひょうき を採用 さいよう した[26] [27] 。その直後 ちょくご 、オズボーンは D. incrassatus が一般 いっぱん 的 てき なティラノサウルス科 か の歯 は に基 もと づいており、ホースシューキャニオン累 るい 層 そう の2つの頭蓋骨 ずがいこつ が本 ほん 種 たね に確実 かくじつ には分類 ぶんるい できないことを指摘 してき した。また、ホースシューキャニオン累 るい 層 そう の頭蓋骨 ずがいこつ はドリプトサウルスのタイプ種 しゅ D. aquilunguis と大 おお きく異 こと なっており、オズボーンは1905年 ねん にこれらの化石 かせき を Albertosaurus sarcophagus と命名 めいめい した。彼 かれ は化石 かせき を特 とく に詳 くわ しくは記載 きさい せず、前年 ぜんねん のラムによる完全 かんぜん な記載 きさい を参照 さんしょう した。ホロタイプ標本 ひょうほん CMN 5600 とパラタイプ標本 ひょうほん CMN 5601 のいずれもがオタワ のカナダ自然 しぜん 博物館 はくぶつかん (英語 えいご 版 ばん ) に所蔵 しょぞう されている。21世紀 せいき 初頭 しょとう には、ホロタイプ標本 ひょうほん の損傷 そんしょう 状態 じょうたい が酷 ひど かったため他 た の標本 ひょうほん を割 わ り当 あ てることができず、アルバートサウルスはタイプ標本 ひょうほん だけを示 しめ す疑問 ぎもん 名 めい ではないかという意見 いけん も飛 と び出 だ した。しかし2010年 ねん には、ホロタイプやパラタイプおよび後 のち に発見 はっけん された比較 ひかく 可能 かのう な標本 ひょうほん が、ユニークな特徴 とくちょう を共有 きょうゆう するあるいは固有 こゆう 派生 はせい 形質 けいしつ を持 も つことを、トーマス・カール (英語 えいご 版 ばん ) が明 あき らかにした。具体 ぐたい 的 てき には、それは口蓋 こうがい 骨 こつ のサイドの背 せ 側 がわ 縁 えん に広 ひろ がる含気性 せい の孔 あな の存在 そんざい であり、これはアルバートサウルスが有効 ゆうこう な分類 ぶんるい 群 ぐん であることを証明 しょうめい した[28] 。
ボーンベッド
標本 ひょうほん TMP 1999 050 0067, 0074, 0084 / ドライアイランドとドラムヘラーから産出 さんしゅつ した歯 は の化石 かせき 。
1910年 ねん 8月 がつ 11日 にち 、アメリカの古 こ 生物 せいぶつ 学者 がくしゃ バーナム・ブラウン はアルバートサウルスの大 だい 規模 きぼ な群 む れの化石 かせき をレッドディア川 かわ 沿 ぞ いの産地 さんち で発見 はっけん した。骨 ほね が余 あま りにも多 おお く、時間 じかん も限 かぎ られていたため、ブラウンらは全 すべ ての標本 ひょうほん を回収 かいしゅう はしなかったが、ボーンベッド で区別 くべつ 可能 かのう な全 すべ ての個体 こたい から骨 ほね を収集 しゅうしゅう した。ニューヨーク のアメリカ自然 しぜん 史 し 博物館 はくぶつかん のコレクションにある骨 ほね は、7本 ほん の右 みぎ 中 ちゅう 足 あし 骨 こつ とそれに大 おお きさの合 あ わない乖離 かいり した2つの趾骨のものであり、これにより少 すく なくとも9体 たい が産地 さんち に眠 ねむ っていたことが示唆 しさ された。ロイヤル・ティレル古 こ 生物 せいぶつ 学 がく 博物館 はくぶつかん の古 こ 生物 せいぶつ 学者 がくしゃ フィリップ・J・カリー は1997年 ねん にボーンベッドを再 さい 発見 はっけん し、現在 げんざい のドライ・アイランド・バッファロー・ジャンプ州立 しゅうりつ 公園 こうえん (英語 えいご 版 ばん ) でフィールドワークを行 おこな った[12] 。1997年 ねん から2005年 ねん に行 おこな われたさらなる発掘 はっくつ 調査 ちょうさ では、さらに13体 たい の様々 さまざま な年齢 ねんれい の個体 こたい の化石 かせき が発見 はっけん され、この中 なか にはわずか2歳 さい の個体 こたい や全長 ぜんちょう 10メートルを超 こ えると推定 すいてい される非常 ひじょう に高齢 こうれい の個体 こたい もあった。いずれも完全 かんぜん な骨格 こっかく ではなく、大半 たいはん は両 りょう 博物館 はくぶつかん の化石 かせき に代表 だいひょう される[8] [9] 。発掘 はっくつ 調査 ちょうさ は2008年 ねん まで続 つづ いた。その年 とし には、骨格 こっかく に一 ひと つだけ保存 ほぞん された骨 ほね に基 もと づくと個体 こたい 数 すう は最少 さいしょう で12体 たい 、類似 るいじ する骨 ほね が個体 こたい 発生 はっせい において大 おお きさが変 か わっただけの相 あい 同 どう な骨 ほね であるとすれば26体 たい とされた。合計 ごうけい で1128本 ほん のアルバートサウルスの骨 ほね が確保 かくほ されており、白 はく 亜紀 あき の大型 おおがた 獣 じゅう 脚 あし 類 るい では最 もっと も化石 かせき が集中 しゅうちゅう している[29] 。
