Tag Archives: 廃はい炉ろ

[…] 5号機ごうきは11年ねんの原発げんぱつ事故じこ時じは定期ていき点検てんけん中ちゅうで運転うんてんしていなかった。 　全身ぜんしんを包つつむ防護ぼうご服ふくを着きて、核かく燃料ねんりょうが入はいっていた「圧力あつりょく容器ようき」の真下ましたにある機器ききメンテナンス用ようの作業さぎょうスペースに入にゅうろうとすると、頭あたまをぶつけた。頭上ずじょうには、核かく燃料ねんりょうに挿入そうにゅうする制御せいぎょ棒ぼうを動うごかす装置そうちがぶら下さがり、しゃがまないと入いれない。円形えんけいの作業さぎょうスペースは直径ちょっけい約やく4メートルほど。息苦いきぐるしさがするほど狭せまくて身動みうごきが取とりづらかった。 […] 格納かくのう容器ようきの底部ていぶに降おりると、さまざまな配管はいかんや機器ききが頭上ずじょうや足元あしもとに複雑ふくざつに配置はいちされ、まっすぐ歩あるけない。1号機ごうきでは、この場所ばしょに水中すいちゅう遊泳ゆうえいするロボットを入いれて内部ないぶを調しらべているが、容易よういに操作そうさできないことが分わかった。 　圧力あつりょく容器ようきの直下ちょっかとつながる開口かいこう部ぶは、厚あつさ1メートル超ちょうのコンクリートの壁かべの間あいだを、1人ひとりがやっと通とおれるほどの狭せまさ。1号機ごうきでは、この分厚ぶあつい壁かべのコンクリートがなくなり、内部ないぶの鉄筋てっきんがむき出だしになっていた。 […] 　東電とうでんは3月がつ以降いこうに開口かいこう部ぶの内部ないぶにロボットを入いれて壁かべの全体ぜんたい的てきな損傷そんしょう状じょう況きょうを調しらべる計画けいかく。しかし、デブリや崩壊ほうかいした機器ききが多おおくあるとみられる狭せまい場所ばしょに、本当ほんとうにロボットを入いれられるのか疑問ぎもんに思おもった。東電とうでんの広報こうほう担当たんとう者しゃは「壁かべの損傷そんしょう状じょう況きょうをロボットで実際じっさいに確認かくにんしてみないと、耐震たいしん性せいが保たもたれているかも判断はんだんできない」と言葉ことばを濁にごした。 　一方いっぽうで、5号機ごうきの海うみ側がわでは汚染おせん水すいを浄化じょうか処理しょりした後のちの水みずの海洋かいよう放出ほうしゅつに向むけ、大量たいりょうの海水かいすいで薄うすめた処理しょり水すいを一時いちじ的てきにためる水槽すいそうの工事こうじなどが着々ちゃくちゃくと進すすんでいた。政府せいふは「春はるから夏なつごろ」の放出ほうしゅつ開始かいしを見込みこむが、その条件じょうけんとなる漁業ぎょぎょう関係かんけい者しゃらの「理解りかい」を得える道筋みちすじは不透明ふとうめいだ。[…] 　記者きしゃの被ひばく量りょうは、約やく3時じ間あいだの取材しゅざいで約やく50マイクロシーベルト（μみゅーSv）。一般人いっぱんじんの年間ねんかん被ひばく限度げんどの20分ぶんの1を、わずかな時間じかんで被ひばくした計算けいさんだ。事故じこ収束しゅうそくの本丸ほんまるとなるデブリ取とり出だしでは、準備じゅんび段階だんかいの炉ろ内ないの状況じょうきょう把握はあくすらままならない。残のこる課題かだいの大おおきさをあらためて思おもい知しった。 全文ぜんぶん

東京電力とうきょうでんりょくは、原子力げんしりょく発電はつでん所しょの廃はい炉ろに必要ひつようとなる製品せいひんを製造せいぞうする子会社こがいしゃを楢葉ならは町まちに新あらたに設立せつりつし、福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつの廃はい炉ろを進すすめるとともに、浜はま通どおりの復興ふっこうに貢献こうけんしていきたいとしています。 「復興ふっこうと廃はい炉ろの両立りょうりつ」を掲かかげる東京電力とうきょうでんりょくは、大阪おおさかに本社ほんしゃがある機械きかいメーカー「日立造船ひたちぞうせん」と共同きょうどうで、先月せんげつ２０日にち付づけで、楢葉ならは町まちに廃はい炉ろに必要ひつようとなる製品せいひんの製造せいぞうを行おこなう新あたらしい子会社こがいしゃを設立せつりつしました。 