(Translated by https://www.hiragana.jp/)
詩 - Wikipedia コンテンツにスキップ

この記事は良質な記事に選ばれています
出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
詩集ししゅうから転送てんそう
中国ちゅうごくそう王朝おうちょうこうはじめ(1107-1187)による七言しちごん絶句ぜっく絹張きぬばりのおうぎくさ書体しょたいしるされている。
アルチュール・ランボーすわんだ奴等やつら』の草稿そうこう
むかし

(し、うた、えい: poetry, poem; ふつ: poésie, poème; どく: Gedicht)は、言語げんご表面ひょうめんてき意味いみだけではなく美学びがくてき喚起かんきてき性質せいしつもちいて表現ひょうげんされる文学ぶんがくいち形式けいしきである。おおくの地域ちいき非常ひじょうふる起源きげんつ。おおくは韻文いんぶん一定いってい形式けいしきとリズムをつが、例外れいがいもある。一定いってい形式けいしき凝縮ぎょうしゅくして言葉ことばおさめ、また効果こうかてき感動かんどう叙情じょじょう・ビジョンなどをあらわすための表現ひょうげんじょう工夫くふう修辞しゅうじ技法ぎほう)がおおられる。独立どくりつしたものとしてかれる場合ばあいも、詩劇しげき聖歌せいか歌詞かし散文詩さんぶんしなどにられるように芸術げいじゅつ表現ひょうげんむすいたかたちかれる場合ばあいもある。

英語えいごpoetrypoemフランス語ふらんすごpoésiepoèmeなどのかたりは、「つくること」を意味いみするギリシアποίησις (poiesis)に由来ゆらいし、技術ぎじゅつもっつくされた言葉ことば意味いみした[1]漢字かんじの「」はおもいや記憶きおく言葉ことばにしたもので、とく西にしあまねのころの古代こだい中国ちゅうごく歌謡かよう編纂へんさんした詩編しへんした(のちに『詩経しきょう』としょうされる。漢詩かんし参照さんしょう[2]日本にっぽんでは明治めいじになるまでは「」といえば漢詩かんしし、「うた」は日本にっぽん古来こらい歌謡かようからはっしたものをした。文学ぶんがくいち形式けいしきとして「」のかたり使つかうようになったのは、西洋せいよう文学ぶんがく影響えいきょうからつくられた『新体詩しんたいししょう』などを起源きげんとする[3]

印刷いんさつ技術ぎじゅつ普及ふきゅうしたのちおおくは活字かつじ提供ていきょうされ「まれる」ようになった[注釈ちゅうしゃく 1]が、文字もじ発明はつめい以前いぜんから存在そんざいしたともわれ[4]韻文いんぶん朗唱ろうしょう、あるいはふしけてうたうことが普通ふつうであった。漢詩かんしふしけてえいじるものは詩吟しぎんう。幕末ばくまつ以降いこう日本にっぽんでは一時期いちじき流行りゅうこうし、剣舞けんぶともなこともあった。現代げんだいでは、朗読ろうどくすることをとくポエトリー・リーディングぶことがある。作者さくしゃ本人ほんにんによる朗読ろうどくかいや、音楽おんがく演奏えんそうとコラボレーションをおこなうなどのこころみもある。

概説がいせつ

およびめぐ議論ぎろんにはなが歴史れきしがある。アリストテレスの『詩学しがく』のような定義ていぎする初期しょきこころみでは、修辞しゅうじ演劇えんげきうた喜劇きげきなどにおける話法わほうもちかた焦点しょうてんわせていた[5]後世こうせいこころみでは、反復はんぷく詩型しけいいんといった要素ようそ重点じゅうてんかれ、散文さんぶんから区別くべつする美学びがく強調きょうちょうされた[6]20世紀せいき中葉ちゅうよう以降いこうでは、はよりゆるやかに言語げんごもちいた根源こんげんてき創造そうぞう活動かつどうとして定義ていぎされることもある[7]

では特有とくゆう形式けいしきまりごともちいることで言葉ことばべつ意味いみたせたり感情かんじょうてき官能かんのうてき反応はんのうこしたりすることがおおい。るいいん頭韻とういんオノマトペ韻律いんりつといった道具どうぐ音楽おんがくてきもしくは呪術じゅじゅつてき効果こうかすためにもちいられる場合ばあいもある。両義りょうぎせい象徴しょうちょうイロニーやその詩語しごによる文体ぶんたいてき要素ようそはしばしば詩作しさくひん複数ふくすう解釈かいしゃく可能かのうにする。

同様どうように、隠喩いんゆ直喩ちょくゆ換喩かんゆ[8]それがなければまった別々べつべつであったイメージを共鳴きょうめいさせ、意味いみ重層じゅうそうさせ、それまで知覚ちかくされなかったつながりを形成けいせいする。同種どうしゅ共鳴きょうめい韻律いんりつ脚韻きゃくいんのパターンによって個々ここぎょうあいだにも存在そんざいる。

しょ形式けいしきなかには詩人しじん言語げんご特徴とくちょう呼応こおうした特定とくてい文化ぶんかジャンル固有こゆうのものもある。ダンテゲーテミツキェヴィチルーミーのような詩人しじんをイメージすることにれた読者どくしゃは、いんんだぎょう規則きそくてき韻律いんりつかれたものとかんがえるかもしれないが[注釈ちゅうしゃく 2]聖書せいしょのようにリズムと音調おんちょうるためにべつのアプローチを伝統でんとうもある。現代げんだいおおくは伝統でんとうたいしてある程度ていど批評ひひょうてきであり[9]音調おんちょう原則げんそくそのもの(やそののもの)とじゃれ、ためし、場合ばあいによってはえていんまなかったり韻律いんりつさだめなかったりもする[10] [11][注釈ちゅうしゃく 3]今日きょうグローバルした世界せかいでは、詩人しじんたちはしばしば様式ようしき技法ぎほう形式けいしきなどをさまざまな文化ぶんか言語げんごから借用しゃくようしている。

ちから効果こうか様式ようしき技法ぎほう形式けいしきだけによるものではない。偉大いだいは、まさにその言葉ことばによって聴衆ちょうしゅう読者どくしゃ思考しこう力強ちからづよ感情かんじょうこすことでからきんる。たとえばハンガリーのヨージェフ・アティッラのような詩人しじんたちは、センテンスに結合けつごうされた言葉ことばによって言葉ことば自体じたい意味いみ総和そうわよりもおおきな意味いみ到達とうたつする非凡ひぼんいている。そうした言葉ことばなかには日常にちじょう会話かいわ使つかわれることわざになったものもある。時代じだい文化ぶんかわれば言葉ことば意味いみ変化へんかするので、当初とうしょちからあじわうのはむずかしい。

歴史れきし

か
アッカドかれたギルガメシュ叙事詩じょじしの「だい洪水こうずい」の石板せきばん(BC2千年紀せんねんきごろ)

芸術げいじゅついち形式けいしきとしての文字もじよりもさき存在そんざいしたともかんがえられる[注釈ちゅうしゃく 4]古代こだいインドの『ヴェーダ』(紀元前きげんぜん1700-1200ねん)やザラスシュトラの『ガーサー』(紀元前きげんぜん1200-900ねん)から『オデュッセイア』(紀元前きげんぜん800-675ねん)にいた古代こだい作品さくひんおおくは、前史ぜんし時代じだい古代こだい社会しゃかいにおいて記憶きおく口頭こうとうによる伝達でんたつ補助ほじょするためにかたちつくられたものとおもわれる[4]文字もじ文明ぶんめい大半たいはんにおいて最初さいしょ記録きろくなか出現しゅつげんしており、初期しょきモノリスルーン石碑せきひ石碑せきひなどから断片だんぺん発見はっけんされている。

ヴァルミキ。『ラーマーヤナ』の作者さくしゃとされる

現存げんそんする最古さいこ紀元前きげんぜんさん千年紀せんねんきシュメールメソポタミアげんイラク)の『ギルガメシュ叙事詩じょじし』であり、粘土ねんどばんにはパピルス楔形文字くさびがたもじかれていた[12]。その古代こだい叙事詩じょじしにはギリシアの『イーリアス』と『オデュッセイア』、アヴェスターの『ガーサー』と『ヤスナ』、古代こだいローマ民族みんぞく叙事詩じょじしウェルギリウスの『アエネーイス』、インドの『ラーマーヤナ』と『マハーバーラタ』などがある。

として成立せいりつさせている形式けいしきじょう特徴とくちょうなにか、わるとのかれなにかを決定けっていしようという古代こだい思索しさくたちの努力どりょくは「詩学しがく」――美学びがくてき研究けんきゅうした。古代こだい社会しゃかいなかには、中国ちゅうごく儒教じゅきょう五経ごきょうの1つである『詩経しきょう』にられるように審美しんびてきのみならず儀式ぎしきてきにも重要じゅうよう詩的してき作品さくひん規範きはん発達はったつさせたものもあった。近年きんねんでも、思索しさくたちはチョーサーの『カンタベリー物語ものがたり』から松尾まつお芭蕉ばしょうの『おくのほそみち』までの形式けいしきじょう差異さいや、タナハ宗教しゅうきょうからロマンチック・ラブラップいたるまでのコンテクストうえ差異さい包括ほうかつできる定義ていぎもとめて苦闘くとうしている[13]

コンテクストは詩学しがくにとって、またジャンル形式けいしき発達はったつにとって決定的けっていてき重要じゅうようである。『ギルガメシュ叙事詩じょじし』やフェルドウスィーの『シャー・ナーメ[14]のような歴史れきしてき出来事できごと叙事詩じょじしとして記録きろくした必然ひつぜんてきなが物語ものがたりてきになる一方いっぽうで、典礼てんれいのためにもちいられる聖歌せいか詩篇しへんスーラハディース)は霊感れいかんあたえるような調子ちょうしち、またエレジー悲劇ひげきふか感情かんじょうてき反応はんのうこすことを意図いとされる。そののコンテクストとしてはグレゴリオ聖歌せいか公的こうてき外交がいこうてき演説えんぜつ[注釈ちゅうしゃく 5]政治せいじてきレトリックや毒舌どくぜつ[注釈ちゅうしゃく 6]屈託くったくのない童謡どうようやナンセンス、さらには医学いがくテクストなどもある[注釈ちゅうしゃく 7]

ポーランドの美学びがく史家しかヴワディスワフ・タタルキェヴィチ (en:Władysław Tatarkiewicz) は論文ろんぶん概念がいねん」において、事実じじつじょうの2つの概念がいねん」であるところのものの進化しんか追跡ついせきしている。タタルキェヴィチは「」という言葉ことばが2つの別個べっこなものに適用てきようされており、この両者りょうしゃは、詩人しじんポール・ヴァレリー観察かんさつしたように、「ある地点ちてん結合けつごうする。は……言語げんごもとづく芸術げいじゅつである。しかしにはまたよりひろ意味いみもあり……それは明確めいかくなものではないので定義ていぎ困難こんなんである。はあるしゅの『精神せいしん状態じょうたい』を表現ひょうげんする」[15]のだと指摘してきしている。

西洋せいよう伝統でんとう

アリストテレス

古代こだい思索しさくたちは定義ていぎしそのしつ評価ひょうかする手段しゅだんとして分類ぶんるいもちいた。とりわけ、アリストテレス詩学しがく』の現存げんそんする断片だんぺんの3つのジャンル――叙事詩じょじし喜劇きげき悲劇ひげき――を記述きじゅつし、それぞれのジャンルでその基礎きそとなる目的もくてきもとづき最高さいこう品位ひんい見分みわけるための規則きそく展開てんかいしている[16]後世こうせい美学びがくしゃたちは喜劇きげき悲劇ひげき劇詩げきし下位かいジャンルとしてあつかい、叙事詩じょじし抒情詩じょじょうし劇詩げきしを3だいジャンルとした。

ジョン・キーツ

アリストテレスの仕事しごとルネサンスのヨーロッパのみならず、イスラム黄金おうごん時代じだい中東ちゅうとう全域ぜんいき[注釈ちゅうしゃく 8]にも影響えいきょうおよぼした[17]詩人しじん美学びがくしゃたちはしばしば散文さんぶん区別くべつし、散文さんぶんとは反対はんたいのものであるとして定義ていぎした。散文さんぶんおおむね、論理ろんりてき説明せつめいへの傾向けいこう線形せんけいてき物語ものがたり構造こうぞう著作ちょさくとして理解りかいされていた[注釈ちゅうしゃく 9]

これは論理ろんりてきであったり物語ものがたりたなかったりすることを意味いみするのではなく、むしろとは論理ろんりてきもしくは物語ものがたりてき思考しこう過程かてい忙殺ぼうさつされることなく崇高すうこう表現ひょうげんするこころみなのである。イギリスのロマン主義しゅぎ詩人しじんジョン・キーツはこの論理ろんりからの脱出だっしゅつネガティブ・ケイパビリティen:Negative Capability、「消極しょうきょくてき能力のうりょく」)とんだ[18][注釈ちゅうしゃく 10]形式けいしき抽象ちゅうしょうてきなものであり意味いみじょう論理ろんりとは別個べっこなものであるので、この「ロマン主義しゅぎてき」なアプローチは形式けいしき成功せいこうかぎとなる要素ようそていた。このアプローチは20世紀せいきいたるまで影響えいきょうのこした。

この時期じきにはまた、ヨーロッパの植民しょくみん主義しゅぎ拡大かくだいとそれにともな世界せかいてき交易こうえき増大ぞうだいのためもあり、さまざまな伝統でんとうがさらに相互そうご影響えいきょうあたった。翻訳ほんやくのブームにくわえ、ロマン主義しゅぎ時期じきにはすうおおくの古代こだい作品さくひんさい発見はっけんされた。

20世紀せいき論争ろんそう

アーチボルド・マクリーシュ

20世紀せいき文学ぶんがく理論りろんには、散文さんぶんとの対比たいひにはあまり重点じゅうてんかず、単純たんじゅん言語げんごもちいて創造そうぞうするものとしての詩人しじんと、詩人しじん創造そうぞうするものとしての焦点しょうてんわせるものもあった。創造そうぞうしゃとしての詩人しじんという基礎きそてき概念がいねんめずらしいものではなく、現代げんだい詩人しじんなかには言葉ことばによる創造そうぞう大工だいく仕事しごとのようなほか媒体ばいたいによる創造そうぞう活動かつどうとのあいだ本質ほんしつてき区別くべつかないものもいる[19]。さらには定義ていぎしようというこころ自体じたい見当けんとうちがいであるとして異議いぎとなえるものもあり、アーチボルド・マクリーシュ自身じしん逆説ぎゃくせつてき詩論しろん』(en:Ars Poetica) をこうむすんでいる:「意味いみしてはならない/存在そんざいするのだ。」[注釈ちゅうしゃく 11]