他 た の発見 はっけん
標本 ひょうほん TMP 1985 098 0001 / 頭蓋骨 ずがいこつ 化石 かせき
1911年 ねん にアルバータ州 しゅう のアメリカ自然 しぜん 史 し 博物館 はくぶつかん で運営 うんえい の職 しょく に就 つ いて2年 ねん 目 め を迎 むか えていたバーナム・ブラウンは、レッドディア川 がわ トルマン橋 きょう 付近 ふきん で断片 だんぺん 的 てき なアルバートサウルスの頭蓋骨 ずがいこつ 化石 かせき AMNH 5222 を発見 はっけん した[30] 。
ウィリアム・パークス (英語 えいご 版 ばん ) は、1923年 ねん にレッドディア川 がわ 付近 ふきん でガス・リンドバルドとラルフ・ホーネルが発掘 はっくつ した頭蓋骨 ずがいこつ を欠 か く部分 ぶぶん 的 てき 骨格 こっかく に基 もと づき、1928年 ねん に新種 しんしゅ Albertosaurus arctunguis を記載 きさい したが、この標本 ひょうほん は1970年 ねん 以降 いこう A. sarcophagus であると考 かんが えられている[6] 。パークスの標本 ひょうほん ROM 807 はトロント のロイヤルオンタリオ博物館 はくぶつかん に所蔵 しょぞう されている。
1926年 ねん から1972年 ねん の間 あいだ アルバートサウルスの化石 かせき は全 まった く発見 はっけん されなかったが、70年代 ねんだい 以降 いこう は着実 ちゃくじつ に標本 ひょうほん が増加 ぞうか している。ドライ・アイランドのボーンベッドとは別 べつ に6つの頭蓋骨 ずがいこつ と他 た の骨格 こっかく がアルバータ州 しゅう で発見 はっけん され、カナダの様々 さまざま な博物館 はくぶつかん に所蔵 しょぞう されている。アマチュア古 こ 生物 せいぶつ 学者 がくしゃ マウリス・ステファンクが1978年 ねん に発見 はっけん した標本 ひょうほん RTMP 81 010 001、彼 かれ が1985年 ねん 6月 がつ 16日 にち に発見 はっけん した RTMP 85 098 001、1985年 ねん 12月に発見 はっけん した RTMP 86 64 001 、1986年 ねん の RTMP 86 205 001、1996年 ねん の RTMP 97 058 0001、そして CMN 11315 である。しかしヴァンダリズム と事故 じこ によりこれらは全 すべ て損傷 そんしょう を受 う けることとなった[23] 。また、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく モンタナ州 しゅう ・ニューメキシコ州 しゅう ・ワイオミング州 しゅう からも化石 かせき が報告 ほうこく されているが、これらは A. sarcophagus ではなく、アルバートサウルスですらない可能 かのう 性 せい がある[7] [22] 。
ゴルゴサウルス
1913年 ねん に古 こ 生物 せいぶつ 学者 がくしゃ チャールズ・ヘイゼリアス・スタンバーグ が別 べつ のティラノサウルス科 か の骨格 こっかく をやや古 ふる い時代 じだい のアルバータ州 しゅう ダイナソーパーク累 るい 層 そう から発見 はっけん し、ローレンス・ラム が1914年 ねん にこの恐竜 きょうりゅう を Gorgosaurus libratus と命名 めいめい した[32] 。後 のち にアルバータ州 しゅう とモンタナ州 しゅう で他 た の標本 ひょうほん も発見 はっけん された。主 おも にアルバートサウルスの良 よ い頭蓋骨 ずがいこつ が無 な く、両者 りょうしゃ を区別 くべつ する重大 じゅうだい な相違 そうい 点 てん もなかったため、デイル・ラッセル はゴルゴサウルスを先 さき に命名 めいめい されたアルバートサウルスのジュニアシノニム と提唱 ていしょう し、1970年 ねん には G. libratus は Albertosaurus libratus に改名 かいめい された。標本 ひょうほん の時代 じだい が違 ちが ったため種 たね レベルでは区別 くべつ されたままとなった。ゴルゴサウルスがアルバートサウルスに加 くわ えられたことでアルバートサウルスの生息 せいそく した時代 じだい 範囲 はんい は数 すう 百 ひゃく 万 まん 年 ねん 拡張 かくちょう され、地理 ちり 範囲 はんい も数 すう 百 ひゃく キロメートル南方 なんぽう へ広 ひろ がった[6] 。
2003年 ねん にフィリップ・J・カリー は獣 しし 脚 あし 類 るい の解剖 かいぼう 学 がく 的 てき 知識 ちしき の増大 ぞうだい とより広範囲 こうはんい の発見 はっけん に恩恵 おんけい を受 う け、複数 ふくすう のティラノサウルス科 か の頭蓋骨 ずがいこつ を比較 ひかく し、両者 りょうしゃ はかつて考 かんが えられていたよりも別個 べっこ の動物 どうぶつ であると結論 けつろん 付 つ けた。両者 りょうしゃ は姉妹 しまい 群 ぐん で他 た のどの種 たね よりも互 たが いに近 きん 縁 えん であったため、1属 ぞく か2属 ぞく かの決定 けってい は恣意 しい 的 てき な面 めん も否 いな めなかった。