子会社こがいしゃは「東ひがし双そうみらい製造せいぞう」で、従業じゅうぎょう員数いんずうはおよそ１０人にん。 出資しゅっし比率ひりつは、東京電力とうきょうでんりょくが６７％、日立造船ひたちぞうせんが３３％で、資本しほん金きんは１５億おく円えんです。 東京電力とうきょうでんりょくによりますと、楢葉ならは町まちと富岡とみおか町まちにまたがる福島第二原子力発電所ふくしまだいにげんしりょくはつでんしょのおよそ１ヘクタールの敷地しきちに２０２５年度ねんどに工場こうじょうを完成かんせいさせ、その後ご、製品せいひんの製造せいぞうを開始かいし、２０２７年度ねんどから出荷しゅっかを始はじめる計画けいかくです。 まずは、福島ふくしま第だい二に原発げんぱつなどで使用しようする使用しよう済ずみ燃料ねんりょうを保管ほかんする容器ようきを製造せいぞうし、将来しょうらい的てきには福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつの燃料ねんりょうデブリを保管ほかんする容器ようきの製造せいぞうにも着手ちゃくしゅしたい考かんがえです。 […] 原文げんぶん

　東京電力とうきょうでんりょくは20日はつか、福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつ（福島ふくしま県けん大熊おおくま町まち、双葉ふたば町まち）の1、2号機ごうき間あいだにある高こう濃度のうどの放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつで汚染おせんされた配管はいかんが、切断せつだん中ちゅうの複ふく数すう回かいのトラブルでもろくなっているため、ワイヤロープで近ちかくの別べつの配管はいかんに固定こていすると発表はっぴょうした。汚染おせん配管はいかんは一部いちぶが切きれかけの状態じょうたいで、地震じしんなどで切きれ落おち、折おれて垂たれ下さがる恐おそれがある。 切断せつだんを試こころみている配管はいかんは直径ちょっけい約やく30センチ。3月27日にちに遠隔えんかく操作そうさの装置そうちで、初回しょかいに撤去てっきょする約やく11メートル（重おもさ約やく1トン）の両りょう端はしの片側かたがわ9割わりを切きった後のち、切断せつだん器具きぐが配管はいかんに食くい込こんで動うごかなくなり、作業さぎょうを中止ちゅうしした。3月1、2日にちに失敗しっぱいした際さいの切きれ目めも近ちかくに集中しゅうちゅうし、配管はいかんの強度きょうどが下さがっている。　今月こんげつ19日にちの調査ちょうさで、切きれかけの配管はいかんのゆがみが大おおきくなっていることが判明はんめい。20日はつかにクレーンによる遠隔えんかく操作そうさでワイヤロープを配管はいかんに巻まき付つける作業さぎょうを始はじめた。（注ちゅう：東電とうでん広報こうほう担当たんとう者しゃは21日にちに「配管はいかんへのロープ巻まき付つけは、作業さぎょう員いんが現場げんばに入はいって実施じっしした」と説明せつめいを訂正ていせいしました） […] 　配管はいかんは2011年ねん3月がつの事故じこ直後ちょくご、原子げんし炉ろ格納かくのう容器ようきの破裂はれつを防ふせぐために炉ろ内ないの汚染おせん蒸気じょうきを放出ほうしゅつする排気はいき（ベント）で使つかわれた。11年ねんが過すぎても、人ひとが近ちかづけない。（小野沢おのざわ健太けんた） 全文ぜんぶん