定義ていぎ文学ぶんがくジャンルとの区別くべつめぐ論争ろんそう形式けいしき役割やくわりめぐ議論ぎろん表裏一体ひょうりいったいである。20世紀せいき前半ぜんはんはじまった伝統でんとうてき形式けいしき構造こうぞう拒絶きょぜつは、伝統でんとうてき定義ていぎ散文さんぶん区別くべつとく散文詩さんぶんし詩的してき散文さんぶんのようなれい)の目的もくてき意味いみ疑問ぎもん同時どうじ進行しんこうした。かずおおくの現代げんだい詩人しじんは、伝統でんとうてきでない形式けいしきや、伝統でんとうてきには散文さんぶん做されるような形式けいしきもちいていたが、その作品さくひんにはがいして詩語しごや、韻律いんりつによらない手段しゅだん確立かくりつされたリズムやトーンがんでいた[20]現代げんだいなかにも構造こうぞう衰退すいたいたいする形式けいしき主義しゅぎてき反動はんどうがあったが、こうしたうごきではふる形式けいしき構造こうぞう再生さいせいだけでなく、あたらしい形式けいしき構造こうぞう統合とうごう開拓かいたくにも焦点しょうてんてられていた[21]

さらに最近さいきんでは、ポストモダニズムはマクリーシュのコンセプトを全面ぜんめんてきれ、散文さんぶんとの境界きょうかいや、さらにはしょジャンルあいだ境界きょうかいにも文化ぶんかてき遺物いぶつとしての意味いみしかないと做すようになっている。ポストモダニズムはモダニズムにおける詩人しじん創造そうぞうてき役割やくわり強調きょうちょうからさらにすすみ、テクストの読者どくしゃ役割やくわり強調きょうちょう解釈かいしゃくがく)し、まれるところの複雑ふくざつ文化ぶんかてきあみひかりてた[22]今日きょうでは、世界中せかいじゅうで、文化ぶんか過去かこから形式けいしき詩語しごれており、かつてはたとえば西洋せいよう古典こてん体系たいけいのような1つの伝統でんとうなかではかなっていた定義ていぎ分類ぶんるいこころみにさらなる混乱こんらんこしている。

要素ようそ

韻律いんりつろん

韻律いんりつろん (en:Prosody) はのメーター、リズム、イントネーション研究けんきゅうである。リズムとメーターは密接みっせつ関係かんけいうものであり、日本語にほんごではどちらも「韻律いんりつ」とやくされることがあるが、べつ概念がいねんである[23]。メーターは韻文いんぶん確立かくりつされたパターン(たとえばじゃくきょうかくなど)であるのにたいし、リズムはぎょうから実際じっさい結果けっかとしてられたおとである。したがって、ぎょうのメーターは「イアンボス強弱きょうじゃくかく)」であるといったように記述きじゅつされうるが、言語げんごがどこで休止きゅうしまたは加速かそくこすか、いかにメーターが言語げんごほか要素ようそ相互そうご作用さようするかといったリズムの完全かんぜん記述きじゅつにはこれといった規定きていはない。韻律いんりつろんはまたより特定とくていてきに、メーターをしめすためにぎょう解析かいせきすることを場合ばあいもある。

リズム

ロビンソン・ジェファーズ

詩的してきリズムをつくすのにもちいられる方法ほうほう言語げんご伝統でんとうによってさまざまである。言語げんごは、どのようにしてリズムが確立かくりつされるかによって、アクセントつよいきおいアクセント)、音節おんせつモーラのいずれかにおもによるタイミング (en:isochrony) のセットをつとしてしばしば記述きじゅつされるが、それ以外いがいにも複数ふくすう方面ほうめんからの影響えいきょうける[24]日本語にほんごはモーラ・タイミングの言語げんごである。音節おんせつタイミングの言語げんごにはラテン語らてんごカタルーニャフランス語ふらんすごレオンガリシアスペインなどがある。英語えいごロシアはアクセント・タイミングの言語げんごである。ドイツおおむねアクセント・タイミングにふくまれる。さまざまなイントネーションもリズムがどう感受かんじゅされるかに影響えいきょうする。また高低こうていアクセント(ヴェーダ古代こだいギリシアなど)や声調せいちょうなどに依存いぞんする場合ばあいもある。声調せいちょう言語げんごには中国ちゅうごくベトナムリトアニア、およびニジェール・コンゴ語族ごぞく大半たいはん言語げんごふくまれる[25]

メーターによるリズムは一般いっぱんてきに、各行かくこうなかつよぜい音節おんせつ韻脚いんきゃくばれるパターンの反復はんぷく正確せいかく配置はいちすることを意味いみする。近代きんだいえいではつよぜいのパターンがおも韻脚いんきゃくちがいをけるので、メーターによるリズムはもっぱつよいきおいきょうぜい音節おんせつ単独たんどく、またはエリジオンして)のパターンによって確立かくりつされる。一方いっぽう古典こてんでは、メーターの単位たんい同様どうようであるが、つよぜいよりもむしろ母音ぼいん長短ちょうたんがメーターを定義ていぎしていた。英語えいごは、各行かくこう音節おんせつすう不定ふていであるがつよぜいかず一定いっていというメーターのパターンをもちいていた[26]

詩篇しへんうちおおくもふく古代こだいヘブライ聖書せいしょでの主要しゅよう道具どうぐは、連続れんぞくするぎょう文法ぶんぽう構造こうぞう音声おんせい構造こうぞう概念的がいねんてき内容ないよう、もしくはそのすべてにおいてたがいを反映はんえい修辞しゅうじ構造こうぞうであるパラレリズムであった。パラレリズムはアンティフォナコールアンドレスポンスといった実演じつえんてきしており、イントネーションによってさらに強化きょうかされうるものであった。したがって、聖書せいしょはメーターによる韻脚いんきゃくにはあまりたよらず、こう・フレーズ・センテンスといったよりおおきなおと単位たんいもとづいてリズムをつくしていた。古典こてんてき形式けいしきなかには、タミルヴェンパ(ヴェン調ちょうen:Venpa)のように、(文脈ぶんみゃく自由じゆう文法ぶんぽうとしてあらわせるほどまでに)厳密げんみつ文法ぶんぽうちそれがリズムを確保かくほしていたものもあった[27]漢詩かんしでは、つよぜいならんで声調せいちょうがリズムをつくす。中国ちゅうごく古典こてん四声しせい区別くべつしていた。平声ひょうしょう上声じょうせい去声きょしょう入声にっしょうである。分類ぶんるいほうでは中国ちゅうごく最大さいだい8つ、ベトナムで6つのこえがあることもある。

近代きんだい西洋せいようでリズムをつくすのに使つかわれる正式せいしきなメーターのパターンは、現代げんだいでは最早もはや支配しはいてきなものではない。自由じゆう場合ばあい、リズムはしばしば規則きそくてきなメーターよりもよりゆるやかなケイデンスの単位たんいもとづいて構成こうせいされる。ロビンソン・ジェファーズマリアン・ムーアウィリアム・カルロス・ウィリアムズえい規則きそくてきつよいきおいメーターが不可欠ふかけつだというかんがかた拒絶きょぜつした代表だいひょうてき詩人しじんである[28]。ジェファーズはつよぜいによるリズムにわる選択肢せんたくしとしてスプラング・リズム実験じっけんした[29]

メーター

西洋せいよう伝統でんとうでは、メーター特徴とくちょうとなる韻脚いんきゃくと、くだりあたりのあしすうによって分類ぶんるいされるのが通例つうれいである。「じゃくきょうかく」は1ぎょうにつき5つの韻脚いんきゃくからり、支配しはいてき韻脚いんきゃくは「イアンボス」(じゃくきょうかく短長たんちょうかく)である。このメーター方式ほうしき古代こだいギリシア起源きげんち、ピンダロスサッポーといった詩人しじんたちやアテネ偉大いだい悲劇ひげき作家さっかたちに使つかわれた。同様どうように、「強弱きょうじゃくじゃくろくかく」(長短ちょうたんたんろくかく)は1ぎょうにつき6つの韻脚いんきゃくからり、支配しはいてき韻脚いんきゃくは「ダクテュロス」(長短ちょうたんたんかく強弱きょうじゃくじゃくかく)である。長短ちょうたんたんろくかくはギリシア叙事詩じょじし伝統でんとうてきなメーターであり、ホメロスヘーシオドス作品さくひん現存げんそんする最古さいこれいである。後世こうせいでは、じゃくきょうかくウィリアム・シェイクスピア強弱きょうじゃくじゃくろくかくヘンリー・ワズワース・ロングフェローによってもちいられている。

リラかなでるホメロスフィリップ=ローラン・ロランさく(1812)

メーターはしばしば韻脚いんきゃくぎょうへの配列はいれつもとづいて解析かいせきされる[30]英語えいごでは、各々おのおの韻脚いんきゃくにはつよぜい音節おんせつ1つとつよぜいたない1-2つの音節おんせつふくまれる。言語げんごでは、音節おんせつすう母音ぼいんながさのわせが韻脚いんきゃく解析かいせき方法ほうほう決定けっていする場合ばあいもある。この場合ばあいちょう母音ぼいんつ1つの音節おんせつたん母音ぼいんつ2つの音節おんせつ等価とうかとしてあつかわれる。たとえば、古代こだいギリシアでは、メーターはつよぜいではなく音節おんせつながさのみにもとづいていた。英語えいごなどの一部いちぶ言語げんごでは、つよぜいのある音節おんせつがいしてよりおおきなこえで、よりながく、よりたかいピッチで発音はつおんされ、のメーターの基盤きばんとなる。古代こだいギリシアでは、これらの属性ぞくせいはそれぞれ独立どくりつしたものであった。ちょう母音ぼいんと、母音ぼいんと2つ以上いじょう子音しいん音節おんせつ実際じっさいおよたん母音ぼいんの2ばいながさをっていたが、ピッチやつよいきおい(アクセントによって決定けっていされる)はながさには関係かんけいしておらず、メーターじょう役割やくわりっていなかった。したがって、長短ちょうたんたんろくかくぎょうは6つの小節しょうせつ音楽おんがくのフレーズのようにかんがえることができ、それぞれにはふん音符おんぷが1つとよんふん音符おんぷが2つ(1つのなが音節おんせつと2つのみじか音節おんせつ)もしくはふん音符おんぷが2つ(2つのなが音節おんせつふくまれていた。2つのみじか音節おんせつを1つのなが音節おんせつえてもおなながさの韻脚いんきゃくられるわけである。このようなえは、英語えいごなどのようなつよいきおい言語げんごでは、おなじリズムの規則きそくせいはもたらさない。アングロ・サクソンぞくの(頭韻とういんの)メーターでは、ぎょう構成こうせいする要素ようそ韻脚いんきゃくではなく2つのつよぜいふくはんぎょうであった[31]。メーターの解析かいせきはしばしば韻文いんぶん根底こんていにある基礎きそてき根本こんぽんてきなパターンをあきらかにするが、つよいきおい、ピッチ、音節おんせつちょうなどのさまざまなちがいについてはあきらかにしない[32]

メーターの定義ていぎれいとして、英語えいごでのじゃくきょうかくでは、各行かくこうは5つの韻脚いんきゃくからり、かく韻脚いんきゃくイアンボスつよしぜいのない音節おんせつつよぜいのある音節おんせつつづく)である。個々ここくだり調しらべるさいには、メーターの基本きほんパターンのうえにバリエーションがある場合ばあいもある。たとえば、えいじゃくきょうかくでは最初さいしょ韻脚いんきゃく頻繁ひんぱん倒置とうちされており、つよぜい最初さいしょ音節おんせつている[33]もっともよく使つかわれる韻脚いんきゃく種類しゅるい一般いっぱんてき名称めいしょうは:

ヘンリー・ホリデーによるルイス・キャロルスナーク』のイラストレーションじゃくじゃくきょうよんかくかれている。 "In the midst of the word he was trying to say / In the midst of his laughter and glee / He had softly and suddenly vanished away / For the snark was a boojum, you see."
  • イアンボス(iamb, じゃくきょうかく短長たんちょうかく
  • トロカイオス (trochee, 強弱きょうじゃくかく長短ちょうたんかく
  • ダクテュロス (dactyl, 強弱きょうじゃくじゃくかく長短ちょうたんたんかく
  • アナパイストス (anapest, じゃくじゃくきょうかくたん短長たんちょうかく
  • スポンデイオス (spondee, 強強ごわごわかく長長ながながかく
  • ピュリキオス (pyrrhic, じゃくじゃくかくたんたんかく) - まれ通常つうじょう強弱きょうじゃくじゃくろくかく終端しゅうたんもちいられる。

ぎょうちゅう韻脚いんきゃくかずはギリシア用語ようごもちいてつぎのようにあらわされる:

  • かく (dimeter)
  • さんかく (trimeter)
  • よんかく (tetrameter)
  • かく (pentameter)
  • ろくかく (hexameter)
  • ななかく (heptameter)
  • はちかく (octameter)

これらのほか韻脚いんきゃくのタイプにも広範こうはん名前なまえ存在そんざいしており、コリアンブ(choriamb, 強弱きょうじゃくじゃくきょうかく長短ちょうたん短長たんちょうかく)のような4音節おんせつのものまで存在そんざいする。コリアンブは古代こだいギリシア・ローマの由来ゆらいしている。トルコやヴェーダなどのように、メーターの決定けっていつよぜいよりも(もしくはつよぜいくわえて)母音ぼいんながさやイントネーションもちいる言語げんごでも、長音ちょうおん短音たんおん一般いっぱんてきわせを記述きじゅつするイアンボスやダクテュロスと類似るいじした概念がいねん存在そんざいすることがおおい。

韻脚いんきゃくのそれぞれタイプには、それ単独たんどくで、もしくは韻脚いんきゃくとのわせによってあるしゅの「感覚かんかく」がともなう。たとえば、じゃくきょうかく英語えいごもっと自然しぜんなリズム形式けいしきであり、そうじて繊細せんさいだが安定あんていした韻文いんぶん形作かたちづく[34]他方たほう強弱きょうじゃくじゃくかくはほとんどあしすすむようなかんじをあたえる。『クリスマスのまえのばん』や『ドクター・スース』にられるように、じゃくじゃくきょうかく快活かいかつでコミックなかんじをつくしているとわれる[35]

