廃棄はいき物ぶつの処理しょり及および清掃せいそうに関かんする法律ほうりつ

廃棄はいき物ぶつの処理しょり及および清掃せいそうに関かんする法律ほうりつ
日本にっぽんの法令ほうれい
通称つうしょう・略称りゃくしょう	廃棄はいき物ぶつ処理しょり法ほう、廃はい掃法
法令ほうれい番号ばんごう	昭和しょうわ45年ねん法律ほうりつ第だい137号ごう
種類しゅるい	環境かんきょう法ほう
効力こうりょく	現行げんこう法ほう
成立せいりつ	1970年ねん12月18日にち
公布こうふ	1970年ねん12月25日にち
施行しこう	1971年ねん9月がつ24日にち
主おもな内容ないよう	廃棄はいき物ぶつの抑制よくせいと適正てきせいな処理しょり、生活せいかつ環境かんきょうの清潔せいけつ保持ほじ
関連かんれん法令ほうれい	循環じゅんかん型がた社会しゃかい形成けいせい推進すいしん基本きほん法ほう、産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつ処理しょり特定とくてい施設しせつ整備せいび法ほう
条文じょうぶんリンク	廃棄はいき物ぶつの処理しょり及および清掃せいそうに関かんする法律ほうりつ - e-Gov法令ほうれい検索けんさく
ウィキソース原文げんぶん

廃棄はいき物ぶつの処理しょり及および清掃せいそうに関かんする法律ほうりつ（はいきぶつのしょりおよびせいそうにかんするほうりつ、昭和しょうわ45年ねん法律ほうりつ第だい137号ごう）は、廃棄はいき物ぶつの排出はいしゅつ抑制よくせいと処理しょりの適正てきせい化かにより、生活せいかつ環境かんきょうの保全ほぜんと公衆こうしゅう衛生えいせいの向上こうじょうを図はかることを目的もくてきとした法律ほうりつである。廃棄はいき物ぶつ処理しょり法ほう、廃はい掃法と略りゃくされる。

歴史れきし

1900年ねんに伝染でんせん病びょうの蔓延まんえんを防ふせぐために制定せいていされた汚物おぶつ掃除そうじ法ほうが元もととなっており、このときに、ごみ収集しゅうしゅうが市町村しちょうそんの事務じむとして位置付いちづけられている。当時とうじは公安こうあん管轄かんかつの法律ほうりつであり規制きせいと罰則ばっそくを中心ちゅうしんとした内容ないようであった。1954年ねんに清掃せいそう法ほうに改正かいせいされた。

1960年代ねんだいになると、経済けいざいの高度こうど成長せいちょうに伴ともなって、大量たいりょう消費しょうひ、大量たいりょう廃棄はいきによるごみ問題もんだいが顕在けんざい化かした。また、ごみ焼却しょうきゃく場じょう自体じたいが公害こうがい発生はっせい源げんとして、問題もんだいとなってきた。1970年ねんの公害こうがい国会こっかいにおいて、清掃せいそう法ほうを全面ぜんめん的てきに改あらためる形かたちで、廃棄はいき物ぶつの処理しょり及および清掃せいそうに関かんする法律ほうりつが成立せいりつした。1976年ねんには改正かいせいされ、「措置そち命令めいれい規定きていの創設そうせつ」、「再さい委託いたくの禁止きんし」、「処理しょり記録きろくの保存ほぞん」、「敷地しきち内ない埋立うめたて禁止きんし」などが定さだめられた。