東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしま第だい1原子力げんしりょく発電はつでん所しょの事故じこから3月がつ11日にちで11年ねんを迎むかえる。放射線ほうしゃせんの拡散かくさんを抑おさえる当初とうしょの対応たいおうから、本格ほんかく的てきな廃はい炉ろ作業さぎょうに向むけた準備じゅんびへと作業さぎょうは移うつった。その結果けっか、原子げんし炉ろ建屋たきのやのがれきなどの同どう原発げんぱつの廃棄はいき物ぶつは2021年ねん11月時点じてんで約やく48万まん立方りっぽうメートル。廃棄はいき物ぶつの計画けいかく的てきな管理かんりを始はじめた6年ねん前まえと比くらべ7割わり増ふえた。ただ敷地しきち内ないの廃棄はいき物ぶつが増ふえ続つづければ、廃はい炉ろ作業さぎょうに支障ししょうが出でかねない。 1月19日にち、福島ふくしま原発げんぱつを訪おとずれた。高台たかだいから見渡みわたすと汚染おせん水すいを処理しょりしてためた約やく1000基きのタンクが所ところ狭せましと並ならび、東側ひがしがわでは新あらたなタンク23基きの組くみ立たて作業さぎょうが進すすめられていた。放射能ほうしゃのうで汚染おせんされたがれきを入いれたコンテナも山積やまづみされていた。 21年ねんに訪おとずれた際さいはがれきが無造作むぞうさに点在てんざいしていたが、空あき地ちにだいぶ運はこび込こまれた。22年ねん3月がつに焼却しょうきゃく処分しょぶん場じょうの稼働かどうを始はじめるためだ。 ただ、放射線ほうしゃせんが高たかい主おもな廃棄はいき物ぶつとなる金属きんぞくやコンクリートなどは燃もやせず、あくまで仮かり置おきしているにすぎない。将来しょうらいは最終さいしゅう処分しょぶん場じょうに移うつす考かんがえだが場所ばしょは未定みていだ。廃はい炉ろがさらに進展しんてんした場合ばあいには、仮かりの置おき場ばも不足ふそくする可能かのう性せいがある。 東電とうでんや国くには今後こんご、廃はい炉ろ作業さぎょうと並行へいこうして処理しょり水すい、がれき、汚染おせん土どなどの廃棄はいき物ぶつの管理かんりや処分しょぶんを進すすめる必要ひつよう性せいに迫せまられている。これらの廃棄はいき物ぶつは福島ふくしま県内けんないで発生はっせいしたものだ。東電とうでんは「国くにと東電とうでん、福島ふくしま県けんなどが協議きょうぎして決きめることになる。議論ぎろんにはまだ着手ちゃくしゅできていない」と話はなす。 廃棄はいき物ぶつを巡めぐっては、東電とうでんは32年ねんごろまでに約やく79万まん立方りっぽうメートルにまで増ふえると試算しさんしている。メルトダウンを起おこした原子げんし炉ろ建屋たきのやや、その周辺しゅうへんのがれきなども含ふくまれる。損傷そんしょうが激はげしい1号機ごうきでは、がれき撤去てっきょのための足場あしば作づくりが急きゅうピッチで進すすめられており、こうした廃棄はいき物ぶつが増ふえる。 21年ねん3月がつには原発げんぱつ敷地しきち内ないで高たかい放射線ほうしゃせんを出だす塊かたまりが見みつかった。がれきを保管ほかんしていたコンテナ1個いっこが腐食ふしょくし、廃棄はいき物ぶつが漏ろうえいした。こうしたトラブルを防ふせぐため、一時いちじ的てきな保管ほかん施設しせつが敷地しきち北側きたがわの空あき地ちに次々つぎつぎと建設けんせつされている。 22年ねんには原子げんし炉ろ内ないで核かく燃料ねんりょうが溶とけて固かたまった溶融ようゆう燃料ねんりょう（デブリ）の取とり出だしも始はじまる。英えい企業きぎょうなどが開発かいはつしたロボットアームを使つかい2号機ごうきから着手ちゃくしゅする。東電とうでんなどによると今回こんかい取とり出だすのはわずか数すうグラム程度ていど。1～3号機ごうき全体ぜんたいで溶融ようゆう燃料ねんりょうは推計すいけい880トンある。 今回こんかいは取とり出だしの「入いり口くち」にすぎないが、これも処分しょぶん場じょうが決きまっていない。デブリは放射線ほうしゃせんが極きわめて高たかいだけに、処分しょぶんのあり方かたは極きわめて重要じゅうようになるにもかかわらずだ。 […] 全文ぜんぶん