メーターを記述きじゅつするじょうで、ことなった「韻脚いんきゃく」の多重たじゅうせいがどれほど有用ゆうようなものであるかについては議論ぎろんがある。たとえばロバート・ピンスキーは、ダクテュロス(長短ちょうたんたんかく)は古典こてんでは重要じゅうようであったが、英語えいごのダクテュロス(強弱きょうじゃくじゃくかく強弱きょうじゃくじゃくかくきわめて不規則ふきそくにしかもちいておらず、ピンスキーによれば英語えいごにとってより自然しぜんであるところのじゃくきょうかくじゃくじゃくきょうかくのパターンにもとづいたほうがより記述きじゅつできるとろんじている[36]実際じっさいのリズムは先述せんじゅつのような解析かいせきされたメーターよりもずっと複雑ふくざつなものであり、おおくの学者がくしゃがこの複雑ふくざつせい分析ぶんせきできる体系たいけい開拓かいたくしようと努力どりょくしてきた。ウラジーミル・ナボコフは、ぎょうにおけるつよしぜいきょうぜい音節おんせつ規則きそくてきなパターンにははな言葉ことば自然しぜんなピッチからまれるアクセントのべつのパターンがかさわされていると指摘してきし、アクセントのないつよぜいをアクセントのあるつよぜいから区別くべつするために "scud" という用語ようごもちいることを提言ていげんした[37]

メーターのパターン

シェイクスピアじゃくきょうかくやホメロスの長短ちょうたんたんろくかくからおおくの童謡どうようもちいられているじゃくじゃくきょうよんかくまで、ことなった伝統でんとうやジャンルではことなったメーターがもちいられる傾向けいこうにある。しかしながら、特定とくてい韻脚いんきゃくぎょう強調きょうちょうしたり単調たんちょう反復はんぷく回避かいひしたりするために、確立かくりつされたメーターから変化へんかさせることもまた一般いっぱんてきである。たとえば、韻脚いんきゃくないつよぜい倒置とうちされたり、カエスーラ休止きゅうし)が(ときとして韻脚いんきゃくつよしぜいわりに)かれたり、くだり最後さいご韻脚いんきゃくやわらげる目的もくてき女性じょせい行末ゆくすえかれたり強調きょうちょうきゅうとめつく目的もくてき強強ごわごわかくかれたりする。じゃくきょうかくのような一部いちぶのパターンはきわめて規則きそくてきになりやすい一方いっぽうで、強弱きょうじゃくじゃくろくかくのような一部いちぶのパターンはきわめて不規則ふきそくになりやすい。規則きそくせい言語げんごによってもはばがある。くわえて、ことなった言語げんごではしばしばことなったパターンが発達はったつし、たとえばロシアじゃくきょうよんかく大抵たいていメーターの補強ほきょうのためにアクセント使用しよう規則きそくせい反映はんえいするが、これは英語えいごではおこなわれないかおこなわれてもまれである[38]

アレクサンドル・プーシキン

一般いっぱんてきなメーターのパターンのれいを、それをもちいた代表だいひょうてき詩人しじん詩作しさくひんれいとも以下いかげる:

漢詩かんしにおける五言ごごん七言しちごん日本にっぽん五七調ごしちちょう七五調しちごちょうもここにくわえうるであろう。漢詩かんしには声調せいちょうに「平仄ひょうそく」とばれる規則きそくがある。

脚韻きゃくいん頭韻とういんるいいん

英語えいご叙事詩じょじしベーオウルフ』は頭韻とういんほうによりかれている。

脚韻きゃくいん頭韻とういんるいいん音韻おんいん音声おんせい反復はんぷくするパターンをつく方法ほうほうである。これらは独立どくりつした構造こうぞう要素ようそとして、リズムパターンを補強ほきょうするために、あるいはまた装飾そうしょくてき要素ようそとして使用しようされうる[注釈ちゅうしゃく 14]

押韻おういんとは、ぎょう末尾まつび脚韻きゃくいん)もしくはその予測よそく可能かのう位置いち中間ちゅうかんいん)に同一どういつ (hard-rhyme) もしくは類似るいじ (soft-rhyme) のおとくことである[44]言語げんごによって押韻おういん構造こうぞうゆたかさにはがある。たとえばイタリアゆたかな押韻おういん構造こうぞうち、長大ちょうだい少数しょうすう脚韻きゃくいんくみ持続じぞくさせることができる。このゆたかさは規則きそくてきかたち語尾ごびによるものである。英語えいご言語げんごから借用しゃくようされた不規則ふきそく語尾ごびおおいので押韻おういんにはあまりんでいない[45]押韻おういん構造こうぞうゆたかさはその言語げんごでどのような形式けいしき一般いっぱんてきもちいられるかを決定けっていするじょう重要じゅうよう役割やくわりにな[注釈ちゅうしゃく 15]

頭韻とういんるいいん初期しょきのゲルマン、ノルド英語えいご構成こうせいするじょう重要じゅうよう役割やくわりたした。初期しょきゲルマン頭韻とういんパターンはその構造こうぞう主要しゅよう部分ぶぶんとしてメーターと頭韻とういんぜることで、メーターのパターンによっていつききて頭韻とういんると期待きたいするかを決定けっていできるようにした。これは、近代きんだいヨーロッパだい部分ぶぶんられる、規則きそくてきではなかったり、れん全体ぜんたい完遂かんすいはされなかったりする装飾そうしょくてき頭韻とういん使用しよう対比たいひすることができるであろう[46]頭韻とういん押韻おういん構造こうぞうまない言語げんごとく有用ゆうようである[注釈ちゅうしゃく 16]るいいん語頭ごとう語尾ごびでの音声おんせいではなくかたりちゅう母音ぼいんもちいるものであり、スカルドひろもちいられたが、これはホメロスの時代じだいにまでさかのぼる。英語えいごでは動詞どうしおおくのピッチをつため、るいいん漢詩かんし声調せいちょう要素ようそゆるやかに喚起かんきさせることができるので漢詩かんし翻訳ほんやく有用ゆうようである。子音しいんいんは1つの子音しいんをセンテンスのいたところで(語頭ごとうだけではなく)反復はんぷくするものである。子音しいんいん頭韻とういんして微弱びじゃく効果こうかしかこさないので、構造こうぞうてき要素ようそとしての有用ゆうようせいひくい。

えいへの言語げんごがくてきガイド』(Longmans, 1969) においてジェフリー・リーチはいんを6つの音声おんせいパターンに分類ぶんるいした。これらは、関係かんけいする単語たんご構成こうせいする部分ぶぶんのうち1つまたは2つが変化へんかしうる6つの可能かのう方法ほうほうとして定義ていぎされている。下表かひょうでは不変ふへん部分ぶぶん大文字おおもじ太字ふとじ表示ひょうじしている。Cは子音しいんぐん(1つの子音しいんとはかぎらない)を、Vは母音ぼいんあらわす。

種別しゅべつ パターン 英語えいごれい1 英語えいごれい2 フランス語ふらんすごれい[注釈ちゅうしゃく 17] 日本語にほんごれい擬似ぎじてき
頭韻とういん C v c great/grow send/sit place/pleur んこ/だか
るいいんはは音韻おんいん c V c great/fail send/bell place/femme (めこ/きく)
音韻おんいん c v C great/meat send/hand place/tresse ---
ぎゃくいん (Reverse Rhyme) C V c great/grazed send/sell place/plaque めんこ/めん
en:Pararhyme C v C great/groat send/sound place/plusse /
脚韻きゃくいん c V C great/bait send/bend place/masse んこ/はんこ

共通きょうつうする音素おんそおお押韻おういんは「ゆたか」であるとわれる(言語げんご押韻おういん構造こうぞうゆたかさとはべつ概念がいねん)。たとえばフランス語ふらんすごの agate/frégate末尾まつびの3音素おんそ共通きょうつうなのでゆたかであり、bijou/clou母音ぼいん1音素おんそのみ共通きょうつうなのでまずしい。aigre/tigre子音しいん2音素おんそ共通きょうつうであるが、このように母音ぼいん共通きょうつうしないものは子音しいんいんであり脚韻きゃくいんとは做されない。

押韻おういん構成こうせい

ダンテとベアトリーチェが、天使てんしかこまれたひかりてんとしてあらわされたかみている。ギュスターヴ・ドレによる『かみきょく天国てんごくへん28のイラストレーション

現代げんだいヨーロッパ諸語しょごアラビア中国ちゅうごくふくすうおおくの言語げんごで、バラッドソネットぎょうれんといった形式けいしき構成こうせいする要素ようそとして詩人しじんたちは一定いっていのパターンに沿って脚韻きゃくいんもちいてきた。しかしながら、構造こうぞうてき脚韻きゃくいん用法ようほうはヨーロッパの伝統でんとうなかにおいてすら普遍ふへんてきなものではない。現代げんだい伝統でんとうてき押韻おういん構成こうせいけるものもおおい。古典こてんギリシア・ラテンの押韻おういんおこなわなかった。脚韻きゃくいん中世ちゅうせい盛期せいき(11-13世紀せいきごろ)に、部分ぶぶんてきにはアンダルス今日きょうのスペイン)のアラビア影響えいきょうでヨーロッパに移入いにゅうされた[47]。アラビア詩人しじんたちは6世紀せいきのアラビア文芸ぶんげい発達はったつ初期しょきからその長大ちょうだいカスィーダ (en:qasida) において大々的だいだいてき脚韻きゃくいんもちいていた。中国ちゅうごくでは紀元前きげんぜんの『詩経しきょう』『すわえ』ですで押韻おういんおこなわれていた。押韻おういん構成こうせい一部いちぶ特定とくてい言語げんご文化ぶんか時代じだいむすいたものとなり、一部いちぶはそれらをまたがって使用しようされるものとなった。形式けいしきなかには王侯おうこうよう詩形しけいルバーイイのように明確めいかく定義ていぎされた一貫いっかんした押韻おういん構成こうせいつものもある一方いっぽうで、可変かへん押韻おういん構成こうせいつものもある。

押韻おういん構成こうせい大半たいはん脚韻きゃくいんくみ対応たいおうする文字もじによってあらわせる。たとえばよんぎょうだい1・2・4ぎょういんみ、だい3ぎょうまないとすると、このよんぎょうは「a-a-b-a」の押韻おういん構成こうせいつとう。この押韻おういん構成こうせいはルバーイイ形式けいしきなどでもちいられるものである[注釈ちゅうしゃく 18]同様どうように、「a-b-b-a」のよんぎょうは(抱擁ほうよういんen:enclosed rhymeばれ)、ペトラルカふうソネットなどの形式けいしきもちいられる[48]。より複雑ふくざつ押韻おういん構成こうせいなかには、オッターヴァ・リーマテルツァ・リーマのように「a-b-c」しき構成こうせいはなれ、独自どくじ名前なまえつようになったものもある。さまざまな押韻おういん構成こうせい種類しゅるい方法ほうほうについては「押韻おういん構成こうせい」のこう参照さんしょう

オッターヴァ・リーマ

オッターヴァ・リーマ最初さいしょの6ぎょうが「a-b」の押韻おういん構成こうせいで、むすびの2ぎょうがそれにつづき「a-b-a-b-a-b-c-c」のけい8ぎょうからなるれんもちいる押韻おういん構成こうせいである。ジョヴァンニ・ボッカッチョ最初さいしょもちい、英雄えいゆう叙事詩じょじし発達はったつしたが、また英雄えいゆう嘲笑ちょうしょうするでももちいられた。

テルツァ・リーマ

ダンテの『かみきょく[注釈ちゅうしゃく 19]テルツァ・リーマかれている。かくれんは3ぎょうからり、そのだい1ぎょうだい3ぎょう押韻おういんし、だい2ぎょうつぎれんだい1・だい3ぎょういんくさりいん (en:chain rhyme) を構成こうせいする(つまり「a-b-a / b-c-b / c-d-c / ...」)。テルツァ・リーマはながれがあり、進行しんこうする感覚かんかく付与ふよし、たくみにもちいられれば前方ぜんぽう後方こうほう双方そうほうへのうごきの感覚かんかくこすことができる。必然ひつぜんてきに、テルツァ・リーマは(共通きょうつうする語尾ごびむイタリアのように)ゆたかな押韻おういん構造こうぞう言語げんご長大ちょうだいもちいられる[49]

形式けいしき

形式けいしき詩型しけい)はモダニズムポストモダニズムではより柔軟じゅうなんなものとなり、それ以前いぜん時代じだいくらべますます構造こうぞうされないものとなりつづけている。現代げんだい詩人しじんおおくはえる構造こうぞう形式けいしきけ、自由じゆうくようになっている。それでも、散文さんぶんからその形式けいしきによって区別くべつされるものでありつづけている。基本きほんてき構造こうぞうへのなんらかの敬意けいいもっと自由じゆうかたちにあってさえも見出みいだされる、そうした構造こうぞう無視むしされているようにえるのではあるけれども。同様どうように、古典こてんてきなスタイルでかれた最良さいりょうであっても、重点じゅうてん効果こうかめんでは厳密げんみつ形式けいしきからは逸脱いつだつしているものである。

もちいられる構造こうぞうてき要素ようそ(ユニット)のうち主要しゅようなものとしてはくだりれんもしくは段落だんらく一定いっていくだりすうたないれん)、れんぎょうわせで構成こうせいされるよりおおきなへん (en:canto) などがある。より広範こうはん視覚しかくてき表現ひょうげんカリグラフィーなどがもちいられることもある。これらの形式けいしき基本きほん単位たんいはしばしば結合けつごうされ、ソネット俳句はいくのような、「詩型しけい」や様式ようしきなどとばれるよりおおきな構造こうぞう形成けいせいする。

くだりれん

はしばしばページじょう複数ふくすうくだり分割ぶんかつ改行かいぎょう)される。これらのくだりはメーターの韻脚いんきゃくすうもとづいていたり行末ゆくすえ押韻おういんパターンを強調きょうちょうしていたりする。くだり機能きのうつこともあり、型通かたどおりのメーターのパターンにしたがってかれていない場合ばあいにはとくにそうである。くだりによって、ことなった単位たんい表現ひょうげんされた思考しこう分離ぶんり比較ひかく対比たいひしたり、調子ちょうし変化へんか強調きょうちょうしたりすることができる。