しかしカリーはそれを承知 しょうち した上 うえ で、常 つね に別 べつ 属 ぞく に分類 ぶんるい されるダスプレトサウルス とティラノサウルス ほど両者 りょうしゃ が似 に ていないと結論 けつろん 付 づ け、アルバートサウルスとゴルゴサウルスを別 べつ 属 ぞく にすべきであると推奨 すいしょう した。さらに、アラスカ州 しゅう とニューメキシコ州 しゅう から複数 ふくすう のアルバートサウルス亜 あ 科 か の標本 ひょうほん が発見 はっけん され、アルバートサウルスとゴルゴサウルスの状態 じょうたい はこれらが完全 かんぜん に記載 きさい されることで明確 めいかく 化 か すると提唱 ていしょう した[22] 。大半 たいはん の論文 ろんぶん 執筆 しっぴつ 者 しゃ はカリーの意見 いけん に従 したが った[7] [9] [33] が、そうでない研究 けんきゅう 者 しゃ もいる[34] 。
他 た の種 たね
A. sarcophagus 、A. arctunguis 、A. libratus (ゴルゴサウルス)の他 ほか に、複数 ふくすう のアルバートサウルスの種 たね が命名 めいめい されてきた。これらは今日 きょう では他 た の種 たね の若年 じゃくねん 個体 こたい のシノニムか疑問 ぎもん 名 めい と見 み られており、アルバートサウルス属 ぞく には分類 ぶんるい されていない。
1930年 ねん 、アナトリー・ニコラヴィッチ・リアビニンは中国 ちゅうごく から産出 さんしゅつ した歯 は に基 もと づいて Albertosaurus pericolosus Riabinin, 1930 を命名 めいめい したが、これはおそらくタルボサウルス に属 ぞく する[35] 。1932年 ねん にフリードリヒ・フォン・ヒューネ は Dryptosaurus incrassatus (Cope , 1876 ) を本属 ほんぞく に移動 いどう し、Albertosaurus incrassatus とした[36] 。1970年 ねん にデイル・ラッセルはゴルゴサウルス属 ぞく をアルバートサウルス属 ぞく に内包 ないほう し、Gorgosaurus sternbergi Matthew & Brown, 1922 を Albertosaurus sternbergi へ、Gorgosaurus lancensis Gilmore , 1946 を Albertosaurus lancensis へ改名 かいめい した[6] 。前者 ぜんしゃ は今日 きょう では Gorgosaurus libratus の幼体 ようたい と考 かんが えられており、後者 こうしゃ はティラノサウルス かナノティラヌス とされた。1988年 ねん にグレゴリー・ポール はモンタナ州 しゅう ヘルクリーク累 るい 層 そう から産出 さんしゅつ した小型 こがた のティラノサウルス科 か 骨格 こっかく 標本 ひょうほん LACM 28345 に基 もと づいて Albertosaurus megagracilis Paul , 1988 を記載 きさい した[37] 。これは1995年 ねん に新 しん 属 ぞく ディノティラヌス Dinotyrannus Olshevsky , 1995 に移 うつ され、Dinotyrannus megagracilis (Paul , 1988 ) Olshevsky , 1995 とされた[38] が、現在 げんざい ではティラノサウルス・レックスの幼体 ようたい と考 かんが えられている[14] 。また、1988年 ねん にポールが Alectrosaurus olseni Gilmore , 1933 を Albertosaurus olseni に改名 かいめい した[37] が、一般 いっぱん に受 う け入 い れられなかった。1989年 ねん に Gorgosaurus novojilovi Maleev, 1955 をブリン・メダーとロバート・ブラッドレイが Albertosaurus novojilovi に改名 かいめい し[39] 、現在 げんざい ではタルボサウルスのシノニムとみなされている。
有効 ゆうこう なアルバートサウルスの骨格 こっかく に基 もと づいて他 た の属 ぞく へ再 さい 分類 ぶんるい された種 たね も2例 れい ある。1922年 ねん にウィリアム・ディラー・マシュー (英語 えいご 版 ばん ) は A. sarcophagus を Deinodon sarcophagus に改名 かいめい し[40] 、1939年 ねん にドイツの古 こ 生物 せいぶつ 学者 がくしゃ オスカー・クーン (英語 えいご 版 ばん ) は A. arctunguis を Deinodon arctunguis に改名 かいめい した[41] 。
分類 ぶんるい と系統 けいとう
アイオワ科学 かがく センター (英語 えいご 版 ばん ) の組 く み立 た てられた骨格 こっかく
