道路どうろ

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道路どうろ(どうろ、ラテン語らてんご strata、 フランス語ふらんすご route、ドイツ Straße英語えいご road、スペイン calle)とは、ひと車両しゃりょうなどが通行つうこうするためのみち[1]ひと車両しゃりょう交通こうつうのためにもうけられた地上ちじょう通路つうろ[2]である。

フランス田舎いなか街道かいどう。しばしばりょうわき並木なみきえられている。
ニューヨーク5ばんがい道路どうろ(2008ねん)

概要がいよう[編集へんしゅう]

英語えいごroadみち全般ぜんぱん言葉ことばである。street都市とし道路どうろ街路がいろ)を意味いみする言葉ことばとしてもちいられるので、roadのほうがまちまちむすみち街道かいどう)をすことがおおい。

道路どうろ」が漢語かんごとしてはじめて使用しようされた記録きろくは、紀元前きげんぜん1000ねんごろ古代こだい中国ちゅうごく王朝おうちょうであるしゅう時代じだい経典きょうてんしゅうらい』である[3]。『論語ろんご』でも使つかわれている[注釈ちゅうしゃく 1]日本にっぽんでは、江戸えど時代じだい俳人はいじんられる松尾まつお芭蕉ばしょうの『おくのほそみち』の一節いっせつに「道路どうろ」が使つかわれ[3]明治めいじ時代じだい文明開化ぶんめいかいか以降いこうにはおお使用しようされるようになった。

道路どうろは、交通こうつうようとなるおおやけぶつ[注釈ちゅうしゃく 2]だれでもいつでも通行つうこうすることができる日常にちじょう生活せいかつ不可欠ふかけつなものであり、おおくの人々ひとびと共同きょうどう使用しようするものである[5]。また、交通こうつうじょう特徴とくちょうとしては、たん公共こうきょう施設しせつという物理ぶつりてき概念がいねんにとどまらず、道路どうろどうしがまじわりネットワークを形成けいせいしており、おおくの場合ばあい目的もくてきまで複数ふくすう経路けいろ選択せんたくすることができることにある[5]。つまり、道路どうろ安全あんぜん円滑えんかつ交通こうつう確保かくほと、交通こうつうネットワークとしての機能きのう重要じゅうようされている[5]

歴史れきし[編集へんしゅう]

みち」のこり[編集へんしゅう]

人間にんげんししたちが、食物しょくもつえさもとめてさがあるいていくうちにくさけられて、自然しぜんにできた小道こみち道路どうろ起源きげんだとわれている[6]

狩猟しゅりょう採取さいしゅおこなっていた原始げんし社会しゃかいでは動物どうぶつ移動いどうにともなってできるけものどう狩猟しゅりょうみんらによって利用りようされる場合ばあいもあった。そして、もうひとつの原初げんしょてきみちは「どう」である。ひときていくためにったり狩猟しゅりょうたり、あるいはさかなりにったりしながら、なんおなじところをうことをくりかえすうちに、地面じめんかためられて自然しぜんくさってすじじょうの「みち」になった[7]人類じんるい農耕のうこうはじめて集団しゅうだん定住ていじゅうし、そうした集落しゅうらくあいだもの情報じょうほう交換こうかん婚姻こんいんなどがおこなわれるようになるとひと往来おうらい頻繁ひんぱんになり、はじめはひとひとりがやっととおれたみち何人なんにんもがうことではばひろみちへとわり、生活せいかつしていくなかから自然しぜん発生はっせいてき発展はってんしていった[7]

現在げんざい発見はっけんされているなかで最古さいこ道路どうろ整備せいびあととされることのあるもののひとつには、イングランドにある Sweet Track土手どてどうがあり、紀元前きげんぜん3800ねんごろさかのぼる。

舗装ほそうのはじまり[編集へんしゅう]

みち晴天せいてんとく不自由ふじゆういが雨天うてんになるとぬかるんで泥道どろみちになってしまいあるくことが困難こんなんになってしまう。それをふせぐために舗装ほそうおこなわれるようになった。

ひとによる舗装ほそう最古さいこのものとしては紀元前きげんぜん4000ねんころのものが発見はっけんされている。

古代こだいのエジプトじんは、ピラミッド建設けんせつで、構築こうちくよう資材しざいとなるおおきな石塊いしくれ遠方えんぽうより運搬うんぱんするために、小石こいしなどをのぞいて石畳いしだたみみち整備せいびしてコロをもちいて人力じんりき運搬うんぱんしたとかんがえられている[6]バビロンでは、紀元前きげんぜん2000ねんころまでには舗装ほそうされた道路どうろがあったという記録きろくのこされている[6]古代こだい中国人ちゅうごくじん紀元前きげんぜん1100年代ねんだいころ以降いこうだい規模きぼ街道かいどうととのえたが、その一部いちぶ石畳いしだたみとして整備せいびした。紀元きげん20ねんまでには、その距離きょりを40,000キロメートル (km) にまでばした。

日本にっぽん列島れっとうでは、縄文じょうもんじん縄文じょうもん時代じだい前期ぜんき中頃なかごろから中期ちゅうき末葉まつよういまからやく5900-4200ねんまえ)の遺跡いせきであるさんない丸山まるやま遺跡いせきはば12メートルの舗装ほそうされた道路どうろがあったことが、2000ねん発見はっけんされた[8]

古代こだい国家こっかによる道路どうろもう整備せいび発達はったつ[編集へんしゅう]

ギリシアのPorta Rosa。(3世紀せいきごろつくられたもの)

古代こだい文明ぶんめい発達はったつし、国家こっか誕生たんじょうするとみち計画けいかくてきつくられていくようになり、道路どうろもう整備せいび権力けんりょく象徴しょうちょうにもなった[6]

なかでもマ帝国まていこく建設けんせつしたローマ街道かいどうは、もっとだい規模きぼ組織そしきてきなものとしてよくられ、その道路どうろもうそう延長えんちょうやく29まん km、うち主要しゅよう幹線かんせんは8まん6000 kmにもおよんだ[9][10]当時とうじ隆盛りゅうせいきわめた古代こだいローマじんは「世界せかいのすべてのみちはローマにつうず! 」と豪語ごうごしたとわれており[6]道路どうろ性格せいかく軍事ぐんじしょく政治せいじしょくつよいもので、ローマ中心ちゅうしんとする広大こうだい領域りょういきに、はばすうメートルほどある平坦へいたん道路どうろ放射状ほうしゃじょうき、都市としあいだ最短さいたん距離きょりむすぶため直線ちょくせんてきにひかれた[9]なかでも有名ゆうめいなのは、紀元前きげんぜん312ねんアッピウス・クラウディウス・カエクス命令めいれい建設けんせつはじまったアッピア街道かいどうで、道路どうろはばは15メートル、敷石しきいし舗装ほそうほどこした本格ほんかくてきなものであった[9][10]