ぎょうはしばしばれんスタンザ)とばれる、ふくくだりすうによって名付なづけられる単位たんい構成こうせいする。2ぎょうからるものはぎょうれん以降いこうさんぎょうれんよんぎょうれんぎょうれんろくぎょうれんはちぎょうれんとなる。これらのぎょうたがいにいんやリズムによって関連付かんれんづけられる場合ばあいもそうでない場合ばあいもある。たとえば、ぎょうれん同一どういつのメーターを押韻おういんする2つのくだりから場合ばあいも、メーターのみを共有きょうゆうする2ぎょうから場合ばあいもある。関連付かんれんづけられた複数ふくすうぎょうれんさんぎょうれんが1つのれんなかにある場合ばあいおおい。

アレクサンドル・ブロークよるとおり、街灯がいとう、ドラッグストア』。ライデンかべ

パラグラフ単位たんい構成こうせいされるもあり、こうしたでは確立かくりつしたリズムをともな規則きそくてき押韻おういんもちいられず、調子ちょうしはパラグラフ形式けいしきなか確立かくりつされたリズム、頭韻とういん脚韻きゃくいんなどの集積しゅうせきによってされる。規則きそくてき押韻おういんとリズムがもちいられていた地域ちいきであってでも、おおくの中世ちゅうせいはパラグラフ形式けいしきかれていた。

おおくの詩型しけいで、れん連結れんけつされており、1つのれん押韻おういん構成こうせいやその構造こうぞう要素ようそ以降いこうつづれんのそれらを決定けっていする。こうした連結れんけつされたれんれいとして、最初さいしょれんでリフレイン(ヴィラネルの場合ばあい複数ふくすうのリフレイン)が確立かくりつされ、以降いこうれんでそれをかえガザルヴィラネルなどがある。連結れんけつされたれんはまたをテーマべつ部分ぶぶん分離ぶんりすることにも使つかわれる。たとえば、頌歌形式けいしきでのストロペーアンティストロペーエポードはしばしば1つもしくは複数ふくすうれん分離ぶんりされている。このような場合ばあいや、その構造こうぞうきわめて規則きそくてきつくられている場合ばあいには、1つのれん完全かんぜんなセンテンスとまとまりのあるかんがえからる1つの完成かんせいした思考しこう形成けいせいするのが普通ふつうである。

いくつかの場合ばあいとく叙事詩じょじし形式けいしきにあるような長大ちょうだい秩序ちつじょった場合ばあいには、れんそのものが厳密げんみつ規則きそくしたがって構築こうちくされ、結合けつごうされる。スカルドでは、「Dróttkvætt」(「君主くんしゅらしい」。en:Alliterative verse 参照さんしょう)のれんは8ぎょうからり、各々おのおの頭韻とういんもしくはるいいんによりされる3つの「リフト」(lifts) をっていた。2-3の頭韻とういんくわえて、すうぎょうでは子音しいん部分ぶぶんてきいん母音ぼいんていない)がかならずしも語頭ごとうとはかぎらない位置いちまれ、偶数ぐうすうぎょうではくみとなった音節おんせつかならずしも語尾ごびとはかぎらない位置いち中間ちゅうかんいんんでいた。それぞれのはんぎょう正確せいかくに6つの音節おんせつからり、各行かくこうはトロカイオスでわっていた。複数ふくすうの Dróttkvætt の配置はいちは、個々ここのそれの構成こうせいくらべればはるかにゆるやかな規則きそくもとづいていた。

視覚しかく表現ひょうげん

徽宗芙蓉ふよう錦鶏きんけい」(11世紀せいきごろ)。五言ごごん絶句ぜっくさんがある

印刷いんさつじゅつ出現しゅつげん以前いぜんから、視覚しかくてき外見がいけんはしばしば意味いみふかみを付与ふよしていた。おりぎょう先頭せんとうやその特定とくてい位置いちにある文字もじによって意味いみつたえた。アラビア、ヘブライ漢詩かんし和歌わかなどでは、優美ゆうびカリグラフィーかれた視覚しかくてき表現ひょうげんおおくのにおいて重要じゅうよう全体ぜんたいてき効果こうかおよぼしていた。

印刷いんさつじゅつ出現しゅつげんすると、詩人しじんたちは大量たいりょう生産せいさんによってさらなる視覚しかくてき表現ひょうげんあやつれるようになった。視覚しかくてき要素ようそ詩人しじん道具どうぐばこ重要じゅうよう部分ぶぶんとなり、おおくの詩人しじんたちは視覚しかくてき表現ひょうげん幅広はばひろ目的もくてき活用かつようしようとした。モダニズム詩人しじんなかには、ページじょうでの個々ここぎょうぎょうまとまりの配置はいち構成こうせい不可分ふかぶん一部いちぶとしたものもいた。ときとしてこれは、さまざまなながさの視覚しかくてきカエスーラとおしてのリズムをおぎなったり、並置へいちつくすことによって意味いみ多義たぎせいイロニー際立きわだたせたり、また単純たんじゅん審美しんびてき心地ここちよいかたちつくしたりした[50]もっと極端きょくたんかたちとしては、カリグラムしつ象徴しょうちょう筆記ひっき (en:asemic writing) のようなものまである[注釈ちゅうしゃく 20]

詩語しご

クリスティーナ・ロセッティ『「ゴブリン・マーケット」とその』(1862) のダンテ・ゲイブリエル・ロセッティによるイラストレーション。『ゴブリン・マーケット』では童謡どうようかたちりながら複雑ふくざつ詩語しご駆使くしした。「ゴブリンたちをてはだめ/その果物くだものっちゃだめ/どんなやしてるんだか/そのかわいた貪欲どんよくっこを?」

詩語しごen:poetic diction; 用語ようごほう)は言語げんご使用しようされる方式ほうしきあつかう。音声おんせいだけでなく、内在ないざいする意味いみや、その音声おんせい詩型しけいとの相互そうご作用さようにもおよぶ。おおくの言語げんご詩型しけいきわめて独特どくとく詩語しごゆうしており、のための独自どくじ文法ぶんぽう方言ほうげんつまでにいたっている。これには20世紀せいき後半こうはん韻律いんりつろんこのまれたような通常つうじょう言葉ことばづかいの厳密げんみつ使用しようから、中世ちゅうせいやルネサンスのマーカー(en:makar. スコットランドの詩人しじんす)などにられる非常ひじょう華美かびできらびやかな言語げんご用法ようほうまでのはばがある。

詩語しごには直喩ちょくゆ隠喩いんゆメタファー)のような修辞しゅうじ技法ぎほうイロニーのような口調くちょうなどもふくまれる[注釈ちゅうしゃく 21]アリストテレスは『詩学しがく』において「なによりも偉大いだいなことは隠喩いんゆ名手めいしゅであることだ」といている[51]モダニズム台頭たいとうともに、詩人しじんたちの一部いちぶ修辞しゅうじ技法ぎほうおもきをかない詩語しごえらび、事柄ことがら経験けいけん直接ちょくせつ表現ひょうげんし、口調くちょう探求たんきゅうしようとした。他方たほうで、シュールレアリストたちは修辞しゅうじ技法ぎほうをその極限きょくげんまですすめ、あやま転用てんよう頻繁ひんぱん使用しようした。

寓話ぐうわアレゴリー)はおおくの文化ぶんかにおいて詩語しご中核ちゅうかくとなっており、古典こてん中世ちゅうせい盛期せいきルネサンス西洋せいよう顕著けんちょであった[注釈ちゅうしゃく 22]。しかしながらは、全面ぜんめんてきにアレゴリーてきであるよりもむしろ、完全かんぜんなアレゴリーを構築こうちくすることなしに言葉ことば意味いみ効果こうか深化しんかさせる象徴しょうちょう引喩いんゆふくむこともある。

詩語しごほか強力きょうりょく要素ようそとしては鮮明せんめいイメージ効果こうかのためにもちいることがげられる。たとえば、予期よきせぬ、あるいはないイメージの並置へいちシュルレアリスムデペイズマン)や俳句はいくとく強力きょうりょく要素ようそとなっている。鮮明せんめいなイメージはまたしばしば象徴しょうちょうせいにもちている。

詩語しごおおくで、(ホメロスの「薔薇色ばらいろゆびをしたあかつき(の女神めがみ)」や「葡萄酒ぶどうしゅうみ」のような)みじかいフレーズやよりながリフレインのようにして、効果こうかるための語句ごく反復はんぷくおこなわれる。このような反復はんぷく頌歌おおくでられるような厳粛げんしゅく調子ちょうし付加ふかし、あるいは言葉ことば文脈ぶんみゃくわればイロニーまじえたりもする。たとえば、シェイクスピアジュリアス・シーザー』のアントニーの有名ゆうめいユーロジーでは、アントニーがかえす「ブルータスは高貴こうきおとこゆえ」という言葉ことば真摯しんし調子ちょうしから皮肉ひにくにじるものへと変化へんかしてゆく[52]

詩型しけい

おおくの文化ぶんかがそれぞれ独自どくじ詩型しけい発展はってんさせてきた。成熟せいじゅく完結かんけつし、もしくは「ひろみとめられた」詩型しけいでは、押韻おういん構成こうせいやメーターやその要素ようそ一連いちれん規則きそくもとづく。エレジーのように比較的ひかくてきゆるやかな構成こうせい規則きそくつものから、ガザルヴィラネルのように高度こうど様式ようしきされた構造こうぞうつものまでがある。以下いかでは複数ふくすう言語げんごまたがってひろもちいられている詩型しけい一部いちぶ記述きじゅつする。

ソネット

ウィリアム・シェイクスピア

ソネット時代じだいつうじて(西洋せいようで)もっと一般いっぱんてき詩型しけいであり、13世紀せいきごろには14ぎょうから一式いっしき押韻おういん構成こうせい論理ろんり構造こうぞうしたがとして成立せいりつしていた。典型てんけいてきには、ソネットの最初さいしょの4ぎょうは「a-b-a-b」の押韻おういん構成こうせいり、主題しゅだい導入どうにゅうする。ソネットにまつわる慣習かんしゅうはその歴史れきしとも変化へんかし、結果けっかとしてさまざまなことなったソネット形式けいしき存在そんざいする。伝統でんとうてきに、英語えいご詩人しじんはソネットにはじゃくきょうかくもちいる。とくスペンサーふうソネットシェイクスピアふうソネット代表だいひょうてきである。ロマンス諸語しょごでは、じゅういち音節おんせつアレクサンドランじゅう音節おんせつ)がもっとひろ使用しようされるメーターであるが、イタリアでは14世紀せいき以降いこうペトラルカふうソネット使用しようされた。ソネットは恋愛れんあいとくむすけられ、鮮明せんめいなイメージにもとづく詩語しごもちいることがおおかったが、8ぎょうから6ぎょうへ、およ最後さいごぎょうれんへの移行いこうともな転換てんかんはまたソネットをすうおおくの主題しゅだいにとって使つかいやすくダイナミックな形式けいしきともした。シェイクスピアのしょソネットはえいもっと有名ゆうめいなものの1つであり、20さくが『Oxford Book of English Verse』におさめられている[53]

日本にっぽんでは明治めいじ以降いこう蒲原かんばら有明ありあけ上田うえださとし中原なかはら中也ちゅうや立原たちはら道造みちぞうなどがソネットでの詩作しさくおこなったほか、戦中せんちゅう戦後せんごにもマチネ・ポエティク詩人しじんたちが定型ていけい押韻おういんこころみとして押韻おういんしたソネットを集団しゅうだんてきいた。

セスティーナ

プロヴァンストルバドゥールたちを起源きげんとするセスティーナには6つのスタンザがあり、各々おのおの押韻おういんしない6ぎょうから形成けいせいされ、最初さいしょのスタンザの各行かくこうまつ単語たんご周期しゅうきてきなパターンでのスタンザにさい登場とうじょうする。これをかくかたりを2つずつふくむ3ぎょうからるスタンザがくくる。

ヴィラネル

W・H・オーデン

ヴィラネル原義げんぎは「田園でんえん」)は5つのさんぎょうれん末尾まつびよんぎょうれんからる19ぎょうである。最初さいしょのスタンザの1ぎょうと3ぎょうもちいられた2つのリフレインが以降いこうのスタンザの末尾まつび交互こうごもちいられ、最後さいごよんぎょうれん両方りょうほうのリフレインでくくられるのが特徴とくちょうとなっている。それ以外いがい各行かくこうは「a-b」の交韻をつ。19世紀せいきまつ以降いこうディラン・トマス[54]W・H・オーデン[55]エリザベス・ビショップ[56]などにられるようにえいでしばしばもちいられるようになった。全体ぜんたいとして既存きそん詩型しけいもちいられなくなる時代じだいにあって、ぎゃくひろもちいられるようになった詩型しけいである[よう出典しゅってん]

パントゥーン

パントゥーン (en:pantoum) はヴィラネルに類似るいじした比較的ひかくてきまれ詩型しけいである。よんぎょうれん連続れんぞくにより構成こうせいされており、かくスタンザの2ぎょうと4ぎょうつぎのスタンザの1ぎょうと3ぎょうとしてかえされる。

ロンドー

ロンドー元々もともとはフランスの詩型しけいであり、2つの脚韻きゃくいんもちいた「5-4-6」の3れん15ぎょうかれ、1ぎょう冒頭ぼうとうがリフレインとしてだい2・だい3れん最後さいごくだりもちいられる。

近体きんたい

もりはじめ

近体きんたい古典こてん中国ちゅうごく四声しせい平声ひょうしょう上声じょうせい去声きょしょう入声にっしょう)をもちいたかくぎょうれんでの声調せいちょうのパターンにもとづく中国ちゅうごく詩型しけいである。近体きんたい基本形きほんけいぎょうれん4つのけい8ぎょう(8)からり、だい2・だい3のぎょうれん各行かくこう対句ついくとなっている律詩りっしである。対句ついくでは、平行へいこう関係かんけいにあるくだり対照たいしょうてき内容ないようつが単語たんご漢字かんじ)のあいだ文法ぶんぽう関係かんけい同一どういつでなければならない。近体きんたいゆたかな詩語しごち、引喩いんゆちていることがおおく、歴史れきし政治せいじふく幅広はばひろ主題しゅだいわたっていた。8世紀せいきとう王朝おうちょうもりはじめ李白りはくなどがこの詩型しけい達人たつじんであった。律詩りっしほかに、4ぎょうから絶句ぜっく、12ぎょう以上いじょうからはいりつなどがあり、1ぎょう文字数もじすうが5文字もじの「五言ごごん」と7文字もじの「七言しちごん」があるなどのバリエーションがある。