1990年代ねんだいには、大おおきく以下いかの3回かいの改正かいせいが行おこなわれた。

• 1991年ねん改正かいせい - 特別とくべつ管理かんり廃棄はいき物ぶつ制度せいどの導入どうにゅう（特別とくべつ管理かんり産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつを対象たいしょうとしてマニフェスト制度せいどを導入どうにゅう）、廃棄はいき物ぶつ処理しょり施設しせつについての規制きせい強化きょうか（施設しせつ設置せっちが届出とどけで制せいから許可きょか制せいに）、廃棄はいき物ぶつの不法ふほう投棄とうきの罰則ばっそく強化きょうかなどが行おこなわれた。
• 1997年ねん改正かいせい - 廃棄はいき物ぶつの再生さいせい利用りように係かかる認定にんてい制度せいどの創設そうせつ、廃棄はいき物ぶつ処理しょり施設しせつの設置せっちに係かかる手続てつづきの規定きてい（生活せいかつ環境かんきょう影響えいきょう調査ちょうさの実施じっしなど）、マニフェスト制度せいどの拡大かくだい（すべての産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつに）、不法ふほう投棄とうき原状げんじょう回復かいふく基金ききん制度せいどの創設そうせつなどが行おこなわれた。
• 2000年ねん改正かいせい -「廃棄はいき物ぶつ処理しょり基本きほん方針ほうしん」（国くに）および「都道府県とどうふけん廃棄はいき物ぶつ処理しょり計画けいかく」（都道府県とどうふけん）策定さくてい制度せいどの創設そうせつ、マニフェスト制度せいどの見直みなおしなど排出はいしゅつ事業じぎょう者しゃ処理しょり責任せきにんの徹底てってい、廃棄はいき物ぶつの野外やがい焼却しょうきゃく（野焼のやき）の禁止きんし（直ちょく罰ばっ規定きていの導入どうにゅう）、支障ししょうの除去じょきょ等とうの命令めいれいの強化きょうかなどが行おこなわれた。

2000年代ねんだいは改正かいせいが頻繁ひんぱんに行おこなわれ、例たとえば、最終さいしゅう処分しょぶん場じょう跡地あとちの形質けいしつ変更へんこうを行おこなう際さいには、都道府県とどうふけん知事ちじ等とうへの届出とどけでが義務ぎむ化かされた。2006年ねんには、石綿いしわた含有がんゆう廃棄はいき物ぶつに係かかる処理しょり基準きじゅんが定さだめられた。

目的もくてき

廃棄はいき物ぶつの排出はいしゅつを抑制よくせいし、及および廃棄はいき物ぶつの適正てきせいな分別ふんべつ、保管ほかん、収集しゅうしゅう、運搬うんぱん、再生さいせい、処分しょぶん等とうの処理しょりをし、並ならびに生活せいかつ環境かんきょうを清潔せいけつにすることにより、生活せいかつ環境かんきょうの保全ほぜん及および公衆こうしゅう衛生えいせいの向上こうじょうを図はかることを目的もくてきとする（1条じょう）。

内容ないよう

廃棄はいき物ぶつの定義ていぎ、国民こくみん、事業じぎょう者しゃ、国くに、地方ちほう公共こうきょう団体だんたいの責務せきむ、一般いっぱん廃棄はいき物ぶつの処理しょり、産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつの処理しょり等とうについて定さだめる。

廃棄はいき物ぶつの定義ていぎ

この法律ほうりつにおいて「廃棄はいき物ぶつ」とは、ごみ、粗大そだいごみ、燃もえ殻がら、汚泥おでい、ふん尿にょう、廃油はいゆ、廃はい酸さん、廃はいアルカリ、動物どうぶつの死体したいその他たの汚物おぶつ又または不要ふよう物ぶつであって、固形こけい状じょう又または液状えきじょうのもの（放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつ及およびこれによって汚染おせんされた物ものを除のぞく。）をいう（2条じょう）。

ここで「不要ふよう物ぶつ」については、「占有せんゆう者しゃが自みずから、利用りようし、又または他人たにんに有償ゆうしょうで売却ばいきゃくすることができないために不要ふようになった物もの」との解釈かいしゃくが厚生省こうせいしょう（当時とうじ）環境かんきょう衛生局えいせいきょく環境かんきょう整備せいび課長かちょう通知つうちにより示しめされており、有価ゆうか物ぶつは廃棄はいき物ぶつではないと判断はんだんされる。ただし、有価ゆうか物ぶつにあたるか否ひかは客観きゃっかん的てきに明あきらかでなければ認みとめられず、性状せいじょうや排出はいしゅつ状じょう況きょう、通例つうれいなども含ふくめて総合そうごう的てきかつ客観きゃっかん的てきに廃棄はいき物ぶつであるかが判断はんだんされる。