藤波ふじなみ優ゆう、川村かわむら剛志たけし2021年ねん12月14日にち 14時じ00分ふん 聞東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつでは、1～3号機ごうきで溶とけ落おちた核かく燃料ねんりょう（デブリ）のほかにも、放射能ほうしゃのうに汚染おせんされた廃棄はいき物ぶつの処理しょりが課題かだいになっている。汚染おせん水すいの処理しょりで増ふえ続つづける放射ほうしゃ性せい汚泥おでい「スラリー」もその一ひとつ。放射線ほうしゃせんで劣化れっかした保管ほかん容器ようきの詰つめ替がえを迫せまられているが、作業さぎょうは進すすんでいない。（藤波ふじなみ優ゆう、川村かわむら剛志たけし） […] 　ALPSが置おかれている敷地しきち中央ちゅうおう付近ふきんにある高たかさ約やく17メートルの建屋たきのや。中なかをのぞくと、灰色はいいろの大おおきなドラム缶どらむかんのような容器ようきが見みえた。スラリーを入いれる専用せんようの容器ようきだ。内側うちがわはスラリーを収おさめるポリエチレン製せいで、外側そとがわはステンレスで補強ほきょうされた二に重じゅう構造こうぞうになっている。 　スラリーは、汚染おせん水すいに含ふくまれる放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを薬剤やくざいで沈殿ちんでんさせる工程こうていで発生はっせいする。シャンプー液えきのような泥どろ状じょうで、ストロンチウム濃度のうどが1立方りっぽうセンチあたり数すう千せん万まんベクレルと高こう線量せんりょうのものもある。 　東電とうでんがスラリーを専用せんようの容器ようきに入いれて保管ほかんを始はじめたのは、2013年ねん3月がつ。今年ことし11月がつ時点じてんで、保管ほかん容器ようきは3373基きまで増ふえた。 　容器ようきは、スラリーから出でる放射線ほうしゃせんにさらされて劣化れっかする。東電とうでんと原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かいは、累積るいせき5千せんキログレイ（グレイはシーベルトに相当そうとう）に達たっすると耐用たいよう年数ねんすうを超こえるとみている。この基準きじゅんを元もとに、東電とうでんは容器ようきが寿命じゅみょうを迎むかえるのは25年ねん7月がつ以降いこうと評価ひょうかしていた。 　これに対たいし、規制きせい委いは過小かしょう評価ひょうかだと指摘してきした。東電とうでんの評価ひょうかは、容器ようきの底そこから20センチ付近ふきんで測はかったスラリーの密度みつどから線量せんりょうを計算けいさんしていたが、「沈殿ちんでんすれば容器ようきの底そこが最もっとも密度みつどが高たかくなる」（規制きせい委い）からだ。 　規制きせい委いは今年ことし6月がつ、独自どくじに再さい評価ひょうかし、すでに31基きが耐用たいよう年数ねんすうを超こえたとの見解けんかいを東電とうでんに示しめした。31基きの中なかには耐用たいよう年数ねんすうが過すぎて2年ねん以上いじょう経たっているものもあるうえ、さらに56基きは今後こんご2年ねんのうちに寿命じゅみょうを迎むかえるという。東電とうでんに対たいし、「HICが壊こわれてしまい、漏もれ出だすことが一番いちばんこわい」「詰つめ替かえには時間じかんがかかる。切迫せっぱく性せいを共有きょうゆうしてほしい」と迫せまった。 　東電とうでんは8月がつ、比較的ひかくてき低ひくい線量せんりょうのスラリーが入はいった1基きで試験しけん的てきな詰つめ替がえを実施じっしした。ストロンチウム濃度のうどは1立方りっぽうセンチあたり4万まんベクレルあり、設備せつびのトラブルも重かさなって詰つめ替かえ完了かんりょうには1カ月かげつ以上いじょうかかった。 　作業さぎょう時じの放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつの濃度のうどデータなどから、新あらたな問題もんだいも見みつかった。規制きせい委いは10月がつ、作業さぎょう中ちゅうに放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつが舞まい上あがる恐おそれがあり、詰つめ替かえ法ほうを抜本ばっぽん的てきに変かえる必要ひつようがあるとした。東電とうでんは、周辺しゅうへんを作業さぎょう用ようビニールハウスで囲かこうなど追加ついか対策たいさくを検討けんとうしている。 　容器ようきが寿命じゅみょうを迎むかえているスラリーには、試験しけん的てきに詰つめ替かえを行おこなったものと比くらべてストロンチウム濃度のうどが1千せん倍ばい以上いじょうの高こう線量せんりょうのものもある。