アルバートサウルスは獣 しし 脚 あし 亜 あ 目 め ティラノサウルス科 か アルバートサウルス亜 あ 科 か に分類 ぶんるい される。最 もっと も近 きん 縁 えん な種 たね はわずかに古 ふる い時代 じだい に生息 せいそく した Gorgosaurus libratus (Albertosaurus libratus とする説 せつ あり)である[42] 。これら2種 しゅ だけが唯一 ゆいいつ 記載 きさい されたアルバートサウルス亜 あ 科 か であり、未 み 記載 きさい 種 しゅ が存在 そんざい する可能 かのう 性 せい もある[22] 。トーマス・R・ホルツ・ジュニア (英語 えいご 版 ばん ) はアパラチオサウルス をアルバートサウルス亜 あ 科 か に加 くわ える論文 ろんぶん を2004年 ねん に発表 はっぴょう した[7] が、彼 かれ は後 ご の未 み 発表 はっぴょう の研究 けんきゅう でアパラチオサウルスをティラノサウルス科 か の外 そと に位置付 いちづ けており[43] 、これは他 た の研究 けんきゅう 者 しゃ からも賛同 さんどう された[34] 。
ティラノサウルス科 か の別 べつ の亜 あ 科 か にはティラノサウルス亜 あ 科 か があり、ダスプレトサウルス やタルボサウルス、ティラノサウルスなどが属 ぞく する。これら頑強 がんきょう なティラノサウルス亜 あ 科 か と比 くら べ、アルバートサウルス亜 あ 科 か の体 からだ は細長 ほそなが く、頭蓋骨 ずがいこつ のプロポーションは小 ちい さく、脚 あし の下部 かぶ (脛骨 けいこつ )や足 あし (中 ちゅう 足 あし 骨 こつ と趾骨 )が長 なが い[14] [42] 。
以下 いか のティラノサウルス科 か のクラドグラム は2013年 ねん のローウェンらの系統 けいとう 解析 かいせき に基 もと づく[44] 。
古 こ 生物 せいぶつ 学 がく
成長 せいちょう パターン
ティラノサウルス科 か の成長 せいちょう 曲線 きょくせん を示 しめ すグラフ。赤色 あかいろ がアルバートサウルス。Erickson et al. (2004) に基 もと づく
アルバートサウルスはほぼ全 すべ ての年齢 ねんれい の個体 こたい が化石 かせき 記録 きろく に残 のこ っている。骨 ほね の組織 そしき 学 がく を利用 りよう すると大抵 たいてい の場合 ばあい それぞれの個体 こたい が死亡 しぼう したときの年齢 ねんれい を決定 けってい でき、成長 せいちょう 率 りつ を推定 すいてい して他 た の種 たね と比較 ひかく することも可能 かのう となる。これまで知 し られている中 なか で最 もっと も若 わか いアルバートサウルスはドライ・アイランドのボーンベッドで発見 はっけん された2歳 さい の個体 こたい で、体重 たいじゅう は50キログラムに達 たっ し、全長 ぜんちょう は2メートルを超 こ えたと考 かんが えられている。同 おな じ産地 さんち から産出 さんしゅつ した全長 ぜんちょう 10メートルの標本 ひょうほん は知 し られている中 なか で最 さい 高齢 こうれい の28歳 さい である。中間 ちゅうかん の年齢 ねんれい とサイズの標本 ひょうほん をグラフにプロットするとS字 じ 型 がた のカーブが現 あらわ れ、12 - 16歳 さい ごろに最 もっと も急激 きゅうげき な成長 せいちょう を見 み せており、これは他 た のティラノサウルス科 か にも見 み られるパターンである。急 きゅう 成長 せいちょう 期 き の成長 せいちょう 率 りつ は1.3トンの成体 せいたい に基 もと づくと、年間 ねんかん 122キログラムであった。他 た の研究 けんきゅう ではさらに成体 せいたい の体重 たいじゅう が重 おも いことが示唆 しさ されているが、これは成長 せいちょう 率 りつ の大 おお きさには影響 えいきょう しても、全体 ぜんたい 的 てき なパターンを左右 さゆう することは無 な い。ティラノサウルス科 か はアルバートサウルスに近 ちか い成長 せいちょう 率 りつ と体格 たいかく を示 しめ したが、より大型 おおがた のティラノサウルスは最大 さいだい で年間 ねんかん 601キログラムという5倍 ばい ほどの成長 せいちょう 率 りつ を示 しめ した[8] 。急 きゅう 成長 せいちょう 段階 だんかい の終 お わりはアルバートサウルスの性 せい 成熟 せいじゅく の始 はじ まりを示唆 しさ するが、その後 ご も生涯 しょうがい を通 つう じて緩 ゆる やかな成長 せいちょう は続 つづ いていた[8] [9] 。まだ活発 かっぱつ に成長 せいちょう している時期 じき に性 せい 成熟 せいじゅく が起 お こるのは、小型 こがた 恐竜 きょうりゅう [45] と大型 おおがた 恐竜 きょうりゅう [46] 、そしてヒトやゾウ といった大型 おおがた 哺乳類 ほにゅうるい に共通 きょうつう する傾向 けいこう である[46] 。この比較的 ひかくてき 早期 そうき に性 せい 成熟 せいじゅく が起 お こるというパターンは、成長 せいちょう が完了 かんりょう する後 のち まで性 せい 成熟 せいじゅく を遅 おく らせる鳥類 ちょうるい のパターンとは大 おお きく異 こと なる[33] [46] 。
成長 せいちょう の間 あいだ に歯 は が厚 あつ くなって形態 けいたい が大 おお きく変化 へんか したため、ドライ・アイランドのボーンベッドの若 わか い個体 こたい と成体 せいたい の骨格 こっかく が同 おな じ分類 ぶんるい 群 ぐん に属 ぞく することを証明 しょうめい できなくなり、幼体 ようたい の歯 は は系統 けいとう 解析 かいせき により別種 べっしゅ のものと同定 どうてい された可能 かのう 性 せい が高 たか い[47] 。