放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつは、放射ほうしゃ性せい同位どうい元素げんそ等とうの規制きせいに関かんする法律ほうりつや特定とくてい放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつの最終さいしゅう処分しょぶんに関かんする法律ほうりつなどによって規定きていされるため、廃棄はいき物ぶつ処理しょり法ほうの対象たいしょう外がいである。また、法ほうでは「廃棄はいき物ぶつ」を産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつと一般いっぱん廃棄はいき物ぶつに大別たいべつしている。

産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつは、「事業じぎょう活動かつどうに伴ともなって生しょうじた廃棄はいき物ぶつのうち、燃もえ殻がら、汚泥おでい、廃油はいゆ、廃はい酸さん、廃はいアルカリ、廃はいプラスチック類るいその他た政令せいれいで定さだめる廃棄はいき物ぶつ」（第だい2条じょう第だい4項こう第だい1号ごう）および「輸入ゆにゅうされた廃棄はいき物ぶつ」（同どう第だい2号ごう）とされ、産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつ以外いがいのものが一般いっぱん廃棄はいき物ぶつとされる。

産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつ処理しょり業ぎょう

• 産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつ収集しゅうしゅう運搬うんぱん業ぎょう
• 特別とくべつ管理かんり産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつ収集しゅうしゅう運搬うんぱん業ぎょう
• 産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつ処分しょぶん業ぎょう
• 特別とくべつ管理かんり産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつ処分しょぶん業ぎょう

行政ぎょうせいの認許にんきょ可か・処分しょぶんに関かんする権限けんげん

施行しこう令れい第だい27条じょうによると、都道府県とどうふけん知事ちじが同どう法ほうで行おこなえる権限けんげんのうち、一部いちぶを除のぞいて地方ちほう自治じち法ほうに指定していする政令せいれい指定してい都市とし・中核ちゅうかく市しの長ちょうが行おこなうこととする、と定義ていぎされている。これらをまとめて「廃棄はいき物ぶつ処理しょり法ほう政令市せいれいし」と呼よぶことがある。

現在げんざいは中核ちゅうかく市しに指定していされている尼崎あまがさき市し、西宮にしのみや市し、呉くれ市し、佐世保させぼ市しの4市しは、一般いっぱん市しであった当時とうじ、施行しこう令れいにおいて個別こべつに指定していされていた。また大牟田おおむた市しは2020年ねん4月がつに権限けんげんを福岡ふくおか県けんへ移管いかんし、施行しこう令れいでの指定していが解除かいじょされた。

問題もんだい点てん

度重たびかさなる「対症療法たいしょうりょうほう」的てき改正かいせい

廃棄はいき物ぶつの種類しゅるいや発生はっせいする問題もんだい等とうは多様たようであり複雑ふくざつなものとなっている。このため、ほぼ毎年まいとしのように法律ほうりつの改正かいせいが行おこなわれているが、新あらたな問題もんだいが顕在けんざい化かするスピードの方ほうが圧倒的あっとうてきに早はやく、後手ごてに回まわる。また、法律ほうりつの改正かいせいが難むずかしいケースにおいては、施行しこう令れい（政令せいれい）の改正かいせい、施行しこう規則きそくの改正かいせい、通達つうたつ等ひとしの多発たはつにより事実じじつ上じょうの制度せいど改正かいせいを対症療法たいしょうりょうほう的てきに行いっているため、矛盾むじゅんが生しょうじている部分ぶぶんも多おおい。

許可きょか制度せいどの問題もんだい

廃棄はいき物ぶつの処理しょり（収集しゅうしゅう運搬うんぱん、処分しょぶん）を業ごうとするには、一般いっぱん廃棄はいき物ぶつにあっては市町村しちょうそん長ちょうの、産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつにあっては都道府県とどうふけん知事ちじの許可きょかが必要ひつよう。悪質あくしつな業者ぎょうしゃや能力のうりょくに欠かける業者ぎょうしゃを排除はいじょし、環境かんきょう保全ほぜんのために廃棄はいき物ぶつの適正てきせいな処理しょりを確実かくじつに行おこなう上うえで必要ひつような制度せいどであるが、リサイクルするための廃品はいひんを取とり扱あつかう際さいにも、許可きょかを得える必要ひつようが生しょうじる。