近体きんたい以前いぜんから存在そんざいした比較的ひかくてき自由じゆう漢詩かんし詩体したい古体こたいばれ、らくなどの形式けいしきがある。

短歌たんか

柿本人麻呂かきのもとのひとまろ

短歌たんかは、「5-7-5 7-7」のパターンに構成こうせいされた5つの部分ぶぶんからる31の「音字おんじ」(モーラ同一どういつ音韻おんいん単位たんい)でつくられる日本にっぽん押韻おういんしない和歌わか)の形式けいしきである。前半ぜんはんの「5-7-5」のフレーズ(かみ)と後半こうはんの「7-7」のフレーズ(しも)のあいだ(もしくは位置いち)で調子ちょうし題材だいざい転換てんかんがあるのが普通ふつうである(句切くぎ)。短歌たんか奈良なら時代じだいには柿本人麻呂かきのもとのひとまろなどの歌人かじんによってまれており、この時期じき日本にっぽん中国ちゅうごくから借用しゃくようした形式けいしきによる大半たいはんであった時代じだいからはじめた。短歌たんか当初とうしょ日本にっぽん定型ていけい倭歌やまとうた)のうちみじかいものであり、おおやけ主題しゅだいよりも個人こじんてき主題しゅだい探求たんきゅうするのにおおいにもちいられ、したがってより形式けいしきらない詩語しごゆうした。13世紀せいきまでには短歌たんか日本にっぽんさい有力ゆうりょく詩型しけいとなり、今日きょうでもひろまれている。日本語にほんご以外いがい言語げんご短歌たんか詩人しじんは31おと規則きそく無視むしする場合ばあいおおい。

連歌れんがばれる多人数たにんずうによる短歌たんか連作れんさくおこなわれた。また短歌たんか形式けいしき風刺ふうし皮肉ひにく滑稽こっけいんだものを狂歌きょうかぶ。

俳句はいく

松尾まつお芭蕉ばしょうおくのほそみち』のプレート

俳句はいくは17世紀せいき俳諧はいかいにおける連句れんく最初さいしょである「発句ほっく」から発展はってんして形成けいせいされた、日本にっぽん大衆たいしゅうてき押韻おういんしない詩型しけいである。俳句はいくは「5-7-5」のパターンに構成こうせいされた3つの部分ぶぶんからる17音字おんじつくられ、たて1ぎょうかれるのが普通ふつうである。伝統でんとうてき俳句はいくは、通常つうじょうは3つの部分ぶぶんのいずれかの末尾まつびばれるながれをかたりかれ、また季語きごばれるぶし言葉ことばを1つふくむ。俳句はいくもっと有名ゆうめい唱道しょうどうしゃ松尾まつお芭蕉ばしょう (1644-1694) であった。芭蕉ばしょうとその英訳えいやくれい(6-5-5の16音節おんせつとなっている)[57]

富士ふじふうおうぎにのせて江戸えど土産みやげ
the wind of Mt. Fuji
I've brought on my fan!
a gift from Edo

なな形式けいしきで、季語きご規則きそくもなくより庶民しょみんてき内容ないようあつかうものを川柳せんりゅうぶ。

ルバーイイ

ルバーイイアラビアウルドゥーペルシアアゼルバイジャン詩人しじんたちにもちいられる4ぎょうよんぎょうれん)のである。ペルシアの詩人しじんウマル・ハイヤームはその『ルバイヤート』(「ルバーイイしゅう」を意味いみする)で高名こうみょうである。ウマル・ハイヤームのルバイヤートのエドワード・フィッツジェラルドによる英訳えいやく有名ゆうめいであり、日本にっぽんへもまずフィッツジェラルドやくからの重訳じゅうやくにより紹介しょうかいされた。ハイヤームのルバイヤートからいちれい

ペルシア原文げんぶん[58] 日本語にほんごやく[59]
آن قصر که جمشید در او جام گرفت ジャムシードが酒盃しゅはいにした宮居みやい
آهو بچه کرد و شیر آرام گرفت きつね鹿しかのすみかとなりはてた。
بهرام که گور می‌گرفتی همه عمر いのちのかぎりうさぎうまたバハラームも、
دیدی که چگونه گور بهرام گرفت うさぎうまみしだかれるとはてた。

どき調ちょう

どき調ちょう朝鮮ちょうせん詩人しじんもちいるみじか音楽おんがくである。およそ14-16音節おんせつからる3ぎょうかれ、合計ごうけい44-46音節おんせつとなる。各行かくこう中間ちゅうかん休止きゅうしかれるので、英語えいごなどでは3ぎょうではなく6ぎょう印刷いんさつされることもある。いんよしどう (1587 - 1671) の作品さくひんから:

中期ちゅうき朝鮮ちょうせん[60] 現代げんだい朝鮮ちょうせん 日本語にほんごやく
내버디 멋치나 ᄒᆞ니 수석과 송죽이라 내 벗이 몇인가하니 수석과 송죽이라 ぼく友達ともだち何人なんにんいるかって? みずいしに、たけまつ
동산의 ᄃᆞᆯ오르니 긔더옥 반갑고야 동산에 달오르니 그 더욱 반갑도다 ひがしおかのぼつきたのしい仲間なかま
두어라 이다ᄉᆞᆺ밧긔 또더ᄒᆞ야 머엇ᄒᆞ 두어라, 이 다섯 밖에 또 더해야 무엇하리 この5にん仲間なかまほかに、どんなたのしみがるというんだい?

頌歌

ホラティウス

頌歌(頌詩、オード)はピンダロス[61]などの古代こだいギリシア詩人しじんホラティウスなどのラテン詩人しじんによってつくされた。ギリシア・ローマの影響えいきょうけたすうおおくの文化ぶんかで頌歌の形式けいしき見出みいだされる[注釈ちゅうしゃく 23]。頌歌は通常つうじょうストロペーアンティストロペーエポードの3つの部分ぶぶんからる。アンティストロペーは類似るいじした韻律いんりつ構造こうぞうと、伝統でんとうにもよるが、類似るいじした押韻おういん構造こうぞうつ。対比的たいひてきに、エポードはことなった配置はいち構造こうぞうかれる。頌歌はフォーマルな詩語しごち、がいして厳粛げんしゅく主題しゅだいあつかう。ストロペーとアンティストロペーは主題しゅだいことなった(しばしば相反あいはんする)視点してんからており、エポードではりょう視点してんからよりたか水準すいじゅんへと移行いこうし、あるいはその根底こんていにある問題もんだい解決かいけつする。頌歌はしばしば2くみ合唱がっしょうたい(または2人ふたり)で朗読ろうどくもしくは詠唱えいしょうされることを意図いとしており、一方いっぽうがストロペーを、もう一方いっぽうがアンティストロペーをかたり、両者りょうしゃがエポードをかたる。時代じだいともに、頌歌の形式けいしき構造こうぞうには相当そうとうなバリエーションが発達はったつしたが、がいしてピンダロスとホラティウスの頌歌の影響えいきょうのこしている。西洋せいよう以外いがいで頌歌に類似るいじしたものとしてペルシアのカスィーダ (en:qasida) がある。

ガザル

ガザルen:ghazel; アラビア: ghazal‎, ペルシア: ghazel‎, トルコ: アゼルバイジャン: gazel, ウルドゥー: gazal‎, ベンガル: gozolシレット方言ほうげんふくむ〕)はアラビア、ペルシア、トルコアゼルバイジャンウルドゥーベンガル共通きょうつうしてもちいられている形式けいしきである。古典こてんてき形式けいしきでは、ガザルは2ぎょうわりに共通きょうつうリフレイン押韻おういんした5から15のぎょうれん構成こうせいされる。このリフレインは1音節おんせつもしくは複数ふくすう音節おんせつからり、その直前ちょくぜん押韻おういんする。各行かくこう同一どういつのメーターをつ。ぎょうれんはそれぞれが完結かんけつした思考しこう独立どくりつしており、ガザル全体ぜんたいが「かなわぬあい」や神性しんせいなどの主題しゅだい試案しあんするかたちになっていることがおおい。最後さいごぎょうれん作者さくしゃ署名しょめいかれるのが普通ふつうである。

おおくの言語げんごなが歴史れきしほか詩型しけい同様どうように、ガザルにもさまざまな変種へんしゅ形成けいせいされ、そのなかにはウルドゥーのほとんど音楽おんがくにもひとしい詩語しご形式けいしきふくまれる。ガザルは伝統でんとうてきスーフィズムとの親和しんわせいがあり、すうおおくのスーフィズム宗教しゅうきょう作品さくひんがガザル形式けいしきかれた。比較的ひかくてき規則正きそくただしいメーターとリフレインの使用しよう呪術じゅじゅつてき効果こうかし、これがスーフィズムの秘教ひきょうてき主題しゅだい補完ほかんしている。この形式けいしき達人たつじんとしては、13世紀せいきペルシアのコンヤ現在げんざいトルコ)の詩人しじんであったジャラール・ウッディーン・ルーミーがいる。

アクロスティック

ΙいおたΧかいΘしーたΥうぷしろんΣしぐまられたいし

アクロスティック(後期こうきギリシア akrostichon < akros「先頭せんとう」 + stichos「ぎょう」)、「おり」はアルファベットなどでかれたやそのもので、各行かくこう段落だんらく/その反復はんぷく構造こうぞう最初さいしょ文字もじ音節おんせつ単語たんごわせるとべつのメッセージとなるものである。この窮屈きゅうくつ形式けいしきは、想起そうき簡単かんたんにするための記憶きおくじゅつとして使つかわれたものであるのかもしれない。有名ゆうめいなアクロスティックとして、ギリシアでのかみたたえる文句もんく Ιησούς Χριστός, Θεού Υιός, Σωτήρ「イエス・キリスト、かみ救世主きゅうせいしゅ」がある。最初さいしょ文字もじつづわせると ΙいおたΧかいΘしーたΥうぷしろんΣしぐま となり、これはギリシアで「さかな」を意味いみした。よって、初期しょきキリスト教徒きりすときょうと頻繁ひんぱんさかなもちい、今日きょうでもイエス・キリストのシンボルとなっている[62]

日本にっぽんおりとしては「かきつばた」をんだ伊勢物語いせものがたり和歌わからころも つつなれにし ましあれば るばるきぬる びをしぞおもふ」が高名こうみょうである。今日きょうでは「たて」としてもしたしまれている。

カンツォーネ

イタリア文字通もじどおり「うた」を意味いみするカンツォーネ複数ふくすうがたカンツォーニ)はイタリアもしくはプロヴァンスうたバラッドである。マドリガル類似るいじした歌曲かきょくのタイプをして使つかわれることもある。シンプルでメロディアスなきょくも、とくにイタリアじん以外いがいによるものの場合ばあいカンツォーネとばれる場合ばあいがある。モーツァルトフィガロの結婚けっこん』のアリアこいとはどんなものかしら」が典型てんけいてきれいの1つである。

カンツォーネは(きょくわせ)5-7スタンザで構成こうせいされ、最初さいしょのスタンザの押韻おういん構成こうせいくだりすう通常つうじょう7-20ぎょう)をぐ。典型てんけいてきには各行かくこうは11音節おんせつである。

よんぎょうれん

よんぎょう構成こうせいされるスタンザ形式けいしきで「aabb」「abab」「abba」「abcb」などの押韻おういん構成こうせいでなる。ヨーロッパのなかもっと一般いっぱんてきなスタンザ形式けいしきである。

リメリック

「a-a-b-b-a」の押韻おういん構成こうせい厳格げんかく形式けいしきをもつぎょう滑稽こっけいぎょうぎょうおどけともばれる。リメリックという名前なまえアイルランドリムリックけん(リメリックけんとも)から由来ゆらいしている。イギリスではエドワード・リアによってひろまった。

シンケイン

cinquainシンケイン < フランス語ふらんすご: cinq 「5」)はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく詩人しじんアデレイド・クラプシー考案こうあんした詩型しけいとくす。クラプシーの歿した翌年よくねんの1915ねん刊行かんこうされたぜん詩集ししゅうおさめられたのがその最初さいしょれいである。シンケインは日本にっぽん俳句はいく短歌たんかにその発想はっそうていた。

ぎょうれん

ぎょうれん (quintain, quintil) は5ぎょうからるパターンをもちいた全般ぜんぱん用語ようごであるが、そのなかでも特有とくゆう規則きそくとガイドラインによって定義ていぎされる特別とくべつ詩型しけい存在そんざいする。に、現代げんだい日本にっぽんでは「5ぎょうく」ことのみを規制きせいとしたぎょうぎょうという詩型しけいもある。

その形式けいしき

ジョージ・ハーバート『アナグラム』(1633)。写植しゃしょく活用かつようした具体ぐたい

以上いじょうほかにも無数むすう形式けいしき存在そんざいする:

きん現代げんだい日本にっぽん分類ぶんるい

萩原はぎはら朔太郎さくたろう。『つきえる』(1917ねん)は口語こうご自由じゆう可能かのうせいおおきくひろげた。

明治めいじ15ねんの『新体詩しんたいししょう』にはじまる明治めいじ時代じだい新体詩しんたいしは、日本にっぽん古来こらい文語ぶんご七五調しちごちょうによって西洋せいよう (poetry) を再現さいげんしようとこころ[63]おな明治めいじのうちに言文げんぶん一致いっち運動うんどうによりその否定ひていむかえる。このため文語ぶんごもちいるかかで文語ぶんご口語こうご七五調しちごちょうなどの音数律おんすうりつもちいるかかで定型ていけい自由じゆう区別くべつし、そのわせで「文語ぶんご定型ていけい」「文語ぶんご自由じゆう」「口語こうご定型ていけい」「口語こうご自由じゆう」(くだり)の分類ぶんるいおこなわれる[注釈ちゅうしゃく 24]。また明治めいじ以降いこうの、従来じゅうらい和歌わか俳句はいく漢詩かんしなどではない西洋せいようしき近代詩きんだいし新体詩しんたいしふく場合ばあいふくまない場合ばあいがある[64])、戦後せんごのそれを現代げんだいぶ。短歌たんか俳句はいく音数律おんすうりつしたがわないものは自由じゆうではなく自由じゆうりつばれる。