東電とうでんは「容器ようきのふたの開閉かいへいは遠隔えんかくで行おこなう」などとしているが、具体ぐたい的てきな見通みとおしは示しめせていない。漏洩ろうえい（ろうえい）リスクをなくすために、脱水だっすい化か処理しょりできる施設しせつを設もうけるとしているが、まだ設計せっけいの段階だんかいだ。規制きせい委いから放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつの飛散ひさんを防ふせぐ対策たいさくが不十分ふじゅうぶんという指摘してきを受うけ、検討けんとうを続つづけている。抜本ばっぽん的てきな対策たいさくが打うてないまま、容器ようきは次々つぎつぎと寿命じゅみょうを迎むかえていく。 　廃はい炉ろの足あしかせはスラリーだけではない。 東電とうでんは事故じこ直後ちょくご、4号機ごうきそばの二ふたつの建屋たきのやの地下ちかを貯水ちょすい槽そう代かわりにして汚染おせん水すいをためた。このとき、汚染おせん水すいに含ふくまれる放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを減へらそうと、セシウムを吸着きゅうちゃくする軽石かるいし「ゼオライト」を詰つめた土ど囊（どのう）を使つかった。建屋たきのや地下ちかの床ゆかに並ならべた土ど囊計約やく26トンは、いまも汚染おせん水すいにつかったままだ。 　19年度ねんどに測はかった土ど囊表面めんの放射線ほうしゃせん量りょうは、最高さいこうで毎時まいじ約やく4シーベルト。近ちかくにいると1時じ間あいだで半数はんすうの人ひとが亡なくなる高たかさだ。東電とうでんは、水中すいちゅうに遠隔えんかくロボットを入いれ、土ど囊を回収かいしゅうする方針ほうしんだ。今年ことし5～8月がつにはボート型がたのロボットで水面すいめんから土ど囊の位置いちを調査ちょうさ。23年度ねんど以降いこうに始はじめる計画けいかくだが、期間きかんや回収かいしゅう後ごの保管ほかん方法ほうほうは決きまっていない。 　ほかにも、敷地しきち内ないには放射能ほうしゃのうに汚染おせんされたがれきや土ど、伐採ばっさいされた木きなどが約やく48万まん立方りっぽうメートル保管ほかんされている（今年ことし3月がつ時点じてん）。東電とうでんは焼却しょうきゃく設備せつびなどの整備せいびを進すすめるが、10年ねん後ごには約やく79万まん立方りっぽうメートルに増ふえる見通みとおし。処分しょぶん先さきのめども立たっていない。 　原発げんぱつの廃止はいし措置そちに詳くわしい福井大ふくいだいの柳原やなぎはら敏さとし・特命とくめい教授きょうじゅ（原子力げんしりょく工学こうがく）は、事故じこが起おきた福島ふくしま第だい一いちの廃棄はいき物ぶつに含ふくまれる放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつは、通常つうじょうの原発げんぱつと異ことなるとして、「どのような物質ぶっしつを含ふくむのか情報じょうほうを集あつめておくことが重要じゅうようだ」と語かたる。 […] 全文ぜんぶん

　復興ふっこう庁ちょうは東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつ事故じこの風評ふうひょう払拭ふっしょく（ふっしょく）に向むけ、首都しゅと圏けんの高校こうこうで福島ふくしま県けんの復興ふっこうや廃はい炉ろの現状げんじょうなどを授業じゅぎょうで伝つたえる取とり組くみを始はじめた。課題かだいとなっている風評ふうひょう・風化ふうかの深刻しんこく化かを防ふせぐため今後こんご、継続けいぞくして事業じぎょうを展開てんかいする。 　原発げんぱつ事故じこの風評ふうひょうの影響えいきょうや対策たいさくなどに理解りかいを深ふかめてもらおうと、復興ふっこう庁ちょうの担当たんとう者しゃが学校がっこうに出向でむき、首都しゅと圏けんの若わかい世代せだいに復興ふっこうが進すすんでいる福島ふくしまの姿すがたや生産せいさん者しゃの努力どりょくなどを映像えいぞうや資料しりょうを通とおして知しってもらう。 　