法律ほうりつ上じょうの「廃棄はいき物ぶつ」の定義ていぎ

廃棄はいき物ぶつか否ひかの判断はんだんは、主おもに有償ゆうしょうで取引とりひきできるか否ひかというポイントにある。このため、古紙こしでは市場いちば価格かかくの変動へんどうにより廃棄はいき物ぶつ扱あつかい寸前すんぜんとなった時期じきがあった。リサイクル制度せいどの進展しんてんを図はかるために、廃棄はいき物ぶつの定義ていぎの見直みなおしが幾度いくども試こころみられてきたが、他たの手法しゅほうによる定義ていぎ付づけは困難こんなんであり結論けつろんがでないようである。なお、行政ぎょうせい（地方ちほう公共こうきょう団体だんたい及および環境省かんきょうしょう、厚生こうせい労働省ろうどうしょう等ひとし）の実務じつむにおいては、廃棄はいき物ぶつでないものを「有価ゆうか物ぶつ」として、有償ゆうしょうでの取引とりひきか否ひかを基準きじゅんとしているが、司法しほうにおいてはいわゆる水戸みと地裁ちさいの「木きくず判決はんけつ」で、廃棄はいき物ぶつでないものを「有用ゆうよう物ぶつ」としてリサイクル用途ようとのものをこの中なかに含ふくめ、有償ゆうしょうでの取引とりひきか否ひかの基準きじゅんには必かならずしもこだわらない判断はんだんをしている。

事業じぎょう系けい一般いっぱん廃棄はいき物ぶつの取扱とりあつかいにおける、不可避ふかひの違法いほう行為こうい

廃棄はいき物ぶつ処理しょり法ほう上じょう、産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつを法律ほうりつ及および政令せいれいで定さだめる20種類しゅるいと定さだめて排出はいしゅつ者しゃの責任せきにんで処理しょりするもの（産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつ処理しょり業ぎょうの許可きょか業者ぎょうしゃに委託いたくすることが可能かのう）とし、それ以外いがいを一般いっぱん廃棄はいき物ぶつとしてその処理しょりについては市町村しちょうそんが「統括とうかつ的てきな責任せきにんを有ゆうする」としている。また産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつの一部いちぶには業種ぎょうしゅが限定げんていされているものもあり、事業じぎょう活動かつどうから排出はいしゅつされるものでも20種類しゅるいに当あてはまらなかったり、業種ぎょうしゅが該当がいとうしなかったりすると、法律ほうりつ上じょうは一般いっぱん廃棄はいき物ぶつとして扱あつかわれることとなり、これらは便宜上べんぎじょう「事業じぎょう系けい一般いっぱん廃棄はいき物ぶつ」と呼よばれている。

「事業じぎょう系けい一般いっぱん廃棄はいき物ぶつ」は、産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつのような事業じぎょう者しゃによる自己じこ処理しょり責任せきにんは定さだめられていないが、「廃棄はいき物ぶつの減量げんりょうその他たその適正てきせいな処理しょりの確保かくほ等とうに関かんし国くに及および地方ちほう公共こうきょう団体だんたいの施策しさくに協力きょうりょくしなければならない」と定さだめられており（3条じょう）、実際じっさいは市町村しちょうそんの技術ぎじゅつ・能力のうりょくでは処理しょりできないことも多おおく、事業じぎょう者しゃが処理しょり費用ひようを支払しはらって一般いっぱん廃棄はいき物ぶつ処理しょり業ぎょうの許可きょか業者ぎょうしゃに委託いたくすることが多おおい。しかし一般いっぱん廃棄はいき物ぶつにおいて許可きょか業者ぎょうしゃはあくまで市町村しちょうそんの「一般いっぱん廃棄はいき物ぶつ処理しょり計画けいかく」を補完ほかんする例外れいがい的てきな位置付いちづけでなければ許可きょかをすることができない（7条じょう5項こう）。

