トルコからた、ロシアのウクライナ侵攻しんこうかく戦略せんりゃく via Note

わたしは、Peace Boat やJANIC,CWSといったNGOと一緒いっしょ福島ふくしまのことを世界せかいかたぐプロジェクトに参加さんかし、中東ちゅうとう地区ちく担当たんとうしています。2019ねんにはトルコのシノップの原発げんぱつ反対はんたいする人達ひとたち交流こうりゅうをさせてもらいました。そのときかんじたのは、トルコのまさに隣国りんごくにあるチェルノブイリでだい事故じこ発生はっせいし、いまだにトルコのひとたちは、チェルノブイリの悲劇ひげきわすれていませんでした。今回こんかいのロシアによるウクライナの侵攻しんこうとチェルノブイリ原発げんぱつ占領せんりょう、そしてザポリージュジャ原子力げんしりょく発電はつでんしょへの攻撃こうげき一体いったいなにころうとしているのか、トルコのジャーナリストでわたしたちの協力きょうりょくしゃでもあるプナールさんが寄稿きこうされた記事きじ翻訳ほんやくしました。

戦争せんそうまえから以降いこうにわたるロスアトムの問題もんだいめられたロシアの原子力げんしりょく産業さんぎょう影響えいきょう
原文げんぶんこちら

編集へんしゅうしゃちゅう本稿ほんこうにて、プナール・デミルジャンは現在げんざいのロシアのウクライナ占領せんりょう資本しほん主義しゅぎまりの象徴しょうちょうとして分析ぶんせきしている。著者ちょしゃ外国がいこくへの依存いぞんがロシアの巨大きょだい国営こくえい原子力げんしりょく企業きぎょうであるロスアトムしゃさえも侵略しんりゃくてきであると同時どうじ脆弱ぜいじゃくにさせており、原子力げんしりょくエネルギーの観点かんてんからみると、彼女かのじょ自身じしんくにであるトルコをふくほか地域ちいきでも、同様どうようのことがこりると指摘してきしています。

プナール・デミルジャン

[…]

過去かこ経験けいけん参照さんしょうすれば、戦争せんそうにおけるエネルギー資源しげん役割やくわりけっして過小かしょう評価ひょうかできないことがわかります。よくられているように、だいいち世界せかい大戦たいせん終結しゅうけつあいだもなく、人口じんこう成長せいちょうささえる産業さんぎょう発展はってんのため天然てんねん資源しげん需要じゅよう増加ぞうかし、それが発展はってんよそおっただい戦争せんそう支持しじする傾向けいこう拍車はくしゃをかけることとなりました。

つづいて、冷戦れいせん時代じだいには、資源しげんへの依存いぞんふかまりと国際こくさいが、こういったことがこる可能かのうせいをさらにつよめた。残念ざんねんながら、このような侵略しんりゃく状態じょうたいは、シリアで目撃もくげきされたように様々さまざまかたち正当せいとうされている。再生さいせい可能かのうエネルギーとしてられる太陽光たいようこう風力ふうりょくは、資本しほん主義しゅぎしゃ占有せんゆうによる継続けいぞくてきかさねのゴールにはならないとえるかもしれません。再生さいせい可能かのうエネルギー資源しげん依存いぞんまず、戦争せんそうがねにはなりにくく、人道的じんどうてき蓄積ちくせきにもつながりにくいのです。

チェルノブイリの放射線ほうしゃせんりょう上昇じょうしょう背後はいごにある疑問ぎもん

最近さいきんのウクライナ侵攻しんこうについてわたしうえべたようなことをかんがえたのは、包囲ほういはチェルノブイリからはじまり、声明せいめいはドネツクとルハンスクというおやロシアの分離ぶんり主義しゅぎ勢力せいりょく多数たすうめる2地域ちいきについてれられ、敵意てきいあるメッセージがつづいています。ロシアのプーチン大統領だいとうりょうきゅうソ連それん遺産いさんまもろうと決意けついしたようにもえます。

チェルノブイリの軍事ぐんじ占領せんりょうで、攻囲こういしたプラントの放射線ほうしゃせんレベルが20〜30ばい増加ぞうかしたとかんがえられて世間せけん注目ちゅうもくあつめました。さらに興味深きょうみぶかいことに、この増加ぞうかは、施設しせつエリアに軍用ぐんよう車両しゃりょう侵入しんにゅうし、表層ひょうそう土壌どじょう存在そんざいする放射ほうしゃせいダストのくもげたために発生はっせいしたとべられています。

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かびがってきたもう1つの重要じゅうよう問題もんだいは、フィールドない放射線ほうしゃせんひろがりを測定そくていするために使用しようされていた測定そくていモニターが、うごかなくなったことです。チェルノブイリ施設しせつでロシアぐんとウクライナへいあいだ戦闘せんとうがあり、チェルノブイリ施設しせつ管理かんりがロシアぐんわったからでしょうか?石棺せっかんおおわれているチェルノブイリのサイトのだい4原子げんしのプールにある21,000ほん燃料ねんりょうぼうくわえて、それ以外いがい施設しせつサイトでのあたらしく使用しようされたかく廃棄はいきぶつのために、建設けんせつされてひらかれたかく廃棄はいきぶつ倉庫そうこに4,000立方りっぽうメートルのこうレベルかく廃棄はいきぶつがあります。