第だい１回かいの授業じゅぎょうは東京とうきょう都と文京ぶんきょう区くの筑波大つくばだい付属ふぞく高だかで行おこなわれ、同庁どうちょうの由良ゆら英雄えいゆう統括とうかつ官かんが講師こうしを務つとめた。１年生ねんせい１５人にんに対たいし県内けんないのコメ農家のうかや漁業ぎょぎょう者しゃの取とり組くみを動画どうがで紹介しょうかいしたほか、廃はい炉ろ作業さぎょうについても説明せつめいした。資料しりょうで同どう原発げんぱつの処理しょり水すいの処分しょぶんに当あたっての安全あんぜん対策たいさくを示しめすとともに、風評ふうひょうを抑おさえるための取とり組くみなども伝つたえた。 続つづきは首都しゅと圏けんの高校こうこうで福島ふくしま復興ふっこうの授業じゅぎょう開始かいし　復興ふっこう庁ちょう

福島ふくしま第だい1原発げんぱつの格納かくのう容器ようきから、1時じ間あいだで人ひとが死亡しぼうするレベルの放射線ほうしゃせんが測定そくていされた。これは当局とうきょくの推算すいさんをはるかに上回うわまわる水準すいじゅんだ。福島ふくしま原発げんぱつ処理しょり水すいから放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを除去じょきょするフィルターの大半たいはんが破損はそんしたのに続つづいてこのような発表はっぴょうが出でたことを受うけ、事故じこ原発げんぱつの廃はい炉ろ作業さぎょうの不ふ確実かくじつ性せいが大おおきくなった。日本にっぽんは2年ねん後ごに福島ふくしま原発げんぱつ処理しょり水すいを海洋かいよう放出ほうしゅつする計画けいかくであり、周辺しゅうへん国こくの不安ふあんも高たかまっている。 15日にち付づけの朝日新聞あさひしんぶんによると、日本にっぽんの原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かいは福島ふくしま第だい1原発げんぱつ2号機ごうきの原子げんし炉ろ格納かくのう容器ようきの一番いちばん上じょうにある蓋ぶたの表面ひょうめんで当初とうしょ想定そうていした水準すいじゅんを上回うわまわる1時じ間あいだ当あたり1.2Sv（シーベルト）の放射線ほうしゃせん量りょうが確認かくにんされたと前日ぜんじつ発表はっぴょうした。 　 該当がいとうの蓋ぶたは直径ちょっけい約やく12メートル、厚あつさ約やく60センチの円形えんけい鉄筋てっきんコンクリートだ。「シールドプラグ」と呼よばれ、炉心ろしんから出でる放射線ほうしゃせんを遮断しゃだんするために3重じゅうに設置せっちされている。 　 原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かいが1枚まい目めの蓋ぶたの内側うちがわから遠隔えんかくロボットで測定そくていした放射線ほうしゃせん量りょうは数すう十じゅうシーベルトに達たっすると分析ぶんせきされた。当初とうしょ、原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かいが推定すいていした蓋ぶたの内側うちがわの放射線ほうしゃせん量りょうである1時じ間あいだ当あたり10シーベルトをはるかに超こえるものだ。一般人いっぱんじんの年間ねんかん被ひばく限度げんどは1ミリシーベルトで、人ひとは10シーベルトの放射線ほうしゃせんに1時間じかんさらされると死亡しぼうに至いたる可能かのう性せいがある。 　 放射線ほうしゃせん量りょうも致命ちめい的てきだが、150トンに達たっするふたの重おもさも廃はい炉ろ作業さぎょうを困難こんなんにしている原因げんいんだ。3重じゅうの蓋ぶたのうち、残のこりの2つの蓋ぶたの間あいだにも放射ほうしゃ性せい汚染おせん物質ぶっしつが残のこっている可能かのう性せいがあるが、現在げんざいの状態じょうたいでは確認かくにんする方法ほうほうがないと東京電力とうきょうでんりょくは説明せつめいした。 (略りゃく） 経済けいざい産業さんぎょう省しょうと東京電力とうきょうでんりょくは今後こんご20~30年ねん以内いないに廃はい炉ろ作業さぎょうを終おえるという立場たちばだ。