他た市町村しちょうそんの廃棄はいき物ぶつ受うけ入いれは住民じゅうみんの反発はんぱつも強つよいので他た市町村しちょうそんに一般いっぱん廃棄はいき物ぶつ処理しょり業者ぎょうしゃがいても処理しょりを頼たのむわけにもいかず、限かぎられた範囲はんいで適切てきせつな一般いっぱん廃棄はいき物ぶつ処理しょり業者ぎょうしゃを見みつけられない場合ばあいは、廃棄はいき物ぶつが行いき場ばを失うしなってしまうため、やむを得えず一般いっぱん廃棄はいき物ぶつ処理しょり業ぎょうの許可きょかを持もたない産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつ処理しょり業者ぎょうしゃ（許可きょかがないだけで、もちろん同種どうしゅの産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつを処理しょりしており、処理しょりの技術ぎじゅつや設備せつびがある）への処理しょり委託いたくが、違法いほうを承知しょうちで黙認もくにんされている状態じょうたいである。のみならず自治体じちたいからの行政ぎょうせい指導しどうでは、そうするように（違法いほう行為こういを）勧すすめられることもある。産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつと一般いっぱん廃棄はいき物ぶつと混和こんわすることも可能かのうになったが、管理かんり型がた処分しょぶん場じょうが必要ひつようなこともあり取扱とりあつかい者しゃは少すくない。

特とくに製造せいぞう業ぎょうにおいては、不要ふようとなった木製もくせいのパレットがかつて「事業じぎょう系けい一般いっぱん廃棄はいき物ぶつ」に該当がいとうしていたため、その処理しょりが問題もんだいとなったが、2007年ねん9月7日にちに同どう法ほうの施行しこう令れいが改正かいせいされ、木製もくせいパレット（同時どうじに使用しようする梱包こんぽう用よう木材もくざいを含ふくむ）については、2008年ねん4月がつ1日にちより産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつとして扱あつかわれることになった。

「野焼のやき」の扱あつかい

廃はい掃法第だい十じゅう六ろく条じょうの二にでは「何人なんにんも、次つぎに掲かかげる方法ほうほうによる場合ばあいを除のぞき、廃棄はいき物ぶつを焼却しょうきゃくしてはならない」と規定きていし、いわゆる「野焼のやき」を原則げんそくとして禁きんじている。その一方いっぽうで、「廃棄はいき物ぶつ処理しょり基準きじゅんに従したがった焼却しょうきゃく（いわゆる清掃せいそう工場こうじょうなど）」「他たの法令ほうれい又またはこれに基もとづく処分しょぶんにより行おこなう焼却しょうきゃく（行政ぎょうせいの実施じっしする病害虫びょうがいちゅう駆除くじょ目的もくてきの焼却しょうきゃくなど）」に加くわえ、「公益こうえき上じょう若もしくは社会しゃかいの慣習かんしゅう上じょうやむを得えない廃棄はいき物ぶつの焼却しょうきゃく又または周辺しゅうへん地域ちいきの生活せいかつ環境かんきょうに与あたえる影響えいきょうが軽微けいびである廃棄はいき物ぶつの焼却しょうきゃくとして政令せいれいで定さだめるもの」については廃棄はいき物ぶつ焼却しょうきゃく禁止きんしの「例外れいがい」とされている。

これらのうち「政令せいれいで定さだめるもの」として、廃はい掃法施行しこう令れい第だい十じゅう四よん条じょうにおいて、以下いかの通とおり焼却しょうきゃく禁止きんしの例外れいがいとなる廃棄はいき物ぶつの焼却しょうきゃくについて定さだめている。

（焼却しょうきゃく禁止きんしの例外れいがいとなる廃棄はいき物ぶつの焼却しょうきゃく）

第だい十じゅう四よん条じょう　法ほう第だい十じゅう六ろく条じょうの二に第だい三さん号ごうの政令せいれいで定さだめる廃棄はいき物ぶつの焼却しょうきゃくは、次つぎのとおりとする。

一いち　国くに又または地方ちほう公共こうきょう団体だんたいがその施設しせつの管理かんりを行おこなうために必要ひつような廃棄はいき物ぶつの焼却しょうきゃく

二に　震災しんさい、風水害ふうすいがい、火災かさい、凍こお霜害そうがいその他たの災害さいがいの予防よぼう、応急おうきゅう対策たいさく又または復旧ふっきゅうのために必要ひつような廃棄はいき物ぶつの焼却しょうきゃく

