Tag Archives: 日米にちべい原子力げんしりょく協定きょうてい

(抜粋ばっすい） 20年ねんもの足踏あしぶみを経へて 今いまや人材じんざいと技術ぎじゅつの墓場はかば トイレのないマンションと揶揄やゆされた原発げんぱつの弱点じゃくてんを、克服こくふくする切きり札ふだが高速こうそく増殖ぞうしょく炉ろだった。原発げんぱつで燃もえ残のこったウランやプルトニウムを燃料ねんりょうに炉ろを炊たき、 消費しょうひした以上いじょうのプルトニウムを生うみ出だす高速こうそく増殖ぞうしょく炉ろ。魔法まほうのような技術ぎじゅつが実用じつよう化かされれば「核かくのゴミ問題もんだい」は乗のり越こえられる、とされてきた。 兆ちょう円えん単位たんいの税金ぜいきんを惜おしみなく投とうじて完成かんせいしたものの、試運転しうんてん中ちゅうにナトリウム漏もれの事故じこが起おきた。それが1995年ねん、以来いらい20年間ねんかんほぼ止とまったまま。2006年ねんに運転うんてん再開さいかいしたものの炉ろの重要じゅうよう部ぶにクレーンが落おち、取とり出だすこともままならない醜態しゅうたいを演えんじた。 日本にっぽん原研げんけんが信用しんようを失うしなったのはナトリウム漏もれの火災かさいを起おこした時とき、事実じじつを隠かくし、嘘うその報告ほうこくをしたためことだった。クレーンの落下らっか事故じこのあとも、検査けんさ・補修ほしゅう体制たいせいの不備ふびがたびたび指摘してきされた。それでも改あらたまらない運営うんえい体制たいせいに規制きせい委員いいん会かいもさじを投なげた。 今いまや「もんじゅ」は人材じんざいと技術ぎじゅつの墓場はかばになっている。計画けいかくに着手ちゃくしゅしたころ「もんじゅ」は最新さいしん技術ぎじゅつだったに違ちがいない。しかし20年ねんも足踏あしぶみしていたら 技術ぎじゅつは陳腐ちんぷ化かする。そこにあるのはすでに出来上できあがった装置そうちだ。いまさら最新さいしんの技術ぎじゅつを投入とうにゅうする余地よちはほとんどない。時代遅じだいおくれのシステムをひたすらお守もりする ことに、研究けんきゅう者しゃはときめくだろうか。 装置そうちも劣化れっかする。原子げんし炉ろは配管はいかんのお化ばけのようにうねうねとパイプが走はしっている。高温こうおんの金属きんぞくナトリウムが流ながれる配管はいかんは劣化れっかする。継つぎ目めにちょっとし た不具合ふぐあいが起おこれば大だい事故じこにつながりかねない。20年ねん止とまったままの機械きかいや組織そしきがどんなものか。リスクは日々ひび増大ぞうだいし、人材じんざいが集あつまるはずもない。蘇よみがえることは まずないだろう。 （略りゃく） 平ひらたく言いえば、日本にっぽんの原子力げんしりょく開発かいはつは「アメリカの下請したうけ」である。その一方いっぽうで、隷属れいぞく的てきな関係かんけいに面従腹背めんじゅうふくはいしながら「潜在せんざい的てき核保有かくほゆう国こく」として国際こくさい社会しゃかいでしかるべき地位ちい得えたいと考かんがえる人ひとたちがいる。 外務省がいむしょうや経けい産さん省しょうの高級こうきゅう官僚かんりょうにその傾向けいこうがある。この手ての人ひとたちは「国際こくさい社会しゃかいは核保有かくほゆう国こくが優越ゆうえつ的てき地位ちいに立たっている」と考かんがえる。ＩＡＥＡはアメリカを筆ふで 頭あたまとする核保有かくほゆう国こくの権益けんえきを守まもる機関きかんで、「世界せかい平和へいわのため核かく不ふ拡散かくさんを」というお題目だいもくも裏うらを返かえせば、核保有かくほゆう国こくの既得きとく権けんを守まもる参入さんにゅう障壁しょうへきなのだ。 日本にっぽんは戦争せんそうに負まけ、核かくの保有ほゆうは許ゆるされない。