生活 せいかつ 史 し
これまで知 し られているアルバートサウルスの個体 こたい の大半 たいはん は14歳 さい 前後 ぜんこう で死亡 しぼう している。幼体 ようたい は滅多 めった に化石 かせき として発見 はっけん されないが、これは主 おも に幼体 ようたい の小 ちい さな骨 ほね は成体 せいたい の大 おお きな骨 ほね よりも化石 かせき 化 か により保存 ほぞん されにくいという保存 ほぞん バイアス、小 ちい さな骨 ほね 歯 ぱ フィールドで収集 しゅうしゅう 者 しゃ が気付 きづ きにくいという収集 しゅうしゅう バイアスによる[48] 。若 わか いアルバートサウルスは動物 どうぶつ の幼体 ようたい としては比較的 ひかくてき 大型 おおがた であるが、成体 せいたい と比較 ひかく すると化石 かせき 記録 きろく はそれでも希少 きしょう である。この現象 げんしょう はバイアスではなくアルバートサウルスの生活 せいかつ 史 し によるもので、単純 たんじゅん に幼体 ようたい が成体 せいたい ほど頻繁 ひんぱん に死 し ぬことはなかったからであるとする見解 けんかい もある[8] 。
群 む れで大量 たいりょう 死 し したものの、幼体 ようたい は体 からだ が小 ちい さく繊細 せんさい な構造 こうぞう であったため化石 かせき 記録 きろく に保存 ほぞん されなかった、とする生活 せいかつ 史 し 仮説 かせつ もある。わずか2年 ねん 後 ご には、幼体 ようたい は成体 せいたい のアルバートサウルスを除 のぞ いてその地域 ちいき のどの捕食 ほしょく 動物 どうぶつ よりも大型 おおがた で、大半 たいはん の獲物 えもの より俊足 しゅんそく の捕食 ほしょく 動物 どうぶつ に成長 せいちょう した。これにより幼体 ようたい の脂肪 しぼう 質 しつ が劇的 げきてき に低下 ていか し、そのまま化石 かせき の希少 きしょう 性 せい に繋 つな がったという。死亡 しぼう 率 りつ は12歳 さい で倍加 ばいか するが、これはおそらく急 きゅう 成長 せいちょう 段階 だんかい の生理 せいり 的 てき 要求 ようきゅう の結果 けっか である。14歳 さい から16歳 さい の間 あいだ の性 せい 成熟 せいじゅく を迎 むか えるとともに死亡 しぼう 率 りつ は再 ふたた び倍増 ばいぞう した。成体 せいたい はその後 ご も死亡 しぼう 率 りつ が上昇 じょうしょう し、これはおそらく交配 こうはい や資源 しげん を巡 めぐ る種 たね 内 ない 競争 きょうそう で受 う けるストレスや負傷 ふしょう などの生理 せいり 的 てき 要求 ようきゅう 、最終 さいしゅう 的 てき には老化 ろうか の影響 えいきょう である。成体 せいたい の死亡 しぼう 率 りつ が高 たか いと、化石 かせき が多 おお く保存 ほぞん されていることにも説明 せつめい がつく。非常 ひじょう に大型 おおがた の動物 どうぶつ はそのような体躯 たいく に達 たっ するまで生 い き残 のこ る個体 こたい が少 すく ないため希少 きしょう である。まとめると、生 う まれた直後 ちょくご の死亡 しぼう 率 りつ が高 たか く、幼体 ようたい の時期 じき に死亡 しぼう 率 りつ が低下 ていか し、成体 せいたい で急激 きゅうげき に増大 ぞうだい し、ごく少数 しょうすう のみが最大 さいだい サイズに達 たっ するということになる。そのような動物 どうぶつ にはゾウやアフリカスイギュウ やサイ などの大型 おおがた 哺乳類 ほにゅうるい が該当 がいとう する。同様 どうよう のパターンはティラノサウルス科 か でも確認 かくにん できる。現生 げんなま 哺乳類 ほにゅうるい と他 た のティラノサウルス科 か の比較 ひかく はこの生活 せいかつ 史 し 仮説 かせつ を支持 しじ しているが、全 すべ てのアルバートサウルスの三 さん 分 ぶん の二 に を超 こ える数 かず が同 おな じ産地 さんち から産出 さんしゅつ している以上 いじょう 、化石 かせき 記録 きろく のバイアスもまだ大 おお きな要因 よういん の一 ひと つである[8] [33] [49] 。
群 む れ
ブライアン・クーレイが2007年 ねん にデザインした、群 む れるアルバートサウルスのブロンズ像 ぞう
バーナム・ブラウンらが発見 はっけん したドライ・アイランドのボーンベッドには26体 たい のアルバートサウルスが保存 ほぞん されており、一 いち ヶ所 かしょ から産出 さんしゅつ した白 はく 亜紀 あき の大型 おおがた 獣 じゅう 脚 あし 類 るい としては世界 せかい 最多 さいた であり、大型 おおがた 獣 じゅう 脚 あし 類 るい 全体 ぜんたい においてもユタ州 しゅう の Cleveland-Lloyd Dinosaur Quarry から産出 さんしゅつ したアロサウルス に次 つ いで2番目 ばんめ である。この群 む れは非常 ひじょう に高齢 こうれい の個体 こたい 1頭 とう 、17 - 23歳 さい の成体 せいたい 8頭 とう 、12 - 16歳 さい の急 きゅう 成長 せいちょう 期 き 真 ま っ只中 ただなか の亜 あ 成体 せいたい 7頭 とう 、2 - 11歳 さい の急 きゅう 成長 せいちょう 期 き に至 いた っていない幼体 ようたい 6頭 とう から構成 こうせい されている[8] 。
