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原発げんぱつが嘘うそを告白こくはくし懺悔ざんげ ノンフィクション小説しょうせつの著者ちょしゃに聞きく via 日刊にっかんゲンダイ 加藤かとう就一さん（NNNドキュメントディレクター） 　世界せかい最悪さいあくレベルの福島ふくしま第だい１原発げんぱつ事故じこから10年ねん。世界せかいが脱だつ原発げんぱつに向むかう中なか、日本にっぽんは「脱だつ炭素たんそ社会しゃかいの実現じつげん」を奇貨きかとして原発げんぱつ推進すいしんに突つっ走ぱしろうとしている。なぜ、世論せろんはブレーキをかけないのか――。原発げんぱつを主人公しゅじんこうに描えがいたノンフィクション小説しょうせつ「ごめんなさい、ずっと嘘うそをついてきました。福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつ　ほか原発げんぱつ一同いちどう」（書肆しょし侃ただし侃ただし房ぼう）で知しられざる真実しんじつを暴あばいた著者ちょしゃに聞きいた。 ＊インタビューは【動画どうが】でもご覧らんいただけます。 ■「アンダーコントロール」はオンエアできず ――著書ちょしょを読よむと、政府せいふがあの手てこの手てで原発げんぱつ関連かんれんの情報じょうほうを長年ながねんコントロールしてきているのがよく分わかります。 　僕ぼくは鉄腕てつわんアトム世代せだいです。超ちょう小型こがた原子げんし炉ろで100万まん馬力ばりき、などと原子力げんしりょくは素晴すばらしいと刷すり込こまれた国民こくみんでした。福島ふくしま原発げんぱつ事故じこが発生はっせいし、調しらべ始はじめたら、今いままで信しんじていたことが全部ぜんぶ嘘うそだということが分わかった。この嘘うそっぱちをきちんと伝つたえないといけないと思おもいました。 ――安倍あべ首相しゅしょう（当時とうじ）は東京とうきょう五輪ごりんを招致しょうちした2013年ねんのIOC（国際こくさいオリンピック委員いいん会かい）総会そうかいの演説えんぜつで、福島ふくしま第だい１原発げんぱつについて、日本語にほんごでは「港湾こうわん内ないの0.3平方へいほうキロの範囲はんい内ないで完全かんぜんにブロック」と表現ひょうげんする一方いっぽう、英語えいごでは「アンダーコントロール」と使つかい分わけました。 「お笑わらい芸人げいにんvs原発げんぱつ事故じこ」という番組ばんぐみを制作せいさくしている時とき、演説えんぜつの英語えいご版ばんを使つかおうとしたら、英語えいご版ばんはオンエアできないようになっていた。見比みくらべてみたら、驚おどろくことに肝心かんじんな部分ぶぶんがごっそり変かえられていた。英語えいご版ばんでは安倍あべ首相しゅしょうは「私わたしは完全かんぜんに保証ほしょうします。状況じょうきょうはアンダーコントロールです。これまでも、これからも（放射能ほうしゃのうは）どんなダメージも東京とうきょうに与あたえません」とスピーチしているのです。 ――コロナ禍かで東京とうきょう五輪ごりん開催かいさいが流動的りゅうどうてきになっています。政府せいふは復興ふっこう五輪ごりんと銘打めいうって招致しょうちしました。 　五輪ごりんまでに復興ふっこうを成なし遂とげたことにするため、復興ふっこうを否定ひていするものは平気へいきで隠かくしてきました。例たとえば、放射線ほうしゃせん量りょうを測定そくていするモニタリングポストです。福島ふくしま県内けんないに設置せっちされている約やく3000台だいのうち、８割わりを五輪ごりん前まえに撤去てっきょしようとしたのです。復興ふっこうしたはずの福島ふくしまにそんなものがたくさんあってはマズいからです。 ――撤去てっきょしたのですか。 　地元じもとのお母かあさんたちが猛もう抗議こうぎして、撤回てっかいさせました。廃はい炉ろ作業さぎょうは続つづいている。何なにか起おきた時とき、モニタリングポストがなければ、速すみやかに察知さっちできませんから。お母かあさんたちはよく勉強べんきょうしている。原発げんぱつ関連かんれんの番組ばんぐみは、まずお母かあさんたちに分わかってもらい、それを子こどもたちに伝つたえてもらおうという意識いしきで作つくっていました。 「略りゃく） メディアは特とくオチとスポンサーを恐おそれる 　――海洋かいよう放出ほうしゅつを巡めぐる報道ほうどうをどう見みていますか。日刊にっかんゲンダイで「処理しょり水すい」ではなく「汚染おせん水すい」と記しるしたところ、記事きじ配信はいしんされたヤフーニュースのコメント欄らんに「悪意あくいがある記事きじだ」という書かき込こみが少すくなくありませんでした。 　それが政府せいふの狙ねらいですよ。原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かいの更さら田でん豊志とよし委員いいん長ちょうは報道ほうどう各社かくしゃに「汚染おせん水すい」ではなく「処理しょり水すい」を使つかうように申もうし入いれた。記者きしゃクラブ加盟かめい社しゃが規制きせい委いトップに逆さからえば、１社しゃだけ情報じょうほうを流ながしてもらえなかったりする。それで新聞しんぶん社しゃもテレビもトリチウムが残のこる「処理しょり水すい」というい方いかたに統一とういつしてしまったのです。ニュースを見みた読者どくしゃや視聴しちょう者しゃは「処理しょり水すい、安全あんぜんね」と刷すり込こまれるわけです。しかし、ALPS（多た核種かくしゅ除去じょきょ設備せつび）ではトリチウムは除去じょきょできない。処理しょりできないのだから処理しょり水すいのはずがない。100％汚染おせん水すいですよ。 