ジャンル

個々ここ形式けいしきくわえ、はさまざまなジャンルやサブジャンルによってとらえられることもおおい。 のジャンルはがいして、主題しゅだい、スタイル、そののより広範こうはん文学ぶんがくてき特徴とくちょうもとづく伝統でんとうもしくは分類ぶんるいである[65]。ジャンルを文学ぶんがく自然しぜん形式けいしきであると做す批評ひひょうもいる[66]。またジャンルを、ことなった作品さくひんがいかに作品さくひん関連かんれん言及げんきゅうするかの研究けんきゅうであると做す批評ひひょうもいる[67]

叙事詩じょじしひろみとめられるジャンルの1つであり、その時代じだい文化ぶんかにとって英雄えいゆうてきもしくは重要じゅうよう性質せいしつ出来事できごとかんする長大ちょうだいとしてしばしば定義ていぎされる[68]抒情詩じょじょうしひろみとめられるジャンルであり、みじかく、うつくしい調子ちょうしち、観照かんしょうてき傾向けいこうつ。批評ひひょうによってはよりこまかいサブジャンルへと分類ぶんるいし、個々ここ数多かずおおくのことなったジャンルに同時どうじぞくすると做されもする[注釈ちゅうしゃく 25]おおくの場合ばあい共通きょうつうする伝統でんとう結果けっかとして、のジャンルは文化ぶんかえておな特性とくせいせる。

以下いか一般いっぱんてきなジャンルをいくつか記述きじゅつするが、ジャンルの分類ぶんるい、その特質とくしつ記述きじゅつ、そしてをジャンルに分類ぶんるいしようとする理由りゆうそのものすらもさまざまなかたちりうる。

物語ものがたり

ジェフリー・チョーサー

物語ものがたり物語ものがたりかたのジャンルである。広義こうぎには叙事詩じょじし物語ものがたりふくまれるが、「物語ものがたり」という用語ようごはよりちいさな、がいしてより人間にんげんてき興味きょうみうったえるような作品さくひんもちいられることがおおい。

物語ものがたりもっとふる種類しゅるいであったかもしれない。おおくのホメロス研究けんきゅうしゃは、『イーリアス』と『オデュッセイア』がいちばん娯楽ごらくによりてきしている個別こべつのエピソードにかんするみじか物語ものがたり編集へんしゅうコンピレーション)により構成こうせいされたものであると結論けつろんしている。おおくの物語ものがたり――スコットランドじんイングランドじんバラッドスラヴじん英雄えいゆうなど――は文字もじ使用しよう以前いぜん口承こうしょう起源きげん実演じつえん (en:performance poetry) である。メーター、頭韻とういんほうケニングなどの散文さんぶん区別くべつする要素ようそのいくつかはかつて伝統でんとうてき物語ものがたり暗唱あんしょうする吟遊詩人ぎんゆうしじんたちの記憶きおくじゅつとして機能きのうしていたのではないかと推測すいそくされている。

主要しゅよう物語ものがたり詩人しじんとしては、オウィディウスダンテ・アリギエーリファン・ルイスジェフリー・チョーサーウィリアム・ラングランドルイス・デ・カモンイスウィリアム・シェイクスピアアレキサンダー・ポープロバート・バーンズフェルナンド・デ・ロハスアダム・ミツキェヴィチアレクサンドル・プーシキンエドガー・アラン・ポーアルフレッド・テニスンなどがいる。

叙事詩じょじし

ラーマーヤナ』よりランカの戦争せんそうサヒブディン(1649-53)

叙事詩じょじしのジャンルの1つであり、また物語ものがたり文学ぶんがく主要しゅよう形式けいしきの1つでもある。叙事詩じょじし持続じぞくてきかたりにより英雄えいゆうてきもしくは神話しんわてき人物じんぶつ(たち)の生涯しょうがい業績ぎょうせき物語ものがたる。

叙事詩じょじしれいとして、ホメロスの『イーリアス』と『オデュッセイア』、ウェルギリウスアエネーイス』、『ローランのうた』、『ニーベルンゲンのうた』、ルイス・デ・カモンイスウズ・ルジアダス』、『わがシッドのうた』、『ギルガメシュ叙事詩じょじし』、『マハーバーラタ』、ヴァルミキ (en:Valmiki)『ラーマーヤナ』、フェルドウスィーシャー・ナーメ』、ニザーミーハムセ』(「さく」)、チベットの叙事詩じょじしリン・ケサル大王だいおうでん』、アイヌユーカラなどがある。

西洋せいようでは20世紀せいき初頭しょとう以降いこう叙事詩じょじしちょう全般ぜんぱんがあまりかれなくなったが、それでも若干じゃっかん重要じゅうよう叙事詩じょじしかれつづけている。デレック・ウォルコットはその叙事詩じょじしオメロス』におもによりノーベル文学ぶんがくしょう受賞じゅしょうした[69]

劇詩げきし

ゲーテファウスト』、ファウストとグレートヒェン

劇詩げきしかたりもしくはうたわれるようかれた韻文いんぶん演劇えんげきである。おおくの文化ぶんかにさまざまな、また場合ばあいによっては類似るいじした形式けいしき存在そんざいする。韻文いんぶんげきはサンスクリットやギリシアの叙事詩じょじしのような初期しょき口誦こうしょう叙事詩じょじしから発達はったつしたものであるかもしれない[70]

韻文いんぶんによるギリシア悲劇ひげき紀元前きげんぜん6世紀せいきさかのぼり、サンスクリットげき発達はったつ影響えいきょうあたえた可能かのうせいがある[71]同様どうようにインドの演劇えんげき中国ちゅうごく戯曲ぎきょく先触さきぶれとなった「へんぶん」(zh:へんぶん)の韻文いんぶんげき発達はったつ影響えいきょうあたえた可能かのうせいがある[72]ひがしアジア韻文いんぶんげきには日本にっぽんのう謡曲ようきょく)もある。

ペルシア文学ぶんがく劇詩げきしには、ニザーミー著名ちょめいげき作品さくひんライラとマジュヌーン』『ホスローとシーリーン[73][74]フェルドウスィーの『ロスタムとソラブ』などの悲劇ひげきジャラール・ウッディーン・ルーミーの『マスナヴィー』、アサド・グルガニー悲劇ひげきヴィスとラミン[75]Vahshi Bafqi悲劇ひげき『Farhad』などがある。

西洋せいようでは伝統でんとうてき悲劇ひげき喜劇きげきだい分野ぶんやとしてきた。韻文いんぶんによる悲劇ひげきではギリシア悲劇ひげきさん大悲だいひ劇詩げきしじんアイスキュロスソポクレスエウリピデス)、後世こうせいシェイクスピアジャン・ラシーヌなどがいる。喜劇きげきではアリストパネスモリエールなどが代表だいひょうてきであるが、「喜劇きげき」はかならずしも滑稽こっけいさを前提ぜんていとはせず、ダンテの『かみきょく』(La Divina Commedia) なども分類ぶんるいじょう喜劇きげきとなる。ゲーテファウスト』のようにどちらにも分類ぶんるいされない劇詩げきしおおい。今日きょうでは戯曲ぎきょく韻文いんぶんかれることはまれである。

風刺ふうし

ジョン・ウィルモット

風刺ふうし強力きょうりょく媒体ばいたいにもなりうる。韻文いんぶんあらわされた侮辱ぶじょくいちげきは、散文さんぶんわれもしくはかれたものより格段かくだん強力きょうりょくかつ記憶きおくのこりやすいものになりうる。古代こだいローマひと風刺ふうしつよ伝統でんとうゆうしており、しばしば政治せいじてき目的もくてきかれた。有名ゆうめいれいとしては詩人しじんユウェナリス風刺ふうしがあり、その侮辱ぶじょく社会しゃかいのあらゆる範囲はんいした。

マヌエル・マリア・バルボサ・ド・ボカージェ

イギリスの風刺ふうし伝統でんとうにもおなじことがえる。当時とうじ加熱かねつした政治せいじ状況じょうきょうまれ、かつての友人ゆうじんであったホイッグとうトマス・シャドウェル風刺ふうしされたトーリーとうジョン・ドライデン最初さいしょ桂冠詩人けいかんしじん)は、1682ねんに『マクフレクノー』、副題ふくだいしん保守ほしゅプロテスタント詩人しじんT.S.の風刺ふうし」という、英語えいごかれたいきなが罵詈ばり雑言ぞうごん作品さくひんとしてはもっと偉大いだいなものの1つをあらわした。このなかで、当時とうじすで故人こじんであったじつ凡庸ぼんよう詩人しじんリチャード・フレクノーは「絶対ぜったいてきナンセンスのすべての領域りょういきの」支配しはいしゃとして「統治とうちし、ウィットにたいする永遠えいえん戦争せんそう遂行すいこうする」べくだれ自身じしん後継こうけいしゃにすべきか熟考じゅっこうしているとえがかれた。

だい2だいロチェスターはくのジョン・ウィルモットもまた17世紀せいきイギリスの風刺ふうし名手めいしゅであり、『人類じんるいたいする風刺ふうし』(1675) や『チャールズ2せい風刺ふうし』などの容赦ようしゃない風刺ふうしられた。アレキサンダー・ポープ風刺ふうしられ、『批評ひひょうろん』(1709) において批評ひひょうたちをたしなめたのは有名ゆうめいである。ドライデンとポープは叙事詩じょじしであったので、その風刺ふうしのスタイルも叙事詩じょじしてきなものであった。とはいえ、風刺ふうしにはこれといったまった形式けいしきはない。

イギリス以外いがいでの偉大いだい風刺ふうし詩人しじんとしてはポーランドイグナツィ・クラシツキ (en:Ignacy Krasicki)、アゼルバイジャンサビールポルトガルマヌエル・マリア・バルボサ・ド・ボカージェなどがげられる。

日本にっぽんでも平安へいあん時代じだいより諷意ふういふく狂歌きょうかかれ、匿名とくめい狂歌きょうか掲示けいじして政治せいじ批判ひはんなどをおこなう「落首らくしゅ」の慣行かんこうがあった。いちれいとして寛政かんせい改革かいかくふうした「白河しらかわせいきにさかなのすみかねて もとのにごりの田沼たぬまこひしき」がられている。現代げんだいでも風刺ふうしてき川柳せんりゅうひろまれている。

抒情詩じょじょうし

クリスティーヌ・ド・ピザン

抒情詩じょじょうし叙情詩じょじょうし)は叙事詩じょじし劇詩げきしのように物語ものがたりかたろうとするのではない、より個人こじんてき性質せいしつのジャンルである。人物じんぶつとその行動こうどう描写びょうしゃするよりも、詩人しじん自身じしん感情かんじょう精神せいしん状態じょうたい知覚ちかく表現ひょうげんする。西洋せいよう抒情詩じょじょうしえい: lyric poetry, ふつ: poésie lyrique)はリラ (lyre) を語源ごげんとし、うたうものであるという含意がんいがあるが、実際じっさい抒情詩じょじょうしには純粋じゅんすいまれることを前提ぜんていとしたものもおおい。日本にっぽん和歌わか文字通もじどおり「うた」であり、そのおおくが抒情詩じょじょうし(もしくは風景ふうけいのみをうた叙景じょけい)であった。

抒情詩じょじょうしふるくからあい主題しゅだいとするものとしてられてきたが、おおくの宮廷きゅうていふう恋愛れんあいミンネ詩人しじんたちはまた戦争せんそう平和へいわ自然しぜん郷愁きょうしゅうかなしみと喪失そうしつなどをあつか抒情詩じょじょうしいた。なかでも15世紀せいきフランスの抒情詩じょじょうしじんクリスティーヌ・ド・ピザンシャルル・ド・ヴァロワ高名こうみょうである。れいせい宗教しゅうきょうてき主題しゅだい十字架じゅうじかのヨハネアビラのテレサのような神秘しんぴ主義しゅぎ抒情詩じょじょうしじんによってうたわれた。霊的れいてき経験けいけんもとづく抒情詩じょじょうし伝統でんとうジョン・ダンジェラード・マンリ・ホプキンスアントニオ・マチャードT・S・エリオットといった詩人しじんたちにもがれている。

西洋せいよう抒情詩じょじょうしもっと一般いっぱんてき形式けいしきは14ぎょうのソネットであり、ペトラルカシェイクスピアなども実践じっせんしたが、そのにも抒情詩じょじょうしには途方とほうれるほどさまざまな形式けいしきられ、押韻おういんしないものも20世紀せいき以降いこう増加ぞうかしている。作者さくしゃ自身じしん感情かんじょうかんがえをんだかたちあつか抒情詩じょじょうしなかもっと一般いっぱんてきなジャンルとなっている。

明確めいかくかたちたない、より自由じゆうなスタイルをものもいる。たとえばラップ歌詞かしは、ビートをともなであるとかんがえられることもある。

エレジー

ウィリアム・アドルフ・ブグロー『エレジー』(1899)

エレジー哀歌あいか挽歌ばんか悲歌ひか)はかなしげな、憂鬱ゆううつもしくは哀調あいちょうびたであり、とく死者ししゃのための哀悼あいとうラメント)または葬儀そうぎのためのうたす。死者ししゃいた普遍ふへんてきなものであるが、エレジー (えい: elegy, ふつ: élégie) というかたり元来がんらいはエレゲイアたいというメーターの種類しゅるいすもので、一般いっぱん表現ひょうげんする。また作者さくしゃにとって不思議ふしぎもしくは神秘しんぴてきえるものをあらわすこともある。や、より一般いっぱんてきかなしみや、神秘しんぴてきなにかをあらわしたものとしてのエレジーは、抒情詩じょじょうし一種いっしゅとしてとらえることも可能かのうである。古代こだいうたわれる伝統でんとうさかのぼ関連かんれんせいから、「エレジー」はまた、かなしくもしくは陰鬱いんうつ性質せいしつであるのが普通ふつうのあるしゅ音楽おんがく作品さくひんのタイプもしうる。

エレジーは古代こだいからつづけられている。主要しゅよう作者さくしゃとしては セクストゥス・プロペルティウスホルヘ・マンリケヤン・コハノフスキチディオック・ティッチボーンエドマンド・スペンサーベン・ジョンソンジョン・ミルトントマス・グレイシャーロット・ターナー・スミスウィリアム・カレン・ブライアントパーシー・ビッシュ・シェリーヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテイフゲニー・バラトゥインスキーアルフレッド・テニスンウォルト・ホイットマンルイ・ガレアントニオ・マチャードフアン・ラモン・ヒメネスウィリアム・バトラー・イェイツライナー・マリア・リルケヴァージニア・ウルフフェデリコ・ガルシーア・ロルカカマウ・ブラスウェイトなどがいる。