三さん　風俗ふうぞく慣習かんしゅう上じょう又または宗教しゅうきょう上じょうの行事ぎょうじを行おこなうために必要ひつような廃棄はいき物ぶつの焼却しょうきゃく

四よん　農業のうぎょう、林業りんぎょう又または漁業ぎょぎょうを営いとなむためにやむを得えないものとして行おこなわれる廃棄はいき物ぶつの焼却しょうきゃく

五ご　たき火びその他た日常にちじょう生活せいかつを営いとなむ上じょうで通常つうじょう行おこなわれる廃棄はいき物ぶつの焼却しょうきゃくであつて軽微けいびなもの

この第だい四よん号ごうをもって「農作業のうさぎょうに付随ふずいする野焼のやきは容認ようにんされる」という認識にんしきが広ひろまっている。

この例外れいがい規定きていは、あくまでも「公益こうえき上じょう若もしくは社会しゃかいの慣習かんしゅう上じょうやむを得えない廃棄はいき物ぶつの焼却しょうきゃく又または周辺しゅうへん地域ちいきの生活せいかつ環境かんきょうに与あたえる影響えいきょうが軽微けいびである廃棄はいき物ぶつの焼却しょうきゃく」を容認ようにんする目的もくてきで示しめされた条文じょうぶんであり、農作業のうさぎょうに付随ふずいする野焼のやきを一律いちりつに容認ようにんしたわけではないことが環境省かんきょうしょう環境かんきょう再生さいせい・資源しげん循環じゅんかん局きょく廃棄はいき物ぶつ適正てきせい処理しょり推進すいしん課長かちょう発はつの通達つうたつ（技術ぎじゅつ的てき助言じょげん）により指摘してきされている。また、同どう通知つうちにおいて「（例外れいがい条項じょうこうに基もとづく）当該とうがい焼却しょうきゃく行為こういにより、健康けんこう被害ひがいも含ふくむ人ひとの生活せいかつに密接みっせつな関係かんけいがある環境かんきょうに何なんらかの支障ししょうが現実げんじつに生しょうじ、又または社会しゃかい通念つうねん上じょうそのおそれがあると判断はんだんするに相当そうとうな状態じょうたいが生しょうずる場合ばあい等とうにおいては、処理しょり基準きじゅんに適合てきごうしない焼却しょうきゃく行為こういとして、措置そち命令めいれい等とうの行政ぎょうせい処分しょぶん及および行政ぎょうせい指導しどうを行おこなうことは可能かのうである」とも言及げんきゅうされている。

このことを踏ふまえると「農作業のうさぎょうに付随ふずいする野焼のやき」はあくまでも「やむを得えないもの」に限かぎられており、これを逸脱いつだつするものは行政ぎょうせい処分しょぶんの対象たいしょうとなりうることが示しめされている。

実際じっさい、2021年ねんの地方ちほう分権ぶんけん改革かいかくに関かんする提案ていあんにおいて、農業のうぎょうに伴ともなう焼却しょうきゃく行為こういにおいて近隣きんりん住民じゅうみんからの苦情くじょうが発生はっせいしていることが複数ふくすうの市しから指摘してきされており、この通達つうたつはこれを踏ふまえたものである。