「略りゃく） ――原発げんぱつ報道ほうどうの影響えいきょうが大おおきい。 　震災しんさい直後ちょくごは割わりと自由じゆうに事実じじつを報道ほうどうできていましたが、だんだんと時間じかんが経たち、できなくなっていった。 ――それはなぜですか。 　福島ふくしま事故じこ直後ちょくごの東電とうでんは、破産はさん状態じょうたいのようなもので、広告こうこく出稿しゅっこうをやめました。その間あいだ、メディアは自由じゆうに動うごけた。ところが、東電とうでんが少すこしずつ広告こうこくを出だすようになると、顔色かおいろをうかがう報道ほうどう姿勢しせいになっていく。東電とうでん以外いがいの電力でんりょく会社かいしゃについても地方ちほうメディアの大だいスポンサーなのでどこも同おなじことが起おこる。例たとえば、極細ごくぼそ半島はんとうに建たてられた愛媛えひめの伊方いかた原発げんぱつは原発げんぱつより半島はんとうの先さきに住すんでいる約やく5000人にんの住民じゅうみんが避難ひなんできないという致命ちめい的てきな欠陥けっかんがある。しかし、地元じもと放送ほうそう局きょくではそうした問題もんだいを取とり上あげる番組ばんぐみは作つくれない。代かわりに東京とうきょうの私わたしが作つくりました。 ――メディアが電力でんりょく会社かいしゃを批判ひはんできないから、原発げんぱつ政策せいさくが推おし進すすめられるのですね。 　政権せいけんとメディアの関係かんけいも同おなじ構図こうずです。総務そうむ省しょうが東北新社とうほくしんしゃに勤つとめる菅かん首相しゅしょうの長男ちょうなんと会食かいしょくを繰くり返かえしていた問題もんだいがありました。あってはならない接待せったいですが、安倍あべ政権せいけん時代じだいにすごくはやったのが、テレビ各局かくきょくの社長しゃちょうや報道局ほうどうきょく長ちょうと首相しゅしょうとの会食かいしょくです。総務そうむ省しょうの接待せったい問題もんだいと何なんら構図こうずは変かわりない。メディアは本来ほんらい、権力けんりょくを監視かんししなければいけない立場たちばなのに、社長しゃちょうと報道局ほうどうきょく長ちょうが首相しゅしょうとニコニコ食事しょくじをして仲良なかよくなる。ひと昔むかし前まえだったら、首相しゅしょうから会食かいしょくの誘さそいを受うけても、「お気持きもちだけいただきます」と丁重ていちょうに断ことわるのが報道ほうどう機関きかんだった。それがなんとなくグジュグジュになってしまった。それではメディアはかみつけませんよね。隠蔽いんぺい、改かいざん、い換いかえ、ごまかしなど、情報じょうほうを都合つごうよくコントロールする政権せいけんが続つづき、政府せいふにも電力でんりょく会社かいしゃにも斬きり込ごめないメディアという環境かんきょうですから、国民こくみんは何なにも知しらされないまま、原発げんぱつ推進すいしんが再ふたたび加速かそくしていくのです。根ねはとても深ふかい。 （き手きて＝生田いくた修平しゅうへい／日刊にっかんゲンダイ） 全文ぜんぶんは原発げんぱつが嘘うそを告白こくはくし懺悔ざんげ ノンフィクション小説しょうせつの著者ちょしゃに聞きく

団だん藤ふじ保晴やすはる 中央ちゅうおう官庁かんちょう官僚かんりょうの理解りかい力りょくを超こえられないで一いち国こくの現在げんざい、未来みらいを語かたれるはずがない、と思おもっています。ところが、日本にっぽんの新聞しんぶん・放送ほうそうなど既成きせいメディアは愚おろかな自己じこ限界げんかいを知しろうともしません。限界げんかいに囲かこい込こまれてぬくぬくです。表題ひょうだいのタイトルで、昨年さくねん末まつ、立命館大りつめいかんだい産業さんぎょう社会学部しゃかいがくぶ【活字かつじメディア論ろん】ゲスト講義こうぎをしました。大だい教室きょうしつで正味しょうみ１時じ間あいだ20分ぶんの講義こうぎ録ろく『福島ふくしま原発げんぱつ事故じこと科学かがく力りょく失速しっそくに見みる政府せいふ依存いぞん報道ほうどう』(2019/12/20)は長ながすぎますから、超ちょう圧縮あっしゅく版ばんを作つくりました。途中とちゅうの副ふく見出みだしにあって語かたられていない内容ないようは講義こうぎ録ろくにありますから参照さんしょうしてください。原はら資料しりょうへのリンクもそちらにあります。  (略りゃく） 2017年ねん、世界せかいの二に大だい科学かがく誌し・英えいネイチャー誌し特集とくしゅうが「日本にっぽんの科学かがく力りょくは失速しっそく」と明確めいかくに打うち出だした際さいは理解りかいすらできませんでした。翌年よくねんの2018年ねん６月がつ、科学かがく技術ぎじゅつ白書はくしょが渋々しぶしぶと「日本にっぽんの科学かがく研究けんきゅうが近年きんねん失速しっそく、世界せかいで存在そんざい感かんが無なくなりつつある」と認みとめても無む反応はんのうに近ちかかったのです。今年ことしの吉野よしの彰あきらさんノーベル賞しょう受賞じゅしょうの記事きじ後段こうだんで初はじめて、各社かくしゃは一斉いっせいに科学かがく力りょく失速しっそくの現状げんじょうを指摘してき、2000年ねんから始はじまったノーベル賞しょうラッシュも長ながくは続つづかないだろうと伝つたえました。こんな場当ばあたりで自前じまえの見識けんしきが無ないジャーナリズムが日本にっぽんの新聞しんぶん各社かくしゃをはじめとした既成きせいメディアの実態じったいなのです。  　