このほか地中海ちちゅうかいクレタとうマルタとうのこ古代こだい道路どうろは、紀元前きげんぜん2000ねんごろのものといわれ、またアケメネスあさペルシア帝国ていこくおうみちは、紀元前きげんぜんやく500ねんごろダレイオス1せい時代じだいに、メソポタミア首都しゅとスーサげんイラン国内こくない)からしょうアジアサルディスげんトルコ国内こくない)へいたやく2500 kmにおよぶ帝国ていこく縦貫じゅうかんする計画けいかく道路どうろつくられた[9][11]

ひがしアジアの古代こだい中国ちゅうごくにおいては、紀元前きげんぜん220ねんまでにはた始皇帝しこうていによってはせどう(ちどう)とよばれるだい規模きぼ道路どうろもう建設けんせつはじめられた。建設けんせつ期間きかん10ねんほどのあいだつくられたはせどうそう延長えんちょうは、現代げんだい中国ちゅうごく公式こうしき記録きろくともわれる『中国ちゅうごくおおやけ』によれば1まん7920やく7481 km、はた時代じだいの1は417.5 m)とされ、『漢書かんしょ(かんじょ)』では「道幅みちはばは50やく70 m)、路側ろそくに3たけやく7 m)ごとにあおまつえた」とされる[12]始皇帝しこうていは、はせどう建設けんせつわりころ直道なおみち(ちょくどう)という、首都しゅと咸陽(かんよう)からきたびるはばやく30 m程度ていど直線ちょくせんてき軍事ぐんじ道路どうろつくっている[12]。その目的もくてきは、北方ほっぽうからの匈奴きょうど侵略しんりゃくそなえるためのものであり、現在げんざい中国ちゅうごくでは直道なおみちは「中国ちゅうごく最初さいしょ高速こうそく道路どうろ」とよばれている[12]

また、物資ぶっしはこぶための交易こうえき古代こだいよりまれていた。きたヨーロッパ産出さんしゅつされた琥珀こはく地中海ちちゅうかい沿岸えんがん地域ちいきはこぶためにまれたヨーロッパ最古さいこみちとしてられる琥珀こはくみちは、紀元前きげんぜん1900ねんごろから存在そんざいした[13][6]始皇帝しこうていたおしててられた中国ちゅうごくかん帝国ていこく時代じだい[注釈ちゅうしゃく 3]からは、国家こっか統一とういつ経済けいざい産業さんぎょう発展はってんのため関所せきしょ廃止はいしして道路どうろ建設けんせつ全国ぜんこくてきすすめられたことにより、中国ちゅうごく長安ながやすから中央ちゅうおうアジア横断おうだんして西南せいなんアジア、ヨーロッパをむすきぬみちシルクロード)が登場とうじょうする[14][15]。シルクロードは、貿易ぼうえきのための地上ちじょう通路つうろとしてもっともよくられ、紀元前きげんぜん130ねん前後ぜんこうかん時代じだいからたけみかど西域せいいき派遣はけんしたちょう(ちょうけん)によって西域せいいき商品しょうひん文化ぶんか東方とうほうへもたらされたことにはじまり、7世紀せいきごろとう時代じだいになると中国ちゅうごく特産とくさんきぬと、ヨーロッパから宝石ほうせき織物おりものはこばれた[14]。また、シルクロードは、東西とうざい文化ぶんか伝達でんたつとしておおきな役割やくわりたし、東洋とうよう西洋せいよう双方そうほうことなるすぐれたたがいの文化ぶんか吸収きゅうしゅうしながら発展はってんしていった[13]中国ちゅうごくとう時代じだいでは全国ぜんこくてき道路どうろもうつくられており、5やく3 km)ごとにうずたか(どたい、きずかれた道標どうひょう)がきずかれ、駅路えきろ整備せいびされた[16]中国ちゅうごくとうだい道路どうろ制度せいどは、日本にっぽん道路どうろにも影響えいきょうあたえており、駅伝えきでん制度せいどなどは中国ちゅうごくからえきせい導入どうにゅうしたものである[16]

南米なんべいではインカ(12世紀せいき前半ぜんはん-)の人々ひとびとインカじん)たちは伝令でんれいたちがアンデス山脈あんですさんみゃくつたっていけるようなインカの街道かいどうめぐらせた(→インカどう)。マヤじんたちもヨーロッパによるしん世界せかい発見はっけん以前いぜんメキシコ石畳いしだたみ道路どうろもうめぐらせていた。

中世ちゅうせい以後いごから産業さんぎょう革命かくめい[編集へんしゅう]

雨天うてんどろ状態じょうたいになった道路どうろ。(ポーランド1914ねん

ヨーロッパでは、マ帝国まていこく衰退すいたいから産業さんぎょう革命かくめいこるまで(紀元きげん3世紀せいき以後いご - 18世紀せいき初頭しょとう)のあいだは、道路どうろ整備せいび衰退すいたいし、ローマ街道かいどうとして舗装ほそう使つかわれたいしが、後世こうせい農夫のうふたちによってはずされて、家畜かちく小屋こやいえ建材けんざいとして使用しようされるなど、次第しだいみち荒廃こうはいしてった[17]。17世紀せいきのフランスでは、貴族きぞく国王こくおうせた馬車ばしゃが、道路どうろじょう泥濘でいねい(ぬかるみ)にはまって横転おうてんする災難さいなん遭遇そうぐうした状況じょうきょう銅版どうはんつたえており、同様どうよう道路どうろ惨状さんじょうはヨーロッパ全土ぜんどおおった[17]

18世紀せいき産業さんぎょう革命かくめいはいって、ようやく道路どうろ整備せいびじょうきょう改善かいぜんされるうごきがられるようになり、近代きんだいてき断面だんめん構造こうぞうをもつ道路どうろ誕生たんじょうした。道路どうろ建設けんせつ路盤ろばん工事こうじのち栗石くりいしきならしたうえに舗石をならべてランマーでかためた工事こうじおこなわれ、アーチ構造こうぞう橋梁きょうりょう建設けんせつされるようになるが、これらの工事こうじ手法しゅほう土木どぼく技術ぎじゅつ古代こだいローマ街道かいどうとさほどわらないものであった[18]