構成こうせい

• 第だい1章しょう 総則そうそく（1条じょう～5条じょうの8）
• 第だい2章しょう 一般いっぱん廃棄はいき物ぶつ
  • 第だい1節せつ 一般いっぱん廃棄はいき物ぶつの処理しょり（6条じょう～6条じょうの3）
  • 第だい2節せつ 一般いっぱん廃棄はいき物ぶつ処理しょり業ぎょう（7条じょう～7条じょうの5）
  • 第だい3節せつ 一般いっぱん廃棄はいき物ぶつ処理しょり施設しせつ（8条じょう～9条じょうの7）
  • 第だい4節せつ 一般いっぱん廃棄はいき物ぶつの処理しょりに係かかる特例とくれい（9条じょうの8～9条じょうの10）
  • 第だい5節せつ 一般いっぱん廃棄はいき物ぶつの輸出ゆしゅつ（10条じょう）
• 第だい3章しょう 産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつ
  • 第だい1節せつ 産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつの処理しょり（11条じょう～13条じょう）
  • 第だい2節せつ 情報処理じょうほうしょりセンター及および産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつ適正てきせい処理しょり推進すいしんセンター
    • 第だい1款 情報処理じょうほうしょりセンター（13条じょうの2～13条じょうの11）
    • 第だい2款 産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつ適正てきせい処理しょり推進すいしんセンター（13条じょうの12～13条じょうの16）
  • 第だい3節せつ 産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつ処理しょり業ぎょう（14条じょう～14条じょうの3の3）
  • 第だい4節せつ 特別とくべつ管理かんり産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつ処理しょり業ぎょう（14条じょうの4～14条じょうの7）
  • 第だい5節せつ 産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつ処理しょり施設しせつ（15条じょう～15条じょうの4）
  • 第だい6節せつ 産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつの処理しょりに係かかる特例とくれい（15条じょうの4の2～15条じょうの4の4）
  • 第だい7節せつ 産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつの輸入ゆにゅう及および輸出ゆしゅつ（15条じょうの4の5～15条じょうの4の7）
• 第だい3章しょうの2 廃棄はいき物ぶつ処理しょりセンター（15条じょうの5～15条じょうの16）
• 第だい3章しょうの3 廃棄はいき物ぶつが地下ちかにある土地とちの形質けいしつの変更へんこう（15条じょうの17～15条じょうの19）
• 第だい4章しょう 雑則ざっそく（16条じょう～24条じょうの6）
• 第だい5章しょう 罰則ばっそく（25条じょう～34条じょう）
• 附則ふそく

関連かんれん項目こうもく

• 環境かんきょう基本きほん法ほう
  • 循環じゅんかん型がた社会しゃかい形成けいせい推進すいしん基本きほん法ほう
    • 廃棄はいき物ぶつの処理しょり及および清掃せいそうに関かんする法律ほうりつ施行しこう令れい
    • 廃棄はいき物ぶつの処理しょり及および清掃せいそうに関かんする法律ほうりつ施行しこう規則きそく
• 環境かんきょう法令ほうれい一覧いちらん - 環境かんきょう法ほう - 日本にっぽんの環境かんきょうと環境かんきょう政策せいさく
• ごみ問題もんだい
• 不法ふほう投棄とうき
• 不ふ適正てきせい保管ほかん
• 野焼のやき
• 土壌どじょう汚染おせん
• 大阪おおさか北きた区くホテル客室きゃくしつ女性じょせい殺害さつがい事件じけん - 2007年ねん12月女性じょせい用よう下着したぎを民家みんかに投なげ捨すてた男性だんせいに同どう法ほうが適用てきようされた事件じけん

資格しかく

• 特別とくべつ管理かんり産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつ管理かんり責任せきにん者しゃ
• 廃棄はいき物ぶつ処理しょり施設しせつ技術ぎじゅつ管理かんり者しゃ
• 環境かんきょう衛生えいせい指導しどう員いん

外部がいぶリンク

• 法令ほうれい条文じょうぶん
  • 廃棄はいき物ぶつの処理しょり及および清掃せいそうに関かんする法律ほうりつ - e-Gov法令ほうれい検索けんさく
  • 廃棄はいき物ぶつの処理しょり及および清掃せいそうに関かんする法律ほうりつ施行しこう令れい - e-Gov法令ほうれい検索けんさく
  • 廃棄はいき物ぶつの処理しょり及および清掃せいそうに関かんする法律ほうりつ施行しこう規則きそく - e-Gov法令ほうれい検索けんさく
• 環境かんきょう法令ほうれいガイド 廃棄はいき物ぶつの処理しょり及および清掃せいそうに関かんする法律ほうりつ（廃はい掃法／廃棄はいき物ぶつ処理しょり法ほう） - 環境かんきょう展望てんぼう台だい（国立こくりつ環境かんきょう研究所けんきゅうじょ）
• 廃棄はいき物ぶつ等とうの処理しょり - 廃棄はいき物ぶつ処理しょりに関かんする法令ほうれい・制度せいど・施策しさくの紹介しょうかい（環境省かんきょうしょう）
• 環境省かんきょうしょう 法令ほうれい・告示こくじ・通達つうたつ 総合そうごう目次もくじ 廃棄はいき物ぶつ・リサイクル