「炉心ろしん溶融ようゆうが２カ月かげつも紙面しめんから消きえた怪かい」　「ばらばら事故じこ調ちょうにほくそ笑えむ原子力げんしりょくムラ」　「福島ふくしま事故じこ原因げんいんと責任せきにん隠蔽いんぺいへのメディア無定見むていけん」 （略りゃく） ★２カ月かげつ間あいだも隠蔽いんぺいされた「炉心ろしん溶融ようゆう」　事故じこ発生はっせいの翌よく３月がつ12日にち午前ごぜん段階だんかいで福島ふくしま第だい一いち原子力げんしりょく発電はつでん所しょ正門せいもんの放射線ほうしゃせん量りょうがぐんぐん上昇じょうしょうし、放射ほうしゃ性せいヨウ素もとが見みつかるとの報道ほうどうを知しって炉心ろしん溶融ようゆうが起おきて間違まちがいなく核かく燃料ねんりょうの被覆ひふく管かんが損傷そんしょうしたと確信かくしんしました。日経新聞にっけいしんぶんは冷却れいきゃく水すいが減へって燃料ねんりょう棒ぼうの上うえ半分はんぶんが露出ろしゅつしたと伝つたえました。ところが「炉心ろしん溶融ようゆう」は新聞紙しんぶんし面めん、大手おおてメディア報道ほうどうから消きえ去さってしまい、５月がつ半なかばになって復活ふっかつします。政府せいふは炉心ろしん溶融ようゆうを口くちにした原子力げんしりょく安全あんぜん・保安ほあん院いんの審議しんぎ官かんを発表はっぴょうの場ばから外はずしましたから、事故じこを軽かるく見みせようとする意図いとがあったと私わたしは見みました。  　これは世界せかい標準ひょうじゅんの原発げんぱつ報道ほうどうから見みてあまりにも恥はずかしく、大阪おおさか本社ほんしゃから東京とうきょう本社ほんしゃに専門せんもん家かのコメントも付つけて「炉心ろしん溶融ようゆうしている」との原稿げんこうが出だされましたが、東京とうきょう本社ほんしゃは政府せいふが認みとめていないとして握にぎりつぶしたと聞きいています。真偽しんぎにいささか疑問符ぎもんふが付つくものの、５年ねん後ごの2016年ねんに経緯けいいが明あきらかになりました。炉心ろしん溶融ようゆうが２カ月かげつ間あいだも政府せいふ・東電とうでんの発表はっぴょうから消きえた理由りゆうは、東電とうでんが判断はんだん根拠こんきょを持もたなかったからであり、今いまになって調しらべると「社内しゃないマニュアル上じょうでは、炉心ろしん損傷そんしょう割合わりあいが５％を超こえていれば、炉心ろしん溶融ようゆうと判定はんていすることが明記めいき」されていたので、判断はんだんする根拠こんきょは備そなわっていました。大だい津波つなみ４日にち目めには５％を超こす損傷そんしょうが確認かくにんされて法令ほうれいに従したがった報告ほうこく書しょが提出ていしゅつされていたのです。  福島ふくしま原発げんぱつ事故じこで炉心ろしん溶融ようゆうが隠蔽いんぺいされた問題もんだいの報告ほうこくを読よんで、東電とうでんの語かたるに落おちる無能むのうさが再さい認識にんしきされました。無む批判ひはんに隠蔽いんぺいに乗のっかった在京ざいきょうメディア各社かくしゃも他人事たにんごとのように報道ほうどうすべきではなく、自みずからの責任せきにんも取とるべきです。原発げんぱつ事故じこに際さいして公式こうしきの発表はっぴょうは福島ふくしま現地げんちの住民じゅうみんや国民こくみんに広ひろく事態じたいの真実しんじつを知しらせるためにあるのです。その本分ほんぶんを外はずれて重大じゅうだい事態じたいを軽かるく見みせようとした東電とうでん、炉心ろしん溶融ようゆうを口くちにした原子力げんしりょく安全あんぜん・保安ほあん院いんの審議しんぎ官かんを発表はっぴょうから外はずした政府せいふも同罪どうざいですし、メディア内部ないぶでも疑問ぎもんの声こえが握にぎりつぶされていたと聞ききます。報道ほうどうの自由じゆう世界せかいランキングを大幅おおはばに下さげた国内こくないメディアの覇気はきの無なさはここから始はじまったのです。  　「ネイチャー誌しの明快めいかいな主張しゅちょうすら理解りかいせず」　「日本にっぽんだけ研究けんきゅう論文ろんぶん減げんで世界せかいシェア大幅おおはば減げん」　「大学だいがく教員きょういん数すう減へらしのための独立どくりつ法人ほうじん化かだった」  続つづきは圧縮あっしゅく版ばん「福島ふくしま原発げんぱつ事故じこと科学かがく力りょく失速しっそくに見みる政府せいふ依存いぞん報道ほうどう

  […] 原発げんぱつが再さい稼働かどうしていればすべてOKなのか 読売よみうり社説しゃせつは続つづける。 「問題もんだいは、道内どうないの電力でんりょくを苫とま東ひがし厚真あつま火力かりょくに頼たより過すぎていたことだ」 「東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい後ごに停止ていしされた泊とまり原子力げんしりょく発電はつでん所しょの3基きが稼働かどうすれば、供給きょうきゅう力りょくは200万まんキロ・ワットを超こえる。原発げんぱつが稼働かどうしていないことで、電力でんりょくの安定あんてい供給きょうきゅうが疎おろかになっている現状げんじょうを直視ちょくしすべきだ」 何なにもここで原発げんぱつ再さい稼働かどうを持もち出だす必要ひつよう性せいはない。これはすり替かえの論理ろんりだ。大だい新聞しんぶんの社説しゃせつとして納得なっとくしがたい書かき方かたである。 仮かりに泊とまり原発げんぱつが稼働かどうしていたとして今回こんかいの地震じしんの影響えいきょうはまったくなかったと言いい切きれるだろうか。稼働かどうしていなかったことが、深刻しんこくな事故じこを防ふせいだという可能かのう性せいも考かんがえられる。読売よみうり社説しゃせつの思考しこう回路かいろは安易あんいではないだろうか。   全文ぜんぶん

