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うわ飛車ひしゃ

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持駒もちごま
987654321 
こうかつらぎんきむおう ぎんかつらこういち
     きむかく 
 さん
        よん
       
        ろく
 なな
 かくきむ      はち
こうかつらぎん たまきむぎんかつらこうきゅう

うわ飛車ひしゃ(うきびしゃ、えい: Floating Rook)は、将棋しょうぎ序盤じょばんかたである。

あいかりでは先手せんて飛車ひしゃさき交換こうかんし、後手ごてから8すじ飛車ひしゃさき保護ほごすることを目指めざして▲2ろく後退こうたいしておく。その4すじくなどで、攻撃こうげき態勢たいせいととのえる。

うわきと翻訳ほんやくされた用語ようごは、垂下すいかへんといった用語ようご同義どうぎであるが、西洋せいようチェス手段しゅだんべつ部分ぶぶんによってまもられていない部分ぶぶんフローティングぶ。

この位置いちからの戦術せんじゅつ多数たすうある。

あいかりのれい[編集へんしゅう]

6.2ろく先手せんて飛車ひしゃかまえている。

6. ... △7ぎんまたは6 .... △6ぎん後手ごてには、みぎぎんかんして2つのオプションがある。7ふたまたは6のいずれかにすすむことが可能かのう [1] [2] 。7すじ(△7ぎん)オプションが一般いっぱんてきで、あいかりの標準ひょうじゅんてきうごきになるが、6勝又かつまた清和きよかず旧式きゅうしきとしている [3]

6. ... △7ぎんぎんを7すじ移動いどうすると、後手ごてつぎ展開てんかい可能かのうとなる。

(i)8すじ直接ちょくせつすすむ、より高速こうそくぼうぎん
(ii)たまが(必要ひつようおうじて)△6たま –△7いちたまかよって脱出だっしゅつするための経路けいろ維持いじされる
(iii)ぎんは、後手ごて飛車ひしゃが8すじから移動いどうした場合ばあいに、8さん先手せんてらしまたは8よんひかえてのらしから8さん地点ちてん保護ほごすることができる
(iv)塚田つかだスペシャルタイプの攻撃こうげき先手せんて飛車ひしゃぎんられるのをふせぐ(わりに6移動いどうした場合ばあい

しかし、これはぎんで5さん防御ぼうぎょし、その地点ちてん経由けいゆして5すじ移動いどうすることはあきらめている。

6. ... △6ぎんぎんを6移動いどうすると、後手ごてにはつぎ可能かのうせいがある。

(i)5さん地点ちてんきでをすぐに保護ほご
(ii)最終さいしゅうてきぎんを5さん移動いどうする

ただし、6ぎんと6いちかねは、攻撃こうげきけた場合ばあいおう後手ごてじん右側みぎがわかってげるのをさまたげるかべになる可能かのうせいがある。この場合ばあい後手ごてぎん邪魔じゃまにならないように移動いどうする必要ひつようがあるため、攻撃こうげき参加さんかは7ぎんからのぼうぎんよりおそななぼうぎんせん千鳥ちどりぎん)になるが、それであってもぼうぎん戦略せんりゃくこころみることができる。

どちらのうごきも、5よんぎん腰掛こしかけポジショニングは可能かのうにしている。

以下いかのように後手ごては△6よんすすめた局面きょくめん。6よんまえにあらかじめ△1よんとついて、▲2よんからの「よこり」にそなえている。

先手せんてはここで▲7ろくかくどうけ、8すじ飛車ひしゃよこきがとまったところで後手ごては△8ろく飛車ひしゃさき交換こうかんこころみる。

こうして後手ごて飛車ひしゃを8よん移動いどうのちうわ飛車ひしゃがたあいかりはいくつかのことなるサブ戦術せんじゅつ分岐ぶんき。これについては以下いかくわしく解説かいせつ

鎖鎌くさりがまぎん[編集へんしゅう]

腰掛こしかけぎん[編集へんしゅう]

両者りょうしゃが、または一方いっぽう腰掛こしかけぎんまたはこしぎんすには、先手せんてみぎぎんを4ななから5ろくすすめ、後手ごてぎんを5よんから6さんすすめる必要ひつようがある [4] [5]

ぎん退路たいろをブロックしているため、最初さいしょうごかす必要ひつようはある。後手ごて通常つうじょう、4すじでの先手せんてとっきよりもはやく(6すじで)このとっきをおこなう。

13.13... △3よん後手ごてかくどうひらくことでかくをアクティビティを確保かくほする。ぎん端歩はしふうごかすまえに、かくどうひらくのがよりはやおこなわれた可能かのうせいがある。

中原なかはらりゅううわ飛車ひしゃ[編集へんしゅう]

中原なかはらりゅうしょうかり(Nakahara Double Wing Attack)は、4すじよりも3すじいて攻撃こうげき態勢たいせいをとる。

はやくの▲3ろくにより、3なな地点ちてんに、ぎんまたはかつらのどちらかが移動いどうできるスペースができる。

後手ごてかくどうけ、かくはたらきを活性かっせいすることによっておうじようとする。

これらの戦略せんりゃく中原なかはらまことにちなんで名付なづけられた。

中原なかはらりゅう3ななぎん[編集へんしゅう]

中原なかはらりゅうの3ななぎんがた戦法せんぽうは、3すじすすめられたぎんから攻撃こうげき開始かいしされる。

後手ごて同様どうようぎんすすめると、つぎ先手せんては3すじへの攻撃こうげき目指めざす。

持駒もちごま 2
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こうかつら おう ぎんかつらこういち
    きむ きむかく 
 ぎん  さん
      よん
        