フランスではマ帝国まていこく時代じだい整備せいびされた道路どうろもういで、あらたな道路どうろ建設けんせつ維持いじ補修ほしゅう注力ちゅうりょくした[19]。1747ねん、ルイ15せい道路どうろ橋梁きょうりょうかんする王立おうりつ土木どぼく学校がっこうをパリに開校かいこうして土木どぼく技術ぎじゅつしゃ育成いくせいちかられた[19]初代しょだい校長こうちょうでもあったジャン・ルドルフ・ペロネ(1708 - 1794ねん)の監督かんとくもとで、近代きんだいてき馬車ばしゃどう整備せいびされるようになる。1764ねんには、トレサゲ(1716–1796ねん)がみちゆか路面ろめんおな断面だんめん歪曲わいきょくりつをもつ砕石さいせき舗装ほそう道路どうろであるトレサゲしき道路どうろ工法こうほう発明はつめいした[19]

ポンペイ道路どうろ

一方いっぽう、イギリスにおける道路どうろ建設けんせつとその整備せいびは、16世紀せいきはいってから馬車ばしゃ交通こうつういちじるしく発展はってんし、18世紀せいき産業さんぎょう革命かくめい馬車ばしゃ交通こうつうがさらに急増きゅうぞうしたため、馬車ばしゃ走行そうこうこたえうる強固きょうこ道路どうろ要求ようきゅうされるようになった[19]。イギリス地域ちいき道路どうろ整備せいび教区きょうく単位たんいおこなわれため、貧弱ひんじゃく多様たよう道路どうろ状況じょうきょうとなった。1706ねんころには、これを改良かいりょうするためにはつ関所せきしょつくられ、通行つうこうする車両しゃりょうから料金りょうきん徴収ちょうしゅうした。イギリスではときにはおよそ1100の料金りょうきんしょがあり、3まん8せん kmきょう道路どうろ整備せいびされた。うまによる移動いどう時代じだいには、道路どうろ砂利じゃり舗装ほそう道路どうろうえでの最大さいだいはす3%きょうでの整備せいび目指めざしていた。これはうま坂道さかみちげるのに平行へいこうちかいほうがもっと都合つごうかったためである。

どう時期じきに、トーマス・テルフォード(1757 – 1834ねん)とジョン・ラウドン・マカダム(1756 – 1835ねん)という道路どうろ建築けんちくが、それぞれ独自どくじ工法こうほう発明はつめいした。テルフォードしき道路どうろ平坦へいたんみちゆかうえ栗石くりいし敷設ふせつしてそのうえ砕石さいせき砂利じゃりめてうたてしたもので1805ねん発明はつめいされ、マカダムしき道路どうろみちゆかうえ直接ちょくせつ砕石さいせき施設しせつして上層じょうそうほそつぶ砕石さいせきうたてしたもので1815ねん発明はつめいされた[19]とくにマカダムしき道路どうろは、みじか期間きかん施工しこう可能かのうで、技術ぎじゅつてきにも容易よういであったためひろ普及ふきゅうし、近代きんだいしきマカダム道路どうろ原型げんけいにもなった[19]

シュチェチン, シュチェチン

産業さんぎょう革命かくめいのヨーロッパの道路どうろで、本格ほんかくてき道路どうろ改築かいちくおこなったのはナポレオン・ボナパルト(1769 - 1821ねん)である。ナポレオンは、ぜんヨーロッパ支配しはいすすめるうえで、戦争せんそう有利ゆうりすすめるための軍事ぐんじてき輸送ゆそう確保かくほ目的もくてき道路どうろ建設けんせつ積極せっきょくてきおこない、フランスからイタリア遠征えんせい経路けいろじょうにあるアルプスえのシンプロンとうげ道路どうろ建設けんせつ部下ぶかめいじておこなわせた[20]。100めい以上いじょう人命じんめいうしななん工事こうじえてゴンドー・トンネルが貫通かんつうし、1805ねんにシンプロンとうげえの道路どうろ完成かんせい[20]。そのモン・スニとうげ道路どうろ建設けんせつ手掛てがけ、さらにぜんヨーロッパにその範囲はんいおよんだ[20]。ナポレオンが道路どうろ建設けんせつのために支出ししゅつした予算よさんは、どう時期じき要塞ようさい建設けんせつ予算よさんやく2ばいあったとされている[20]

歴史れきしてきに、都市とし都市としむす道路どうろみち:road)とちがい、欧米おうべい都市とし内部ないぶみち街路がいろ:street)は廃物はいぶつ処理しょり場所ばしょでもあった。古代こだいローマ時代じだいみちなかみずとおし、排泄はいせつぶつなどの汚物おぶつながしていた(ポンペイ遺跡いせきなど)。そのため、みちなか両側りょうがわ町家まちやよりすうだんひくくなっていて両側りょうがわいしじょうみちわたしでわたる。また、馬車ばしゃもこの水路すいろなか通行つうこうする。また地下ちか下水道げすいどうかった近世きんせいのパリではゴミや汚物おぶつ街路がいろてていたのは有名ゆうめいはなしである。

近代きんだい[編集へんしゅう]

現代げんだいでは、自動車じどうしゃなどの車両しゃりょう移動いどうできるよう、道路どうろはほとんどあらゆる箇所かしょ整備せいびすすんでいる。ほとんどのくにで、道路どうろ輸送ゆそうもっともよく使つかわれる輸送ゆそう手段しゅだんとなっている。また、交通こうつう安全あんぜん渋滞じゅうたい解消かいしょうのために、ほとんどの先進せんしんこくでは、道路どうろレーン区切くぎって使用しようするようになっている。

車両しゃりょう道路どうろ[編集へんしゅう]

道路どうろ基本形きほんけいはただの「ひとつのめん」である。 道路どうろには両方向りょうほうこうから交通こうつうがあるので、「すれちがい」がしょうじる。素朴そぼく形態けいたいでは、ルールはいわけだが、それでは「にらみあい」や「衝突しょうとつ」がしょうじるので、自然しぜんと、みち右側みぎがわすすむのか左側ひだりがわすすむのか、という習慣しゅうかん・ルールのるいができるようになる。