(抜粋ばっすい） ■政府せいふによる“原発げんぱつのセールスのための復興ふっこう”の偽善ぎぜん ――よろしくお願ねがいします。議員ぎいんとして、福島ふくしまの放射線ほうしゃせん問題もんだいを熱心ねっしんに追求ついきゅうするその理由りゆうを教おしえてください。 阿部あべ憲一けんいち氏し（以下いか、阿部あべ）　　私わたしは、福島ふくしま原発げんぱつ事故じこの直後ちょくごから、放射能ほうしゃのう汚染おせんや被爆ひばくの問題もんだいを調しらべてきました。2011年ねんの夏なつごろから年末ねんまつにかけて、私わたしを含ふくめて福島ふくしまの数すう多おおくの市民しみんが軟便なんべんや喉のどの異変いへんなどの被爆ひばく症状しょうじょうを訴うったえていたのです。私わたしは事故じこ直後ちょくご、普段ふだんはできない口内こうない炎えんに珍めずらしくなりました。だいたい放射ほうしゃ性せいテルルが放射ほうしゃ性せいヨウ素もとに変化へんかするタイミングですね。 福島ふくしまに1週間しゅうかんもいればわかることですが、このような状況じょうきょうが現実げんじつに起おきているにもかかわらず、地元じもとのテレビ・新聞しんぶんはほとんど放射能ほうしゃのう問題もんだいを取とり上あげません。たまに早野はやの龍りゅう五ご氏しや（物理ぶつり学者がくしゃ）、坪倉つぼくら正治しょうじ氏し（東京大学とうきょうだいがく医科いか学がく研究所けんきゅうじょ研究けんきゅう員いん）、開ひらく沼ぬま博ひろし（社会しゃかい学者がくしゃ）らによる“安全あんぜん・安心あんしん誘導ゆうどう”的てきな話題わだいを扱あつかう程度ていどです。ですから、多おおくの住民じゅうみんは現状げんじょうに慣ならされ、「ここに住すんでも大たいした問題もんだいにはならない」と考かんがえているんです。そして、いざ放射能ほうしゃのう問題もんだいを取とり上あげると、「復興ふっこう妨害ぼうがい」「風評ふうひょう被害ひがいを助長じょちょう」と厳きびしい言葉ことばを浴あびせられる。 福島ふくしまの復興ふっこうは経済けいざい産業さんぎょう省しょうの主導しゅどうで行おこなわれていますが、「高度こうど汚染おせん地域ちいきに住民じゅうみんを戻もどして、地域ちいきを発展はってんさせる」というのが政府せいふの意向いこうです。あの震災しんさいと原発げんぱつ事故じこの影響えいきょうで、日本にっぽんは原発げんぱつ50機きもの輸出ゆしゅつが困難こんなんになりました。そこで、それまでは「原発げんぱつは安全あんぜん」として売うり込こみしていたのを、高こう濃度のうどの汚染おせん地帯ちたいに住民じゅうみんを戻もどして、自分じぶんたちの手てで除染じょせんをさせ、「あんな過酷かこくな事故じこがあっても、ほらこの通とおり、住民じゅうみんが戻もどって普通ふつうに暮くらしていますよ」というセールスに切きり替かえようとしているのです。国くにや県けんはJヴィレッジ（※）を復興ふっこうのシンボルにして、その近ちかくにわざわざ新駅しんえきまでつくり、飯館いいだて村むら（福島ふくしま県けん相馬そうま郡ぐん）を“モデルルーム”のように位置いちづけています。これは原発げんぱつ事故じこの後のち、IAEAやOECDなどの学者がくしゃたちによるシンポジウムで意思いしの統一とういつが図はかられています。つまり、すべてはアベノミクスの成長せいちょう戦略せんりゃくの柱はしらに位置いちづけている原発げんぱつのセールスのための復興ふっこうなのです。そして、その手足てあしとなって動うごいているのが地元じもとの一部いちぶの町長ちょうちょうやNPOだということです。 私わたしは、うちの町まちが避難ひなん者しゃのことを無視むしして政府せいふの手足てあしのように動うごいていることに我慢がまんがならず、2015年ねん11月の町議会ちょうぎかい選挙せんきょで何なにとか滑すべり込こむことができ、それ以来いらい、放射能ほうしゃのう汚染おせん・被曝ひばく・避難ひなんの問題もんだいに取とり組くんでいます。 （略りゃく） 阿部あべ　　耳みみが溶とけるという話はなしは聞ききませんが、動植物どうしょくぶつの奇形きけいは増ふえていますね。癌がんに関かんしては、実じつはこれまでと比較ひかくして顕著けんちょな違ちがいは見みられないのですが、心筋梗塞しんきんこうそくの患者かんじゃは県けんのデータで2010年ねんから2011年ねんにかけて10％以上いじょうも増加ぞうかしており、これはやはり被爆ひばくの影響えいきょうではないでしょうか。 ■放射能ほうしゃのう汚染おせんのヤバさをひた隠かくす日本にっぽん ――メディアの報道ほうどうと現地げんちの状況じょうきょうでもっとも乖離かいりしている点てんは何なにですか？ 阿部あべ　　まず、福島ふくしま原発げんぱつ3号機ごうきか4号機ごうきの燃料ねんりょう棒ぼうが吹ふき込こんだことは事実じじつで、住民じゅうみんの目撃もくげき者しゃも多数たすうおります。楢葉ならは町まち（福島ふくしま県けん双葉ふたば郡ぐん）では、井出川いでかわの河口かこう付近ふきんで高こう濃度のうどの放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつが見みつかっているんです。東電とうでんの依頼いらいで、原子力げんしりょくムラの一味いちみである「日本にっぽん原子力げんしりょく研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう（JAEA）」がそれを分析ぶんせきした結果けっかがこちらです。物質ぶっしつ3は表面ひょうめんのβ線べーたせんが35.6mSv/h（ミリシーベルト）もあります。同様どうようのものは2016 年ねんにも見みつかっています。「報道ほうどうステーション」（テレビ朝日てれびあさひ）は燃料ねんりょう棒ぼうが吹ふき飛とんだ事実じじつを報道ほうどうしていましたが、それ以外いがいのほとんどのメディアは報道ほうどうしませんでした。 