アルバートサウルスのボーンベッドからは植物 しょくぶつ 食 しょく 性 せい 動物 どうぶつ の化石 かせき がほぼ産出 さんしゅつ しておらず、また多 おお くの個体 こたい の保存 ほぞん 状態 じょうたい が似 に ているため、 カリフォルニア州 しゅう のラ・ブレア・タールピット のような捕食 ほしょく 者 しゃ トラップではなく、さらに保存 ほぞん されている死 し んだ動物 どうぶつ たちは全 すべ て同時 どうじ に死亡 しぼう したとカリーは結論 けつろん 付 つ けた。彼 かれ はこれを群 む れで行動 こうどう していたことの根拠 こんきょ であると主張 しゅちょう した[12] 。他 た の科学 かがく 者 しゃ は懐疑 かいぎ 的 てき であり、アルバートサウルスは干 かん ばつや洪水 こうずい などの理由 りゆう で一緒 いっしょ に運 はこ ばれた可能 かのう 性 せい があると意見 いけん した[8] [48] [50] 。
模型 もけい
角 すみ 竜 りゅう やハドロサウルス科 か など植物 しょくぶつ 食 しょく 恐竜 きょうりゅう には群 む れで行動 こうどう していた証拠 しょうこ が豊富 ほうふ にあるが[51] 、同 おな じ場所 ばしょ で肉食 にくしょく 恐竜 きょうりゅう が数多 かずおお く発見 はっけん されることも稀 まれ にある。ディノニクス [52] やコエロフィシス [53] といった小型 こがた 獣 じゅう 脚 あし 類 るい は群 む れで発見 はっけん されており、アロサウルス やマプサウルス といった大型 おおがた の捕食 ほしょく 動物 どうぶつ にも例 れい はある[54] 。他 た のティラノサウルス科 か にも群居 ぐんきょ 性 せい の証拠 しょうこ がある。シカゴ のフィールド自然 しぜん 史 し 博物館 はくぶつかん で化石 かせき が組 く み立 た てられたスーの近 ちか くで小型 こがた 個体 こたい の断片 だんぺん 化石 かせき が発見 はっけん されているほか、モンタナ州 しゅう ツーメディスン累 るい 層 そう のボーンベッドには、数 すう 頭 とう のハドロサウルス科 か の傍 はた に少 すく なくとも3つのダスプレトサウルスの標本 ひょうほん が保存 ほぞん されていた[55] 。これらの発見 はっけん は、一時 いちじ 的 てき あるいは異様 いよう な集合 しゅうごう 時 じ の化石 かせき である可能 かのう 性 せい が否定 ひてい できないものもあるが、アルバートサウルスの社会 しゃかい 的 てき 行動 こうどう の証拠 しょうこ と結 むす びつけられる可能 かのう 性 せい がある[12] 。社会 しゃかい 的 てき 集団 しゅうだん ではなく、コモドオオトカゲ のように死体 したい の周 まわ りに群 むら がり、激 はげ しく争 あらそ って殺 ころ し合 あ いや共食 ともぐ いに発展 はってん したと推測 すいそく する研究 けんきゅう 者 しゃ もいる[48] 。
また、アルバートサウルスは群 む れで狩 か りを行 おこな っていたとカリーは推論 すいろん している。小型 こがた 個体 こたい の脚 あし のプロポーションはおそらく最速 さいそく の恐竜 きょうりゅう の一 ひと つであるオルニトミムス科 か に匹敵 ひってき する。若 わか いアルバートサウルスは同 どう 程度 ていど に俊足 しゅんそく 、あるいは少 すく なくとも獲物 えもの よりも速 はや かったとみられている。獲物 えもの を強力 きょうりょく だが動作 どうさ の襲 おそ い成体 せいたい の方 ほう へ群 む れの若 わか いメンバーが追 お い込 こ んでいた、とカリーは仮説 かせつ を立 た てた[12] 。また、幼体 ようたい は成体 せいたい と異 こと なる生活 せいかつ スタイルを送 おく っており、アルバートサウルスよりも体重 たいじゅう が2桁 けた 軽 かる いような同 どう 時代 じだい の小型 こがた 獣 じゅう 脚 あし 類 るい の捕食 ほしょく 者 しゃ と巨大 きょだい な成体 せいたい との間 あいだ の生態 せいたい 的 てき 地位 ちい を埋 う めていた[7] 。同様 どうよう の状況 じょうきょう は現代 げんだい のコモドオオトカゲ でも確認 かくにん できる。彼 かれ らは彼 かれ らは木 き を這 は って虫 むし を捕食 ほしょく するところから始 はじ まって、島 しま の支配 しはい 的 てき な捕食 ほしょく 動物 どうぶつ へ成長 せいちょう する[56] 。しかし、行動 こうどう が化石 かせき 記録 きろく に保存 ほぞん されることは極 きわ めて稀 まれ であり、このアイディアは容易 ようい に確 たし かめられなかった。2010年 ねん には、いまだ群 む れで狩 か りをしていた説 せつ をカリーは支持 しじ していたが、洪水 こうずい でゆっくり水位 すいい が上昇 じょうしょう したなどの他 ほか の要因 よういん で化石 かせき が集中 しゅうちゅう した可能 かのう 性 せい があると認 みと めた[57] 。
