(Translated by https://www.hiragana.jp/)
「すみれ草」の版間の差分 - Wikipedia コンテンツにスキップ

「すみれそう」のはんあいだ差分さぶん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除さくじょされた内容ないよう 追加ついかされた内容ないよう
m編集へんしゅう要約ようやくなし
タグ: 曖昧あいまい回避かいひページへのリンク
 
1ぎょう: 1ぎょう:
{{otheruses|源氏物語げんじものがたり注釈ちゅうしゃくしょ|植物しょくぶつ|スミレ|その用法ようほう|すみれ}}
{{Otheruses|源氏物語げんじものがたり注釈ちゅうしゃくしょ|植物しょくぶつ|スミレ|その|すみれ (曖昧あいまい回避かいひ)}}
『'''すみれそう'''』(すみれぐさ)とは、[[江戸えど時代じだい]]に[[北村きたむらひさ備]]によりあらわされた『[[源氏物語げんじものがたり]]』の注釈ちゅうしゃくしょである。『'''源氏物語げんじものがたりすみれそう'''』ともばれることがあり、『'''すみれそう'''』と表記ひょうきされていることもおおい。[[1812ねん]](文化ぶんか9ねん)の[[刊本かんぽん]]が存在そんざいするためそれ以前いぜん成立せいりつられる。『すみれそう』の題名だいめい著者ちょしゃにより序文じょぶん末尾まつびしるされた和歌わか「なつかしみはるのすみれみつれどつねじんからのものにぞりける」によるとみられる。
『'''すみれそう'''』(すみれぐさ)とは、[[江戸えど時代じだい]]に[[北村きたむらひさ備]]によりあらわされた『[[源氏物語げんじものがたり]]』の注釈ちゅうしゃくしょである。『'''源氏物語げんじものがたりすみれそう'''』ともばれることがあり、『'''すみれそう'''』と表記ひょうきされていることもおおい。[[1812ねん]](文化ぶんか9ねん)の[[刊本かんぽん]]が存在そんざいするためそれ以前いぜん成立せいりつられる。『すみれそう』の題名だいめい著者ちょしゃにより序文じょぶん末尾まつびしるされた和歌わか「なつかしみはるのすみれみつれどつねじんからのものにぞりける」によるとみられる。


34ぎょう: 34ぎょう:


== 源氏げんじすみれそう ==
== 源氏げんじすみれそう ==
[[学習がくしゅういん]]女子じょし高等こうとう中等ちゅうとう図書としょたて所蔵しょぞうされている『すみれそう』との外題げだいおよび『源氏げんじすみれそう』との内題ないだい江戸えど時代じだい中期ちゅうき成立せいりつられる[[きりつぼ]]まきから[[若紫わかむらさき]]まきまでの[[梗概こうがいしょ]]が存在そんざいする。内容ないようきゅうちゅうである『みずうみがつしょう』のながれをむもので、北村きたむらひさ備著の『すみれそう』とはまった別物べつものである<ref>永井ながい和子かずこへん源氏げんじすみれくさ 学習がくしゅういん女子じょしちゅう高等こうとう図書としょしつぞう学習院女子短期大学がくしゅういんじょしたんきだいがく国語こくご国文こくぶん学会がっかい笠間かさま書院しょいん発行はっこう、[[1999ねん]](平成へいせい11ねん)3がつ。 ISBN 4-305-70202-9 </ref><ref>「源氏げんじすみれそう井伊いい春樹はるきへん源氏物語げんじものがたり 注釈ちゅうしゃくしょ享受きょうじゅ事典じてん東京とうきょうどう出版しゅっぱん、[[2001ねん]](平成へいせい13ねん)9がつ15にち、p. 172。 ISBN 4-490-10591-6 </ref>。
[[学習がくしゅういん女子じょしなか高等こうとう]]図書としょしつ所蔵しょぞうされている『すみれそう』との外題げだいおよび『源氏げんじすみれそう』との内題ないだい江戸えど時代じだい中期ちゅうき成立せいりつられる[[きりつぼ]]まきから[[若紫わかむらさき]]まきまでの[[梗概こうがいしょ]]が存在そんざいする。内容ないようきゅうちゅうである『みずうみがつしょう』のながれをむもので、北村きたむらひさ備著の『すみれそう』とはまった別物べつものである<ref>永井ながい和子かずこへん源氏げんじすみれくさ 学習がくしゅういん女子じょしちゅう高等こうとう図書としょしつぞう学習院女子短期大学がくしゅういんじょしたんきだいがく国語こくご国文こくぶん学会がっかい笠間かさま書院しょいん発行はっこう、[[1999ねん]](平成へいせい11ねん)3がつ。 ISBN 4-305-70202-9 </ref><ref>「源氏げんじすみれそう井伊いい春樹はるきへん源氏物語げんじものがたり 注釈ちゅうしゃくしょ享受きょうじゅ事典じてん東京とうきょうどう出版しゅっぱん、[[2001ねん]](平成へいせい13ねん)9がつ15にち、p. 172。 ISBN 4-490-10591-6 </ref>。