そしてもう一ひとつ、実じつは放射線ほうしゃせん量りょうは『平均へいきん化か』して報道ほうどうされています。空間くうかん線量せんりょう率りつ（対象たいしょうとする空間くうかんの単位たんい時間じかん当あたりの放射線ほうしゃせん量りょう）の数値すうちが瞬間しゅんかん的てきに上あがっても、原子力げんしりょく規制きせい庁ちょうは各かく「環境かんきょう放射線ほうしゃせんモニタリングポスト」から衛星えいせいで1分ふんまたは30秒びょうごとに送おくられる数値すうちを10分ふん単位たんいの平均へいきん値ちにして公開こうかいしているということです。しかし、各かく地域ちいきに置おかれたモニタリングポストの放射線ほうしゃせん量りょうグラフを見みると、一気いっきに放射線ほうしゃせん量りょうが上あがる瞬間しゅんかんがあります。特とくに福島ふくしまの東ひがし半分はんぶんでは、毎日まいにちのようにモニタリングポストの数値すうちが跳はね上あがっています。2012年ねんに1mSv/h超こえはしょっちゅうでした。原子力げんしりょく規制きせい庁ちょうの監視かんし情報じょうほう課かは、その原因げんいんについて「高こう濃度のうどのダストへの反応はんのうで、吹ふき溜だまりが舞まい上あがっている」と私わたしには語かたっており、福島ふくしま原発げんぱつからそのまま飛来ひらいしている可能かのう性せいも否定ひていしていません。 つまり、住民じゅうみんはずっと吸引きゅういん被爆ひばくの危機ききにいるのです。国くには、その“恐おそろしい瞬間しゅんかん”を取とり上あげず、数値すうちはみんな平均へいきん化かして、「大たいしたことはない」と思おもわせているようです。「全国ぜんこくサムネイル」という、全国ぜんこくのモニタリングポストが観測かんそくした空間くうかん線量せんりょう率りつの10分ふんごとの変化へんかを折おれ線せんグラフにして公開こうかいしていたサイトがあったのですが、2015年ねん5月がつに閉鎖へいさされてしまいました。 （略りゃく） 阿部あべ　　日本にっぽんの状況じょうきょうを「チェルノブイリ法ほう」（チェルノブイリ原発げんぱつ事故じこから5年ねん後ごにウクライナで制定せいていされた）に当あてはめて考かんがえてみると、現在げんざいの南みなみ東北とうほく～関東かんとうのかなりの部分ぶぶんが「第だい1ゾーン」（特別とくべつ規制きせい地域ちいき、立入禁止たちいりきんし区域くいき）程度ていどの放射能ほうしゃのう汚染おせん地域ちいきですよ。 しかし、環境省かんきょうしょうは住民じゅうみんが1日にちのうち16時じ間あいだを遮蔽しゃへい効果こうかのある屋内おくないに居いるものとし、さらにその16時じ間あいだ分ぶんの放射線ほうしゃせん量りょうについて木造もくぞう建築けんちくの場合ばあいでさえ6割わりも差さし引ひきますが、ウクライナではこのような差さし引ひきはありません。そのうえ（環境省かんきょうしょうは）「内部ないぶ被曝ひばくは無視むしできる」とまで語かたっています。 また、日本にっぽんでは数値すうちが低ひくくなる地上ちじょう1mの高たかさで測定そくていしていますが、ヨーロッパでは汚染おせんされた地面じめんに線量せんりょう計けいを近ちかづけ、地表ちひょう1cmの高たかさで測定そくていすることになっています。ですから、環境省かんきょうしょう式しきの年間ねんかん追加ついか被曝ひばく線量せんりょう1mSvは、ウクライナやベラルーシなら5mSv相当そうとうほどになりますよ。あちらでは、原発げんぱつ事故じこから2週間しゅうかん後ごの1986年ねん5月がつ10日とおか時点じてんを基準きじゅん値ちにして第だい1から第だい4までゾーン分わけをしており、1mSv以上いじょうが測定そくていされた地域ちいきの人々ひとびとには移住いじゅうのために経済けいざい補償ほしょうがなされるのに、日本にっぽんでは7年ねんが過すぎてもまだ年間ねんかん 100 mSvまでは“住すめる”と言いっていることになります。 福島ふくしま原発げんぱつ事故じこの放射線ほうしゃせん放出ほうしゅつ量りょうは、最初さいしょの150 時じ間あいだだけでも31の放射ほうしゃ性せい核種かくしゅ・同位どうい体たいで約やく1138京きょうベクレル。その中なかには、キセノンの次つぎに多おおく出でたはずのクリプトン-85（85Kr）も、ウランもトリチウムも含ふくめていませんので、CTBTO（包括ほうかつ的てき核かく拡散かくさん禁止きんし条約じょうやく機構きこう）のデータを元もとにした各国かっこくの研究けんきゅう機関きかんの見積みつもりからしても、実際じっさいには少すくなくともチェルノブイリの放出ほうしゅつ総量そうりょうの2倍ばいには達たっしているのではないでしょうか。 （略りゃく） 阿部あべ憲一けんいち 福島ふくしま県けん広野こうの町議会ちょうぎかい議員ぎいん。福島ふくしま県けんいわき市し在住ざいじゅう。反はん原発げんぱつ、放射線ほうしゃせん被爆ひばく問題もんだいを訴うったえ続つづける。現在げんざい、日本にっぽん放射線ほうしゃせんリスク委員いいん会かい（仮かり）設立せつりつ準備じゅんび中ちゅう。 https://www.facebook.com/abe.ken.0608/ 全文ぜんぶんは【原発げんぱつ】福島ふくしまの政治せいじ家かがついに決死けっしの大だい暴露ばくろ！ 「政府せいふは現実げんじつをことごとく隠かくす」「復興ふっこうは原発げんぱつセールスのため」「動植物どうしょくぶつの奇形きけいも増加ぞうか」（インタビュー）