欧米おうべいでは、基本きほんてき右側みぎがわすすむということになった。イギリスと日本にっぽんでは左側ひだりがわである。

おな方向ほうこうでも、歩行ほこうしゃ馬車ばしゃなどは区別くべつしたほうがいということになる。馬車ばしゃなどはみち中央ちゅうおうはしり、歩行ほこうしゃみちはしあるくということになった。古代こだいみちでは、馬車ばしゃよう意図いとてきに「レールじょう」にくぼみをつくってあるみちもある。

歩行ほこうしゃようにはたかさのことなるめん用意よういする、ということもおこなわれるようになった。

車両しゃりょうひと同時どうじ通行つうこうすると、悲惨ひさん事故じこきるかくりつす。ひと車両しゃりょう分離ぶんりすると、ひと安心あんしんしてリラックスしてあるくことができ、自動車じどうしゃ安心あんしんして高速こうそく運転うんてんすることができる。 市街地しがいち繁華はんかがいではくるま一切いっさいれず、道路どうろをすべて歩行ほこうしゃ専用せんようとしているところもある。ぎゃくに、自動車じどうしゃ専用せんよう道路どうろでは、原則げんそく自動車じどうしゃ以外いがい走行そうこうきんじることで、高速こうそく走行そうこう可能かのうにしている。

現代げんだい日本にっぽん道路どうろも、一定いってい程度ていどはばがある場合ばあいは、自動車じどうしゃ通過つうかするための車道しゃどうと、歩行ほこうしゃ通行つうこうするための歩道ほどうとに区分くぶんされている。区分くぶんのしかたは様々さまざまで、しがらみ区切くぎ方法ほうほうもあり、たかさをえる方法ほうほうもある。

欧米おうべいでは、現代げんだい自転車じてんしゃひとおおいので、道路どうろは、自動車じどうしゃよう自転車じてんしゃよう歩行ほこうしゃようの3つに区分くぶんされることがかなり一般いっぱんてきになってきている。日本にっぽん対応たいおうがまだまだおくれていて、そうした3区分くぶん徐々じょじょやしつつある状態じょうたいである。

自動車じどうしゃ普及ふきゅうするにつれ、無謀むぼう運転うんてんをするものがいることや、事故じこ被害ひがいしゃることが次第しだい問題もんだいになり、速度そくど制限せいげんおこなわれるようになった。道路どうろ標識ひょうしき設置せっちされるなど、ほう整備せいびすすんだ。

道路どうろ機能きのう[編集へんしゅう]

道路どうろ交通こうつう機能きのうは、目的もくてき移動いどうするための通行つうこう機能きのうとアクセス機能きのう、および滞留たいりゅう機能きのうの3要素ようそがある。道路どうろ交通こうつう機能きのうほかにも、まちづくりにおいて密接みっせつかかわりっており、都市とし地区ちく骨格こっかく形成けいせいや、環境かんきょう空間くうかん防災ぼうさい空間くうかんとしての機能きのうあわつ。現在げんざい道路どうろ空間くうかん日常にちじょう生活せいかつ収容しゅうようスペースでもあり、効率こうりつてき利用りようもとめられている。地下ちか空間くうかんには水道すいどうかんガスかんなど、地上ちじょうには電線でんせん電話でんわせんなどのライフライン敷設ふせつされるようになった。都市としでは道路どうろかえしをけるため、これらのライフラインを一括いっかつして収容しゅうようする共同きょうどうみぞというトンネル道路どうろ地下ちかつくられることもある。また、地下鉄ちかてつ道路どうろ地下ちか通過つうかすることがおおい。

交通こうつう機能きのう[編集へんしゅう]

道路どうろ走行そうこう速度そくどたか安全あんぜん円滑えんかつ快適かいてき移動いどう重視じゅうしする「通行つうこう機能きのう」と、走行そうこう速度そくどよりもむしろおおくの道路どうろ沿道えんどう施設しせつ接続せつぞくすることを重視じゅうしする「アクセス機能きのう」にけることができる[21]通行つうこう機能きのうせい高速こうそく道路どうろもっとたかく、いで幹線かんせん道路どうろ補助ほじょ幹線かんせん道路どうろ生活せいかつ道路どうろじゅん低下ていかしていく[21]たいするアクセス機能きのうせいは、建物たてもの施設しせつなどの目的もくてきめんする生活せいかつ道路どうろもっとたかく、いで補助ほじょ幹線かんせん道路どうろ幹線かんせん道路どうろ高速こうそく道路どうろじゅん低下ていかしていく[21]。つまり、通行つうこう機能きのうとアクセス機能きのう相反あいはんする関係かんけいゆうしているとわれている[21]

さらに道路どうろは、ちゅう停車ていしゃたい自動車じどうしゃめる場合ばあいや、歩行ほこうしゃバス停ばすていなどにあしめたい場合ばあいもあり、これらもとめられる機能きのうのことを「滞留たいりゅう機能きのう」とよんでいる[21]。「通行つうこう機能きのう」「アクセス機能きのう」「滞留たいりゅう機能きのう」の3機能きのうは、まとめて道路どうろの「交通こうつう機能きのう」とよばれており、自動車じどうしゃばかりではなく、歩行ほこうしゃ自転車じてんしゃなどをふくめたすべての利用りようしゃたいして必要ひつようとされている[21]

都市とし計画けいかくやまちづくり[編集へんしゅう]

パリ(フランス)のエトワール凱旋がいせんもんからシャンゼリゼどお

道路どうろ利用りようしゃ往来おうらいするための機能きのうだけではなく、都市とし地区ちく骨格こっかく形成けいせいし、良好りょうこう街並まちなみを形成けいせいするための機能きのうゆうしており、都市とし計画けいかくやまちづくりをすすめていくための多様たよう機能きのうゆうする重要じゅうよう構成こうせいでもある[22]家々いえいえ道路どうろめんしててられ、また道路どうろによってまち形成けいせいされて道路どうろ沿って公共こうきょう施設しせつ店舗てんぽならび、街路がいろじゅととのえられて、駅前えきまえ商業しょうぎょう地区ちくにはまちのシンボルとなる街路がいろとおストリートアヴェニュー)が形成けいせいされる[22]。さらにシンボルとなる「とおり」の景観けいかん充実じゅうじつさせるため、沿道えんどう建物たてものたかさを制限せいげんしたり、美観びかん配慮はいりょした幅広はばひろくゆとりのある歩道ほどう整備せいびされたりもする[22]。また、歩道ほどう中央ちゅうおう分離ぶんりたいうえおびもうけて街路がいろじゅにより緑陰りょくいん提供ていきょうし、緑化りょくか騒音そうおん減衰げんすい大気たいき浄化じょうかといっためんで、人々ひとびと快適かいてき環境かんきょう空間くうかん提供ていきょうする役割やくわりになっている[22]。さらに、防災ぼうさい空間くうかんとしての機能きのうたせることにより、火災かさい延焼えんしょう防止ぼうし機能きのうや、震災しんさい避難ひなん経路けいろ物資ぶっし輸送ゆそう確保かくほといった緊急きんきゅう通行つうこう空間くうかんとしての機能きのう期待きたいされている[22]