しかし高たかい技術ぎじゅつ力りょくと十分じゅうぶんなプルトニウムを持もつことで、その気きになったらいつでも核保有かくほゆう国こくになれる、という地位ちいを築きずくことが日本にっぽんの国益こくえきだ、という論理ろんりである。 イスラエルは核かくを持もっているらしいが、国際こくさい的てきな非難ひなんを受うけない。核かく不ふ拡散かくさん条約じょうやくに加盟かめいしていないからＩＡＥＡの査察ささつは受うけない。アメリカといい関係かんけい だから特権とっけん的てき地位ちいを与あたえられている。日本にっぽんも同おなじだ。非核ひかく保有ほゆう国こくでありながら大量たいりょうのプルトニウムの保有ほゆうが許ゆるされている。アメリカのお許ゆるしがあるからだが、そ の根拠こんきょになっているのが「もんじゅ」の存在そんざいだ。プルトニウムは高速こうそく増殖ぞうしょく炉ろに使つかいます。核兵器かくへいきの原料げんりょうではありません、という理屈りくつだ。 （略りゃく） 「もんじゅ」は原子力げんしりょく行政ぎょうせいを回まわすのに必要ひつような“部品ぶひん”だった。とっくの昔むかしに無用むようの長物ちょうぶつになっていたのに放置ほうちされたのは、行政ぎょうせいにつじつま合あわせが必要ひつようだったから。行政ぎょうせいの不在ふざいに国民こくみんはウン兆ちょう円えんを遣つかわせられたのである。 早はやい話はなし、原発げんぱつをやめればいいのだ。そうすればプルトニウムは出でない。そんなものをため込こんで「潜在せんざい的てき核保有かくほゆう国こく」になどならなくていい。なまじプルトニウムなど持もっていると「核かくの自主じしゅ開発かいはつ」などと言いう勢力せいりょくが出でてくる。 アメリカもそれを警戒けいかいする。日本にっぽんがおとなしく子分こぶんでいるなら特権とっけんを与あたえるが、戦後せんごレジームからの脱却だっきゃくなどと言いって、対たい米べい独立どくりつ＝自主じしゅ防衛ぼうえい＝核保有かくほゆう、ということを考かんがえるなら、日本にっぽんに特権とっけんは与あたえられない。そんな風ふうに考かんがえているようだ。 （略りゃく） 福島ふくしまの事故じこから何なにを学まなんだのか。引導いんどうを渡わたされた「もんじゅ」は、日本にっぽんの原子力げんしりょく行政ぎょうせいの総崩そうくずれの発端ほったんになるかもしれない。折おりしも日米にちべい原子力げんしりょく協定きょうていが2018年ねんに30年間ねんかんの有効ゆうこう期限きげんを終おえる。延長えんちょうするか、新あらたな協定きょうていを結むすぶか、ナシにするか。そろそろ考かんがえる時期じきが来きた。 戦後せんごの日米にちべい関係かんけいを考かんがえ直なおすきっかけでもある。核かくと原子力げんしりょくは戦後せんごの日本にっぽんを考かんがえるキーワードだ。「もんじゅ」をどうするか。原子力げんしりょくと私わたしたちの付つき合あい方かたを考かんがえる糸口いとぐちはここにもある。 全文ぜんぶんは「もんじゅ」失格しっかくで原子力げんしりょく政策せいさくの総崩そうくずれが始はじまった

（抜粋ばっすい） アナウンサー : 小出こいでさん。この協定きょうていはどんな内容ないようでどんな 問題もんだい点てんがありますか？ 小出こいで氏し : 原子力げんしりょく協定きょうていだけを特別とくべつ、あの歴史れきしの流ながれから切きり離はなすというのは もちろん間違まちがいなのであって、日本にっぽんというこの国くにがサンフランシスコ講和こうわ条約じょうやくで 一応いちおう、米べい軍ぐんから解放かいほうされた時ときからの流ながれの中なかで理解りかいするべきだと思おもいます。 そして日本にっぽんには、日米にちべい安全あんぜん保障ほしょう条約じょうやくがあるわけですし 日米地位協定にちべいちいきょうていというものもあるわけですね。 