麻生あそう太郎たろう財務ざいむ相しょうと吉野よしの正芳まさよし復興ふっこう相しょうは１８日にち、２０１８年度ねんど予算よさん案あんの閣僚かくりょう折衝せっしょうで、東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしま第だい１原発げんぱつ事故じこに伴ともなう風評ふうひょう被害ひがい対策たいさくとして、新聞しんぶんやテレビ、インターネットを活用かつようした情報じょうほう発信はっしんの強化きょうかに３億おく３３２０万まん円えんを計上けいじょうすることで合意ごういした。差別さべつや偏見へんけんの原因げんいんとなっている放射能ほうしゃのうを正ただしく理解りかいしてもらう「リスクコミュニケーション」を推進すいしんする。 吉野よしの復興ふっこう相しょうは折衝せっしょう後ご、記者きしゃ団だんに「科学かがく的てき根拠こんきょに基もとづかない風評ふうひょうの払拭ふっしょく（ふっしょく）、いわれのない偏見へんけんや差別さべつの解消かいしょうが必要ひつよう」と強調きょうちょう。関係かんけい府ふ省しょうと連携れんけいし、食品しょくひんの安全あんぜん性せいや復興ふっこう状じょう況きょうをめぐる情報じょうほう発信はっしんにも努つとめる方針ほうしんを示しめした。 全文ぜんぶんは　情報じょうほう発信はっしん強化きょうかに３億おく円えん＝原発げんぱつ事故じこの風評ふうひょう対策たいさく－財務ざいむ、復興ふっこう両りょう相そう

福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつ事故じこが起おきてから、東京電力とうきょうでんりょくの記者きしゃ会見かいけんに出席しゅっせきを続つづけているお笑わらい芸人げいにんコンビ「おしどり」のマコさんとケンさんの講演こうえん会かいが二に十じゅう二に日にち、八王子はちおうじ市し東町ひがしまちの市し生涯しょうがい学習がくしゅうセンタークリエイトホールである。 　子こどもたちを内部ないぶ被ひばくから守まもるため食品しょくひんや土壌どじょうの測定そくてい活動かつどうをしているボランティア団体だんたい「八王子はちおうじ市民しみん放射能ほうしゃのう測定そくてい室しつ　ハカルワカル広場ひろば」の主催しゅさい。「自分じぶんで調しらべて、自分じぶんで考かんがえる、自分じぶんで判断はんだんする」をモットーに活動かつどうする「おしどり」に共感きょうかんし、事故じこについて語かたってもらう講演こうえん会かいを企画きかくした。 　ハカルワカル広場ひろばは二に〇一いち二に年ねんの発足ほっそくから五ご周年しゅうねん。「放射能ほうしゃのうの危険きけん性せいを客観きゃっかん的てきな事実じじつを通とおして伝つたえる」と、測定そくてい結果けっかをホームページなどで公表こうひょうしている。 （略りゃく） 開演かいえんは午後ごご二に時じで、同どう四よん時じ終了しゅうりょう予定よてい。予約よやくが必要ひつようで入場にゅうじょう料りょうは千せん円えん、大学生だいがくせい以下いかは無料むりょう。問とい合あわせ、申もうし込こみはハカルワカル広場ひろば＝電でん０４２（６８６）０８２０＝へ。　（萩原はぎはら誠まこと） 全文ぜんぶんは福島ふくしま原発げんぱつ事故じこの真実しんじつ　「おしどり」コンビが講演こうえん会かい

９月くがつ２日にち、日経新聞にっけいしんぶんは、日立製作所ひたちせいさくしょが英国えいこくで建設けんせつする原発げんぱつの建設けんせつ資金しきん（銀行ぎんこう融資ゆうし）を、日本にっぽん貿易ぼうえき保険ほけんが全額ぜんがく補償ほしょうする旨むねを報道ほうどうした（「政府せいふ、原発げんぱつ融資ゆうしを全額ぜんがく補償ほしょう　まず英えいの２基き　貿易ぼうえき保険ほけんで邦銀ほうぎんに」）。そんなことがあり得えるのか。事実じじつ関係かんけいを追おった。 原発げんぱつ輸出ゆしゅつリスクを政府せいふが丸抱まるがかえか？ （略りゃく） もし、今回こんかいの報道ほうどうが本当ほんとうなら、日立ひたちが東芝とうしばの二にの舞まいとなりえるリスクを国民こくみんが丸抱まるがかえして、原発げんぱつ輸出ゆしゅつを促進そくしんするという話はなしである。日本にっぽん貿易ぼうえき保険ほけんは政府せいふが全額ぜんがくを出資しゅっし（約やく1694億おく円えん）、つまり、国民こくみんの税金ぜいきんで成なり立たっている会社かいしゃである。 　にもかかわらず、誰だれが日本にっぽん貿易ぼうえき保険ほけんによる全額ぜんがく補償ほしょうを判断はんだんしえるというのか。 　貿易ぼうえき保険ほけん法ほうを見みると第だい２３条じょうに、日本にっぽん貿易ぼうえき保険ほけんは、保険ほけんの「引受ひきうけ条件じょうけん」を経けい産さん大臣だいじんに届とどけ出でなければならず、大臣だいじんは「引受ひきうけ条件じょうけん」の変更へんこうを命めいずる権限けんげんを持もつことが書かかれている。今回こんかいの報道ほうどうが本当ほんとうなら、世よ耕こう大臣だいじんがこんな条件じょうけんを認みとめたことになる。 日にち英えい覚書おぼえがきは日立ひたちと東芝とうしばの原発げんぱつ事業じぎょうに言及げんきゅう 　調しらべ始はじめると、この話はなしには、その前段ぜんだんとなる動うごきがあった。 　２０１６年ねん１１月がつに、日本にっぽんの外務省がいむしょう（川崎かわさき方かた啓けい・軍縮ぐんしゅく不ふ拡散かくさん・科学かがく部ぶ審議しんぎ官かん）と英国えいこく外務省がいむしょうのロビン・グライムス首席しゅせき科学かがく顧問こもんの間あいだで、日にち英えい原子力げんしりょく年次ねんじ対話たいわが行おこなわれた。 　１２月じゅうにがつ２２日にちの覚書おぼえがきは、その内容ないようをさらに進すすめ、世よ耕こう経けい産さん大臣だいじんと英国えいこくのグレッグ・クラーク・ビジネス・エネルギー・産業さんぎょう戦略せんりゃく担当たんとう国務大臣こくむだいじんとの間あいだで結むすばれていた。