しかし、廃はい炉ろ作業さぎょうの足あしを引ひっ張ぱるような事態じたいが続々ぞくぞくと明あきらかになっている。前日ぜんじつだけでも福島ふくしま原発げんぱつから出でた処理しょり水すいを保管ほかんするタンクから放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつが空気くうき中ちゅうに排出はいしゅつされることを防ふせぐフィルター25個このうち24個こが損傷そんしょうしていたことが確認かくにんされた。管理かんり主体しゅたいの東京電力とうきょうでんりょくは放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつが空気くうき中ちゅうに流出りゅうしゅつしたことを認みとめた。 （略りゃく） 一方いっぽう、日本にっぽん政府せいふは2023年ねんから福島ふくしま原発げんぱつ処理しょり水すいを海うみに放流ほうりゅうする計画けいかくだ。処理しょり水すいに含ふくまれた放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつは濾過ろかして放出ほうしゅつするため安全あんぜんだというのが日本にっぽん政府せいふの立場たちばだが、格納かくのう容器ようきから致命ちめい的てきな放射線ほうしゃせん量りょうが検出けんしゅつされたほか、フィルターの損傷そんしょうを放置ほうちしていたことが明あきらかになり、韓国かんこくを含ふくめ周辺しゅうへん国こくの不安ふあんが高たかまっている。 全文ぜんぶんは“1時じ間あいだで死亡しぼう”福島ふくしま原発げんぱつの建屋たきのや上部じょうぶで致命ちめい的てきレベルの放射線ほうしゃせんを確認かくにん＝韓国かんこく報道ほうどう

２０１１年ねん３月がつ11日にちに発生はっせいした東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしま第だい１原子力げんしりょく発電はつでん所しょの破局はきょく的てきな事故じこ（フクシマ事故じこ）の災禍さいかは、今いまもなお続つづいている。放射能ほうしゃのう汚染おせん水すいの取とり扱あつかいなどは今いままさに直面ちょくめんしている焦眉しょうび(しょうび)の課題かだいだが、ここでは廃はい炉ろを完了かんりょうさせるに当あたって避さけては通とおれないデブリ（熔融ようゆう＜ようゆう＞した核かく燃料ねんりょうと原子げんし炉ろ構造こうぞう物ぶつ等とうが混合こんごうした残ざんがい）の回収かいしゅうが不可能ふかのうである、という点てんに絞しぼって記しるすことにする。 　フクシマ事故じこで問題もんだいとなる核分裂かくぶんれつ生成せいせい物ぶつのうち、人間にんげんに対たいして最大さいだいの脅威きょういとなる放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつは「セシウム１３７」だ。日本にっぽん政府せいふによると、フクシマ事故じこでは広島ひろしま原爆げんばくがばらまいた１６８倍ばいのセシウム１３７が大気たいき中ちゅうにばらまかれたという。「原子力げんしりょく緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん」が当日とうじつ発令はつれいされ、その宣言せんげんは10年ねんを経へた現在げんざいも解除かいじょできないまま続つづいている。炉心ろしんには広島ひろしま原爆げんばくの約やく７８００発はつ分ぶんのセシウム１３７が存在そんざいしていた。 […] しかし、スリーマイル島原しまばら発はつは米べいウェスチングハウス（ＷＨ）社しゃが開発かいはつした加圧水かあつすい型がた軽水炉けいすいろ（ＰＷＲ）を使つかっていたのに対たいして、福島ふくしま原発げんぱつは米べいゼネラル・エレクトリック（ＧＥ）社しゃが開発かいはつした沸騰水ふっとうすい型がた軽水炉けいすいろ（ＢＷＲ）を使用しようしていた。ＰＷＲ型がたはＢＷＲ型がたに比くらべて圧力あつりょく容器ようき鋼材こうざいの厚あつさが厚あつい。[…] 原文げんぶん