== 本文ほんぶん ==
== 本文ほんぶん ==

2022ねん2がつ20日はつか (日)にち 09:06時点じてんにおける最新さいしんばん

すみれそう』(すみれぐさ)とは、江戸えど時代じだい北村きたむらひさによりあらわされた『源氏物語げんじものがたり』の注釈ちゅうしゃくしょである。『源氏物語げんじものがたりすみれそう』ともばれることがあり、『すみれそう』と表記ひょうきされていることもおおい。1812ねん文化ぶんか9ねん)の刊本かんぽん存在そんざいするためそれ以前いぜん成立せいりつられる。『すみれそう』の題名だいめい著者ちょしゃにより序文じょぶん末尾まつびしるされた和歌わか「なつかしみはるのすみれみつれどつねじんからのものにぞりける」によるとみられる。

概要がいよう[編集へんしゅう]

ほんきょ宣長のりなが弟子でし直接ちょくせつには平田ひらた篤胤あつたね弟子でしであり母方ははかたおいたる)である越後えちごこく与板よいたはん藩士はんし北村きたむらひさ備がほんきょ宣長のりながによる『源氏物語げんじものがたり』の注釈ちゅうしゃくしょ源氏物語げんじものがたりだましょうくし』を補完ほかんするものとしてあらわしたものであり、序文じょぶんでは「ほんきょせんちょうが『源氏物語げんじものがたりだましょうくし』でなしなかった系図けいずに、としりつくわえたものである」とされている。平安へいあん時代じだい末期まっき以降いこう伝統でんとう源氏物語げんじものがたり系図けいず室町むろまち時代ときよ一条いちじょう兼良かねら以来いらい伝統でんとうつ『源氏物語げんじものがたり』のとしりつについて、ほんきょ宣長のりなが国学こくがくしゃによる合理ごうりてき解釈かいしゃくほどこして整理せいりし、ほぼ現在げんざいかたち確立かくりつしたものである。

この時期じき源氏物語げんじものがたり研究けんきゅう以前いぜんより精密せいみつになったのをけて『源氏物語げんじものがたり』のとしりつ系図けいず語釈ごしゃくなどをまとめた著作ちょさく数多かずおおつくられ、そのなかには『源氏物語げんじものがたりねんりつわたしこう』(阿波あわこく文庫ぶんこ蔵本ぞうほん)などこの『すみれそう』よりも詳細しょうさいなものもあったが、出版しゅっぱんされたのはこの『すみれそう』のみであり、これ以後いごの『源氏物語げんじものがたり研究けんきゅうおおきな影響えいきょうあたえた[1]

内容ないよう[編集へんしゅう]

本書ほんしょ系図けいず2かんとしりつ1かんからなるが、そのほかに語釈ごしゃく内容ないようとする「後編こうへん」が存在そんざいした可能かのうせいがある。また刊本かんぽんには平田ひらた篤胤あつたねによる序文じょぶん成立せいりつ経緯けいい説明せつめいした自序じじょされている。

系図けいず[編集へんしゅう]