古 こ 病理 びょうり 学 がく
トリコモナス症 しょう 型 かた の病変 びょうへん を起 お こしたティラノサウルス科 か の顎 あご の骨 ほね 。Dがアルバートサウルス
アルバートサウルスなどティラノサウルス科 か 恐竜 きょうりゅう の顎 あご 化石 かせき に見 み られる滑 なめ らかな縁 えん の穴 あな は、現代 げんだい の鳥 とり にも感染 かんせん するトリコモナス のような寄生虫 きせいちゅう により生 しょう じたものである、と研究 けんきゅう 者 しゃ が2009年 ねん に仮説 かせつ を立 た てた[58] 。彼 かれ らは、ティラノサウルス科 か 恐竜 きょうりゅう が互 たが いに噛 か み合 あ って感染 かんせん 症 しょう を伝播 でんぱ し、感染 かんせん により摂食 せっしょく 能力 のうりょく が低下 ていか したと提唱 ていしょう した[58] 。
2001年 ねん にブルース・ロスチャイルドらは獣 しし 脚 あし 類 るい の疲労 ひろう 骨折 こっせつ と腱 けん 断 だん 裂 きれ の証拠 しょうこ を調 しら べる研究 けんきゅう を発表 はっぴょう した。319本 ほん のアルバートサウルスの骨 ほね のうち疲労 ひろう 骨折 こっせつ が確認 かくにん できたものは1本 ほん のみで、手 て の骨 ほね には見 み られなかった。また、研究 けんきゅう 者 しゃ はアルバートサウルスの疲労 ひろう 骨折 こっせつ はカルノサウルス類 るい のアロサウルス よりも非常 ひじょう に少 すく ないとした[59] 。A. arctunguis のホロタイプ ROM 807 は現在 げんざい A. sarcophagus に割 わ り当 あ てられており、これには腸 ちょう 骨 こつ に2.5×3.5センチメートルの深 ふか い穴 あな があったが、本 ほん 種 しゅ の記載 きさい 者 しゃ はこれを病変 びょうへん と判断 はんだん しなかった。また、標本 ひょうほん には外骨 がいこつ 腫 しゅ が左 ひだり 第 だい 4中 ちゅう 足 あし 骨 こつ に複数 ふくすう 存在 そんざい した。1970年 ねん には Albertosaurus sarcophagus の標本 ひょうほん 5つのうち2つに病理 びょうり 的 てき 損傷 そんしょう が見 み られるとデイル・ラッセルが報告 ほうこく した[60] 。
2010年 ねん にドライ・アイランドのアルバートサウルスの群 む れの健康 けんこう 状態 じょうたい が報告 ほうこく された。大半 たいはん の標本 ひょうほん に病気 びょうき の兆候 ちょうこう はなかったが、3本 ほん の趾骨に腱 けん の異常 いじょう な骨 ほね 化 か で構成 こうせい される奇妙 きみょう な骨 ほね の突起 とっき 、すなわち靭帯 じんたい 付着 ふちゃく 部 ぶ 増殖 ぞうしょく 体 たい (英語 えいご 版 ばん ) が存在 そんざい し、その原因 げんいん は不明 ふめい とされた。2本 ほん の肋骨 あばらぼね と腹 はら 肋骨 あばらぼね には破損 はそん と治癒 ちゆ の兆候 ちょうこう が見 み られた。ある成体 せいたい の標本 ひょうほん は左 ひだり の下 しも 顎 あご に刺 とげ 創 そう があり、治癒 ちゆ 済 ず みの噛 か み跡 あと と未 み 治癒 ちゆ の噛 か み跡 あと の両方 りょうほう が確認 かくにん できた。2007年 ねん に調査 ちょうさ されたマジュンガサウルス の群 む れの健康 けんこう 状態 じょうたい と比較 ひかく して、病変 びょうへん を示 しめ す個体 こたい は19%と少 すく ないことが明 あき らかになった[61] 。
古 こ 生態 せいたい 学 がく
アルバータ州 しゅう ホースシューキャニオン (英語 えいご 版 ばん ) のタイプ産地 さんち に露出 ろしゅつ したホースシューキャニオン累 るい 層 そう
Albertosaurus sarcophagus の大半 たいはん の化石 かせき はアルバータ州 しゅう の上部 じょうぶ ホースシューキャニオン累 るい 層 そう から産出 さんしゅつ しており、これらの新 あたら しい地層 ちそう のユニットは7000万 まん 年 ねん 前 まえ から6800万 まん 年 ねん 前 まえ の後期 こうき 白 はく 亜紀 あき 末期 まっき にあたるマーストリヒチアン に属 ぞく する。この層 そう の直下 ちょっか には西部 せいぶ 内陸 ないりく 海路 かいろ を代表 だいひょう する海 うみ 成層 せいそう であるベアパウ頁岩 けつがん (英語 えいご 版 ばん ) が横 よこ たわる。西部 せいぶ 内陸 ないりく 海路 かいろ は白 はく 亜紀 あき 末 まつ に向 む けて気候 きこう が寒冷 かんれい 化 か するとともに海 うみ 退 すさ が起 お こり、かつて海中 かいちゅう であった陸地 りくち が露出 ろしゅつ することとなった。ただしこの過程 かてい はスムーズに進 すす んだわけではなく、完全 かんぜん な海 うみ 退 すさ が起 お こるまでに海路 かいろ は海面 かいめん 上昇 じょうしょう を起 お こして周期 しゅうき 的 てき にホースシューキャニオンの一部 いちぶ 領域 りょういき を覆 おお っていた。