安倍あべ内閣ないかく全体ぜんたいで推おし進すすめているのだ。 　覚書おぼえがきが結むすばれた１２月じゅうにがつ２２日にち当日とうじつにも、日経にっけいは「日にち英えい、原発げんぱつ建設けんせつ協力きょうりょくで覚書おぼえがき　日立ひたち・東芝とうしばの案件あんけん対象たいしょう」と報道ほうどう。そこには「覚書おぼえがきでは、日立ひたち傘下さんかのホライズン・ニュークリア・パワーが英えい中部ちゅうぶウィルファで、東芝とうしば傘下さんかのニュージェネレーション（ニュージェン）が英えい中部ちゅうぶムーアサイドでそれぞれ計画けいかくする原発げんぱつについて言及げんきゅう」と具体ぐたい的てきだった。 　覚書おぼえがきを探さがすと、英語えいご版ばんしか見当みあたらないが、確たしかに事業じぎょう名めいが２ふたつ並ならんでいた。 「the Horizon project at Wylfa in Angelesey」とは、日立製作所ひたちせいさくしょの子会社こがいしゃホライズン・ニュークリア・パワーが今年ことし４月がつにアングルシー島とうのウィルファでの新規しんき原発げんぱつの設置せっち許可きょかを申請しんせいした事業じぎょうだ。また、「the Nugen project at Moorside in Cumbria」とは、東芝とうしばが子会社こがいしゃ化かした（The Guardian)ニュージェンが進すすめようとしていたカンブリアでのムーアサイド原発げんぱつのことのようだ。 しかし、覚書おぼえがきのどこにも１２月じゅうにがつの記事きじにあるような「日本にっぽん政府せいふはまず、国際こくさい協力きょうりょく銀行ぎんこう（ＪＢＩＣ）や日本にっぽん政策せいさく投資とうし銀行ぎんこうを活用かつようしたホライズンへの投融資とうゆうしの検討けんとう作業さぎょうを英国えいこく側がわと進すすめる」ことは書かかれていなかった。 （略りゃく） しかし、実じつは、昨年さくねん１２月がつ段階だんかいで記事きじにしていたのは、日経にっけいだけではなかった。J-CASTニュースも、「経けい産さん省しょうがのめり込こむ　英国えいこくへの「お土産みやげ付づけ」原発げんぱつ輸出ゆしゅつ」と記事きじ化かしていた。その背景はいけいもより詳くわしく報ほうじていた。「火ひのない所ところに煙けむりは立たたぬ」レベルの話はなしではないか。 情報じょうほう公開こうかいや参加さんかなく、リスクだけ国民こくみんの税金ぜいきんで丸抱まるがかえか？ 　安倍あべ首相しゅしょうは７月がつには日にち印しるし原子力げんしりょく協定きょうていを結むすび、９月くがつ１３～１５日にちのインド訪問ほうもんでも、原子力げんしりょく分野ぶんやでの「二に国こく間あいだ協力きょうりょくを強化きょうかする」との文言もんごんを共同きょうどう声明せいめいに盛もり込こんだ。 原発げんぱつ輸出ゆしゅつを巡めぐって、他国たこくとの「共同きょうどう声明せいめい」や「覚書おぼえがき」が取とり交かわされ、水面すいめん下かでなんらかの「検討けんとう」が行おこなわれている気配けはいだけが報道ほうどうでリークされることになるのか。そんな状態じょうたいで、原発げんぱつ輸出ゆしゅつリスクだけを国民こくみんの税金ぜいきんで丸抱まるがかえすることが許ゆるされると思おもっているなら、あまりにも国民こくみんをバカにした話はなしである。 全文ぜんぶんは国民こくみんの税金ぜいきんによる「原発げんぱつ輸出ゆしゅつリスク」の丸抱まるがかえは許ゆるされない

(抜粋ばっすい） 基本きほん計画けいかくめぐる論点ろんてん    今回こんかい、8月がつ9日にちの同どう分科ぶんか会かいを報ほうじた10日とおか付づけの各紙かくし朝刊ちょうかんは書がきぶりが分わかれた。日経にっけいの本ほん記き記事きじの前文ぜんぶんは「再生さいせい可能かのうエネルギーについて国民こくみん負担ふたんを軽減けいげんする観点かんてんから制度せいど改革かいかくを求もとめる意見いけんが専門せんもん家かから相次あいついだほか、原発げんぱつの早期そうき再さい稼働かどうや新規しんき増設ぞうせつの検討けんとうを求もとめる声こえがあがった」と淡々たんたんと書かいたが、産経さんけい、朝日あさひはともに、原発げんぱつ新しん増設ぞうせつの「声こえがあがった」「意見いけんが相次あいついだ」と書かいた上うえで、産経さんけいは「経けい産さん省しょうは原発げんぱつの再さい稼働かどうを優先ゆうせんし、新しん増設ぞうせつの議論ぎろんには慎重しんちょうな姿勢しせいだ」と及および腰ごしの政府せいふに批判ひはん的てきトーン。    逆ぎゃくに朝日あさひは「（新しん増設ぞうせつの）新しん計画けいかくへの明記めいきに慎重しんちょうな構かまえだ」と、政府せいふの「逃にげ腰ごし」を応援おうえんする書がきぶり。また、毎日まいにちは「委員いいんからは原発げんぱつ政策せいさくなどの再さい検討けんとうを求もとめる声こえが相次あいついだ」と、新しん増設ぞうせつより原発げんぱつ見直みなおしの声こえを前面ぜんめんに出だした。    計画けいかくをめぐる論点ろんてんは明あきらかだ。まず原発げんぱつと再生さいせい可能かのうエネルギー。政府せいふは現行げんこう計画けいかくで、2030年度ねんどの電源でんげん構成こうせいを、原発げんぱつ20～22％、再生さいせい可能かのうエネ22～24％としている。しかし、現状げんじょうは原発げんぱつがわずか2％、再生さいせい可能かのうエネも15％にとどまる。    