インフラ収容しゅうよう機能きのう[編集へんしゅう]

道路どうろ上空じょうくう地下ちかには、路面ろめん電車でんしゃ地下鉄ちかてつ公益こうえき施設しせつとよばれる電気でんきやガス、上下水道じょうげすいどうなどのライフライン、電話でんわなどの通信つうしんケーブルなど、生活せいかつかせないネットワークがきめこまかくめぐらせてあり、これらインフラ施設しせつ収容しゅうようする空間くうかんとしての機能きのうゆうしている[23]道路どうろ空間くうかん利用りようにはスペースに制約せいやくがあるが、交通こうつうりょうおお複数ふくすう公益こうえき施設しせつ収容しゅうようされている道路どうろでは、これらネットワーク施設しせつ効率こうりつよくおさめるために、車道しゃどう地下ちかにガス・上下水道じょうげすいどう電気でんき通信つうしんおさめる共同きょうどうみぞや、歩道ほどう電線でんせん共同きょうどうみぞ整備せいびおこなわれている[23]副次的ふくじてき効果こうかとして、電柱でんちゅうされることにより道路どうろ景観けいかん改善かいぜんし、震災しんさい電柱でんちゅう倒壊とうかいによる道路どうろ閉鎖へいさ防止ぼうしすることにもつながっている[23]。このほかにも道路どうろ地下ちか空間くうかんは、地下ちか駐車ちゅうしゃじょう地下ちか通路つうろ地下街ちかがいなどにも活用かつようされている[23]

道路どうろ住居じゅうきょ表示ひょうじ関係かんけい[編集へんしゅう]

欧米おうべいでは、 道路どうろえいStreetどくStraße)は住居じゅうきょ表示ひょうじ基礎きそとなっている。欧米おうべいりゅう発想はっそうでは、基本きほんてきに「住所じゅうしょ」というのは、道路どうろむすけて(概念的がいねんてきにぶらさげて)理解りかいされるものであって、そうした理解りかいのしかたが標準ひょうじゅんてきなのである。

街路がいろはさんで両側りょうがわおな街路がいろめい共有きょうゆうしており、住居じゅうきょ表示ひょうじとなる。いくつか番号ばんごうかたがあり、くにによってことなる。ひとつの方法ほうほうは、みち片側かたがわ奇数きすう統一とういつし、反対はんたい片側かたがわがわ偶数ぐうすう統一とういつするというものである。数字すうじちいさいほうからおおきいほうへ、順番じゅんばん敷地しきちならぶ。それによって郵便ゆうびん配達はいたつじん簡単かんたん配達はいたつできたり、土地とちかんひと訪問ほうもんすることが簡単かんたんにできる。郵便ゆうびん配達はいたつじんなら、郵便ゆうびんぶつかれている宛先あてさきとおりの名前なまえて、そのとおりまでき、あとは末尾まつび数字すうじて、まず奇数きすう偶数ぐうすうかをり、それによってみちのどちらがわかを判断はんだんし、各戸かっこ表示ひょうじされている数字すうじ確認かくにんしつつすすみ、数字すうじ一致いっちしたところでポストに投函とうかんすればよい。

土地とち分割ぶんかつされたりいええた場合ばあい対処たいしょほうについて説明せつめいする。片側かたがわに1,3,5,7,9...などと最初さいしょとお番号ばんごうられているわけであるが、たとえば3のいえ土地とち権利けんりふたつに分割ぶんかつされたら、「3-a」「3-b」などとする。これによっての「1」「5」「7」..などの番号ばんごうられた土地とち番号ばんごう変更へんこうされずにむ。

日本にっぽん京都きょうとでも一部いちぶ街路がいろとお)をもちいた住所じゅうしょ表記ひょうきおこなう(「〜(じょうどおりあがル、しもル、ひがしにゅうル、西入にしいりル」)。京都きょうと場合ばあい町名ちょうめい非常ひじょうおおく、ことなる場所ばしょにあっても町名ちょうめい同一どういつ場合ばあいがあり、これらの場所ばしょ区別くべつするために郵便ゆうびん番号ばんごう別々べつべつ設定せっていされている。これらの事情じじょうによりとおもちいたほうが住所じゅうしょ特定とくていしやすいため慣習かんしゅうてきもちいられている。

日本にっぽんでは、街路がいろ両側りょうがわが1つの町名ちょうめい共有きょうゆうしていたが、1962ねん住居じゅうきょ表示ひょうじかんする法律ほうりつ施行しこうされると、あたらしくけられた町名ちょうめい地番ちばん道路どうろかこまれるまち単位たんい住居じゅうきょ番号ばんごうけるようになった。一方いっぽう現在げんざいでも大阪おおさか中央ちゅうおう一部いちぶでは街路がいろ両側りょうがわ単位たんいとする町名ちょうめいのこっている[注釈ちゅうしゃく 4]

環境かんきょう破壊はかい[編集へんしゅう]

道路どうろ開発かいはつもりやまひらいておこなわれるため、環境かんきょう破壊はかい密接みっせつむすびついている。 ブラジルではアマゾン川あまぞんがわつらぬくように道路どうろ開発かいはつされ、環境かんきょう破壊はかい反対はんたいするこえがっている[24]

また、道路どうろ使用しようにおいてもくるま排出はいしゅつする排気はいきガス道路どうろけずれて飛散ひさんする粉塵ふんじんによる公害こうがい問題もんだいとなる。 日本にっぽんにおいては高度こうど経済けいざい成長せいちょう時代じだい道路どうろ整備せいびされ、それを利用りようするマイカーからはっせられる道路どうろ公害こうがいとして表面ひょうめんし、その環境かんきょう政策せいさくにもおおきな影響えいきょうあたえている[25]

日本にっぽん道路どうろ[編集へんしゅう]

日本にっぽんにおける一般いっぱんてき車線しゃせん都道府県とどうふけんどう秋田あきたけん

日本にっぽん法律ほうりつじょう定義ていぎ[編集へんしゅう]