海水 かいすい 面 めん 変動 へんどう のため、ホースシューキャニオン累 るい 層 そう の環境 かんきょう は目 め まぐるしく変化 へんか し、沖合 おきあい や沿岸 えんがん の海洋 かいよう 生息 せいそく 域 いき 、ラグーン 、河口 かこう 、干潟 ひかた などが出現 しゅつげん した。また、無数 むすう の炭層 たんそう の存在 そんざい から、当時 とうじ 炭田 たんでん 湿地 しっち が存在 そんざい したことが示唆 しさ されている。同 おな じ層 そう から産出 さんしゅつ する他 ほか の大半 たいはん の脊椎動物 せきついどうぶつ 化石 かせき と同様 どうよう に、アルバートサウルスの化石 かせき はホースシューキャニオンの後半 こうはん の時代 じだい に三角州 さんかくす と氾濫 はんらん 原 ばら に堆積 たいせき したと判明 はんめい している[62] 。
恐竜 きょうりゅう を含 ふく む脊椎動物 せきついどうぶつ 化石 かせき が極 きわ めて一般 いっぱん に産出 さんしゅつ するため、ホースシューキャニオン累 るい 層 そう の動物 どうぶつ 相 しょう は研究 けんきゅう が進 すす んでいる。サメ 、エイ 、チョウザメ 、アミア・カルヴァ 、ガー 、ガーに似 に たアスピドリンクス (英語 えいご 版 ばん ) が魚類 ぎょるい 相 しょう を形成 けいせい した。哺乳類 ほにゅうるい には多 た 丘 おか 歯 は 目 め や有 ゆう 袋 ぶくろ 類 るい のディデルフォドン (英語 えいご 版 ばん ) がいた。首長 しゅちょう 竜 りゅう のレウロスポンディルス (英語 えいご 版 ばん ) がホースシューキャニオンの海洋 かいよう 堆積 たいせき 物 ぶつ から発見 はっけん されている一方 いっぽう 、淡水 たんすい 環境 かんきょう にはカメ やチャンプソサウルス 、レイディオスクス やスタンゲロチャンプサ といったワニ が生息 せいそく していた。恐竜 きょうりゅう は動物 どうぶつ 相 しょう を支配 しはい し、特 とく にエドモントサウルス やサウロロフス 、ヒパクロサウルス といったハドロサウルス科 か 恐竜 きょうりゅう は全 すべ ての恐竜 きょうりゅう の半分 はんぶん を占 し めた。角 すみ 竜 りゅう とオルニトミムス科 か もまた非常 ひじょう にありふれており、合計 ごうけい で動物 どうぶつ 相 しょう の三 さん 分 ぶん の一 いち を占 し めた。アンキロサウルス科 か やパキケファロサウルス科 か はこれらと比較 ひかく すれば希少 きしょう であり、これらの動物 どうぶつ は全 すべ てトロオドン科 か 、ドロマエオサウルス科 か 、カエナグナトゥス科 か (英語 えいご 版 ばん ) を含 ふく む多様 たよう な肉食 にくしょく 性 せい 獣 じゅう 脚 あし 類 るい の餌食 えじき になっていたと考 かんが えられている[62] [63] 。ドライ・アイランドのボーンベッドにはアルバートサウルスの化石 かせき とともに小 ちい さなアルバートニクス の骨 ほね が発見 はっけん されている[64] 。成体 せいたい のアルバートサウルスはこの環境 かんきょう における頂点 ちょうてん 捕食 ほしょく 者 しゃ で、小型 こがた 獣 じゅう 脚 あし 類 るい との中 なか 間 あいだ 的 てき な生態 せいたい 的 てき 地位 ちい はおそらくアルバートサウルスの幼体 ようたい が占 し めていた[62] 。
論文 ろんぶん
記載 きさい 論文 ろんぶん
脚注 きゃくちゅう
注釈 ちゅうしゃく
^ ある種 しゅ の属 ぞく を移動 いどう し、種 たね 小名 しょうみょう と移動 いどう 後 ご の属 ぞく 名 めい を組 く み合 あ わせて作 つく られた、新 あら たな学名 がくめい (種 たね 名 めい )
出典 しゅってん
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色 いろ 付 つ きの陸地 りくち のうち、西 にし にあるのがララミディア、北 きた にあるのがフランクリニア、南 みなみ にあるのがアパラチア。
関連 かんれん 項目 こうもく
(1) 西部 せいぶ 内陸 ないりく 海路 かいろ (ナイオブララ海 かい )消滅 しょうめつ 以前 いぜん - ララミディア大陸 たいりく (アラスカ を含 ふく む現在 げんざい の北 きた アメリカ大陸 あめりかたいりく 西部 せいぶ 地域 ちいき の前身 ぜんしん )。
(2) 西部 せいぶ 内陸 ないりく 海路 かいろ が閉 と じてゆく時代 じだい - 北 きた アメリカ大陸 あめりかたいりく 。約 やく 4000万 まん 年 ねん ぶりに陸続 りくつづ きになっていった旧 きゅう ララミディア大陸 たいりく (現 げん ・北 きた アメリカ大陸 あめりかたいりく 西部 せいぶ 地域 ちいき )・旧 きゅう アパラチア大陸 たいりく (現 げん ・北 きた アメリカ大陸 あめりかたいりく 南東 なんとう 部 ぶ 地域 ちいき )・旧 きゅう フランクリニア大陸 たいりく [Franklinia. 現 げん ・北 きた アメリカ大陸 あめりかたいりく 北部 ほくぶ 地域 ちいき )。
外部 がいぶ リンク