そういうものの基本きほん的てきな枠組わくぐみは何なにかというと 日本にっぽんというものが米国べいこくの属国ぞっこくになっていく、そういうことなのですね。 原子力げんしりょく協定きょうていももちろんその一部いちぶをなしているわけで、米国べいこくの指導しどうの下もとというか 米国べいこくの思惑おもわくの枠組わくぐみの中なかで原子力げんしりょくをやってきた。 米国べいこくに付つき従したがっている限かぎりは一定いっていの自由じゆうを与あたえてやろう、そういう協定きょうていです。 アナウンサー :　例たとえば、核かく燃料ねんりょうサイクルですが、日本にっぽんはやめたいと思おもっても この協定きょうていがある限かぎりはやめれないでしょ? （略りゃく） 小出こいで氏し :　でも、日本にっぽんはなんとしても自力じりきで核兵器かくへいきをつくる力ちから、技術ぎじゅつ的てきな能力のうりょくを つけておきたいと思おもったわけで、その中心ちゅうしん技術ぎじゅつである再さい処理しょりということを やりたかったのです。 ところが米国べいこくとしては、やはり日本にっぽんにそれをやらせるのはまずいかもしれない と思おもってですね。日本にっぽんが再さい処理しょりに手てをつけるということに関かんしては ずいぶんと米国べいこくの中なかで随分ずいぶん反対はんたいがあったのです。 その反対はんたいを押おし切きって、1977年ねんに東海とうかいの再さい処理しょり工場こうじょうというのが 動うごき出だしたわけで、ようやく、日本にっぽんとしては、米国べいこくから了承りょうしょうを取とり付つけて 核かく燃料ねんりょうサイクルに踏ふみ込こむことが出来できたということなのです。 それをもちろん、簡単かんたんに日本にっぽんが手放てばなすことが出来できないわけですし 米国べいこくとしても日本にっぽんが指図さしずに従したがってるかぎりは、世界せかいで唯一ゆいいつなのですね 核保有かくほゆう国こく以外いがいに再さい処理しょり工場こうじょうを認みとめたというのは日本にっぽんだけなのであって 日本にっぽんが属国ぞっこくである限かぎり、認みとめておいてやろう、というそういう枠組わくぐみの中なかで 原子力げんしりょく協定きょうていがあるのです。 （略りゃく） アナウンサー : 例たとえば、アメリカの原子げんし炉ろを日本にっぽんが購入こうにゅうすることで … Continue reading →

原発げんぱつゼロを目指めざす一方いっぽう、使用しよう済ずみ燃料ねんりょうの再さい処理しょりを継続けいぞくする「革新かくしん的てきエネルギー・環境かんきょう戦略せんりゃく」を打うち出だした日本にっぽん政府せいふに対たいし、米べい政府せいふが、再さい処理しょりで得えられる核かく物質ぶっしつプルトニウムの保有ほゆう量りょうを「最少さいしょう化か」するよう要求ようきゅうしていることが３日にち、分わかった。 核兵器かくへいきに使用しようできるプルトニウムの消費しょうひのめどが立たたないまま再さい処理しょり路線ろせんを続つづければ、核かく拡散かくさん上じょうの懸念けねんが生しょうじるため、米べい側がわは、再さい処理しょりを認みとめた日米にちべい原子力げんしりょく協定きょうていの「前提ぜんていが崩くずれる」とも表明ひょうめいした。 （中略ちゅうりゃく） 日本にっぽんの核かく燃料ねんりょうサイクル政策せいさくの後うしろ盾たてである米国べいこくが、整合せいごう性せいのない新しん戦略せんりゃくの矛盾むじゅんを指摘してきした格好かっこう。 全文ぜんぶんは米べい、プルトニウム保有ほゆう最少さいしょう化か要求ようきゅう　原子力げんしりょく協定きょうていの「前提ぜんてい崩くずれる」