さらに、これらの施設しせつ技術ぎじゅつかんがロシアの指揮しき統制とうせい強制きょうせいてきかれたことは、ロシアぐんにとってリスクではなかったのでしょうか。占領せんりょうのロシアがわにはかく専門せんもん科学かがくしゃがいましたか?一部いちぶ政治せいじ学者がくしゃ専門せんもんは、チェルノブイリがキエフへの最短さいたんみちであり、したがって、施設しせつは「途中とちゅう」だったためにかこまれていたといます。しかし、施設しせつ押収おうしゅうには、よりふかかんがえる必要ひつようがあります。それがこの記事きじ内容ないようであり、原子力げんしりょくエネルギーの全体ぜんたいぞうしめ視点してんです。

強奪ごうだつによる蓄積ちくせき資本しほん主義しゅぎ本質ほんしつであり、すべての不平等ふびょうどうささえているため、今日きょうのウクライナでこっていることは、原子力げんしりょく文脈ぶんみゃくでこの侵害しんがい/没収ぼっしゅう慣行かんこう注意深ちゅういぶか観察かんさつすることをわたしたちにしめしている可能かのうせいがあります。つぎに、全体ぜんたいぞう確認かくにんできるように、不足ふそくしている部分ぶぶんめましょう。かく廃棄はいきぶつは「貴重きちょう」です

原子力げんしりょくエネルギーの生産せいさんは、その燃料ねんりょうサイクルと一緒いっしょ検討けんとうする必要ひつようがあります。いいかえれば、原子力げんしりょく発電はつでんは、かく燃料ねんりょう必要ひつようとされる施設しせつでのたんなる運転うんてんではありません。ウラン鉱石こうせき処理しょりしてられた燃料ねんりょうは、使用しよう、20〜30年間ねんかん冷却れいきゃくしたのち放射ほうしゃせい廃棄はいきぶつになります。ウクライナのようにそのままの状態じょうたい保管ほかんされるか、世界中せかいじゅうかぎられたかず施設しせつ(フランス、イギリス、ロシア、アメリカ、インド、日本にっぽん)のどこかで保管ほかんされ、さい処理しょりされます。最後さいごに、世界せかいにはまだ完全かんぜん機能きのうするれいはありませんが、それは最終さいしゅう処理しょりじょうです。ロシアは放射ほうしゃせい廃棄はいきぶつ処理しょり燃料ねんりょう補給ほきゅうにおいて先導せんどうしているとえます。

実際じっさい世界中せかいじゅうおおくのくにとの合意ごうい枠組わくぐみのなかで、ロシアはかく廃棄はいきぶつからの再生さいせいかく燃料ねんりょうプロセスのリーダーでもあります。これは、そのような再生さいせいかく燃料ねんりょうが、ロシアで製造せいぞうされた原子げんし使用しようされるウラン燃料ねんりょう比較ひかくして、事故じこ漏出ろうしゅつ場合ばあいにはるかにおおきな生態せいたいがくてき破壊はかいこす可能かのうせいがあることを考慮こうりょする必要ひつようがあります。したがって、VVER1000およびVVER1200がた原子げんしのRosatom施設しせつと、ロシア、中国ちゅうごく、インド、ハンガリー、イラン、トルコ、フィンランド、およびエジプトで進行しんこうちゅうのプロジェクトは、このような再生さいせいかく燃料ねんりょう潜在せんざいてき顧客こきゃくです。

ロシアはウクライナとかく廃棄はいきぶつリサイクル協定きょうていむすんでいました。このめによれば、ウクライナは、国内こくない稼働かどうしている15原子げんしからの廃棄はいきぶつを、毎年まいとし2おくドルの費用ひようでロシアにおくることになります。しかし、2005ねん、ウクライナの当時とうじのエネルギー大臣だいじんであるYuriy Nedashkovskyは、ロシアとの以前いぜん取引とりひき反故ほごにし、米国べいこく本拠ほんきょ企業きぎょうHoltecと、チェルノブイリ発電はつでんしょ敷地しきちないに2おく5000まんドルで100ねん保護ほご約束やくそくする貯蔵ちょぞう施設しせつ設立せつりつするというあらたな合意ごうい締結ていけつしました。最大さいだい100年間ねんかん保護ほご提供ていきょうすることを約束やくそくした米国べいこく本拠ほんきょくDevelopmentFinance Corporation(DFC)の資金しきん融資ゆうし支援しえんけてHoltecによって建設けんせつされた乾式かんしき貯蔵ちょぞう施設しせつは、2021ねん11月6にちに16ねんかけたトライアルテストみで稼働かどうすることになりました。