挽歌ばんか」というかたり中国ちゅうごくかんしゃときうたわれたうたした。日本にっぽんでは『萬葉集まんようしゅう』(8世紀せいきごろ)の3つの部立ぶだて(雑歌ぞうか相聞そうもんうた挽歌ばんか)のうちの1つとなり、柿本人麻呂かきのもとのひとまろによる皇族こうぞくさいしての多数たすう儀礼ぎれいてき挽歌ばんかと、つまさいしての悲痛ひつう挽歌ばんか双方そうほうおさめられている[76]。『古今ここん和歌集わかしゅう以降いこうでは「哀傷あいしょう」としておおくの歌人かじんによりまれつづけた。

寓話ぐうわ

イソップ寓話ぐうわより「ウサギとカメ」。ミロ・ウィンター

寓話ぐうわ古代こだいからある、ほぼどこにでもられる文学ぶんがくジャンルであり、(つねにではないが)しばしば韻文いんぶん表現ひょうげんされる。人間にんげんされた動物どうぶつ植物しょくぶつ無生物むせいぶつ自然しぜんちからなどを登場とうじょうさせ道徳どうとくてき教訓きょうくん説明せつめいする簡潔かんけつ物語ものがたりである。寓話ぐうわはさまざまなメーターと押韻おういん構成こうせいもちいてきた。たとえばイグナツィ・クラシツキは『寓話ぐうわとたとえはなし』を13音節おんせつから押韻おういんしたぎょうれんいた。

重要じゅうよう寓話ぐうわ詩人しじんにはアイソーポス(イソップ)(BC6世紀せいき中葉ちゅうよう)、ヴィシュヌ・シャルマ(BC2世紀せいきごろ)、パイドロス (BC15-AD50)、マリー・ド・フランス(12世紀せいき)、ロバート・ヘンリスン(1470-1500ごろ活躍かつやく)、en:Biernat of Lublin (1465?-1529?)、ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ(1621-95)、イグナツィ・クラシツキ(1735-1801)、フェリックス・マリア・デ・サマニエゴ (1745-1801)、トマス・デ・イリアルテ (1750-1791)、イヴァン・クルィロフ(1769-1844)、アンブローズ・ビアス (1842-1914) などがいる。イソップの訳者やくしゃ継承けいしょうしゃすべてこのなか伝説でんせつてき寓話ぐうわ作家さっかりがある。

寓話ぐうわいちれいとして、イグナツィ・クラシツキ『寓話ぐうわとたとえはなし』(1779)から「ひつじおおかみたち」をげる。

ポーランド原詩げんし[77] 日本語にほんごやく
Zawżdy znajdzie przyczynę, kto zdobyczy pragnie. 必要ひつようとなればいつだって攻撃こうげきには大義たいぎ見付みつかるもの。
Dwóch wilków jedno w lesie nadybali jagnię; うろつく二人ふたりおおかみもりひつじめて
Już go mieli rozerwać; rzekło: "Jakim prawem?" びかかろうとするところ。ひつじうた「一体いったいなんの権利けんりがあって?」
"Smacznyś, słaby i w lesie!" — Zjedli niezabawem. 「おまえむねそうだし、よわいし、もりにいたから。」――おおかみたちなんなくひつじたいらげた。

散文詩さんぶんし

シャルル・ボードレールギュスターヴ・クールベ

散文詩さんぶんし散文さんぶん両方りょうほう性質せいしつせる異種いしゅ交配こうはいてきなジャンルである。ちょう短篇たんぺん小説しょうせつショートショート、フラッシュフィクション〔en:flash fiction〕)や随筆ずいひつとの区別くべつ困難こんなん場合ばあいもある。簡潔かんけつさ、隠喩いんゆ使用しよう言語げんごへの格別かくべつ注意ちゅういなどの理由りゆうから做される。

早期そうき散文さんぶんなかにも現代げんだい読者どくしゃ詩的してき印象いんしょうあたえるものがあるが、一般いっぱんてきには散文詩さんぶんしアロイジウス・ベルトランシャルル・ボードレールアルチュール・ランボーステファヌ・マラルメなどの(象徴しょうちょう詩人しじん実践じっせんにより19世紀せいきフランスでこったものとかんがえられている。

その、このジャンルにはすうおおくの言語げんご注目ちゅうもくあたいするれいあらわれた:

フリオ・コルタサル

脚注きゃくちゅう

注釈ちゅうしゃく

  1. ^ 今日きょうではデジタルメディアの特性とくせいんだ (en:Digital poetry) もおこなわれ、また小説しょうせつ投稿とうこうサイトなど投稿とうこう形式けいしきインターネットせるいとなみもある。
  2. ^ ぎゃく日本にっぽん読者どくしゃ場合ばあい適当てきとうくだりけされた断片だんぺんてきもの想像そうぞうするかもしれないが、(すぐれたものであれば)そうしたにもかくれたリズムや音調おんちょうがあるものである。萩原はぎはら朔太郎さくたろう原理げんり』1928ねんhttp://www.aozora.gr.jp/cards/000067/files/2843_26253.html2009ねん12月30にち閲覧えつらん。「すべてのは、かならずしも規約きやくされた形式けいしき韻文いんぶんではないけれども、しかもすべてのは――自由じゆうでもてい律詩りっしでも――本質ほんしつじょうおい音律おんりつ重要じゅうようし、それに表現ひょうげん生命せいめいてき意義いぎいている。」 
  3. ^ これらの出典しゅってんからあきらかなように、(すくなくともすぐれた詩人しじん作品さくひんにおいては)対比たいひやサプライズのような詩的してきではない効果こうかたり不規則ふきそくなリズムを詩的してきもちいたりといった詩的してき理由りゆうがあるものである。
  4. ^ おおくの学者がくしゃ、とりわけホメロスの流儀りゅうぎやバルカン諸国しょこく口承こうしょう叙事詩じょじし研究けんきゅうしゃたちは、初期しょき文書ぶんしょおおきなのユニットを構築こうちくするためのブロックとしてかえもちいるなどのよりふる伝統でんとうあとをはっきりとしめしているのではないかと示唆しさしている。記憶きおく補助ほじょとして筆記ひっき利用りようできるようになるまえにはリズミカルでかえしのある形式けいしきなが物語ものがたり記憶きおくふたたかたるのを容易よういにしたのであろう。
  5. ^ たとえば、16世紀せいきのアラブ世界せかいでは外交がいこうおおくは詩的してき形式けいしきつうじておこなわれた。See Natalie Zemon Davis. Trickster's Travels. Hill & Wang, (2006), ISBN 0809094355.
  6. ^ 政治せいじてき毒舌どくぜつれいとしてはリベル(中傷ちゅうしょうぶん)や、マルティアリスカトゥルス古典こてんてきエピグラムなどがある。
  7. ^ 古代こだいギリシアでは、医学いがく学問がくもんてき作品さくひんはしばしば韻文いんぶん形式けいしきかれた。1500ねんイブン・スィーナー医学いがくてきテクストのおおくも韻文いんぶんであった。
  8. ^ イブン・ルシュドはアリストテレスの『詩学しがく』の、原典げんてん例文れいぶんをアラビアの詩人しじんたちのものにえた注釈ちゅうしゃくあらわした。 See, for example, W. F. Bogges. 'Hermannus Alemannus' Latin Anthology of Arabic Poetry,' Journal of the American Oriental Society, 1968, Volume 88, 657-70, and Charles Burnett, 'Learned Knowledge of Arabic Poetry, Rhymed Prose, and Didactic Verse from Petrus Alfonsi to Petrarch', in Poetry and Philosophy in the Middle Ages: A Festschrift for Peter Dronke. Brill Academic Publishers, (2001), ISBN 90-04-11964-7.
  9. ^ たとえば、イマヌエル・カント判断はんだんりょく批判ひはん』(J.H.バーナードやく、p.131)では自意識じいしきてき抽象ちゅうしょううつくしい形式けいしきという性質せいしつ言葉ことばによる芸術げいじゅつなか最高さいこうへとげ、より論理ろんりてき物語ものがたりてき散文さんぶんはそのしたるものとされていた。
  10. ^ Negative Capability適切てきせつ訳語やくごてるのはきわめて困難こんなんである。藤本ふじもと周一しゅういち (3 2005). “John Keats: “Negative Capability”の「訳語やくご」をめぐる概念がいねん検証けんしょう (pdf). 大阪おおさかけいだい論集ろんしゅう 55 (6): 5 - 27. ISSN 04747909. http://www.osaka-ue.ac.jp/gakkai/pdf/ronshu/2004/5506_ronko_fujimoto.pdf 2009ねん12月2にち閲覧えつらん. 
  11. ^ "A poem should not mean / But be" 『詩論しろん』という題名だいめいホラティウス同名どうめい評論ひょうろんへの言及げんきゅうである。このがどのようなものでなければならないかの宣言せんげん列挙れっきょし、この著名ちょめいな2ぎょうむすんでいる。[1]
  12. ^ しつ楽園らくえん』の2つのはんプロジェクト・グーテンベルク利用りようできる。Project Gutenberg text version 1 and Project Gutenberg text version 2.
  13. ^ ロシア原典げんてん[2]と、チャールズ・ジョンストンによる英訳えいやく[3]利用りよう可能かのう英語えいごばんウィキペディアのEugene OneginNotes on Prosody項目こうもくおよびその注釈ちゅうしゃくにある、翻訳ほんやくじょう問題もんだいてんや、ロシア英語えいごじゃくきょうよんかくちがいにかんする議論ぎろん参照さんしょう
  14. ^ 脚韻きゃくいん頭韻とういんるいいん音韻おんいんはまた反復はんぷくする音声おんせいのパターンからは分離ぶんりされた意味いみをもちうる。たとえば、ジェフリー・チョーサー英語えいご嘲笑ちょうしょうし、人物じんぶつ時代遅じだいおくれにせるために過度かど頭韻とういん使用しようしたし、クリストファー・マーロウは"th", "f", "s"による頭韻とういん子音しいんいんわせをもちいて、女々めめしく描写びょうしゃしたい人物じんぶつ舌足したたらずにしゃべらせた。いちれいとして、マーロウ『タンバレイン大帝たいてい』の冒頭ぼうとうのスピーチをよ(Project Gutenberg)。
  15. ^ 日本語にほんごはほぼすべてのモーラがひらけ音節おんせつで、すべてで100種類しゅるいきょうしかないので単調たんちょうになり押韻おういんにはてきさなかった(金田一きんだいち春彦はるひこ日本語にほんご特質とくしつ』NHKブックス、1991ねん)。「日本語にほんご音韻おんいん」も参照さんしょう
  16. ^ 日本語にほんごでも藤原公任ふじわらのきんとう和歌わかきのおとは えてひさしく りぬれど こそがれて ほきこえけれ」や島崎しまざき藤村とうそん千曲川ちくまがわ旅情りょじょううた』「もろなる じょうのほとり」のようにモーラ単位たんい頭韻とういんほう散見さんけんされる。
  17. ^ フランスほうでは、place/masseのように末尾まつび無音むおんのeわるいん女性じょせいいん、pleur/fleurのようにそれ以外いがいわるいん男性だんせいいんぶ。両者りょうしゃ交互こうごはいする交韻を正則せいそくとし、に「a-a-b-b」とはいするひらいん、「a-b-b-a」とはいする抱擁ほうよういんがある(fr:rime参照さんしょう)。えいでは最後さいご音節おんせつにアクセントがあれば男性だんせいいん、なければ女性じょせいいん(この場合ばあい2音節おんせつ以上いじょう押韻おういんもとめられる)となる。
  18. ^ 実際じっさいに、ウマル・ハイヤームの『ルバイヤート』の翻訳ほんやくにあたって、エドワード・フィッツジェラルド原詩げんし押韻おういん構成こうせい保持ほじしようとこころみた。この翻訳ほんやくはプロジェクト・グーテンベルクで利用りようできる[4]
  19. ^ ウィキソースに原典げんてん英訳えいやくあり。
  20. ^ モダニズム以前いぜんのカリグラムの好例こうれいとして、ルイス・キャロル不思議ふしぎくにのアリス』での、ねずみはなしなが尻尾しっぽかたちになっているがある。ウィキソースの原文げんぶん参照さんしょう
  21. ^ での象徴しょうちょう主義しゅぎ隠喩いんゆ用例ようれいとしてられたものにサミュエル・テイラー・コールリッジろう水夫すいふぎょう』がある。水夫すいふころされる信天翁あほうどり伝統でんとうてき幸運こううん象徴しょうちょうであり、そのには象徴しょうちょうてき含意がんいがある。
  22. ^ イソップ寓話ぐうわ』は紀元前きげんぜん500ねんごろ最初さいしょ記録きろくあらわれてなんとなく韻文いんぶん散文さんぶん双方そうほう翻訳ほんやくされてきた。時代じだいえた単体たんたいのアレゴリー情報じょうほうげんとしておそらくもっとゆたかなものであろう。その主要しゅようれいとして、13世紀せいきフランスの薔薇ばら物語ものがたり』、ウィリアム・ラングランドの『農夫のうふピアズのゆめ』、17世紀せいきフランスのジャン・ド・ラ・フォンテーヌ寓話ぐうわしゅう[5](イソップに影響えいきょうされている)なども参照さんしょう
  23. ^ ジョン・ドライデンによるホラティウスの頌歌の翻訳ほんやくが、英語えいごけんでのこの形式けいしき成立せいりつとく影響えいきょうった。ただしドライデンはホラティウスがおこなわなかった押韻おういん訳詩やくしもちいている。
  24. ^ 福永ふくなが武彦たけひこマチネ・ポエティク詩人しじんたちによるソネットなどの押韻おういん定型ていけいこころみも存在そんざいした。
  25. ^ シェイクスピアは『ハムレット』においてそのような分析ぶんせき戯画ぎがし、ジャンルが「悲劇ひげき喜劇きげき歴史れきし田園でんえん田園でんえん喜劇きげき歴史れきし田園でんえん悲劇ひげき歴史れきし悲劇ひげき喜劇きげき歴史れきし田園でんえん…」からっているといた。