日本にっぽん法律ほうりつじょう定義ていぎとしては、道路どうろほう道路どうろ交通こうつうほう建築けんちく基準きじゅんほうなどの法律ほうりつが、それぞれ道路どうろ定義ていぎさだめている。

道路どうろ交通こうつうほうの「道路どうろ[編集へんしゅう]

道路どうろ交通こうつうほうだい2じょうだい1こうは、以下いかの3つに該当がいとうする場合ばあい道路どうろとしている。

  1. 道路どうろほうだい2じょうだい1こう規定きていする道路どうろ(いわゆる公道こうどう
  2. 道路どうろ運送うんそうほうだい2じょうだい8こう規定きていする自動車じどうしゃどう(もっぱら自動車じどうしゃ交通こうつうようきょうすることを目的もくてきとしてもうけられたみち道路どうろほうによる道路どうろ以外いがいのもの)
  3. 一般いっぱん交通こうつうようきょうするその場所ばしょ

一般いっぱん交通こうつうようきょうするその場所ばしょ」とは、公道こうどう自動車じどうしゃ交通こうつうのためにもうけられたみち以外いがいで、現実げんじつ交通こうつう実態じったいから道路どうろとみなされる土地とちのことをいう。特定とくていひとしゃ自由じゆう通行つうこうすることができる場所ばしょで、現実げんじつ通行つうこう使用しようされている場所ばしょ該当がいとうする。そのため、一般いっぱん道路どうろとしての形態けいたいゆうしていなくても該当がいとうする場合ばあいがあり、私有地しゆうちであるか公有こうゆうであるかは関係かんけいがない。具体ぐたいてきには、農道のうどう林道りんどうあかせん該当がいとうし、一般いっぱん交通こうつう供用きょうようされていれば、私道しどう広場ひろば公園こうえん河川敷かせんしき地下街ちかがいひとしふくまれる。

一般いっぱん交通こうつうようきょうするその場所ばしょ」にかんする通説つうせつ判例はんれい下記かきのとおり。

  • 私有地しゆうちであっても、特定とくていひとしゃ自由じゆう通行つうこうできる状態じょうたいになっている場所ばしょは、「一般いっぱん交通こうつうようきょうするその場所ばしょ」である。(昭和しょうわ44ねん7がつ11にち最高裁判所さいこうさいばんしょだいしょう法廷ほうてい判決はんけつ昭和しょうわ43(あ)1407 )
  • 一般いっぱん交通こうつうようきょうするその場所ばしょ」とは、それが一般いっぱん公衆こうしゅうたい無条件むじょうけん開放かいほうされていることはかならずしもようしないとしても、「げん一般いっぱん公衆こうしゅうおよ車両しゃりょうとう通行つうこうようきょうされているとられる客観きゃっかんてき状況じょうきょうのある場所ばしょであって、しかも、その通行つうこうをすることについて通行つうこうしゃがいちいちその都度つど管理かんりしゃ許可きょかなどをける必要ひつようがない場合ばあいをいう。(仙台せんだい高等こうとう裁判所さいばんしょ昭和しょうわ38ねん12月23にち判決はんけつ
  • 管理かんりしゃ一般いっぱん交通こうつうようきょうすることをみとめていない場合ばあい、つまり、通行つうこうにつき管理かんりしゃ許可きょかようし、しかも客観きゃっかんてきにも特定とくてい多数たすうもの交通こうつうようきょうされているとみられる状況じょうきょうにないときは、道路どうろとしての要件ようけんく。(東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょ昭和しょうわ45ねん6がつ3にち判決はんけつ

道路どうろほうの「道路どうろ[編集へんしゅう]

道路どうろほうだい2じょうだい1こうおよびだい3じょうは、一般いっぱん交通こうつうようきょうするみちで、以下いかの4つに該当がいとうするものを道路どうろとしている。

  1. 高速こうそく自動車じどうしゃ国道こくどう
  2. 一般いっぱん国道こくどう
  3. 都道府県とどうふけんどう
  4. 市町村しちょうそんどう

道路どうろ構成こうせいするものは、路面ろめん路肩ろかたほうじき(のりしき)のほかトンネルはし渡船とせん施設しせつ道路どうろようエレベーターひとし道路どうろ一体いったいとしてその効用こうようまっとうする施設しせつ工作こうさくぶつ、および、横断おうだん歩道橋ほどうきょうなど道路どうろ附属ふぞくぶつ当該とうがい道路どうろ附属ふぞくしてもうけられているものも、道路どうろふくむとしている[26]道路どうろほう定義ていぎされる道路どうろとしてみとめることを、高速こうそく自動車じどうしゃ国道こくどう一般いっぱん国道こくどうは「道路どうろ指定してい」、都道府県とどうふけんどう市町村しちょうそんどうは「道路どうろ認定にんてい」といい、道路どうろほう適用てきようされる都道府県とどうふけんどう市町村しちょうそんどうを「認定にんてい道路どうろ」とよぶ[26]。いわゆる公道こうどうであり、道路どうろ構造こうぞうれいによる幅員ふくいん構造こうぞうなどの基準きじゅんさだめられている[26]

道路どうろ成立せいりつから廃止はいしまで段階だんかいてき規定きていがあり、(1) 路線ろせん指定してい/認定にんてい、(2) 区域くいき決定けってい、(3) 用地ようち取得しゅとく、(4) 建設けんせつ工事こうじ、(5) 供用きょうよう開始かいし、(6) 維持いじ管理かんり、(7) 路線ろせん廃止はいし変更へんこう、(8) 不要ふよう物件ぶっけん処理しょりというように行政ぎょうせいじょう手続てつづきがおこなわれる[26]

なお、道路どうろほうだい89じょう主要しゅよう地方ちほうどうは、道路どうろほうじょう道路どうろ種類しゅるいではなく、くに道路どうろ整備せいび必要ひつよう一定いってい範囲はんいない補助ほじょする道路どうろとして大臣だいじん指定していした主要しゅよう道路どうろのことであり、都道府県とどうふけんどうなかには一般いっぱん道路どうろ主要しゅよう地方ちほうどうふくまれる[26]

土地とち改良かいりょうほうの「道路どうろ[編集へんしゅう]