原発げんぱつについては、2030年ねん目標もくひょう達成たっせいには、全国ぜんこく42基きの原発げんぱつ（廃はい炉ろが決きまったものを除のぞく）のうち、現在げんざい5基きにとどまる再さい稼働かどうを30基き程度ていどに増ふやす必要ひつようがある。しかし、そのためには原則げんそく40年ねんの運転うんてん期間きかんの延長えんちょうが必要ひつよう。さらに最長さいちょう60年ねんにフルに延長えんちょうしても、いずれは期限きげんがくるから、長期ちょうき的てきに新しん増設ぞうせつが避さけられないことになる。 再生さいせい可能かのうエネルギーも問題もんだい山積さんせき    一方いっぽう、再生さいせい可能かのうエネも、太陽光たいようこう発電はつでん偏重へんちょうや高たかすぎる電気でんき料金りょうきん、送電そうでん線せん不足ふそくによる受うけ入いれの限界げんかいなど問題もんだい山積さんせきで、どう国民こくみん負担ふたんを抑制よくせいしながら普及ふきゅうを促進そくしんするかが大おおきな課題かだいだ。 （略りゃく）  脱だつ原発げんぱつの朝日あさひ（8月がつ13日にち）は「今いまの計画けいかくは、国民こくみんの多おおくが再さい稼働かどうに反対はんたいする原発げんぱつを基幹きかん電源でんげんとするなど、疑問ぎもんが多おおい」と指摘してきしたうえで、現行げんこう計画けいかくが「原発げんぱつ依存いぞん度どを可能かのうな限かぎり低減ていげんする」との表現ひょうげんを盛もり込こんでいることを指摘してきし、「次つぎの基本きほん計画けいかくでは、原発げんぱつを基幹きかん電源でんげんとするのをやめるべきだ。（略りゃく）そして、どんな取とり組くみが必要ひつようかを検討けんとうし、行程こうていを具体ぐたい的てきに示しめさねばならない」と求もとめている。    同様どうように脱だつ原発げんぱつの毎日まいにち（同どう）も、「エネルギー改革かいかくへの関心かんしんが低ひくく、旧来きゅうらい通どおりの原発げんぱつ依存いぞんから脱だっする気きがない」と、安倍あべ政権せいけんのエネルギー政策せいさくをバッサリ切きり、小幅こはば改訂かいてい・従来じゅうらい路線ろせん踏襲とうしゅうの方針ほうしんに「それが意味いみするのは、原発げんぱつ新しん増設ぞうせつには触ふれないまま、運転うんてん40年ねんを超こえる老朽ろうきゅう原発げんぱつも含ふくめた原発げんぱつ再さい稼働かどうをめいっぱい進すすめることだろう。それは、依存いぞん度ど低下ていかにも、安全あんぜん性せい向上こうじょうにも反はんする」と指摘してき。「世界せかいの情勢じょうせいを見みれば、安全あんぜん対策たいさくでコストが膨ふくらみ続つづけている原発げんぱつとは逆ぎゃくに、再生さいせいエネはコストが下さがり続つづけている」と、抜本ばっぽん的てきな方向ほうこう転換てんかんを迫せまっている。 原発げんぱつの本格ほんかく議論ぎろんを避さけ、石炭せきたん火力かりょく規制きせいで環境かんきょう配慮はいりょをアピール    これに対たいし、原発げんぱつ維持いじ・推進すいしんの3紙しのうち、日経にっけい（10日とおか）は「重要じゅうようなのは30年ねん時点じてんの目標もくひょうを達成たっせいするだけではない。その先さきをにらみ、エネルギーを安定あんてい的てきに使つかい続つづける長期ちょうきの視点してんを欠かいてはならない」と、長期ちょうき的てき視点してんが重要じゅうようとの立場たちばから、「基幹きかん電源でんげんとして使つかい続つづけるならどこかで新しん増設ぞうせつを考かんがえなければならない。30年ねん以降いこうを意識いしきした議論ぎろんを今いまから始はじめるべきではないか」と主張しゅちょう。産経さんけい（28日にち）も「中期ちゅうき的てきに原発げんぱつ比率ひりつを2割わり台だいとする現行げんこう計画けいかくを維持いじし、着実ちゃくじつに推進すいしんすることが肝要かんようだ」としつつ、「将来しょうらいの電源でんげん確保かくほをにらみ、原発げんぱつの新しん増設ぞうせつを明確めいかくに盛もり込こむことも欠かかせない」と訴うったえる。新しん増設ぞうせつの議論ぎろんを避さけようとする政府せいふに対たいし、原発げんぱつ推進すいしんの立場たちばから、新しん増設ぞうせつを堂々どうどうと取とり上あげて論ろんじるよう、厳きびしく注文ちゅうもんをつけた形かたちだ。    これに対たいし、同おなじ原発げんぱつ推進すいしんでも、読売よみうり（26日にち）は石炭せきたん火力かりょくを中心ちゅうしんに論ろんじ、他紙たしとの違ちがいを見みせた。その趣旨しゅしは「『脱だつ石炭せきたん』の世界せかい的てきな流ながれに沿そい、日本にっぽんも石炭せきたん火力かりょくへの過度かどな依存いぞんを避さけるため、知恵ちえを絞しぼることが求もとめられる」というもので、石炭せきたん火力かりょくに厳きびしい態度たいどをとってきた環境省かんきょうしょうに、経けい産さん省しょうも歩調ほちょうを合あわせてきていることを評価ひょうかしている。原発げんぱつには最後さいごに、「エネルギー安全あんぜん保障ほしょう上じょう、原発げんぱつの利用りようは欠かかせない。（略りゃく）原発げんぱつを基幹きかん電源でんげんとして活用かつようするなら、再さい稼働かどうへの取とり組くみを強化きょうかすべきだ」と、簡単かんたんに触ふれただけ。原発げんぱつの本格ほんかく議論ぎろんを避さけ、石炭せきたん火力かりょく規制きせいで環境かんきょう配慮はいりょをアピールしたいのが安倍晋三あべしんぞう政権せいけんの本音ほんねとみられるだけに、政権せいけんへの読売よみうりの「忖度そんたく度ど」の高たかさを際立きわだたせた形かたちだ。 全文ぜんぶんは読売よみうりの「政権せいけんへの忖度そんたく」度どが際立きわだつ　原発げんぱつ・石炭せきたんにみる論調ろんちょう