    ぎん ろく
    なな
 かくきむ      はち
こうかつらぎん たまきむ かつらこうきゅう

後手ごては△5きんとし、6さんがったぎんをケアする。 先手せんてが3すじてているため、かく交換こうかんから▲4かくで、6さんぎんと2さん地点ちてん、さらに1地点ちてん(▲1どう▲2よんどう▲1 とう)をにらむことが出来できる。

中原なかはらりゅう-3ななかつら攻撃こうげき[編集へんしゅう]

中原なかはらりゅうの3ななかつら作戦さくせんは、ぎんではなく桂馬けいまを3なな移動いどうさせる。このあと中原なかはら場合ばあいは▲4はちぎん-5きゅうきん-4きゅうたまがた中原なかはらがこにして1きょくである。

このスタイルは江戸えど時代じだいからあり、80年代ねんだいには内藤ないとう國雄くにおなども愛用あいようしており、小林こばやし健二けんじ研究けんきゅうしときたまゆびしこなしていた。

塚田つかだスペシャル[編集へんしゅう]

持駒もちごま
987654321 
こうかつら きむおう ぎんかつらこういち
  ぎん   きむかく 
   さん
      よん
         
     ろく
    なな
 かくきむ   ぎん  はち
こうかつらぎん たまきむ かつらこうきゅう

塚田つかだスペシャルTsukada Special )は、塚田つかだ泰明やすあき開発かいはつしたあいかりのうわ飛車ひしゃ戦法せんぽう

たて[編集へんしゅう]

タテりまたはたてRook on Pawn)は、うわ飛車ひしゃがたしょうかりでのサブクラスであり、うわ飛車ひしゃがわは、3よん地点ちてんかくどうひらくためにけたもしくはけるさい相手あいてることを目的もくてきとして、飛車ひしゃを3すじ移動いどう [6] [7]。ここからひねり飛車ひしゃなどに変化へんかしていく。

新旧しんきゅう対抗たいこうかにかりせん[編集へんしゅう]

持駒もちごま
987654321 
こうかつら  おう  かつらこういち
   きむ きむかく 
  ぎんぎん  さん
    よん
         
   ろく
  ぎんかつら  なな
 かくきむ きむ    はち
こうかつらぎんたま    こうきゅう

昭和しょうわには先手せんて飛車ひしゃにして、後手ごてが△5よんと5すじくと雁木がんぎ飛車ひしゃにし、先手せんてが▲4ろくと4すじいてカニがこ矢倉やくらにしてたたか将棋しょうぎいくつかされている。

そのれい[編集へんしゅう]

谷川たにがわ持駒もちごま 2
987654321 
こう     おうかつらこういち
     きむ  
  かつらかくきむぎん さん
  ぎん よん
      
  ぎんぎん ろく
 きむ かつら  なな
 たまきむかく     はち
こうかつら      こうきゅう

飛車ひしゃ先手せんてよんだん後手ごてろくだんかせて戦法せんぽうあいかりのほかにもおおくある。

代表だいひょうてきなものに、あいかりに類似るいじする戦法せんぽうであるよこや、アヒルがこきむひらそで飛車ひしゃであれば羽生はぶしきたいツノぎんちゅう飛車ひしゃ使用しようされる加藤かとうしきはしかくしきちゅう飛車ひしゃなどでもうわ飛車ひしゃにしてすこともおおい。たい飛車ひしゃにはに、急戦きゅうせんであれば4ろくぎんみぎ戦法せんぽう・▲3ななかつら-4ろくぎんがたポンポンかつらなどで仕掛しかけのまえかつらあたま保護ほごする意味いみで▲2ろくいてから仕掛しかける将棋しょうぎや、石田いしだりゅう相手あいて石田いしだりゅう飛車ひしゃさき交換こうかんさせないように飛車ひしゃ対処たいしょするかたがよく活用かつようされる。飛車ひしゃにおいても石田いしだりゅうさんあいだ飛車ひしゃやゴキゲンちゅう飛車ひしゃや、あい飛車ひしゃにおいても利用りようされる。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ Hosking 1997, p. 105, Part II, Chapter 2: Floating rook (ukibisha): Introduction.
  2. ^ Hosking 1997, p. 117–122, Part II, Chapter 2: Floating rook: Section 5: Tsukada Special.
  3. ^ Katsumata 1995, ("Tsukata Special: Wondrous new discovery").
  4. ^ Aono 1983, p. 51–100, Wing Attack, Reclining Silver.
  5. ^ Hosking 1997, p. 108–112, Floating Rook section 1: Clanging Silvers & section 2: versus Centre Vanguard Pawn.
  6. ^ Fairbairn 1986, p. 64–65, Chapter 10: Opening patterns.
  7. ^ Hosking 1997, p. 106, Part II, Chapter 2: Floating rook (ukibisha): Introduction.

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Aono, Teruichi Fairbairnやく (2009) [1983]. Better moves for better shogi (2nd ed.). Ishi Press. ISBN 978-4-87187-999-6 
  • Aono, Teruichi Fairbairnやく (1983). Guide to shogi openings: Unlock the secrets of joseki. 山海さんかいどう. ISBN 4-381-00598-8 
  • Fairbairn, John (1986). Shogi for beginners (2nd ed.). Ishi Press. ISBN 978-4-8718-720-10 
  • Hosking, Tony (1996). The art of shogi. The Shogi Foundation. ISBN 978-0-95310-890-9 
  • Kitao, Madoka Kawasakiやく (2011). Joseki at a glance. Nekomado. ISBN 978-4-9052-2501-0 
  • kieta senpō no nazo”. Shogi.Net. Mainichi Communications Co. (1995ねん). 2016ねん12月4にち閲覧えつらん · Partial translation of えた戦法せんぽうなぞ kieta senpō no nazo by Kiyokazu Katsumata.

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]