出典しゅってん

  1. ^ 「(創造そうぞうのうち)音楽おんがく韻律いんりつかかわるもののみがポイエーシスとばれ、この意味いみでのポイエーシスをゆうするもののみがポイエーテースとばれるのです。」(プラトン饗宴きょうえん』)
  2. ^ "しゃこころざしこれしょ也。ざいしんためこころざし發言はつげんため。" 「とはこころざしおもむくところである。それがしんなかにあるのが『こころざし』、言葉ことばとしてはっしたものが『』である。」(『詩経しきょうじょ
  3. ^ 外山とやま正一しょういち井上いのうえ哲次郎てつじろう谷田部やたべ良吉りょうきち新体詩しんたいししょう』1882ねん8がつhttps://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/876377/1/72023ねん2がつ26にち閲覧えつらん。「ひとしシクこころざしげんフナリ、而シテささえニテハうんヒ、本邦ほんぽうニテハうんヒ、トヲ総称そうしょうスルノめいアルヲ聞カズ、此書ニスルしょハ、ニアラス、うたニアラス、而シテうんフハ、泰西たいせいノ「ポエトリー」トうんそくトヲ総称そうしょうスルノめいとうツルノミ、ヨリイハユルニアラザルナリ」 
  4. ^ a b For one recent summary discussion, see Frederick Ahl and Hannah M. Roisman. The Odyssey Re-Formed. Ithaca, New York: Cornell University Press, (1996), at 1-26, ISBN 0801483352. Others suggest that poetry did not necessarily predate writing. See, for example, Jack Goody. The Interface Between the Written and the Oral. Cambridge, England: Cambridge University Press, (1987), at 98, ISBN 0521337941.
  5. ^ Heath, Malcolm (ed). Aristotle's Poetics. London, England: Penguin Books, (1997), ISBN 0140446362.
  6. ^ See, for example, Immanuel Kant (J.H. Bernhard, Trans). Critique of Judgment. Dover (2005).
  7. ^ Dylan Thomas. Quite Early One Morning. New York, New York: New Direction Books, reset edition (1968), ISBN 0811202089.
  8. ^ John R. Strachan & Richard G. Terry, Poetry, (Edinburgh University Press, 2000). pp119.
  9. ^ As a contemporary example of that ethos, see T.S. Eliot, "The Function of Criticism" in Selected Essays. Paperback Edition (Faber & Faber, 1999). pp13-34.
  10. ^ James Longenbach, Modern Poetry After Modernism (Oxford University Press US, 1997). pp9, pp103, and passim.
  11. ^ pp xxvii-xxxiii of the introduction, in Michael Schmidt (Ed.), The Harvill Book of Twentieth Century Poetry in English (Harvill Press, 1999)
  12. ^ N.K. Sanders (Trans.). The Epic of Gilgamesh. London, England: Penguin Books, revised edition (1972), at 7-8.
  13. ^ See, e.g., Grandmaster Flash and the Furious Five. "The Message (song)," Sugar Hill, (1982).
  14. ^ Abolqasem Ferdowsi (Dick Davis, Trans.). Shahnameh: The Persian Book of Kings. New York, New York: Viking, (2006), ISBN 0-670-03485-1.
  15. ^ Wladyslaw Tatarkiewicz, "The Concept of Poetry," Dialectics and Humanism, vol. II, no. 2 (spring 1975), p. 13.
  16. ^ Heath (ed), Aristotle's Poetics, 1997.
  17. ^ See, for example, Paul F Grendler. The Universities of the Italian Renaissance. Baltimore, Maryland: Johns Hopkins University Press, (2004), ISBN 0-8018-8055-6 (for example, page 239) for the prominence of Aristotle and the Poetics on the Renaissance curriculum.
  18. ^ Christensen, A., Crisafulli-Jones, L., Galigani, G. and Johnson, A. (Eds). The Challenge of Keats. Amsterdam, The Netherlands: Rodopi, (2000).
  19. ^ See, for example, Dylan Thomas's discussion of the poet as creator in Quite Early One Morning. New York, New York: New Directions Press, (1967).
  20. ^ See, for example, Walton Liz and Christopher MacGowen (Eds.). Collected Poems of William Carlos Williams. New York, New York: New Directions Publications, (1988), or the works of Odysseus Elytis.
  21. ^ See, for example, T. S. Eliot's "The Waste Land, in T. S. Eliot. The Waste Land and Other Poems. London, England: Faber & Faber, (1940)."
  22. ^ ロラン・バルト評論ひょうろん作者さくしゃ」(日本語にほんごやくは『物語ものがたり構造こうぞう分析ぶんせきISBN 4-622-00481-X 所収しょしゅう)を参照さんしょう
  23. ^ Robert Pinsky, The Sounds of Poetry at 52.
  24. ^ See, for example, Julia Sch&uumu;lter. Rhythmic Grammar, Berlin, Germany: Walter de Gruyter, (2005).
  25. ^ Yip. Tone. (2002) に声調せいちょう言語げんご分布ぶんぷしめした地図ちずがある。
  26. ^ Howell D. Chickering. Beowulf: a Dual-language Edition. Garden City, New York: Anchor (1977), ISBN 0385062133.
  27. ^ See, for example, John Lazarus and W. H. Drew (Trans.). Thirukkural. Asian Educational Services (2001), ISBN 81-206-0400-8. (Original in Tamil with English translation).
  28. ^ See, for example, Marianne Moore. Idiosyncrasy and Technique. Berkeley, California: University of California, (1958), or, for examples, William Carlos Williams. The Broken Span. Norfolk, Connecticut: New Directions, (1941).
  29. ^ Robinson Jeffers. Selected Poems. New York, New York: Vintage, (1965).
  30. ^ Paul Fussell. Poetic Meter and Poetic Form. McGraw Hill, (1965, rev. 1979), ISBN 0-07-553606-4.
  31. ^ Christine Brooke-Rose. A ZBC of Ezra Pound. Faber and Faber, (1971), ISBN 0-571-09135-0.
  32. ^ Robert Pinsky. The Sounds of Poetry. New York, New York: Farrar Straus and Giroux, (1998), 11-24, ISBN 0374526176.
  33. ^ Robert Pinsky, The Sounds of Poetry.
  34. ^ John Thompson, The Founding of English Meter.
  35. ^ See, for example, "Yertle the Turtle" in Dr. Seuss. Yertle the Turtle and Other Stories. New York: Random House, (1958), lines from "Yurtle the Turtle" are scanned in the discussion of anapestic tetrameter.
  36. ^ Robert Pinsky, The Sounds of Poetry at 66.
  37. ^ Vladimir Nabokov. Notes on Prosody. New York, New York: The Bollingen Foundation, (1964), ISBN 0691017603.
  38. ^ Nabokov. Notes on Prosody.
  39. ^ ウィキソース原文げんぶん
  40. ^ ウィキソース原文げんぶん
  41. ^ ウィキソース原文げんぶん
  42. ^ ウィキソース原文げんぶん
  43. ^ フランス語ふらんすご原文げんぶん、および英訳えいやく
  44. ^ For a good discussion of hard and soft rhyme see Robert Pinsky's introduction to Dante Alighieri, Robert Pinsky (Trans.). The Inferno of Dante: A New Verse Translation. New York, New York: Farar Straus & Giroux, (1994), ISBN 0374176744; the Pinsky translation includes many demonstrations of the use of soft rhyme.
  45. ^ Dante (1994).
  46. ^ See the introduction to Burton Raffel. Sir Gawain and the Green Knight. New York, New York: Signet Books, (1984), ISBN 0451628233.
  47. ^ Maria Rosa Menocal. The Arabic Role in Medieval Literary History. Philadelphia, Pennsylvania: University of Pennsylvania, (2003), ISBN 0812213246. アイルランド比較的ひかくてきはやくから脚韻きゃくいんもちいており、のヨーロッパ諸語しょご押韻おういん発達はったつ影響えいきょうした可能かのうせいがある。
  48. ^ Petrarchの作品さくひん (インターフェイスは英語えいご- プロジェクト・グーテンベルク
  49. ^ See Robert Pinsky's discussion of the difficulties of replicating terza rima in English in Robert Pinsky (trans). The Inferno of Dante: A New Verse Translation. (1994).
  50. ^ 現代げんだいにおける視覚しかく空間くうかんのさまざまな用例ようれいについては、E・E・カミングス作品さくひんや、ラ・フォンテーヌ寓話ぐうわのC.J.Mooreによる詩的してき翻訳ほんやくいろとページ配置はいちもちいてマルク・シャガールのイラストレーションをおぎなっている)を参照さんしょう。Marc Chagall (illust) and C.J. Moore (trans.). Fables of La Fontaine. The New Press, (1977), ISBN 1565844041.
  51. ^
  52. ^ 『ジュリアス・シーザー』だい3まくだい2じょうウィキソースの原文げんぶん参照さんしょう
  53. ^ Arthur Quiller-Couch (Ed). Oxford Book of English Verse. Oxford University Press, (1900). えいでは『Oxford Book of English Verse』もしくは『Norton Anthology of Poetry』が権威けんいであり、ある詩人しじん主題しゅだいにどれだけの紙幅しふくかれているかで相対そうたいてき重要じゅうようはかひとおおい。
  54. ^ E.g., "Do Not Go Gentle into that Good Night" in Dylan Thomas. In Country Sleep and Other Poems. New York, New York: New Directions Publications, (1952).
  55. ^ "Villanelle", in W. H. Auden. Collected Poems. New York, New York: Random House, (1945).
  56. ^ "One Art", in Elizabeth Bishop. Geography III. New York, New York, Farar, Straus & Giroux, (1976).
  57. ^ Etsuko Yanagibori(やなぎほり悦子えつこ). “BASHO'S HAIKU ON THE THEME OF MT. FUJI” (英語えいご). THE PERSONAL NOTEBOOK OF Etsuko Yanagibori. 2007ねん8がつ3にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2019ねん1がつ3にち閲覧えつらん
  58. ^ ウィキソース所収しょしゅう
  59. ^ 小川おがわ亮作りょうさくによる原典げんてんやく(1949)。青空あおぞら文庫ぶんこ所収しょしゅう
  60. ^ 朝鮮ちょうせん[6]
  61. ^
  62. ^ Acrostic”. Answers.com. 2009ねん12月8にち閲覧えつらん
  63. ^ 外山とやま正一しょういち井上いのうえ哲次郎てつじろう谷田部やたべ良吉りょうきち新体詩しんたいししょう』1882ねん8がつhttps://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/876377/1/72023ねん2がつ26にち閲覧えつらん。「而シテうんフハ、泰西たいせいノ「ポエトリー」トうんそくトヲ総称そうしょうスルノめいとうツルノミ……而シテ此書ニスルしょまたななナリ、ななななト雖モ、いにしえ法則ほうそくかかわハルしゃニアラス、且ツおっとレ此外種々しゅじゅ新体しんたいもとめメントよくス、新体しんたいしょうスルナリ」 
  64. ^ 財団ざいだん法人ほうじん新村しんむらいずる記念きねん財団ざいだん へん広辞苑こうじえん』(だい5はん岩波書店いわなみしょてん、1998ねん11月。ISBN 4-00-080111-2。「広義こうぎには新体詩しんたいしふくみ、狭義きょうぎには文語ぶんご自由じゆう以後いごす。」 
  65. ^ ジャンル理論りろんかんする総合そうごうてき議論ぎろんについては、Daniel Chandler's [Introduction to Genre Theory[7]参照さんしょう
  66. ^ いちれいとしてNorthrop Frye. Anatomy of Criticism. Princeton, New Jersey: Princeton University Press, (1957)(ノースロップ・フライ批評ひひょう解剖かいぼう』)をよ。
  67. ^ Jacques Derrida, Beverly Bie Brahic (Trans.). Geneses, Genealogies, Genres, And Genius: The Secrets of the Archive. New York, New York: Columbia University Press(2006), ISBN 0231139780.
  68. ^ Hatto, A. T.. Traditions of Heroic and Epic Poetry (Vol. I: The Traditions ed.). Maney Publishing 
  69. ^ スウェーデン・アカデミー. “The Nobel Prize in Literature 1992”. Nobelprize.org. 2009ねん12月17にち閲覧えつらん
  70. ^ A. Berriedale Keith, Sanskrit Drama, Motilal Banarsidass Publ (1998).
  71. ^ A. Berriedale Keith at 57-58.
  72. ^ William Dolby, "Early Chinese Plays and Theatre," in Colin Mackerras, Chinese Theatre, University of Hawaii Press, 1983, p. 17.
  73. ^ ニザーミー しる岡田おかだ恵美子えみこ わけライラとマジュヌーン平凡社へいぼんしゃ、1981ねんISBN 4-582-80394-6 
  74. ^ ニザーミー しる岡田おかだ恵美子えみこ わけホスローとシーリーン平凡社へいぼんしゃ、1977ねんISBN 4-582-80310-5 
  75. ^ Dick Davis (January 6, 2005), "Vis o Rāmin," in Encyclopaedia Iranica Online Edition. Accessed on April 25, 2008.
  76. ^ 松本まつもと洋子ようこ (7 1987). 挽歌ばんかなかひと麻呂まろ (pdf). 日本にっぽん文學ぶんがくよう: 13 - 34. ISSN 02877872. NAID 110000208340. https://hdl.handle.net/10114/00019513 2010ねん1がつ2にち閲覧えつらん. 
  77. ^ ウィキソース原文げんぶん

参考さんこう文献ぶんけん

詞華集しかしゅう

韻律いんりつろん形式けいしき

批評ひひょう歴史れきし

  • Cleanth Brooks. The Well Wrought Urn: Studies in the Structure of Poetry. New York, New York: Harcourt Brace & Company, (1947).
  • William K. Wimsatt, Jr. & Cleanth Brooks. Literary Criticism: A Short History. New York, New York: Vintage Books, (1957).
  • T. S. Eliot. The Sacred Wood: Essays on Poetry and Criticism. London, England: Methuen Publishing, Ltd., (1920).
  • George Gascoigne. Certayne Notes of Instruction Concerning the Making of English Verse or Ryme[8].
  • Ezra Pound. ABC of Reading. London, England: Faber, (1951).
  • Wladyslaw Tatarkiewicz. "The Concept of Poetry," translated by Christopher Kasparek, Dialectics and Humanism: the Polish Philosophical Quarterly, vol. II, no. 2 (spring 1975), pp. 13-24.
  • John Thompson. The Founding of English Meter. New York, New York: Columbia University Press (1961).

言語げんご

  • Zhiming Bao. The structure of tone. New York, New York: Oxford University Press (1999) ISBN 0-19-511880-4.
  • Morio Kono. "Perception and Psychology of Rhythm" in Accent, Intonation, Rhythm and Pause. (1997).
  • Moira Yip. Tone. Cambridge textbooks in linguistics, Cambridge: Cambridge University Press (2002) ISBN 0-521-77314-8 (hbk), ISBN 0-521-77445-4 (pbk).

その

関連かんれん項目こうもく

外部がいぶリンク