土地とち改良かいりょうほうもとづく道路どうろとは、農業のうぎょうよう道路どうろのことで、いわゆる農道のうどうのことである[27]幹線かんせん農道のうどう支線しせん農道のうどう大別たいべつでき、支線しせん農道のうどうには収穫しゅうかくぶつ運搬うんぱんとうのためのつう作道つくりみちと、つう作道つくりみち連絡れんらく道路どうろがある[28]基幹きかんてき農道のうどうとして、1965ねん昭和しょうわ40ねん)から実施じっしされた農林のうりん漁業ぎょぎょうよう揮発きはつぜい財源ざいげんがえ農道のうどう整備せいび事業じぎょう略称りゃくしょうのうめん道路どうろ事業じぎょう)により農林水産省のうりんすいさんしょう整備せいびする道路どうろのことを「のうめん道路どうろ」と[28]

森林しんりんほうの「道路どうろ[編集へんしゅう]

森林しんりんほうもとづく道路どうろとは、林道りんどうのことであり、森林しんりん整備せいび保全ほぜん目的もくてきとしてもうけられる道路どうろ総称そうしょうとしている[28]林道りんどうは、道路どうろほう関連かんれん規定きてい枠外わくがいにあるが、一般いっぱん交通こうつうきょうされる林道りんどうは、道路どうろ交通こうつうほう道路どうろ運送うんそう車両しゃりょうほうなどの規定きてい適用てきようされる[28]所管しょかん農林水産省のうりんすいさんしょう林野庁りんやちょうで、林道りんどう制度せいど日本にっぽん独自どくじのものとなっている[28]民有みんゆうりんなか林道りんどう種類しゅるいには、つぎのようなものがある。

  1. 一般いっぱん補助ほじょ林道りんどう
  2. みどり資源しげん幹線かんせん林道りんどう
  3. 特定とくてい森林しんりん地域ちいき開発かいはつ林道りんどう(スーパー林道りんどう

港湾こうわんほうの「道路どうろ[編集へんしゅう]

港湾こうわんほうもとづく道路どうろとは、臨港りんこう地区ちくないにおける臨港りんこう交通こうつう施設しせつとしてきょうされる臨港りんこう道路どうろのことをす。国土こくど交通省こうつうしょう予算よさんつくられ、港湾こうわん管理かんりしゃである港湾こうわんきょくまたは地方ちほう公共こうきょう団体だんたい都道府県とどうふけん市町村しちょうそん)が管理かんりおこな[28]

道路どうろ運送うんそうほうの「道路どうろ[編集へんしゅう]

道路どうろ運送うんそうほうだい2じょうだい7ごうは、以下いかの3つに該当がいとうするものを道路どうろとしている。

  1. 道路どうろほうによる道路どうろ
  2. その一般いっぱん交通こうつうようきょうする場所ばしょ
  3. 自動車じどうしゃどう(もっぱら自動車じどうしゃ交通こうつうようきょうすることを目的もくてきとしてもうけられたみち道路どうろほうによる道路どうろ以外いがいのもの。「一般いっぱん自動車じどうしゃどう」と「専用せんよう自動車じどうしゃどう」の2つがある。)

だい2じょうだい8こうでは、上記じょうきの「自動車じどうしゃどう」について定義ていぎされており、そのなかの「一般いっぱん自動車じどうしゃどう」とは、専用せんよう自動車じどうしゃどう以外いがい自動車じどうしゃどうをいい、「専用せんよう自動車じどうしゃどう」とは、自動車じどうしゃ運送うんそう事業じぎょうしゃ自動車じどうしゃ運送うんそう事業じぎょう経営けいえいするもの)がもっぱらその事業じぎょうよう自動車じどうしゃ自動車じどうしゃ運送うんそう事業じぎょうしゃがその自動車じどうしゃ運送うんそう事業じぎょうようきょうする自動車じどうしゃ)の交通こうつうようきょうすることを目的もくてきとしてもうけたみちであるとさだめている[29]

建築けんちく基準きじゅんほうの「道路どうろ[編集へんしゅう]

建築けんちく基準きじゅんほうだい42じょうは、以下いかの1〜5に該当がいとうする場合ばあい道路どうろとし、6に該当がいとうする場合ばあい道路どうろとみなしている。

  1. 道路どうろほう道路どうろ国道こくどう都道府県とどうふけんどう市町村しちょうそんどう)で、幅員ふくいん4メートル(一部いちぶ区域くいきでは6メートル)以上いじょうのもの
  2. 都市とし計画けいかくほう土地とち区画くかく整理せいりほうきゅう住宅じゅうたく造成ぞうせい事業じぎょうかんする法律ほうりつ都市としさい開発かいはつほうしん都市とし基盤きばん整備せいびほう大都市だいとし地域ちいきにおける住宅じゅうたくおよび住宅じゅうたく供給きょうきゅう促進そくしんかんする特別とくべつ措置そちほう密集みっしゅう市街地しがいち整備せいびほうもとづいてつくられた道路どうろで、幅員ふくいん4メートル(一部いちぶ区域くいきでは6メートル)以上いじょうのもの
  3. 建築けんちく基準きじゅんほう施行しこうまたは都市とし計画けいかく区域くいき編入へんにゅうにすでに存在そんざいしていたみちで、幅員ふくいん4メートル(一部いちぶ区域くいきでは6メートル)以上いじょうのもの
  4. 道路どうろほう都市とし計画けいかくほうとう新設しんせつ変更へんこう事業じぎょう計画けいかくがある道路どうろで、2ねん以内いない事業じぎょう執行しっこうされる予定よていのものとして特定とくてい行政ぎょうせいちょう指定していした幅員ふくいん4メートル(一部いちぶ区域くいきでは6メートル)以上いじょうのもの
  5. 土地とち建築けんちくぶつ敷地しきちとして利用りようするため、道路どうろほう都市とし計画けいかくほうとうによらないで築造ちくぞうする政令せいれいさだめる基準きじゅん適合てきごうするみちで、道路どうろ位置いちについて特定とくてい行政ぎょうせいちょう指定していけたもので、幅員ふくいん4メートル(一部いちぶ区域くいきでは6メートル)以上いじょうのもの(位置いち指定してい道路どうろ
  6. 上記じょうきにはいずれもふくまれないが、建築けんちく基準きじゅんほうだい42じょうだい2こうだい6こうもとづき特定とくてい行政ぎょうせいちょう指定していしたため、道路どうろとみなされるもの(42じょう2こう道路どうろ42じょう3こう道路どうろなど)