系図けいずおおきく「すめらぎたね」(皇室こうしつ系図けいず)と臣下しんか系図けいずけ、臣下しんか系図けいずをさらにそれぞれの系図けいずふくまれる人物じんぶつもっとたか地位ちいによって「大臣だいじんぞく系図けいず」と「きょう大夫たいふぞく系図けいず」にけており、最後さいごに「系図けいずひと」として血統けっとう不明ふめい人物じんぶつまきべつ列挙れっきょしている。この系図けいずはそれまで主流しゅりゅうであった実隆さねたかほんくらべたとき以下いかのような特色とくしょくっている。

  • 冒頭ぼうとうに「系図けいず略図りゃくず」としてほぼ人名じんめいだけからなる全体ぜんたい俯瞰ふかんする系図けいずき、その個々ここ人物じんぶつ詳細しょうさい説明せつめいした系図けいずいていること。
  • 兄弟きょうだい姉妹しまいならかたについて、それまでの系図けいず長幼ちょうよう関係かんけいなくすべての男性だんせいさき記述きじゅつし、女性じょせいをそのにまとめて記述きじゅつしていたのをあらため、男女だんじょ関係かんけいなく年齢ねんれいじゅん記述きじゅつしていること。
  • 光源氏ひかるげんじを「六条院ろくじょういん」、浮舟うきふねを「習三くん」とするなど平安へいあん時代じだい末期まっき源流げんりゅう系図けいず時代じだいからがれてきた源氏物語げんじものがたり系図けいず独特どくとく人名じんめい表記ひょうきについて「わかりにくい」として現在げんざいられるような一般いっぱんてき記述きじゅつあらためていること。
  • 鎌倉かまくら時代ときよ以降いこう源氏物語げんじものがたり系図けいずやそれ以後いごみずうみがつしょう天文てんもんほん系図けいずにまでしばしばけられていた伝説でんせつてきかたち源氏物語げんじものがたり成立せいりつ事情じじょう説明せつめいする『源氏物語げんじものがたりのおこり』などはけられていないこと。

としりつ[編集へんしゅう]

としりつかんしては、大筋おおすじで『源氏物語げんじものがたりだましょうくしだいさんかんの「あらたせいしたるとしりつ」の内容ないよう形式けいしきをほぼそのままいでさらに加筆かひつ整理せいりしたものである。

以下いかのようなてんで『源氏物語げんじものがたりだましょうくし』をいでいる。

  • ほんきょせんちょうが『源氏物語げんじものがたり年紀としのりこう』において確立かくりつし、『源氏物語げんじものがたりだましょうくし』にがれたいわゆる「新年しんねんだて」によっている。
  • 全体ぜんたいおもて形式けいしきになっており、かくとしたてせん区切くぎっており、出来事できごとなにしるされていないとしについてもなにしるされていないらんもうけることにとってかりやすくなっている。
  • まきめい横長よこなが長方形ちょうほうけいれてしめし、そのした各巻かくかん記述きじゅつされているさまざまな出来事できごとしるしている。
  • ひょうさい下段げだん光源氏ひかるげんじおよかおる年齢ねんれいしるしている。
  • ひょうがい上部じょうぶにそれぞれの時点じてんでの在位ざいいみかどめい光源氏ひかるげんじ身分みぶん記述きじゅつしている。

源氏物語げんじものがたりだましょうくし』と比較ひかくした場合ばあい記述きじゅつ全般ぜんぱんてき詳細しょうさいになっているほかに、本書ほんしょ独自どくじ変更へんこうてんとしては以下いかのようなものがある。

  • さい下段げだん光源氏ひかるげんじおよかおる年齢ねんれいしるしたらんうえにその登場とうじょう人物じんぶつ年齢ねんれいしるらんもうけ、本文ほんぶんちゅう直接ちょくせつ典拠てんきょもとめることができる記述きじゅつ存在そんざいする場合ばあいかぎって明記めいきしている。
  • 出来事できごとおおしるされているとしについてはとしたてせん区切くぎっているほか四季しきおおきく表記ひょうきしておおきなながれをかりやすくしている。

まぼろしの「後編こうへん[編集へんしゅう]