現在げんざいチェルノブイリには4,000立方りっぽうメートルのかく廃棄はいきぶつがありますが、この倉庫そうこ現在げんざい、ウクライナのエネルギー需要じゅようの51%をす15原子げんしからのかく廃棄はいきぶつ保管ほかんする重要じゅうよう施設しせつです。このように、ウクライナはかく廃棄はいきぶつ除去じょきょのためにロシアに毎年まいとし2おくドルを支払しはらうことをまぬかれ、あたらしい協定きょうていしたで2おく5000まんドルの一時いちじてき費用ひよう負担ふたんするだけでみました。いいかえれば、米国べいこく企業きぎょうによるこの倉庫そうこ建設けんせつにより、ロシアはかく燃料ねんりょう生産せいさんのためのかく廃棄はいきぶつ供給きょうきゅう年間ねんかん2おくドルの収入しゅうにゅう両方りょうほううしなっていました。さらに、1991ねんから操業そうぎょうしているロシアはつかく燃料ねんりょう会社かいしゃTVELは、かく廃棄はいきぶつから燃料ねんりょう生産せいさんするためにすうおくドルを投資とうしし、モスクワにあたらしい施設しせつげました。

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実際じっさい、これはロシアが必要ひつようとする燃料ねんりょう供給きょうきゅう半分はんぶんしかたすことができないため、ロシアは今後こんご、さらに6つのウラン鉱山こうざん開設かいせつする準備じゅんびをしています。

オーストラリアとの関係かんけい悪化あっかでウラン入手にゅうしゅ苦労くろうするロシア

ロシアが現在げんざいかく燃料ねんりょう生産せいさんのボトルネックに直面ちょくめんしているもう1つの理由りゆうは、2014ねん以降いこう、オーストラリアは、ロシアによるグルジア(2008ねん)とウクライナ(クリミア危機きき)への措置そちとしてウランの輸出ゆしゅつ停止ていししたことです。実際じっさい議会ぎかいおこなわれた公式こうしき声明せいめいなかで、オーストラリアの首相しゅしょうは、「オーストラリアは、国際こくさいほう公然こうぜん違反いはんしているロシアのようなくににウランを販売はんばいする意図いといまのところない」と主張しゅちょうしました。このうごきはまた、ロシアが原子力げんしりょく発電はつでんしょ必要ひつようかく燃料ねんりょう供給きょうきゅうたいする暗黙あんもく国際こくさい禁輸きんゆにさらされているというわたしたちの評価ひょうか裏付うらづけています。ウクライナは、燃料ねんりょう供給きょうきゅう廃棄はいきぶつをロシアに依存いぞんしていました。実際じっさい、15原子げんし依存いぞんわらせるために、2026ねんまでに国境こっきょうないでのウラン生産せいさんやすことを決定けっていし、そのために米国べいこくはウェスティングハウスをつうじて3おく3500まんドルの合意ごういむすんでいます。あきらかに2015ねんまでウクライナはそのかくサービスとかく燃料ねんりょうのほとんどをロシアからていたとえますが、ウェスティングハウスから燃料ねんりょう購入こうにゅうすることによってその依存いぞん徐々じょじょらしました。

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この記事きじわりに、原子力げんしりょく発電はつでんしょ所有しょゆうすることによって、くに必然ひつぜんてきつよ政治せいじ権力けんりょく獲得かくとくすることができると主張しゅちょうする人々ひとびとについてもかんがえてみましょう。ウクライナが15原子げんしと4000トンの放射ほうしゃせい廃棄はいきぶつつことは「原子力げんしりょく発電はつでん」とわるかどうかは、現時点げんじてんわれるべき重要じゅうよう問題もんだいです。帝国ていこく主義しゅぎ国家こっか支配しはいする技術ぎじゅつ市場いちば歩兵ほへいではなく、外国がいこく依存いぞんする技術ぎじゅつ使用しようするわりに、自然しぜん両立りょうりつし、生態せいたいがくてき権利けんり破壊はかいせず、技術ぎじゅつ依存いぞん創造そうぞうしないエネルギー生成せいせい手段しゅだんこのほうがはるかにいです。そのようなエネルギーは、企業きぎょうにサービスを提供ていきょうしなければならない国家こっか適切てきせつ動機どうきたすための複雑ふくざつなプロセスをたないためです。それが唯一ゆいいつ解決かいけつさくとしてあきらかに浮上ふじょうしているのではないでしょうか?

ウクライナの侵略しんりゃくは、くに教訓きょうくんまなび、原子力げんしりょくエネルギーを放棄ほうきする機会きかいとして役立やくだつはずです。世界せかいは、原子力げんしりょくエネルギーが気候きこう危機きき文脈ぶんみゃくでグリーンソリューションとして免税めんぜい対象たいしょうなされるべきかどうかを議論ぎろんしていますが、原子力げんしりょくオプションは、電力でんりょく非対称ひたいしょうせい根付ねついた紛争ふんそう永続えいぞくさせるため、本質ほんしつてき世界せかい平和へいわそこなうことを考慮こうりょれる必要ひつようがあります資本しほん主義しゅぎシステムで[す]。

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