公道こうどう私道しどう区別くべつはなく、自動車じどうしゃ専用せんよう道路どうろのみ対象たいしょうがいで、幅員ふくいん4m以上いじょう道路どうろとなる[30]幅員ふくいんが4m未満みまんであるなど、それ以外いがいのものは、建築けんちく基準きじゅんほうじょうは「道路どうろ」とは位置いちづけられず、建築けんちく基準きじゅんほう関連かんれんにおいては「通路つうろ」「みち」などとばれる。

なお、建築けんちく基準きじゅんほう43じょうせっどう基準きじゅんたさないが、どうじょう但書ただしがきもとづき特定とくてい行政ぎょうせいちょう建築けんちく許可きょかした場合ばあい道路どうろについて、「ただ道路どうろ」とわれる。

その法律ほうりつ[編集へんしゅう]

上記じょうきにあげられた以外いがいに、かく法令ほうれい道路どうろ種類しゅるいとしてつぎのようなものがある[31]

このほか、不動産ふどうさん登記とうき簿じょう地目ちもく一種いっしゅとして、「公衆こうしゅうよう道路どうろ」というものがある。一般いっぱん交通こうつうようきょうする道路どうろのことをし、公道こうどう私道しどうわない。

道路どうろ一体いったいとなって利用りようされるはしトンネル横断おうだん歩道橋ほどうきょう横断おうだん地下ちか歩道ほどうなどの施設しせつふく[よう出典しゅってん]

外国がいこく表記ひょうき[編集へんしゅう]

住民じゅうみん参加さんかがた道路どうろ直営ちょくえい施工しこう[編集へんしゅう]

近年きんねんでは自治体じちたい財政ざいせい情勢じょうせい悪化あっかにより、生活せいかつ道路どうろについては機材きざい資材しざい自治体じちたい提供ていきょうし、施行しこう住民じゅうみんみずか工事こうじする事業じぎょう注目ちゅうもくされてきている。

さかえむらのケースでは、外部がいぶ発注はっちゅうするのとくら費用ひようを1/2〜1/3におさえられている[32]

用語ようご[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ またさんこく時代じだい史書ししょこころざし倭人わじんでん』のなかで、当時とうじ日本にっぽん様子ようすについて、「土地とちけわしく、樹木じゅもくしげり、細々こまごまとした道路どうろつづいていた」といったむね記述きじゅつがあり、「道路どうろ」の文字もじ使つかわれている[4]
  2. ^ 私道しどうなど、一部いちぶ個人こじん所有しょゆうぶつのぞく。
  3. ^ かん紀元前きげんぜん206ねん - 220ねんあいだにあった中国ちゅうごく王朝おうちょう
  4. ^ 太閤たいこう下水げすい割下水わりげすい)が街路がいろめんして家屋かおくあいだとおっており、それが町名ちょうめい区分くぶんとなっている。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ デジタル大辞泉だいじせん
  2. ^ 広辞苑こうじえんだいろくはん道路どうろ
  3. ^ a b 武部たけべけんいち 2015, pp. 21–23.
  4. ^ 浅井あさいけんなんじ 2015, p. 12.
  5. ^ a b c 峯岸みねぎし邦夫くにお 2018, p. 12.
  6. ^ a b c d e f 峯岸みねぎし邦夫くにお 2018, p. 34.
  7. ^ a b 浅井あさいけんなんじ 2001, p. 76.
  8. ^ 特別とくべつ史跡しせきさんない丸山まるやま遺跡いせきさんない丸山まるやま遺跡いせき 道路どうろ?”. さんない丸山まるやま遺跡いせき. 2016ねん7がつ5にち閲覧えつらん[リンク]
  9. ^ a b c d 浅井あさいけんなんじ 2001, p. 78.
  10. ^ a b 武部たけべけんいち 2015, p. 2.
  11. ^ 武部たけべけんいち 2015, pp. 7–8.
  12. ^ a b c 武部たけべけんいち 2015, pp. 5–6.
  13. ^ a b 浅井あさいけんなんじ 2001, pp. 80–81.
  14. ^ a b 武部たけべけんいち 2015, pp. 8–9.
  15. ^ 峯岸みねぎし邦夫くにお 2018, p. 2018.
  16. ^ a b 武部たけべけんいち 2015, pp. 14–15.
  17. ^ a b 武部たけべけんいち 2015, p. 16.
  18. ^ 武部たけべけんいち 2015, pp. 17–18.
  19. ^ a b c d e f 峯岸みねぎし邦夫くにお 2018, p. 36.
  20. ^ a b c d 武部たけべけんいち 2015, pp. 18–19.
  21. ^ a b c d e f 峯岸みねぎし邦夫くにお 2018, pp. 18–19.
  22. ^ a b c d e 峯岸みねぎし邦夫くにお 2018, pp. 20–21.
  23. ^ a b c d 峯岸みねぎし邦夫くにお 2018, pp. 22–23.
  24. ^ 焦点しょうてん:アマゾン奥地おくち道路どうろ再建さいけん住民じゅうみんゆめ熱帯ねったい雨林うりん枯死こしか | ロイター
  25. ^ 道路どうろ公害こうがいとは - コトバンク
  26. ^ a b c d e 窪田くぼた陽一よういち 2009, p. 18.
  27. ^ a b c d ロム・インターナショナル(へん) 2005, p. 217.
  28. ^ a b c d e f 窪田くぼた陽一よういち 2009, p. 19.
  29. ^ 窪田くぼた陽一よういち 2009, pp. 19–20.
  30. ^ 窪田くぼた陽一よういち 2009, p. 20.
  31. ^ 窪田くぼた陽一よういち 2009, p. 21.
  32. ^ a b 木村きむら俊文としふみきょうはたらけまも農地のうち道路どうろ - 長野ながのけんさかえむら -」『のうちゅう総研そうけん 調査ちょうさ情報じょうほうだい4かん株式会社かぶしきがいしゃ農林中金のうりんちゅうきん総合そうごう研究所けんきゅうじょ、2008ねん1がつISSN 1882-2460 
  33. ^ 農家のうか地域ちいき住民じゅうみんとう参加さんかがた直営ちょくえい施工しこう推進すいしんマニュアル』(PDF)(プレスリリース)農水省のうすいしょう、2005ねん8がつhttps://www.maff.go.jp/j/nousin/seko/top/t_rikai/t_chokuei/pdf/manual.pdf 
  34. ^ 日本にっぽん未来みらいえるむら 長野ながのけん下條げじょうむら出生しゅっしょうりつ「2.04」の必然ひつぜん」『日経にっけいビジネス』2009ねん2がつ10日とおかhttp://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090209/185533/ 

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]