現在げんざい本書ほんしょ『すみれそう』は、系図けいずとしりつからなるぜん3かんしょであるとされているが、当時とうじ刊本かんぽん末尾まつびに「源氏物語げんじものがたり語意ごいこう すみれくさ後編こうへん 北村きたむらひさ備翁ちょ さつ 近刊きんかん」との記述きじゅつがあるため、現在げんざい『すみれそう』とかんがえられている3かんからなる系図けいずとしりつ全体ぜんたいからるといち部分ぶぶんの「前編ぜんぺん」であり、これとはべつ語釈ごしゃくからなるさつの「後編こうへん」が構想こうそうされていたとかんがえられている。しかしながら「後編こうへん」に該当がいとうする刊本かんぽんいまのところ発見はっけんされていないため、伊井いい春樹はるきはこの「後編こうへん」は計画けいかくはされていたものの実際じっさいには刊行かんこうされなかったのではないかとしている[2]

源氏げんじすみれそう[編集へんしゅう]

学習がくしゅういん女子じょしちゅう高等こうとう図書としょしつ所蔵しょぞうされている『すみれそう』との外題げだいおよび『源氏げんじすみれそう』との内題ないだい江戸えど時代じだい中期ちゅうき成立せいりつられるきりつぼまきから若紫わかむらさきまきまでの梗概こうがいしょ存在そんざいする。内容ないようきゅうちゅうである『みずうみがつしょう』のながれをむもので、北村きたむらひさ備著の『すみれそう』とはまった別物べつものである[3][4]

本文ほんぶん[編集へんしゅう]

直接ちょくせつである平田ひらた篤胤あつたね序文じょぶんした1812ねん文化ぶんか9ねん)の刊本かんぽんがある。

影印本えいいんぼん[編集へんしゅう]

  • 中野なかの幸一こういちへん源氏物語げんじものがたり享受きょうじゅ資料しりょう影印えいいん叢書そうしょ 九曜くよう文庫ぶんこぞう 10 源氏げんじ薫香くんこうこうみなもと夜立よだち聞・雨夜あまよしずく・すみれそうつとむまこと出版しゅっぱん2009ねん平成へいせい21ねん)6がつISBN 978-4-585-00843-9

翻刻ほんこくほん[編集へんしゅう]

  • 池辺いけべ義象よしたかとうこう註『国文こくぶん叢書そうしょ 源氏物語げんじものがたり 上巻じょうかん博文ひろぶみかん1912ねん大正たいしょう元年がんねん)8がつ、pp.. 1-163。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 重松しげまつ信弘のぶひろ辞書じしょ索引さくいん系図けいずとしりつ」『しん攷源物語ものがたり研究けんきゅう風間かざま書房しょぼう、1961ねん昭和しょうわ36ねん)、pp. 401-409。
  2. ^ 「すみれそう井伊いい春樹はるきへん源氏物語げんじものがたり 注釈ちゅうしゃくしょ享受きょうじゅ事典じてん東京とうきょうどう出版しゅっぱん2001ねん平成へいせい13ねん)9がつ15にち、pp.. 414-417。 ISBN 4-490-10591-6
  3. ^ 永井ながい和子かずこへん源氏げんじすみれくさ 学習がくしゅういん女子じょしちゅう高等こうとう図書としょしつぞう学習院女子短期大学がくしゅういんじょしたんきだいがく国語こくご国文こくぶん学会がっかい笠間かさま書院しょいん発行はっこう1999ねん平成へいせい11ねん)3がつISBN 4-305-70202-9
  4. ^ 源氏げんじすみれそう井伊いい春樹はるきへん源氏物語げんじものがたり 注釈ちゅうしゃくしょ享受きょうじゅ事典じてん東京とうきょうどう出版しゅっぱん2001ねん平成へいせい13ねん)9がつ15にち、p. 172。 ISBN 4-490-10591-6

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 大津おおつ有一ゆういち注釈ちゅうしゃくしょ解題かいだい すみれぐさ」『合本がっぽん 源氏物語げんじものがたり事典じてん 下巻げかん東京とうきょうどう出版しゅっぱん1987ねん昭和しょうわ62ねん)3がつ15にち、p. 111。 ISBN 4-4901-0223-2